トラブルの対処法がこれ一冊でわかる!輸入ビジネス儲けの法則輸入で失敗しないための68の急所大須賀祐ジェトロ認定貿易アドバイザー
はじめに今この本を手に取られたあなた。
「おめでとう!」あなたは、偶然この本を手に取られたわけではない。
今日本では、年間70000冊もの本が出版されているという。
その中であなたは、この本を自らの意志で選ばれたのである。
これが必然でなくてなんであろう。
まずはこの奇跡におめでとうを言いたい。
あなたが、この本を手に取られたのは、輸入ビジネスに少なからず興味を抱いているからであろう。
すでに輸入ビジネスを始めたものの、なかなか思うように進んでいないのかもしれない。
あるいは、かなりの業績を上げていて、さらに伸ばしたいと考えているのかもしれない。
輸入ビジネスに関する本は多い。
しかしその内容は、取引手順とか、事務手続きに終始し、実際のビジネスの息吹が伝わってこないとお感じではないか。
これまで私は2冊の本を上梓している。
どれも実際的な面に力を入れて書き上げたつもりだ。
おかげさまで専門分野の本としては、高い評価をいただいている。
「これでしばらくは本を書くこともないだろう」と思っていた。
そんなある日現代書林から「輸入ビジネスの具体的な失敗例を本にしませんか?」とお誘いを受けたのである。
「失敗の本を読む人がいるのだろうか?」、また「わざわざ自分の失敗談を披露する馬鹿がいるのか?」一瞬こう思ったが、私はすぐに考え直した。
なぜか。
ここにその馬鹿がいるからである。
それだけではない。
「成功には学べないが、失敗からは学べる。
なぜなら、成功から『なぜ成功したか?』を学ぶことは難しいが、失敗から『なぜ失敗したか?』を学ぶことはできる。
そこから成功への道のりをお示しできるのではないか」こう思ったのである。
私のセミナーの受講者からも再三「先生の失敗談が聞きたい」との声をいただいているのも事実である。
幸い?に、私もいろいろな失敗を重ねてきた。
いや失敗の連続であったと言うほうが事実にあっている。
何しろ、手探りで、たった一人会津で始めたビジネスである。
周りに聞ける人はいない。
問題が起きて相談する人もいないのだ。
私は今、「インポートプレナー基礎講座」「インポートプレナー中級講座」「インポートプレナー実践講座国内編・海外編」でビジネスとしての輸入を実践トレーニングで指導している。
最先端の情報を「インポートプレナーズ通信(http://www.importpreneurs.com/mailmag.html)」というメルマガでお届けもしている。
いろいろと手痛い失敗もし、そのたびにもうダメだと思ったが、その失敗があって「今の私」がある。
その経験から、輸入ビジネスで「失敗するきも」をつかみもした。
逆に言えば、「成功へのきも」でもある。
失敗をあまり公開したくはない。
しかし輸入ビジネスで成功を目指すあなたのためである。
あえて公開することにした。
あなたが一直線に成功するために、である。
この本のエッセンスを自分のものにされれば、「失敗することが不可能な輸入ビジネス」が身につく。
実際に展開もできる。
その目的に特化して、私はこの本を書いている。
この本は、私の28年に及ぶ輸入ビジネス経験の汗とくやし涙の物語である(ちょっと苦笑いも)。
本書を活用されれば、私のような回り道をしなくてすむのだ。
熱心なあなたのことである。
あっという間にすばらしい輸入ビジネスを展開できるだろう。
そのとき、あなたの横に本書が置かれていれば私は本当に幸せに思う。
【本書の効果的な読み方】序章から▼これから輸入ビジネスに参入を考えている方は、序章から順に読んでほしい。
最後まで読み終わる頃には、あなたの頭には輸入ビジネスの基礎的な知識はもちろん、注意しなければならないポイントがインプットされている。
あとは、現実に輸入ビジネスを始めればいいだけのことだ。
なお、『輸入ビジネスの始め方・儲け方(日本実業出版刊)』、『貿易ビジネスの基本と常識(PHP研究所刊)』を併読されると、より理解が深まるはずである。
第1章から▼すでに輸入ビジネスをやっていて、ちょっとうまくいかないという方、あるいはもっと売上げを伸ばしたいという方は、第1章から読み始めてもOKだ。
現実のあなたと比べながら読み進めると、必ず問題点や改善点、注意点に思い当たるはずである。
輸入ビジネスをやっている人を見て、「この人はなぜうまくいかないのか?」と不思議に感じることがある。
よくよく観察すると、基本的なところをないがしろにしているケースが見受けられる。
そういう方は、「とにかく始めれば儲かります」といった宣伝文句に乗せられたか、何も勉強せずに輸入ビジネスを始めてしまった人の場合が多い。
「絶対簡単に儲かる」といった類の話を聞き、「そうか、買ってきて売ればいいのか」と、大量に買い付けて失敗するようなケースが少なくないのである。
あなたがそうとは言わない。
言わないが、すでに輸入ビジネスを手がけていても、序章を読んで基礎知識を再確認することをおすすめする。
そんなことわかってるという声が聞こえてきそうだが、再度あえて言っておく。
ここからスタートすれば、あなたの輸入ビジネスは回り道をせずにすむ。
失敗を事前に回避できるのである。
素晴らしいとは思わないか。
恐れるものはない。
あなたの信じる通りにビジネスを進めれば、思い描いたことが実現できるのだ。
成功したあなたと、私は握手したい。
ぜひ、笑顔一杯のあなたと握手したいのだ。
1日も早く……。
目次はじめに【本書の効果的な読み方】
序章「困る人」にならない輸入ビジネスの基本
01いったい何から始めればいいのか?
02商材を探すコツのようなものはあるのか?
03輸入ビジネスの流れはどうなっているのか?
04売れる商品を探す秘訣は?
05国内の販売チャネルを作るには?
06良いサプライヤー(メーカー、輸出業者)の条件とは?
07独占販売権を獲得する方法は?
08サンプルを無料にできないか?
09関税を安くする方法はあるのか?
10契約書でのトラブルを防ぎたいが…
11契約書はどう作るのか?
12代金決済はどうすればいいのか?
13輸送手段はどうすればいいのか?
14通関などの手続きはどうすればいいのか?
15商品の保険はどうなっているのか?
16暫定小売価格はどうやって決めるのか?
17定価はどう付ければいいのか?
18貿易条件がよく分からないが…
19輸入で問題になる規制・法律を知りたいが…
第1章解決!「サンプル、商品の品質」での困った
01「送る」と言ったサンプルをなかなか送ってこない
02トライアルオーダーの商品がサンプルより劣っていた
03サンプルとはまったく違うものが届いた
04サンプル通りの作り直しを要求したいが…
05メールだけの商談で発注した商品に問題が…
06輸入した商品が日本人の体型に合わなかった
07輸入した木製品に割れが入ってしまった
08欠陥電気製品をつかんでしまった
09電気製品の一部が日本仕様になっていなかった
10商品の変質で、商品価値がゼロになってしまった
11相手の梱包が悪く、多くの商品が破損してしまった
第2章解決!「契約、代金、保険」での困った
01メーカーがパッケージの変更を納得しない
02担当者が長期バカンスで連絡が取れない
03届いた見積額が展示会の時の話と違う
04全額前払いに応じたら商品が届かない
05商品は欲しいが、取引相手に不安がある
06契約条件だった信用状(L/C)の開設を銀行から断られた
07送金したのに、入金が確認できないと言われた
08契約した個数と、実際に届いた個数が違った
09アメリカの会社とFOB契約をしたが、商品が届かない
10運賃が重量ではなく、容積換算で高くなってしまった
11相手の勝手な判断で、輸送コストがアップしてしまった
12輸送途中で商品が消えてしまった
13商品が破損したが、海上保険をかけ忘れていた
14契約違反の裁判を起こそうとしたが…
第3章解決!「通関、関税」での困った
01船会社からの貨物到着案内を見過ごしてしまった
02必要な書類がなくて通関できない
03到着が遅れ、普通の通関だと納期に間に合わない
04商品の一部に輸入できないパーツがあった
05商品は、国内法で検査が必要な商品だった
06健康食品を輸入したが、「薬事法」に引っかかった
07税関での見解が異なり、関税が高くなった
08特恵関税の申請に必要な書類を取り寄せ忘れた
09特恵関税の枠がいっぱいで、適用されなくなった
第4章解決!「納品、販売」での困った
01納品した衣料品が縫製不良で、顧客から強いクレームが…
02パッケージが汚れ、商品価値が半減してしまった
03「パッケージがお粗末」と返品をくらった
04国内輸送でパッケージがつぶれてしまった
05海外ではヒットしていたのに、日本でサッパリ売れない
06ブームが早く去り、大量在庫を抱える羽目に…
07飛びついた商品はすでに市場で売られていた!
08法律の改正を知らず、商品がそのままでは売れなくなった
09季節商品が売り時を失ってしまった
10強力なライバルと競合してしまった
11総代理店契約を一方的に打ち切られた
12PL法(製造物責任法)対策を講じたいが…
13為替差損をヘッジする賢い方法はないものか?
14通販業者と大型企画がまとまりそうだが、大丈夫か?
