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バーンアウト問題とどう向き合うか

 そうして成長を重ね、目標を次々と達成していくと、時に別の問題が出てくることがあります。それは「社長自身のバーンアウト問題」です。  バーンアウト問題はすべての社長に起こるわけではありません。  ただ、金銭的にも精神的にも肉体的にもさまざまな犠牲を払って傷だらけで走りながら会社を成長させたものの、自分自身は燃え尽きてしまい、「果たしてこれが私のやりたかったことなんだろうか。こういう人生を送りたかったのだろうか」と自分の生きざまに疑問を覚える社長は一定数います。「次は年商 100億円だ!」と飽くなき向上心で戦い続ける人も、利害関係者のいないところでは「年商 100億円になったし、もういいだろう。いったん売却して、一線から退きたい」という本音をのぞかせたりします。  実際、私は世間的には大成功しているように見える有名企業の社長から自身の身の振り方に関する相談を受けることがあります。よくよく聞くと、社長を辞めたいというより、「 365日会社に向き合ってきたから、少し距離を置いて考える時間をとってみたい」という思いを吐露する人がほとんどです。「休めばいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、わずか数日間休んだところで、忘れたくても経営のことが頭に浮かぶため、「社長でない時間」を確保できないのです。  あくまで個人的な意見としては、このようなバーンアウトを起こした、あるいは起こしそうになっている社長たちが、休みたいという思いを押し殺してまで、無理に全力疾走を続けるべきだとは思いません。自分の willや原体験をあまりにも無視したり、身近な人に過剰な犠牲を押し付け続けたりするような成長は持続的ではないからです(*)。  もっとも、多くの社長は安易に辞めたりはしません。創業の経緯や、経営を志した原体験があり、それが彼らを押し動かすのです。採用した従業員や会社の看板への責任もあれば、サービス・プロダクトを使ってくれている顧客の顔も思い浮かびます。  辞めたくても辞められない。休みたくても休めない。会社のビジョンに向かっていつまでも邁進できる社長もいます。しかし、じつはそうではない社長も少なくないのです。  第 5章でも述べましたが、自分の身の振り方に悩んだら、一度、社長の立場を離れて(実際に離れることはできませんので、正確に言えば「忘れて」)、 1週間でも 2週間でも情報を遮断して、少しの間だけ自分に向き合ってみる。そんな時間を取ることがあっても良いと私は思います。社長にこそ、メリハリは必要です。*だから、私たちがベンチャーキャピタルとしてエグゼクティブコーチングをする社長には、必ずしも「何十%成長しましょう」とは言いません。どこまでを目指すかは、自分自身が決めることでしょう。

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