15取り込み詐欺に遭ってしまった
おわりに
序章「困る人」にならない輸入ビジネスの基本
01▼いったい何から始めればいいのか?輸入ビジネスを始めようと思いますが、何から始めていいのか分かりません。
毎日がただ漫然と過ぎて、ちょっとあせっています「輸入ビジネスを始めたい」今、厳しい経済・労働環境を受けてか、私のところに相談にくる人が急増している。
輸入ビジネスは始めるに当たって、資格も届け出も必要ない。
輸入ビジネスを始めると決意したあなたの前には、洋々たる未来が広がっている。
その未来を輝かしいものにするために、私は今、この本を書いているのだ。
では、輸入ビジネスを始めるためには、何から手をつければいいのか?英語力のスキルアップか?交渉力を磨くことか?確かに、輸入ビジネスを手がける人のなかには、すごい語学力を持っている人も多い。
抜群の交渉力を備えた人もいる。
しかしそうした人がみな成功しているかと言えば、NOだ。
告白しよう。
私は今でも日常英会話が苦手なのである。
交渉力も、残念ながらズバ抜けたものとはとうてい言えない。
では、住んでいる地域や立地か?国際港や国際空港に近い京浜で輸入ビジネスをやれば、ビジネスはうまくいくのか?私が住んでいるのは海がない会津若松市。
太平洋に出るにも日本海に出るにも車で3時間ほどはかかる。
京浜でも輸入ビジネスで成功する人は成功するし、失敗する人もいる。
地方にいても輸入ビジネスを成功させる人は成功させ、うまくいかない人はうまくいかない。
だから、住んでいる地域は関係ないのである。
語学力や交渉力がいくらあったとしても、商材というターゲットがハッキリしていなければ始まらない。
輸入ビジネスを始めるときにまず行うべきことは、「商材の決定」である。
よろしいであろうか。
【POINT】輸入ビジネスとは言え、最終的には物販ビジネスである。
商材の決定こそ、あなたの輸入ビジネスを成功のレールに乗せるために行わなければならない最初のステップである。
非常に重要な第一歩である。
02▼商材を探すコツのようなものはあるのか?輸入ビジネスを始める決意をしました。
商材を決めたいと思うのですが、商材探しのうまいコツのようなものはあるのでしょうか?輸入ビジネスのキーポイントは商材の決定である。
商材の決め方には大きく3通りある。
その方法について、お話ししよう。
自分の専門分野に特化して探す商材の決め方では、この方法が理想的だ。
自分の専門分野であれば、その世界も、商品もその価値が分かる。
商品を見れば、「日本ではだいたいいくらぐらいで売れるか」の値付けもある程度推測できるからである。
あなたの専門性を最大限にいかせる手法と言えよう。
自分が知らない分野の商品を手がける場合、いくらの値段をつければ値頃感があり、商品として通用するか分からない。
また、誰に売っていいものかも分からないであろう。
私の場合がこのケースであった。
国産のベッドメーカーにいた関係から、輸入ビジネスではインテリア系の商品にターゲットを絞って扱い始めたのである。
その際、重要なことがある。
心して聞いてほしい。
それは輸入先の特性をよく見極めておくということである。
輸入ビジネスは、時間差ビジネスの側面も持っているのだ。
地球にはいろいろな文化や文明の進歩速度がある。
一様ではない。
インドや中国は日本の昭和28年ぐらいの感じなのだ。
そうした国や地域から日本に商品を持ってくれば、労賃が安い分だけ商品を安価に輸入できる。
一方欧米など、文化が発達している国からの輸入ではどうであろうか。
何に着目するのか。
私であれば、機能が優位なもの、目新しいものに目をつける。
旬のもの、これから流行するものに特化するこれは、かなりの感度が要求される方法だ。
「旬のもの」や「流行しそうなもの」の選別が難しいからである。
現地にものすごく太いパイプがある場合とか、欧米によく行くような人はこの手法を取ることがある。
当たれば財を成す可能性を秘めた魅力的な手法だが、誤ると手痛い結果になることも多い。
見極めが必要である。
顧客の要望に100%特化して発掘する販売チャネルがすでにある場合は、この手法が一番手っ取り早い。
たとえばあなたが、何かの事業をしていてすでに顧客があるようなケースである。
そうした顧客に聞くのである。
どういったものが必要ですかと。
欲しがっている商品の輸入に特化すれば、輸入ビジネスは早い。
商品が旬か旬でないかにかかわらず、ビジネス展開できる強みがある。
たとえば画材屋にチャネルがあるとする。
画材屋では画材のほかに、額縁に入れた絵を売っている店が多い。
日本人好みのする安価な絵と額縁を輸入し、画材屋に売れば立派なビジネスになるであろう。
【POINT】この3つの手法はどれがいいのかというものではない。
こうした目配りが必要ということである。
ケースバイケースで3つの手法を絡ませていくとビジネスが広がるのだ。
3つの手法以外にも、自分が好きなジャンルに商材を絞る手法もある。
この手法にもメリットはあるが、一つ大きな欠点がある。
期待に反し、輸入した商材が空振りに終わることもある。
その場合、自分の思い入れが強い分だけ、損切りになかなか踏み切れない。
結果、資金の回転が悪くなり、ビジネスが停滞するのである。
覚えていてほしいことがある。
期間でも販売金額でもいいが、「ここまでやって芽が出なければ次の商材に移る」と撤退ラインを決めておくのだ。
現実に撤退ラインを超えた場合、その商材はできる限り早く処分して、新しい商材でビジネスを始める。
03▼輸入ビジネスの流れはどうなっているのか?輸入ビジネスを始めようと考えていますが、どういう流れになっているのかがまったく分かりません。
輸入ビジネスはどのように進めればいいのでしょうか?輸入ビジネスの流れを知るために、何を知らなければならないのか?それは、「輸入ビジネスとは何か?」を知ることである。
輸入ビジネスとは、「海外からヒットしそうな商品を探し出し、日本で売って利益を得る。
その繰り返しでビジネスを拡大するビジネスモデル」だ。
そのおおまかな流れを説明しよう。
ヒットしそうな商品を調査する日本の市場でニーズ(必要性)、ウオンツ(欲求)があるにもかかわらず、現実にないものを発見する。
「市場が何を求めているか?」を探るのである。
海外市場で商品を探す日本市場でニーズやウオンツがありながら、まだないものを発見したら、海外市場でその商品を探す。
探し方には国内で探す方法と、海外に出て探す方法の2つがある。
商品が探せたら、輸出者に日本への輸出実績があるかどうかを確認する商品が発見できたら、その輸出者に日本への輸出実績があるかどうかを確認する。
輸入ビジネスで、このポイントは、その後を左右する。
まず、輸出実績がある場合を説明しよう。
この場合のメリットは、日本市場を熟知していて、それに対応するだけの技術があると判断できることだ。
日本の品質基準は世界で指折りの高い水準を誇るが、それに対応できる実績があれば、品質についてはある程度安心できるだろう。
デメリットとしては、すでに日本に販路を持つ場合、メーカーにとってあなたは取引先の一つにすぎない。
国内市場でライバルとの激しい競合に巻き込まれる恐れがある。
価格的にも、ある程度、相手の要求を飲まなければならない。
要は、うまみがないのである。
次に、輸出実績がない場合である。
メリットだが、メーカーとの間に日本での独占販売権契約(輸入総代理店契約)を結べる可能性がある。
詳細は後述するが、この権利は非常に重要な武器になる。
一方デメリットは、相手が日本市場の品質基準を知らないことが挙げられる。
その場合、日本のスタンダードを理解してもらうために、時間がかかることになる。
サンプルのオーダー(注文)をする輸出価格をよく確認のうえ、日本での卸価格と小売価格を設定しよう。
価格の設定はおおまかでよい。
そしてサンプルを取り寄せて品質や機能、デザイン、サイズ、カラー、材質、仕上げなどをチェックするのである。
このサンプルは、あとで本オーダーしたときの品質の照合サンプルになる。
大事に保管しておくこと。
サンプルを使ってお客様の声を聞く商品が売れるか売れないかは、最終的にお客様の判断になる。
サンプルを示してその商品に対するお客様の声を謙虚に聞き、それをメーカーにフィードバックする。
これは大事なステップである。
メーカーにフィードバックする理由は、日本市場に適合させるための品質や仕様の変更のためである。
作られた商品を売るのではなく、売れる商品を作ることを忘れてはいけない。
商品に対してあなたの思い入れが強い場合、商品の改良に消極的になりがちなものである。
成功のためには、時には自分の思い入れも捨てて、日本市場のニーズやウオンツに合う商品にするようメーカーを説得しなければならない。
変な妥協をすると、結局は自分にはねかえってきてしまうからである。
少量のトライアルオーダーをするメーカーがこちらの説得に応じたからと言って、安心してはいけない。
私もいやというくらい経験した。
サンプルとオーダー品がまったく違うケースがあるのだ。
そしてもう一つ大事なことがある。
それは、商品によっては、欠陥が表にあらわれないが潜在的に欠陥を持っている場合である。
例えば、1ヶ月たつとこわれるドライヤーとか、ある程度の頻度で使うと見られなくなるDVDプレイヤーなどである。
あり得ない話ではないのだ。
いきなり本オーダーせず、少量のオーダーを入れる。
そしてある程度の期間検証をする。
重要である。
トライアルオーダーは、メーカーによって、ミニマムオーダー(最低受注引受単位)を設定しているところもあり、ある程度の量を要求されるケースもある。
しかし、そこで引き下がらず、じっくり交渉する。
「次回はミニマムオーダーに応じる」場合によってはこちらからこうした提案をしながら、少量での仕入れを実現させるのである。
本格的にオーダーして販売する~までのステップが順調であり売れる手ごたえがあれば、本オーダーを入れる。
国内の販売チャネル(販売先)の探し方については、後述する。
【POINT】輸入ビジネスでは同時に複数の案件を進めることが多く、それぞれの案件が今どのプロセスにあるかをしっかり把握している必要がある。
輸入ビジネスの流れをつかんでいないと、次に自分が何をすべきかが見えなくなって混乱する。
04▼売れる商品を探す秘訣は?売れる商品を探すために、何か秘訣のようなものがあるのでしょうか……売れる商品をどう探すのか?その商品を作っているメーカーをいかに探すのか?ここが輸入ビジネスでの最大のポイントである。
商材を決めても、ただ漫然と探していても有望な商品は発見できない。
では、商品と相手はどうすれば発見できるのか?方法はいろいろあるが、もっとも効率のいい方法を伝授しよう。
それはズバリ海外の展示会にいくことである。
私自身は、これしかないと考えている。
私は、クライアントさんと海外展示会に同行して「海外実践講座」という名のコンサルティングをしているが、クライアントさんが商品を発掘できなかったことはない。
それはそうであろう。
2000社以上、展示会によっては5000社ものメーカーが集まっているのである。
展示されている商品は、それこそ天文学的な数であろう。
あなたがすること。
それはあなたが行動を起こすことだ。
展示会には、大きく国内で探す方法と海外で探す方法の2通りがある。
それぞれの特徴を見てみよう。
国内の国際見本市で探す日本で開催される国際見本市に足を運ぶことである。
年間を通してかなりの数の国際見本市が開かれている。
出展しているメーカーはわざわざ日本まで売り込みにきているため、積極的なところが多い。
国際見本市では、輸入ビジネスに大事な皮膚感覚も磨ける。
空気を知ることができる。
コスト的にも比較的安くあがるうえ、現物を見ながら商談できるメリットもある。
もちろんメリットもあるが、デメリットもある。
一つ目は相手が提示する価格である。
日本での国際見本市に出品するメーカーのなかには、自国で開かれる見本市より高めの価格設定をしている場合もある。
とくにアジアからの出品者の場合、輸出価格表を作っておらず、相手の顔色を見て価格を決めるということも現実的にある。
交渉の余地が大ありなのである。
二つ目は競合である。
その展示会が日本で開催されていることから、ライバル(日本の買い手・輸入業者)がもっとも多いのは想像できよう。
彼らも有望な商品を探しているため、有望な商品は注目度が高くなる。
高い粗利は、輸入品の大きな魅力の一つのはずである。
しかし競合によって、あなたが考えている粗利に届かなくなる恐れもあることは覚悟しなくてはならない。
こうしたデメリットはあるものの、国内で商品とメーカーを探す方法として、国際見本市への参加がベストであることは間違いない。
国内の国際見本市に関する情報は、ジェトロ(日本貿易振興機構)の見本市情報(http://www.jetro.go.jp/jmesse/)にアクセスすればチェックできる。
海外の国際見本市で探すドイツ、アメリカ、イタリア、オランダ、イギリス、フランス、中国、香港など世界各地では、いろいろなジャンルの国際見本市が毎日のように開催されている。
とくにドイツは開催数が多く、国際見本市の半分以上を占めると言われている。
見本市の規模にもよるが、国際見本市と称される展示会には文字通り世界中から何千ものメーカーが出品してくる。
しかも、各メーカーが総力を結集して新作を出展してくるのである。
それをリアルタイムで見られるのである。
最大のチャンスだとは思わないか。
たしかに目先のコストはかかるであろう。
しかし考えてほしい。
世界中のメーカーを一件一件訪ねたと仮定しよう。
一体どのくらいの時間とコストがかかるだろうか。
展示会は、そのメーカーが同じ時期に同じ場所に集まってくれるのである。
いかに効率がいいかおわかりいただけるであろう。
海外の国際見本市に足を運ぶことは、有望商品を発掘する最短距離なのである。
ここまでは、いいであろうか。
では次に行くことにしよう。
海外の見本市にいく場合の注意事項がある。
それは、海外の見本市は日本の見本市とはまったく違う、ということである。
日本の見本市は、実際の商談の場になりにくい。
出展者も顔見世的な色彩が強く、うがって言えば「名刺交換の場」なのだ。
あえて彼らの名誉のために釈明すれば、「後日営業をする相手を探す場」という非常に腰のひけた見本市になる。
それというのも、日本のバイヤーは絶対的な決定権を持つプロとは言えない場合が多いからである。
日本には稟議という決裁システムや社内の根回しがあるため、とりあえず見本市の様子を見て上にお伺いをたてるというプロセスになりがちだ。
ざっくばらんに言おう。
「サラリーマンバイヤー」ということである。
これに対し、海外の見本市は、ずばりプロとプロの熱い商談の場である。
メーカーによっては、半年分の売上げを叩き出す真剣勝負の場なのだ。
訪れるバイヤーは全権委任されたプロ中のプロで、日本の会社で言えば取締役クラスの人間が多い。
即日決済できる人間でないとチャンスを逃がしてしまう。
出展者も訪問者も真剣そのものだ。
場慣れしている私でも、しばしば激しいやり取りに圧倒される。
ジェトロの見本市情報(http://www.jetro.go.jp/matching/jmesse/)にアクセスすれば、海外の主な国際見本市情報を知ることができる。
【POINT】売れる商品を発見するためには、海外の国際見本市に行くことが最短距離である。
では、国際見本市に行きさえすれば、有望商品が発見できるのか?絶対的な保証などない。
しかしかなりの高い確率で発掘できるのである。
ポイントは、あなたがどんなジャンルの商材を扱うかをしっかり決めておくことである。
それがないと、見本市の雰囲気に圧倒され、目移りし、漠然と商品を眺めるだけに終わってしまう。
渡航費用をかけて手ぶらで帰国する羽目になってしまうのだ。
ただ、なかなか有望商品が発掘できないまま時間が経過することもあるだろう。
こうした場合、あせるとビジネスにならない商品をつかまないとも限らない。
万が一狙った商材が発掘できなければ、手を出さない。
引くことも、輸入ビジネスでは重要な選択である。
私の場合は、そういう場合は、そんなときもあるさとすっと引くことにしている。
05▼国内の販売チャネルを作るには?これといった国内の販売チャネル(販売先)を持っていません。
どうすれば国内の販売チャネルが作れるのでしょうか?……いい質問である。
商品にはその商品に適した販売チャネル(販売先)がある。
まずあなたの商品にもっとも適したチャネルを探すことである。
有力な販売チャネルとしては次の4つがある。
問屋(卸商)間接的ではあるが、広域的な販売網で一度に大量のお客様を獲得できるチャンスがあるチャネルだ。
たとえばあなたの商品が家具であれば家具問屋、雑貨であれば雑貨問屋などの専門問屋がターゲットになるであろう。
問屋との取引では注意すべきポイントがある。
商品への思い入れの温度差だ。
あなたにとってあなたの商品はオンリーワンだが、問屋は膨大な商品を取り扱っているのだ。
あなたの商品はワン・ノブ・ゼムにすぎない。
それを踏まえてどうすれば、自分の商品に彼らの関心が高まるか?問屋に訪問して営業員に直接アピールすることは、古典的手法ではあるが、効果が高い。
あいつのためにやってやるかと思わせるのである。
いずれにしても人間関係は、重要なカギであろう。
こういったポイントをうまくクリアーした輸入者が成功するのである。
言わずもがなだが、問屋と組む際は、傘下の小売店を多く持つところと組む。
傘下の小売店が多ければ、一度のマーケティングでの販売効率が高くなるからである。
小売店(チェーン店、百貨店、ホームセンター、スーパーなど)小売店への直卸しのメリットは、流通コストが省けるために粗利が高いことである。
デメリットは、小ロットにも対応できる柔軟な物流システムを持つ必要があることだ。
あなたの商品のテイスト、特性に合った小売店を探し、そこにダイレクトに商品を卸す。
多店舗展開をしているチェーン店、百貨店、ホームセンター、スーパーなどであれば、一気に商品の知名度を上げられるメリットがある。
通販会社・TVショッピング会社通販やTVショッピング会社は、常に目新しい商材を探している。
いわゆる鮮度を重要視するのである。
あなたの商品に日本初上陸、特許などの知的所有権といった特徴があれば、このチャネルは驚くほど簡単に取引になる。
TVショッピングでの購買層は、中年以上の女性が圧倒的に多い。
中年以上の女性から火が付き、大ブレークした商品も多いのである。
あなたの商品も、大ブレークは夢ではない。
デメリットにも触れておこう。
通常、彼らは事前の商品の買い取りはしない。
「受注発注方式(注文があった分だけ商品発注が来る)」と言われる手法である。
在庫リスクはあなたにあり、仕入れ数量を読み間違えると過剰在庫を抱えることになる。
よく認識しておいてほしい。
ネットショッピング会社ネット社会の拡大を背景に急成長した業界だ。
年間の小売売上高に占める割合はまだまだだが、今後、サイト数がさらに増えて成長していくことは間違いない。
~で挙げたチャネルは、商品の知名度と販売実績に目が行きがちである。
輸入実績のない海外商品はなかなか食い込みにくいが、ネットショッピングであれば、消費者にダイレクトに商品が提示できるのだ。
あなたの商品が圧倒的に割安な場合、このチャネルが向いている。
たとえば、どこでも1万円で売っている商品が半値で売り出せるなどという場合である。
名の通ったブランド品も、このチャネルは非常に強い。
【POINT】商品特性を見極め、販売の最適化を図る。
販売チャネルにはそれぞれメリットとデメリットがある。
メリットをうまく活用しながら、いかにデメリットを少なくするかが最大のポイントだ。
06▼良いサプライヤー(メーカー、輸出業者)の条件とは?輸入ビジネスでは商談相手選びが大事と考えていますが、「良いサプライヤー」の条件といったものはあるのでしょうか……輸入ビジネスで、海外のサプライヤー(供給者=輸出業者とメーカー)の姿勢は取引に重大な影響力を及ぼす。
これまでの私の経験から、良いサプライヤーを見分ける方法を伝授しよう。
輸出をしたいと考えているか?大都会で行われる大きな展示会は別だが、ローカルな海外見本市では、自国向けに出展しているサプライヤーも多い。
「私は日本から買い付けに来ている。
貴社は輸出を考えていますか?」最初にハッキリこう告げることである。
すぐに輸出向けのプライスを提示してくれば、意欲があると判断できる。
躊躇した場合、商品が魅力的でもやめたほうがいい。
輸出慣れしていなくてトラブルが起きる可能性が高いからだ。
取引しても安定供給できないこともある。
日本市場の法的基準を満たせるか?日本の法的基準を満たせない場合、海外では流通している商品でも輸入できない。
日本には、官庁ごとにさまざまな規制がある。
それを理解して日本仕様に対応できるかどうかが、重要なポイントになる。
要望通りの品質基準に応えられるか?海外市場と日本市場を比較すると、日本市場で要求される品質基準はとてつもなく高いという事実をご存じだろうか。
海外のサプライヤーが、その品質基準に応えられるだけの技術を持つかどうか?輸入ビジネスで成功するために、ここはどうしても外せないポイントである。
商品を多少改良すればより魅力が増す場合、あなたの説得術はこうなる。
「世界一厳しい日本の品質基準に対応すれば、この分野で世界最強のメーカーになれます。
それは貴社の財産になります。
世界のどの国でも通用する基準を持てるのです。
どうですか、私と一緒にそうなりませんか?」この方法で、私はいくつもの成功例を体験している。
覚えて損はない魔法のワードである。
【POINT】良いサプライヤーを発見することも重要だが、良いサプライヤーを育てることも重要だ。
特に継続的な取引になりそうな場合、「共に成長する意識」で接すること。
07▼独占販売権を獲得する方法は?ある人から、「輸入ビジネスで成功するには独占販売権を獲得すること」が大切と聞きました。
独占販売権を獲得する説得術がないものでしょうか……独占販売権――。
成功への第一ステップである。
あなたが発掘して育てた商品が、少しずつ売れ始めたとする。
「努力の甲斐があった、長い間の努力が報われた」と喜んだとたん、競合相手が参入してくるのはよくあることだ。
あなたもそんな話を耳にしたことがおありであろう。
そうなのである。
「日本でこの商品を扱う人間が自分一人ならよいのに……」誰しも、こうしたビジネス環境はノドから手が出るほど欲しいであろう。
独占販売権が獲得できれば、そうしたビジネス環境が手に入る。
それは、「日本において、あなたの扱い商品をあなた一人で独占的に販売できることが約束された権利」だからだ。
では、どう交渉すれば、独占販売権が獲得できるのか?「貴社の商品が非常に気に入りました。
ぜひ私に独占販売権を認めてほしい」いくら情熱を込めてこうアピールしても、それだけでサプライヤーは認めないだろう。
あなたが独占販売権を獲得する目的は、その商品の市場を独占することだ。
一方のサプライヤーは、日本市場に複数の取引相手を持ちたい。
サプライヤーには、「取引相手が多ければ多いほど、売り上げが伸びる」という思いがあるからだ。
やみくもに「独占販売権をください」と言っても、相手は首を縦には振らないのだ。
基本的に、あなたとサプライヤーの利益は反するということを理解する必要がある。
そこで、「あなた一人の販売を任せることの利益=相手(サプライヤー)の利益である」ことを相手に理解させ、納得させなければならない。
そんなうまい方法があるのか?と思われたであろう。
あるのである。
これまでの私の経験から、その具体的な方法を明かそう。
非常に実務的である。
使いこなしてほしい。
それは次のように展開すると相手が関心を持ってくれ、あなたは独占販売権の獲得にググっと近づけるのだ。
日本に複数の顧客を持てば、瞬間的に売り上げが上がることは事実だしかし、狭い市場であり、必ず競合が起きる競合の多い商品は誰でも嫌で、一社また一社と手を引くようになる結局、日本市場では誰も本気で取り組まなくなるビジネスでは、こうした論理的な説得が相手の気持ちを動かす。
あなたの話の展開に、相手は次第に惹き込まれてくる。
ここで、自分にビジネスを任せることのメリットに話を持っていくのである。
「貴社は、日本市場で誰も本気で取り組まない状況を望むのか?私に任せれば、継続的に拡販できる」と一気に惹きこむ。
ここが独占販売権獲得の正念場だ。
さらに、「自分がこの商品分野でいかに優位性を持っているか、そして経験があるか」を熱く語るのである。
とならび、も独占販売権獲得の最重要ポイントになる。
最後に、具体的な「販売目標数字(セールスターゲット)」を示す。
ここで大切なことは、示す数字は販売目標数字であることだ。
決して「販売保証数字(セールスギャランティー)」ではない。
ここを明確にしておくことで、後々のトラブルが回避できる。
【POINT】販売独占権を獲得するには、利害が対立する相手を説得しなければならない。
商品への情熱と、「あなたに任せることのメリット」を相手に認めさせることが必要だ。
08▼サンプルを無料にできないか?サンプルで経費をかけたくありません。
無料でサンプルを入手する方法があればありがたいのですが……輸入ビジネスで、サンプルは重要な位置を占める。
具体的なその話は次章以降に譲るとして、サンプルのコスト負担は大きく次の4つに分かれる。
サンプル・送料ともに有料サンプル・送料ともに無料サンプルは無料、送料は有料サンプルは有料、送料は無料商品が高額のものであれば通常は、安価なものであればとが多い。
一番多いパターンはだが、先方のこの要求は当然と言える。
要求されたサンプルをすべて送料持ちで送っていたら、大変なコストになってしまうからだ。
私の経験からすると、は少ない。
海外からサンプルを送る場合、送料のほうがサンプル代より高くなることが多いからである。
ここからが大事なポイントだ。
しっかり聞いてもらいたい。
あなたはサンプルを無料にしたい。
そのあなたが、サンプル代・送料ともに有料()、どちらかが有料(、)と言われた場合どうするか?この場合でも、とりあえず相手の出す条件でサンプルを取り寄せることを優先する。
なぜか?あなたの目的を考えてほしい。
あなたの目的は、サンプルを入手することではない。
そのサンプルで見込み客との商談をすることだ。
仮に、のサンプル・送料とも有料の場合には、次のように言う。
「分かりました、その条件でOKです。
ただし、本オーダーの時にサンプル代と送料分を値引きしてほしい。
フェアな条件でしょう」この申し出はフェアなものだ。
本オーダーの時にその分を値引きすればいいだけで、相手にリスクもない。
付け加えると、私はこの申し出を断られた経験は一度もない。
【POINT】サンプル・送料の両方が有料の条件でも、コストを下げる良い方法はある。
本オーダーの時に、その分を差し引いてもらうように交渉すればいいのだ。
09▼関税を安くする方法はあるのか?輸入だから関税がかかると思いますが、関税を安くする方法はないものでしょうか……海外から商品を輸入すれば、通常、関税がかかる。
では、関税とは何か?関税とは、「国境または経済的境界を通り過ぎる貨物に課される税」のことである。
一般的には外国からの輸入品にかかる輸入税を意味している。
関税が高くなればそれだけコストに跳ね返り、あなたの利益が減る。
だから、あなたも関税を安くしたいと思うであろう。
当然である。
当初、関税は国の財源調達の一手段であったが、現在では目的が変わってきている。
輸入品に関税をかけることで輸入品の価格を調整して、国内産業の競争力が損なわれないようにしているのである。
つまり、国内産業保護の色彩が強くなっているのだ。
関税率は相手国や商品によって異なり、非常に細分化されている。
実務的には商品が決定してから、到着予定の税関に問い合わせて調べてもらうのがベストである。
現実的な話として、関税を安くする方法はあるのか?実はある。
結論を先に言えば、「特恵関税制度(GSP)」を利用するのだ。
WTO(国際貿易機関=WorldTradeOrganization)という名前を聞いたことがあるだろうか?これは貿易に関する国際機関で、WTOでは、「開発途上国(発展途上国)の経済発展を促進させるために、それらの国からの輸入品には関税率を低くするか、もしくは無税とする」という合意がある。
国によってそのシステムの呼び名は異なるが、日本では「特恵関税」と呼んでいる。
この特恵関税によって、たとえば中国やベトナム、東南アジア諸国からの輸入品は、ほとんど無税か非常に安い関税で日本に入ってくるのである。
【POINT】特恵関税制度をうまく使えば、関税がゼロか非常に安くなる。
利用には条件があるが、商品のコスト軽減にも役立ち、あなたの利益を大きくしてくれる。
10▼契約書でのトラブルを防ぎたいが…契約書でのトラブルを防ぎたいと思っています。
どういった点に注意すれば、契約書でのトラブルが回避できるのでしょうか……欧米は契約社会である。
なにごとも契約を軸に進む。
一方、日本ではどうであろうか。
一部の大企業は別であるが、中小企業は契約書を交わしての取引自体は少ない。
その結果、契約書に関しては海外メーカーほど知らないのが実情である。
輸入ビジネスは、海外の輸出者を相手にする。
当然、契約の比重が重くなってくる。
では、売買契約書は、輸入者(あなた)と輸出者(メーカー)のどちらが作るのか?契約書を作ったことがなければ、ここでウーンと頭を抱えるところであろう。
安心してほしい。
答えをお教えしよう。
通常、売買契約書は、輸入者(あなた)が作製してもいいし、輸出者(メーカー)が作ってもよいことになっているのだ。
契約書など作ったことのない人が多いため、まずこのこと自体を知らない人が圧倒的に多い。
そこで、実際のビジネスになると、どうしても先方が送ってきた契約書にサインするケースが多くなる。
ここに落とし穴があるのである先方が送ってくる契約書は、先方が有利なように書かれているのは想像できよう。
その契約書は想定できるいろいろなリスクをほとんど網羅してあるため、分厚くなる。
そんな契約書を目にしたことがなければ、まず圧倒されるのもよくわかる。
私もそうだった。
しかも、契約社会に慣れていないため、日本人はよく読まずにサインすることが多い。
契約は、形だけなどと安易に考えている場合も多い。
日本人どうしの取引で、「まぁ、形だけですから」などと言ってサイン(判)をしてもらおうとする不逞の輩が多いのも事実だから致し方ない。
しかしこれがトラブルの発端になる。
読まずにサインしたため、「そんなはずではなかった……」とあとで泣くケースが多発する。
しかし、あなたが契約書にサインしていれば、あなたは自分の立場を主張できない。
それが契約書というものだからだ。
ある一件以来、私は相手の送ってくる契約書にサインをしないようにした。
痛い目にあったからだ。
あなたは、自分に有利な契約書を作り、その契約書でビジネスを進めるべきである。
【POINT】実務的には、あなたが作る契約書と、先方が作る契約書の2つの契約書ができる。
条件が折り合わない時はどうするか?詳しくは「第2章14▼契約違反の裁判を起こそうとしたが…」で述べる。
11▼契約書はどう作るのか?自分が作る契約書には何を書けばいいのか?また、相手が作った契約書ではどのポイントをチェックすればいいのか?前項でこうお話しした。
「契約書は輸出者(あなた)が作成してもいいし、輸出者(メーカー)が作ってもいい」と。
あなたが契約書を作る場合、どういった注意ポイントがあるのか?それを知るためにはまず、契約書がどうなっているかを理解する必要があるだろう。
契約書の表面には個別条項を記載し、裏面には一般条項を記載する。
表面に記載する個別条項を「表面約款」、裏面の一般条項を「裏面約款」と呼ぶ。
表面約款の個別条項の代表として、次のようなものがある。
品名(Article)……品名を簡潔に記す品質条件(Quality)……輸入ビジネスでは品質についてのトラブルが多く、この項目は重要である。
本オーダーの前に必ずサンプルを入手しておき、次のように記載する「Asperthesamplesubmitted(提出されたサンプル通り)」なぜ、契約書にこんな記載をするのであろうか?その理由は「第1章04▼サンプル通りの作り直しを要求したいが…」で述べる。
数量(Quantity)……国際取引で使用される単位で記載する(a)本、個(PIECE=PC)(b)台(SET)(c)ダース(DOZEN=DZ)(d)組(UNIT)(e)長さ(METER=M,YARD)(f)重さ(METRICTON=KILOTON=MIT,KILOGRAM=KG,POUND=lb)単価(Price)……事前に合意した単価を記載する。
米ドル建てなら米ドル、円建てなら円で表示する総額(TotalAmount)……合計金額を記載する貿易条件(TradeTerms)……建値条件(価格条件)がどういった種類かを表わすもので、重要な項目の一つである。
建値条件については「序章18▼貿易条件がよく分からないが…」で詳述する支払条件(Payment)……どういった条件で支払うかを示すもの。
たとえば前金30%、船積み後70%といった条件になる船積み日(TimeofShipment)……納期にも関連するため、日付は正確に指定する。
ほとんどの場合、お客様と事前に商談のうえ、納入日を決めている。
納期が遅れた場合、お客様との間で損害賠償ということもあり得ないわけではない。
その観点から、納期遅れについては軽いペナルティ条項を作っておくべきである仕向け地(Destination)……貨物の仕向け地(到着地)がどこかを指定する荷印(ShippingMarks)……通関時の貨物の特定、船積書類との照合のために必要である。
あなたが相手に指示したほうがよい【POINT】事前▼輸入ビジネスでは、契約書が最重要である。
輸出者は契約書に書いてあることは実行するが、契約書にないことは絶対に行なわないのだ。
必要項目に落ちとミスがないよう、契約書は慎重に作成することである。
12▼代金決済はどうすればいいのか?相手への代金決済は、必ず現金でなければならないのでしょうか……商品を輸入すれば、代金を決済しなければならない。
代金決済についてはいくつか方法があるが、必ず現金決済(送金)というわけではない。
現場では「送金」の他に、「信用状(LetterofCredit=L/C)」による決済も使われる。
送金での決済これは、「自分の取引銀行から、海外の相手の口座に直接現金を振り込む方法」である。
もっとも簡単で、安上がりな方法と言える。
初めての取引の場合、小額であれば全額前金を要求されるケースも多い。
しかし、全額前払いをしてはいけない。
全額を支払ったとたん、相手と連絡が取れなくなるような事態もあるからだ。
相手が送金を要求しそれに応じる場合、最悪でも発注前に30%、船積み後もしくは入荷後に70%を送金するという条件で交渉すべきである。
信用状(L/C)での決済信用状(L/C)による決済は、もっとも普及している方法である。
具体的には、「あなた(輸入者)の代わりに、あなたの取引銀行が相手(輸出者)に対して支払いを保証する書面を発行して確約する方法」だ。
この決済は、輸出者にとって代金回収が確実で安全なメリットがある。
ただし、受け取りの際に発生する手数料が高いというデメリットがあることは覚えておいてほしい。
輸入者のメリットとしては、船積み日などの契約内容を守らせやすいことが挙げられる。
船積み日などの契約内容を守らないと、決済しなくともいいとされているからである。
デメリットとしては、銀行が支払いを保証する以上、取引銀行との信頼関係がないとL/Cを開設しにくいことがある。
また、L/Cの開設にはコストがかかり、それも輸入者のデメリットになるのである。
【POINT】どの決済法を選ぶかは、商品代金やコストとも相談する必要がある。
また、ビジネスをスムーズに進めるうえで、輸出者の希望も考慮しなければならない。
13▼輸送手段はどうすればいいのか?輸入する際、商品の輸送手段はどう決めればいいのでしょうか?必ずしなければならないことなど、あるのでしょうか……発注した商品をどう輸送するか?これは慎重に行ないたい。
なぜであろうか?輸送にかかるコストがそのまま仕入れ価格を決定する際の重要な要素になるからである。
輸送手段は大きく「船便」と「航空便」の2種類がある。
船便を使う重い商品、あるいは量が多い場合は船便のほうが圧倒的に有利である。
コスト的に航空便の10分の1程度ですむからだ。
しかし航空便に比べ輸送に時間がかかる。
ヨーロッパなら1ヵ月、アメリカなら14~20日、中国なら3~5日程度かかると思わなければならない。
現在では船便を使うと、通常コンテナ船で運ばれる。
コンテナ輸送には2種類ある。
(a)FCL(FullContainerLoad)……コンテナ1本を借り切って運ぶ(b)LCL(LessthanContainerLoad)……他の貨物と混載して1本のコンテナにして運ぶ輸入する商品量にもよるが、FCLをお勧めする。
この方法だとメーカーからあなたのところまで一貫輸送され、荷傷みが少なくなるからだ。
混載すると、どうしても何度も人の手に触れるため、荷傷みが起こりやすくなる。
さらに、抜け荷する危険性が高くなる。
とくに、容量が小さくて高価なブランドものなどは狙われやすいので注意が必要である。
航空便を使う商品が少量で高付加価値商品(宝石類など)である場合、緊急性を要する商品(生鮮品、サンプル品など)である場合、スピードを優先させて航空便を利用する。
航空輸送には、航空会社またはその代理店に直接委託する「直送貨物」と、混載業者に委託する「混載貨物」がある。
貨物の内容によっては、輸送できないものや特別の条件がつくものもあるので注意しなければならない。
【POINT】コストの面から、輸入ビジネスでは船便を利用することが多い。
コンテナを使うことになるが、ある程度の量になるならばコンテナ1本を借り切るFCLをお勧めする。
14▼通関などの手続きはどうすればいいのか?通関は事務手続きが面倒だと聞きましたが、そんなことに時間を取られたくありません。
通関をスムーズにする方法があるのでしょうか……注文していた待望の商品がいよいよ到着する。
次のステップは「通関手続き」を行なうことになる。
通関とは、簡単に言うと税金を払い、外国籍の貨物を日本の貨物にする手続きのことである。
あなたが自分でやることも可能だが、通関業者に委任したほうがいいだろう。
あなたはその際、次のような書類をそろえる必要がある。
インボイス(送り状、仕入れ書、納品・請求書)パッキングリスト(梱包明細書)運送書類(B/L=船荷証券、空輸の場合はAWB=航空貨物輸入状)保険証券(保険をかけた場合)実際の手続きに、あなたが貴重な時間を割く必要はない。
委任するほうが実務的にも費用対効果ははるかに高い。
通関業者に委託すれば、あなたは直接通関手続きを行わずにすむ。
ただし、常識的な流れを知っていて損はない。
その流れを押さえておこう。
陸揚げされた貨物は、税関が承認した一時保管倉庫(保税上屋)に運び込まれる。
通関業者は輸入書類をつくり、あなたが渡した必要書類をそろえて税関に輸入の申告を行う。
手続きが終わると税関から輸入許可が下り、関税と消費税を納めると、貨物は業者を通じてあなたに引き渡される。
関税と消費税は業者が立替払いし、あとで輸入者が支払うことになる。
【POINT】通関のような面倒な作業は、通関業者に委託する。
輸入ビジネスでは、通関手続き以外にも、船の手配、到着した商品の輸送などいろいろな手続きが必要だ。
通関に限らず、こうした一連の事務はプロに委託(アウトソーシング)してしまう。
輸送に関しては、国際貨物運送業者(フォワーダー)に依頼すれば、あなたのところまで運んでくれる。
輸入ビジネスに関する面倒な事務手続きは、プロの専門業者に委託する。
あなたがやるべきことは魅力的な商材を発見し、いかに自分の輸入ビジネスに結び付けるかである。
15▼商品の保険はどうなっているのか?商品の輸送では、いろいろなトラブルが起こることもあると思います。
保険をかける必要があると思いますが、保険をかけるうえでどういった注意ポイントがあるのでしょうか……理論的には、外交海上貨物保険はかけても、かけなくても自由である。
しかし、外交海上貨物保険をかけておけば、貨物が万一被害を被ったときの損害をカバーしてくれるのだ。
これを使わない手はない。
沈没はもちろん、破損、濡れ、盗難もカバーされるため、実務的には不可欠である。
最近話題になっている海賊対策にも有効である。
くれぐれも無保険で輸入をしてはいけない。
保険についてはあとでも触れるが、輸送開始前に申し込む必要がある。
だが、実務上、その時点ではどの船に積むかなどの細かな内容は分からない。
そこで「予定保険」をかけ、その後輸出者から出荷案内(ShippingAdvice)が来た時点で、「確定保険」に変更する手法が一般的である。
では、あなた(輸入者)と相手(輸出者)のどちらが保険をかけるのか気になるだろう。
これは事前の契約内容によって異なり、契約書に記載されている貿易条件の取引内容の部分で決まる。
条件は13とおりあるが、実務レベルでは、次の4つの条件が多く用いられる。
私は、現実的にこれ以外の条件にお目にかかったことはない。
これだけ押さえれば、十分である。
EXWORKS(EXW=工場渡し条件)FOB(本船渡し条件)C&F(CFR=運賃込み条件)CIF(運賃・保険料込み条件)これらについてはあとで十分に時間をとってお話しするとして、ではどんな保険に加入すればいいのか?これはズバリ、「オールリスクA/R条件」である。
オールリスクの言葉通り、すべての外部的な偶発要因によって起きた損害について、程度を問わずにカバーされる。
たとえば沈没、大火災、濡れ、衝突をはじめ、強盗、座礁など多くの損害が網羅されている。
ただし、次のようなケースではカバーされないので注意が必要だ。
被保険者がわざと与えた損害商品の梱包が不完全なために起きた損害航海の遅延による損害貨物固有の性質によって生じた損害戦争およびストライキによる損害実務上、あなたには「オールリスクA/R条件」に、特約保険の「戦争保険」と「ストライキ暴動保険」を追加することをお勧めする。
こうすれば、ほとんどの損害に対応できる。
CIFで輸入をする時は、輸出者に「戦争・ストライキ保険」の追加を義務付けておく。
また、CIFの場合、日本での「オールリスクA/R条件」に含まれている「TPND」特約が含まれていないこともあるので、あわせて義務付ける必要がある。
TPNDとは「Theft(盗難)」、「Pilferage(抜き荷)」、「NonDelivery(不着)」のことである。
強盗の場合は「オールリスクA/R条件」でカバーできるが、盗難はカバーできないからである。
【POINT】万一のことを考えると、外交海上貨物保険には加入しておくこと。
保険は「オールリスクA/R条件」がベストで、「戦争保険」と「ストライキ暴動保険」に入っておけば万全だ。
私は、保険の手配は日本の保険会社に依頼するようにしている。
万一のことがあった場合の手続が簡単なことと、対応が早いからである。
16▼暫定小売価格はどうやって決めるのか?お客様から、暫定小売価格を求められた。
サンプルの段階で、暫定小売価格を決める良い方法があるのでしょうか……輸入ビジネスでは、お客様から是が非でも前受注を獲得したい。
そこでお客様と商談するための小売価格が問題になる。
だがサンプルの段階では輸入コストも分からず、小売価格は決められないのが現実である。
ではどうするのか?いい方法があるのである。
あなたのために、即座に暫定小売価格が提示できるマル秘テクニックをお教えしよう。
まず、輸出者が示した価格を日本円に換算する。
換算したその額を、欧米からの輸入品なら4倍、アジア諸国であれば5~6倍にして暫定売価を出すのである。
アジア諸国は物価水準が低く、そうした国々からの輸入は価格を5倍にしても値頃感が出せる。
しかし、ご存じのように欧米の物価水準は高い。
欧米からの輸入品を4倍以上にすると、高いと感じるのである。
このあたりは、経験則なのではあるが……。
具体的に見てみよう。
たとえば「EURO30FOBMarseilles」という貿易条件だったとする。
これは「フランスのマルセイユ港渡しで30ユーロ」ということだ。
そこで、仮に1ユーロ=120円15銭だったとしよう。
この場合、若干円安に見て1ユーロ=125円と見る。
鋭い方はピンときただろうが、円安に振れた時のリスクヘッジ(危機回避)のためである。
その結果、この商品の参考価格の目安はこうなる。
30(ユーロ)×125円(為替レート)×4=15000円これで暫定価格が得られるが、この価格に値頃感がなく競争力がない場合もある。
そうした場合、サプライヤーに値引きを申し入れる。
「この価格のままでは、日本市場で受け入れられない。
10%値引きしてもらえれば、商談に入れるのだが」値引きが受け入れられない場合、その時点であきらめることも考慮しなければならない。
【POINT】値引きが受け入れられない場合、その商品はあきらめることもやむなしだ。
ただし、例外がある。
独占販売権の可能性がある場合、その商品が成長期にある場合である。
将来、より大きな利益が得られる可能性があれば、現在の多少の利益減少には目をつぶることもある。
17▼定価はどう付ければいいのか?価格の付け方が分かりません。
値付けの具体的な方法があれば知りたいのですが……輸入ビジネスの最大の魅力は、高い粗利益率にある。
なぜなら定価をあなたが、決められるからだ。
もう一度言う。
輸入ビジネスは、定価はあなたが自由に決められる。
いかがであろう。
これは言葉では言い尽くせないほど素晴らしいことではないか。
そうであろう。
あなたの得たい利益をあなたの胸三寸で決めていいのだ。
なんと魅力的なことか……。
日本でも最近でこそオープン価格の商品も増えたが、普通、国産品の価格は国内メーカーが定価という形で提示する。
でもちょっと考えてみてほしい。
これっておこがましい事だと思わないか。
あなたの儲けまでメーカーに指示される覚えはないとは思わないか。
私は、ずっとそう思っていた。
100円と決められたものは、100円以上にはならない。
だが、本来、価格は需要があればいくらでもいいはずであろう。
実際私の友人は、10円で仕入れたものを1980円で販売しているのである。
これってすごくないか。
こんな芸当ができるのが輸入ビジネスなのである。
値付け(販売価格の設定)は、あなたの市場戦略そのものだ。
市場で受け入れられなおかつ儲かる価格になるように、じっくり検討する必要がある。
まず、あなたがお客様に提示する価格には2種類あることを知ろう。
定価(標準小売価格、上代とも言う)定価の決め方には次の2通りがある。
(a)コストプラス方式(加算方式)……コストを積み上げて定価を決める商品の仕入原価をはじめ、物流コスト、マーケティングコストなど、輸入品にはいろいろなコストがかかる。
積み上げたそのコストに、あなたの利益、販売チャネルの利益(問屋や小売店の利益)をプラスして定価を決める方式である。
いわゆる「売りたい値段」になるが、ライバルとの競合や値頃感が意識されない価格になる場合があるので、注意が必要である。
仮に、その定価では競争力がないと判断された場合、どうするか?当然、サプライヤーに値引き交渉をすることになる。
(b)コストブレイクダウン方式(逆算方式)……最初に定価を決めてしまう商品には、お客様が納得すると思われる価格帯がある。
その価格帯をにらみながら定価を最初に決めてしまう方式で、「商品として消費者に受け入れられる値段」とも言える。
その際、ライバルとの競合の度合い、あなたの商品の持つ希少性、文化的価値などによって、あなたの希望利益を削らなければならないケースも出てくる。
この場合の価格の決め方は、基本的に、前項の暫定小売価格を決める方法と同じだ。
計算方法も、値引きが必要な場合の交渉も同じである。
値引きが必要なければ、その価格を本オーダーの際の定価にする。
値引きが必要で、その提案が受け入れられれば、値引き後の価格を本オーダーの定価にする。
次に、値付けの第二の方法だ。
出し値(下代とも言う)この出し値はBtoB、つまり「プロ対プロの取引」でよく使われる価格である。
あなたとお客様との間で実際に取引される金額だ。
お客様は、自分の商圏での競合などを考えて、販売価格を自由に決める。
外国では、前述のようにメーカーが定価を決めるという考え方、制度はもうなくなっている。
販売価格は、個々のお店や会社の重大な経営戦略の一つという考え方に転換しているのだ。
【POINT】日本でヒットするかどうかは小売価格の設定にかかってくる。
量を売ろうと安い値付けをすれば、ある程度の量が出ても利益が取れない。
逆に、値頃感を超えた値付けをすれば、良い商品であってもまったく売れないことになる。
競合商品があるか、あればどの程度の価格になっているか。
独占販売権があるか。
ブランド力はあるか。
価格に対する消費者心理はどうか。
小売価格を決める際、こうしたさまざまな要素を加味して多角的に検討する必要があるのだ。
18▼貿易条件がよく分からないが…専門的な貿易条件はたくさんあると聞きました。
失敗しないために、知っておくべき貿易条件にはどんなものがあるのでしょうか……先の外交貨物海上保険のパートで、代表的な4つの貿易条件に触れた。
海外との取引は、基本的に異国間・異文化間の取引のため、輸出者と輸入者の国によって、法律、制度、商慣習、商道徳などが違う。
この違いがさまざまなトラブルに発展する可能性があるため、国際商工会議所によって、共通の了解事項や合意事項が国際ルールとして取り決められているのだ。
それを「国際的商慣習(インコタームズ)」と言い、13の条件がある。
そしてその国際的商習慣(インコタームズ)に現在とりきめられているのは、大きく次の5つの事柄についてである。
価格条件(建値条件)引き渡しの場所危険(リスク)の移転時期輸入業者と輸出業者の費用分担の分岐点輸出入の通関手続きと関税の負担しかし前述のように、インコタームズの13条件のすべてにわたって話をすることはあまり意味がない。
現実的に必要なの価格条件(建値条件)を例に、次の4種類の貿易条件に絞ってお話ししよう。
(a)工場渡し価格(EXWORKS価格=EXW価格)海外メーカーの工場で商品を引き取る場合の価格条件である。
ヨーロッパとの取引で提示されることが多い条件だ。
実務的には、あなたが指定した国際貨物運送業者が工場に引き取りに行く。
工場で引き取った段階で、それ以降のリスクと運賃、保険料はあなた持ちになる。
(b)本船渡し価格(FOB価格)(a)の工場渡し価格に、メーカーが工場から輸出港(空港)まで運ぶ運賃・通関・船積み費用を含んだ価格条件である。
アジアとの取引で多い条件で、船積み以降のリスクと運賃、保険料はあなた負担になる。
ただし、アメリカの会社とこのFOB条件で契約した場合は注意が必要だ。
そのことに関しては、「第2章09▼アメリカの会社とFOB契約をしたが、商品が届かない」で紹介する。
(c)運賃込み価格(C&F価格、またはCRF価格)(b)の本船渡し価格(FOB価格)に、現地港(空港)からあなたの指定する港(空港)までの運賃を加えた価格である。
運賃は輸出者負担だが、船積み以降のリスクと保険料は船積み時点からあなたになるので注意が必要である。
(d)運賃・保険料込み価格(CIF価格)(c)の運賃込み価格(C&F価格)に、外交海上貨物保険(航空保険)の保険料を加えた価格である。
運賃と保険料は輸出者負担で、アメリカとの取引で多い条件である。
この4条件のどの条件で契約するかは、仕入原価を算出する際に非常に重要になる。
内容をしっかり知っておく必要があるのだ。
たとえば、CIFで契約したつもりが実際はEXWORKSになっていたりすると、運賃・通関・船積み費用などがあなたの負担になり、利益がなくなってしまうケースも出てくるからである。
【POINT】図ではFOBとC&Fの2つだけを示した。
私がこの2つの貿易条件を選択しているからで、他意はない。
その最大の理由は、先に述べたとおりである。
日本の保険会社の小回りを考えて、私は、保険の手配は私自身で日本の会社に依頼している。
19▼輸入で問題になる規制・法律を知りたいが…日本には、国内の規制・法律によって制限を受けたり、輸入できないものがあると言います。
どんな規制・法律があるのでしょうか……日本は現在、自由貿易が基本になっている。
しかし、どんなものでもまったくフリーハンドで輸入できるわけではなく、輸出入に関して厳格な法的規制がある。
法律の規制は最小限にとどめられている。
しかし輸入しようとする商品が規制にかかるかどうかは、事前にチェックしておく必要がある。
チェックの方法としては必ずサンプルを取り寄せ、関係部署におうかがいを立てておくのがベストな方法である。
【POINT】輸入ビジネスをしようとするのであれば、少なくとも自分に関連する分野の法律は事前に知っておいたほうが有利である。
次に、輸入に関する国内の法的規制の一部を紹介したので、参考にしてほしい。
第1章解決!「サンプル、商品の品質」での困った
01▼「送る」と言ったサンプルをなかなか送ってこない展示会で熱い商談をして、展示会終了後に早急にサンプルを送ってくれることになった。
帰国後に何度も連絡を取るが、毎回、同じような定型の返事しか返ってこない……展示会では、輸出者は非常に多くの人間と応対する。
そのために相手を混同したり、話をした相手を忘れたりすることがおうおうにしてある。
たとえば、展示会終了後にサンプルを送ってもらう約束をしていたとしよう。
相手からは、力強く「分かりました、そうします」という約束をとりつけている。
あなたとしては、熱心な態度を示していたので、相手はきちんとサンプルを送ってくれるものと思っている。
しかし、いつまで待ってもサンプルが到着しないのである。
メールを送ると、毎回同じ返事が来る。
こんな感じで。
「お問い合わせをいただき、ありがとうございました」。
これは自動応答のメールなのだ。
これは意外によくあることなのである。
なかなかサンプルを送ってこない場合、3つの可能性が考えられる。
第1の可能性……相手が受注書、もしくは商談記録を紛失してしまっている相手は受けたオーダーを確認できないため、返事ができなくなっているのである。
だから、「何か要求しているようだから、とにかく定型のヒナ型を返信しておけ」となるのだ。
第2の可能性……文化の違い。
具体的には、相手国は日本より時間の流れが遅い私たち日本人にとっての「早急」と、相手の「早急」とのとらえ方の違いである。
たとえば、インド人にとって「早急」とは1週間以内といった話もある。
2~3日待ってもサンプルが届かないと、日本人は、何度も催促をしたりする。
向こうは、「何で同じFAXを何度もよこすんだ。
ちゃんと準備している」といった具合にだ。
第3の可能性……ブースにいた人間とは違う人間が輸出担当者になっている場合と、ブースにいたのが通訳の場合担当者が違う場合、相手の引継ぎが悪いとサンプルの件がうまく伝わらない。
伝え忘れということもある。
例をあげよう。
イタリアでのことである。
興味があって私はブースの担当者らしき人物に話しかけた。
彼は英語を話せないらしく、しきりに誰かを呼んでいる。
呼んでいるほうを見ると、うら若き女性がいるではないか。
早速私は、商談に入って無事商談は済んだ。
だが、日本に帰り、もらった名刺に連絡したものの一向に返事がない。
何度も連絡をとりやっと相手から返事がきた。
そしてなかなか連絡がこない理由がわかった。
もらった名刺は、彼女のものではなかったのだ。
最初に話しかけた担当者らしき人物のものであった。
相手をしてくれた彼女は、そのとき限りのアルバイトだったのだ。
道理で返事が来ないわけである。
相手が英語を読めないせいで、とんだ遠回りをさせられてしまった。
海外の展示会では、学生アルバイトの通訳がブースで説明するようなケースもあるのだ。
商談をしようと名刺を出すと、通訳も名刺を出して来る。
差し出された名刺には、「セールスマネジャー」とか「エクスポートマネジャー」と印刷されているが、それは自分の名刺ではない。
通訳は、会社のそうしたポジションにいる人間の名刺を出しているのだ。
相手がどういう立場の人間で、商談すべき相手かどうかを知るにはどうすればいいのか?そのコツを伝授しよう。
名刺をもらった時、必ずこう確認するのだ。
「これはあなたの名刺ですか?」――返事が「違います」であればその相手との商談は打ち切り、責任のある相手を探す。
「自分の名刺です」であれば、商談に入ればよい。
【POINT】事後▼希望のサンプルの品名と数量、それに輸送方法をメールでこちらから再度送る。
特に受注書や商談記録を紛失してしまっている場合、この方法を取れば相手も理解でき、効果的である。
その際、期限を切って依頼することを忘れてはならない。
02▼トライアルオーダーの商品がサンプルより劣っていたサンプルを事前に入手。
「これなら行ける」とトライアルオーダーしたが、到着した商品はサンプルより品質が劣るものだった……輸入ビジネスで一番多い問題は、品質に関するものだ。
顧客との商談はサンプルがベースで進んでいる。
そのサンプルでOKも出ている。
輸入者は、サンプルより品質が高い商品が来ることを望んでいる訳ではない。
同じ品質のものが届けばいいのである。
しかし、サンプルがいいからと期待してオーダーすると、圧倒的に品質の劣るものが送られてくるケースが少なくないのが現状である。
現物の品質がサンプルより劣るとなると、納品時に影響が出るのは当然である。
大幅値引きを要求される可能性もあるし、最悪の場合はキャンセルすらあり得る。
まさにひやひやものである。
サンプルより品質の劣る商品が届いた経験は私にも数知れずある。
ある時の相手とのやり取りをご紹介しておこう。
実話である。
「サンプルと現物が違う。
サンプルより悪いじゃないか」「ミスター大須賀、私の目には一緒ですよ」「なに言ってるんだ、まったく違うよ」「ミスター大須賀、だいたい一緒でしょ」「だいたい一緒じゃ、困るんだ。
まったく同じじゃないとビジネスにならないだろう」「そんな細かいこと言われても。
アメリカ人はそんなこと言わない」めちゃくちゃな論法である。
腹がたって仕方がなかった。
もちろんお客様から、納品後、大目玉をくったのは言うまでもない。
【POINT】事前▼サンプルを入手して品質を確認したら、契約書に「品質は入手したサンプル通り」という一項を入れておくこと。
この一項があれば、輸入者は強い態度が取れる。
事後▼前もって入手していたサンプルと届いた商品を並べ、写真に収める。
その写真をメールに添付して相手に送って納得させ、交換もしくは返金、もしくは値引きを要求する。
03▼サンプルとはまったく違うものが届いたサンプルの出来に満足して待っていると、トライアルオーダーで似ても似つかない商品が送られて来た……サンプルと現物との問題では、届いた商品がサンプルより品質が劣っていたといったケースが圧倒的に多い。
輸入ビジネスでは、これはもう日常茶飯事と言ってもよいものだ。
そうしたケース以外に、届いた商品がサンプルとはまったく似ても似つかないものだったということも起こり得る。
このケースもまた、覚悟しなければならない。
こんなことが起こるとは、私たち日本人にとって信じられないことだ。
しかし、輸入ビジネスの現実では「アンビリーバブルなこと」も起こるのだ。
なぜ、サンプルと現物とでこんな違いが起こるのか?その秘密は、サンプルと現物の作られ方にある。
ここまで明かす本はないと思うが、読者のために公開しよう。
たとえば陶器の場合を挙げよう。
陶器のサンプルを作る場合、モールドを使う。
モールドとは「型」のことである。
ピンとこないであろうか。
いわゆるひな形である。
展示会に出品するサンプルは丁寧に作ったモールドを使う。
その理由は、もちろん商談をまとめたいためである。
展示会用のモールドで作られたサンプルは、実によく出来ている。
「これなら商品になる」とトライアルオーダーを出す。
ここから信じられないことが起きるのである。
なんと展示会用サンプルとは違うモールドを使って商品を作るのだ。
違うモールドを使えば、違うものができる。
これは当たり前のことだ。
なぜ、違うモールドで平然と商品を作り、送ってくるのか?故意に輸入者を困らせようとしているのか、だまそうとしているのか?輸出者がそう考えているとは思わないが、そう思えても仕方がないではないか。
もっともその時の輸出者の弁解は、サンプル用のモールドを紛失したとのことであったが……。
【POINT】事前▼こうしたケースに備えるために、やはり契約書に「契約段階で入手したサンプル通りの品質、形状のものを送ること」を明示しておくことが肝心である。
事後▼前もって保存しておいたサンプルと照合して、その度合いによって交換、返品と返金、値引き等でカバーする。
前項と同じである。
04▼サンプル通りに作り直しを要求したいが…サンプルとトライアルオーダーで到着した商品を比べてビックリ、サンプルよりはるかに劣っている!さっそく輸出者にクレームを提起したが、「サンプル通りに作るのは可能だが、その分のコストがかかる」と言われてしまった……これもよくあるパターンで、こうした問題をできるだけ防ぐために契約書が重要なのである。
契約書には、「サンプル通りの商品でなければならない」という項目を必ず入れておく。
この一項が入っていれば、輸出者に強いクレームが提起できるのだ。
前章でもちょっと触れたが、契約書は輸出者と輸入者の双方が独自に都合のいいように作り、相手に送り付けてサインを求める。
輸入者が作る契約書には「契約したあとは、いかなる理由があっても、価格のアップは認めない」という条項を必ず入れる。
この一項が入っていないと、何を理由に価格アップを求められるか分からないのである。
輸入者としては当然の項目である。
一方の輸出者は「諸般の事情により、価格が上がることもあり得る」という一項を必ず入れる。
これも、輸出者としては当然である。
このままでは平行線をたどることになってしまう。
そこで、あなたは、削除してほしい部分を指摘して「その部分は認められない、削除してくれ」と申し出るのだ。
こちらの申し出が通るかどうかは交渉になるが、基本的に、相手は削除してくれるケースが多い。
相手がこちらの言い分を認めると、その部分を削除した新しい契約書を作ってくれるのだ。
【POINT】事前▼やはり、契約書に「サンプル通りに作る」という条項を忘れずに入れておくことが重要。
同時に、「契約後は、いかなる事情があろうとも、価格のアップは認めない」旨の条項を入れておく。
この条項は、輸出者が作る契約書にはまず絶対に入っていない条項であり、その意味でも、契約書は輸入サイド(あなた)で作成する必要がある。
事後▼サンプルと違って品質が劣るものであれば、その一点で交渉する。
価格アップは認めない方向であることは言うまでもない。
05▼メールだけの商談で発注した商品に問題が…ビジネスマッチングサイトで見つけた相手と、メールのみの商談で契約した。
到着した商品の出来栄えが写真ほど良くなく、予定の販売価格で売れなかった……ビジネスマッチングサイトというのは、「海外からこういう商品を売り込みたいという情報を掲載するサイト」のことである。
代表的検索サイトには、次のようなものがある。
中国の製品・メーカー……http://www.alibaba.com/中国、香港の製品・メーカー……http://www.tradeeasy.com/香港の製品・メーカー……http://sourcing.tdctrade.com/韓国製品・メーカー……http://global.kita.net/台湾の製品・メーカー……http://www.trade.gov.tw/欧州全域の製品・メーカー……http://www.europages.com/この他にも、各国大使館、各国商工会議所が開いているサイト、ジェトロのサイト(http://www.jetro.go.jp/ttppj/)もある。
こうしたサイトの写真だけを見て、「この商品はこういう感じだろう」と日本の商品基準で判断してしまうと、相談のようなトラブルを経験することになる。
私の知る限りでも、こうしたトラブルを経験する人はかなり多い。
まず商品は現物を見ないと話にならないということを理解しなければならない。
特に、小口輸入の場合に要注意である。
小口輸入では「扱う商品数が少ないから、まあいいだろう」と油断するあまり、この過ちを犯すことが多いのだ。
【POINT】事前▼ビジネスマッチングサイトでの商品は玉石混交。
どんな場合でも、サンプルを取り寄せて商品を確認したうえで本発注をすべきである。
基本を忘れないこと。
事後▼ビジネスマッチングサイトでは、「実際のビジネスは自己責任でおこなってください」と必ず書かれている。
相手の信用情報などは輸入者側が行なわなければならないということだ。
サンプルの確認をせずに失敗したとしても、その損失は自分がかぶらなければならない。
06▼輸入した商品が日本人の体型に合わなかったスペインからソファを輸入したが、座面(SH)が日本人には高すぎた。
普通の日本人では足が床に届かない……これは私のケースである。
解決策を先に紹介すると、ソファの木製の脚を切って販売した。
そもそもこの問題は、日本人と外国人(この場合はスペイン人)との体格差から生じている。
日本のソファの場合、座面の高さはだいたい40センチぐらいである。
それが日本での平均的仕様になるが、欧米人は身体が大きい場合が多い。
海外から輸入したソファなどの場合、座面の高さは45センチほどである。
するとどういうことが起きるか。
そうである。
普通の人が腰をかけると足が浮いてしまうのだ。
しかも、彼らは靴を履いたまま座る。
欧米人の文化では人前で靴を脱ぐことは、ないのであるから。
よほど親密でない限り。
対して日本は、室内では裸足かスリッパであろう。
そうしたライフスタイルの違いからも、座面の高さが違っているのだ。
座面の奥行きも日本の場合は狭いが、輸入品は深い。
であるから腰をかけると、なんとも座り心地が悪いのである。
私も、一応は座って座り心地を調べたはずであった。
座り心地は非常に良かったのである。
ただ足が床につくかつかないかはイメージとしてあまり湧かなかったのだ。
その時は靴も履いていたし、私もそう身長が低いほうではないので余計に気がつかなかったのだ。
しかし、日本に輸入したら、お客様から指摘を受けた。
「体格の良い人なら大丈夫でしょうが、普通の体格の日本人、特に女性は足が浮いてしまって座りづらいのです」その時に初めて、私は気がついたのだ。
プロとしてお恥ずかしい限りである。
【POINT】事前▼メーカー(輸出者)に、発注の段階で高さを指示すること。
事後▼ソファの脚が木製であれば、脚部を切って低くすれば解決する。
ごまかす訳ではなく、自分からマイナスの情報を明かす必要はない。
「困った」ということで頭を抱えず、「何か方法があるんじゃないか?」と考えるのだ。
たとえば、大柄な人向けのコーナーを作るとか、デパートのキングサイズコーナーで販売してもらうようにする。
「日本仕様では小さくて困っている方に朗報、欧米仕様のソファ」という打ち出し方もあるであろう。
07▼輸入した木製品に割れが入ってしまったオランダから天然杢のテーブルを輸入したが、湿度の違いで天板に割れが入ってしまった。
商品価値がないものとあきらめるしかないのか……天然杢は、別名を「一枚板」とも「無垢板」とも言う。
問題の商品は、天板が一枚の板でできているテーブルである。
木製品の場合、湿度が変わると割れが入ることがあるのをご存じだろうか。
まず「木材は生もの」という感覚をもつ必要がある。
そのリスクを考えると扱わないことが一番なのだが、木製品には捨てがたい魅力があるのだ。
その魅力とは?ズバリ、利幅が取れることである。
木製品はハイリスク・ハイリターン商品ということだが、ヒビ割れなどの問題がどの程度の率で起きるのかということがポイントになる。
扱うのであれば、歩留まりを想定して、最初から採算に織り込んでおくとよい。
では、どれくらいの歩留まりを想定すればいいのか?私であれば、歩留まりをだいたい90%程度に想定する。
不良品、あるいは不良品になるリスクを10%見込むということだ。
値決めでは、90%の商品で商品価値を失った10%分の利益をカバーできる価格にするのだ。
もっとも不良品が10%というのは、中国からの輸入を想定しての数字である。
欧米などからの輸入では、2~3%程度と考えてよいだろう。
現実を見るともっとひどい商品もあるが、これ以上になると完全に商品ではない。
たとえば10個輸入して5個に問題があったような場合、その商品は欠陥商品と言うしかないだろう。
そうした商品自体の欠陥であれば、リスクも歩留まりも何もないのであるが。
最終的には私が扱ったオランダのひび割れ商品は廃棄処分にした。
業者に依頼して修理する手もあったが、修理にかかる費用が高い。
オランダに返送して修理するという話もあったが、輸送料金だけでもかなりの金額になってしまうのであきらめることにしたのである。
ちょっとしたひび割れ程度であれば、それを承知で購入するお客様がいないとも限らない。
しかし、そうした販売にも耐えられないほどのひび割れだった。
残った選択が廃棄処分だったわけで、今でも忘れられない悔しい思い出の一つである。
もうひとつ木製品で思い出したことがある。
日本で木製品を買う場合、「これは何の木ですか?」と、私たちは必ず材料を聞く。
応対に当たる人間は、「これは○○の木です」と答えてくれるのが普通である。
使われている木材名を聞き、値段やデザインも見比べたうえで買うか、買わないかを決める。
これは、輸入業者にとっては、当たり前すぎる選択である。
ところがである。
木製品を扱っている中国の輸出者に、同じ質問をしたことがある。
「これは木です」「木は分かっているよ。
何の木なのか、木の種類が知りたいんだ」「木でいいじゃないですか、何でそんなことを気にするんだ?」「日本では、使われている木の種類によって値段が変わる。
木の種類はとても重要なんだ」「そうですか、何と言えばいいのかな?中国語では分かるけど、英語で何と言うのか分からない。
そちらで調べてくださいよ」調べてみると、答えは「雑木」だった。
雑木とは「名前がついていない木」だから、何と言えば良いのか分からないのだ。
おそらく、裏山などに生えている木を適当に伐採して使っているのだろう。
良く言えば一点ものの工芸品、悪く言えば素材も分からない製品。
とりあえず一つだけをサンプルとして輸入するとお客様が気に入り、大量のオーダーを頂いてしまった。
雑木を使っていることは明らかだったから、どんな商品が到着するのかハラハラものであった。
「まったく違う木を使った製品が届いたりすると困るな」こんな心配をしていると、不安は的中した。
追加オーダーで届いた商品は、使われている木が明らかに違う。
色合いもまったく違い、とうていお客様が満足するような代物ではなかった。
私は、大幅値引きを飲んで泣く泣く納品したのである。
感覚の違いの典型的な例である。
【POINT】事前▼基本的には、この種の木製品は扱わないことが一番。
扱うのであれば、こうしたケースは必ず起こり得ることを理解したうえで、輸入する覚悟が必要。
また、最初から、ある程度の歩留まりを見て採算に織り込んでおく必要がある。
事後▼修理はかなり高くつく。
ひび割れの程度によっては、廃棄処分しかない。
08▼欠陥電気製品をつかんでしまった見てくれが良く、安い価格を提示されたため、ドライヤーを大量に発注した。
実は欠陥商品で、5~6回使うとショートしてしまう劣悪商品だった……電気製品で、こうしたパターンはよくある。
ここに挙げた例のように、見かけ上は良いが、5回ほど使うとショートしてしまうドライヤー。
しばらくすると映らなくなってしまうテレビなど、潜在的な欠陥を持っている商品があることを認識しなければならない。
輸入した商品の大部分でこうしたトラブルが起きたとしても、事実上、返品不可能である。
だから、デザインが気に入ったとか、多少価格が安いとか、1回使って大丈夫だったといったことだけで輸入してはいけない。
このケースでは、欠陥電気製品を輸入して何か事故が起こり、PL法(ProductLiabilityLaw=製造物責任法)に問われなかっただけでもよしとしなければならない。
輸入者は、PL法では製造者としての責任を問われるからである(PL法については「第4章12▼PL法(製造物責任法)対策を講じたいが…」参照)。
そこまでひどくはないが、仮に100台輸入して3台から不具合が見つかったと想定しよう。
日本の常識ではこのくらいの不良品率であっても欠陥商品扱いになる。
だが、海外からの輸入ではこれくらいの歩留まりであれば欠陥商品とは言いづらい感じなのである。
こうした場合、3台分の商品から得られる利益は、どうカバーしたらいいのか。
なにか良い方法がないか?それを伝授しよう。
「この前の製品には不具合な商品が3台混じっていた。
今回のオーダーで、その3台分を値引きしてほしい」もちろん同じ取引相手にしか通用しないが、3台分の代金を送金してもらうより、この方法のほうがはるかに現実的だ。
さらに、お互いの友好関係を維持しやすいのだ。
【POINT】事前▼まず電気製品はこうしたことが起こりがちであることを認識すること。
だからこそ、少量のトライアルオーダーをして一度様子を見るステップを忘れてはいけない。
そして、まさかの時に備え、PL保険(製造物責任保険)には必ず加入しておくこと。
事後▼「損切りはやむを得ない」と考え、自主回収するしか手はない。
「お客様にケガをさせなかっただけよかった」と思わなければならない。
09▼電気製品の一部が日本仕様になっていなかったテーブルランプのコンセントが、日本仕様になっていなかった。
このままでは販売できないが、打つ手はないものか……テーブルランプには、コンセントがついているタイプが多いであろう。
そのコンセントだが、日本では差し込み口が違うのだ。
そしてボルト数は100ボルトである。
これが問題になるのだ。
私の知る範囲では、100ボルトを使っているのは、日本と韓国しかない。
つまり大概の国の電化製品は、そのままの仕様では使えないのである。
あなたも海外で日本の家電製品を使えず困ったケースがおありであろう。
輸入ビジネスに慣れていないと、デザインばかりに気を取られて輸入し、こうした点をうっかり見逃してしまう。
製品が到着して初めて気づき、頭を抱えるのだ。
日本で使える仕様になっていないので、このままでは国内で販売できない。
「このテーブルランプは実際には使えません。
デザインがいいですから、部屋のインテリアとしてお使いください」お客様にこんなことは言えない。
ただし、対応は可能である。
プラグは電気屋に行けば手に入るし、それを付け替えれば日本仕様のプラグになるのだ。
私も社員総出で直したものである。
辛い作業であった。
輸入してしまった以上、何とか販売にこぎつけないと丸損になってしまうではないか。
不良在庫にしてしまうと、利益がゼロだけでは済まない。
貴重な資金を眠らせてしまうことになってしまう。
「これでは売れない」と嘆くのではなく、「売るために、何か方法はないか?」と考えるのだ。
起こってしまったことは、仕方ない。
これからどうするのかを、考えていくのである。
【POINT】事前▼まず重要なことは、この輸出者が日本と取引をしたことがあるかどうかである。
日本の業者と取引した経験があれば、少なくともこうしたことは起こらない。
この点を確認しておくこと。
また、日本仕様への変更を契約書に明記しておくこと。
契約書に明記されていれば、相手は契約を守るものである。
事後▼輸入後でも、日本用の仕様に変えることは可能である。
自社でやることもできるし、業者に依頼して変更してもらう方法もある。
10▼商品の変質で、商品価値がゼロになってしまったイタリアからキャンドル(ローソク)を海上輸送で輸入したが、コンテナを開けてビックリ。
全部溶けてしまっていて、まったく商品にならない……輸入ビジネスを始めたばかりのころの私の失敗である。
意外に気づかずに似たような失敗をする初心者は少なくない。
普通の生活をしていると、こんなことが起こるとは夢にも思わないからである。
ローソクが溶けたのは、商品を輸送する船が赤道を通ったからだ。
ひとたまりもないであろう。
輸出者なら、船が赤道を通ることぐらい知らないのか?自分自身の無知を棚に上げてこんなことを思って悔しがったものである。
結論を言えば、知らないと考えておいたほうが良い。
日本が「ファーイースト(極東)」と呼ばれるのはご存じだろう。
日本で売られている世界地図では日本が中央に描かれ、ファーイーストはアメリカのほうである。
ではなぜ、日本がファーイーストと呼ばれるのか?この疑問は、世界標準の世界地図を見れば即座に氷解する。
世界標準の世界地図では中央にヨーロッパがあり、日本は東の端に描かれている。
だから、日本はファーイーストになるのだ。
ヨーロッパ人のなかで、日本は極東にあると知っていればまだ良いほうだ。
まず、日本がどこにあるかすら知らない輸出者も多いのだ。
私が初めてヨーロッパに行ったのは今から32年前、大学生時代のことである。
ロンドンからマドリッドに入り、トレド、セビーリャ、コルドバ、グラナダ、バレンシアと放浪の旅を続けた。
スペインでは、なぜか私のことを「チノチノ」と呼ぶのだ。
当時は分からなかったが、これは中国人を意味するスペイン語だった。
私のことを東洋人とは分かるが、日本人とは分からない。
その当時、日本人は田舎では珍しかったのだ。
中国人と間違えるのも無理はない。
「私は日本人だ。
日本から来た」「日本?日本って、どこにあるんだ?」今でも、怪訝そうな彼らの顔はハッキリ覚えている。
現代日本には、当時にも増して世界中の情報が洪水のように押し寄せてくる。
日本人ほど、世界情勢に通じている国民はいないのではないかと思う。
対して、現在でも、他の国々には自国以外の情報はそれほどあふれていないのだ。
日本がどこにあるかを知らなければ、どうだろう。
彼らが、日本への海上輸送では炎熱下の赤道を通ることなど思いもよらなかったとしても不思議はない。
コンテナは鉄板とかアルミでできている。
甲板上に船積みされているから、赤道を通過する際など、直射日光が当たってコンテナの内部は100度を超えるのだ。
これくらいの高温になると溶けやすいものは言わずもがな、そうでなくても何がしかのダメージをこうむって品質が変わってもおかしくはない。
くれぐれもご注意召されよ。
【POINT】事前▼あまり考えないことだが、ヨーロッパから海上輸送されるコンテナは赤道を通る。
その際、コンテナの内部は100度以上になるため、キャンドルなどは溶けてしまう。
高熱でも問題のないものは普通のコンテナでもよいが、溶けたり、変質したりすると商品価値がなくなるもの(ワイン、食品関連)は、契約書で「リーファーコンテナ(冷蔵庫付きのコンテナ)」を使うよう指示しておく。
リーファーコンテナでもリスクが考えられる場合、海上輸送はやめて空輸するケースも多い。
事後▼商品価値ゼロだから、打つ手はない。
いくら惜しくても、廃棄処分にするしか方法は残っていない。
11▼相手の梱包が悪く、多くの商品が破損してしまった到着した商品を倉庫に搬入しようとコンテナを開けたら、90%以上の商品が破損していた。
さっそく保険会社に連絡すると、「輸出者の不完全梱包が原因で保険は不適用」との回答が返ってきた……これも私の事例だが、こうしたケースで思わぬ損害をこうむった人は少なくないはずである。
まさに「やっちまった」という感じである。
その商品とは、中国製のプランター(鉢カバー)であった。
ホームセンターなどで販売しているプランターはプラスチック製のものが多いが、それは陶器製だった。
コンテナを開けて商品を手に持った瞬間、ガラガラッと音がした。
「何だ、どうした?」社員の驚きの声。
プランターは大中小の3個が入れ子で、1セットになっていた。
その3個のプランターの間には汚れた薄いダンボール1枚がはさまれているだけで、緩衝材がまったく使われていないのだ。
あり得ないではないか。
輸入ビジネスを始めたばかりだった私は、輸出者はきちんと梱包して送ってくるものと思い込んでいた。
信じきっていたのだ。
海上輸送すると、当然、商品が積まれたコンテナは揺れる。
梱包とも言えないこんな梱包では、プランターが破損するのは当然である。
その梱包には唖然とした。
しかし万一の輸送リスクを考えて海上貨物保険に入っていた。
入っていたのは、「オールリスクA/R条件」である。
「この保険に入っていれば大丈夫。
すべてのリスクがカバーされる」当時の私は、こう思っていた。
ほっとした。
まさに地獄に仏である。
しかしこれからは、まったくしゃれにならない。
オールリスク保険と言えど、輸出者の不完全梱包は保険の対象にならない!私は、きちんと認識していなかった。
「大須賀さん、梱包状態が悪すぎます。
これは輸出者の不完全梱包で、保険の対象にはなりません」「オールリスクA/R条件は、オールリスクをカバーするって言ったでしょ?私は、しっかり聞きましたよ」「輸出者の不完全梱包は保険対象外です。
梱包条件を契約書に明記しなかったのですか?」輸出者の不完全梱包は保険対象外であることも知らなかったし、契約書に梱包条件も明記していなかった。
私は、黙るしかなかったのである。
唇をかんだ。
覚えておられるだろうか?相手の梱包不良以外にも、オールリスクA/R条件ではカバーされないトラブルがあった。
それらについては前章の「序章15▼商品の保険はどうなっているのか?」を参照してほしい。
結局、この件では80万円ほどの損害をこうむった。
この時はこれだけの損害ですんだが、高価な商品であればとんでもない損害になっていたであろう。
しかし、話はそれで終わらなかった。
売り物にならなくなった陶器製のプランターの処理が残ったのだ。
捨てる場所に困って業者に依頼して処理してもらったが、その処理費用も自己負担になってしまった。
こうした状況を「泣きっ面に蜂」と言う。
それ以降、梱包状態は、微に入り細にわたりチェックすることを忘れたことはない。
【POINT】事前▼商品梱包は見落としがちなポイントである。
契約前に、輸出者のカートン状況(どういう梱包状態で商品が輸出されるのか)をチェックしておくことでトラブルは防げる。
契約書にも梱包条件を明記しておけば、違反して保険対象外になった場合も先方に損害賠償請求ができる。
事後▼事前の防止策を講じていなかったのだから、あきらめるしかない。
第2章解決!「契約、代金、保険」での困った
01▼メーカーがパッケージの変更を納得しない高価格の商品なのに、パッケージが極めてお粗末。
商談で「日本ではパッケージも商品のうちである」と説明するが、「捨てる物に、何でそんなに金をかけるんだ」と言わんばかりで態度を変えない……日本の場合、パッケージ(ギフトボックス)も商品の一部である。
しかし、海外では外装というのは捨てるものという感覚があり、あまり神経を使わない傾向が強い。
パッケージがらみでは、とにかくいろいろなことが起こるものだ。
たとえば、ヨーロッパからソファを2個輸入した時、一つのダンボールに互い違いに入れられて送られて来た。
引越しなどの時、イスの運搬でよく使うあの状態だ。
「我々のお客様は1個ずつを顧客に売るのです。
日本での配達を考えると、別にダンボールを探して入れ直さないといけない。
なぜ、1個ずつ別に梱包しないのか?」「コンテナに入れる時、このほうがスペースがうまく使える。
あなたも運賃のセーブになり、得だろう」「コンテナの運賃より、これでは日本での入れ替え作業のほうにコストがかかってしまうではないか」「日本人は細かいことを言う割りには、発注量が小さい。
アメリカを見ろ。
そんな細かいことは言わずにド~ンと買ってくれる」時には、こんな不届きな発言をする輸出者もいる。
中国や東南アジアの業者ばかりではなく、ヨーロッパの業者にもいるのだ。
そうしたヨーロッパの輸出者は、なぜこんなことを言うのか?ヨーロッパ各国の輸出者は、だいたいアメリカ市場をターゲットにしているからだ。
アメリカ人の民族性として、エコロジーとか安全性の問題意識レベルはかなり高いが、パッケージにはあまりこだわらない傾向が強い。
アメリカでは、日本の問屋に相当する中間業者があまりいない。
小売業者が直接メーカーから買い、簡単なパッケージのまま消費者に売る。
日本とは流通形態が違うのだ。
パッケージをあまり気にしないアメリカ人の民族性に秘密があるのである。
そうしたアメリカ市場を向いているヨーロッパの輸出者は、「日本向けだから……」と考えはしない。
日本市場の特殊性も知らないから、いつものアメリカ向け商品と同じ梱包で出荷してしまうことになるのである。
結論を言うと、「アメリカを見ろ」と言い張るメーカーとは付き合わないほうがいい。
アメリカへの出荷と同じつもりでいい加減な梱包で商品が送られてきたり、納期もアバウトで、顧客との板ばさみになってこちらが困ることになるからである。
そこで、高価格の商品にふさわしいパッケージにしたいあなたに、絶好のフレーズ、殺し文句を教えよう。
「これは私が言っているんじゃない。
あなたの気持ちも分かるけど、日本のマーケットが言っていると思ってほしい。
あなたは日本のマーケットと付き合いたいですか?これからも日本と付き合いたければ、その勉強をしていると思ってほしい」日本市場は、非常に魅力的な市場である。
今のフレーズを使えばやる気があり、日本市場での売り上げを伸ばしたいメーカーなら納得してくれる。
なんと言っても日本は世界第2位の経済大国なのだから。
【POINT】事前▼日本では、パッケージも商品の一部である。
商談相手がそのことをよく認識して、それに対応できるのかどうかを実際のパッケージで確認したうえ、取引を始めること。
よく言われることだが、日本の常識は世界の非常識。
世界の常識は日本の非常識である。
02▼担当者が長期バカンスで連絡が取れない担当者がバカンスで2ヵ月も休暇を取っているとのこと。
顧客との納期も迫っているので、「担当者に連絡を取って折り返し連絡がほしい」旨のお願いをしたが、「バカンス中なので」の一点張りでラチが明かない……これは、実際にスペインの業者と取引した時の私の体験である。
9月に日本で展示会があり、私は出展を決めていた。
その展示会に出展する商品を依頼するため、7月にいつもの業者と連絡を取ったのである。
「セニョリータ○○はいらっしゃいますか?」「セニョール大須賀。
今、彼女はバカンスを取っている。
9月まで戻ってこないよ」9月出社では、展示会にはとうてい間に合わない。
「9月では間に合わないのです。
何とか連絡が取れないか?」「いま、彼女はバカンス中だと言ったでしょ」「バカンスは分かったけど、連絡くらい取れるでしょ?」「そんなことできないよ。
バカンス中の人間に、仕事の連絡なんかとれないよ」日本では、「○○は休暇中ですが、私が聞いて連絡を取ります」といった按配になるのにである。
ビジネスファーストの我々は日曜日でも連絡が取れるが、そうした日本的感覚はまったく通用しないのだ。
バカンスは長期休暇だが、休日も国によって異なる。
たとえば、日本人はゴールデン・ウィークは当たり前と思っているが、もちろん海外諸国にゴールデン・ウィークはない。
また、中国は2月に旧正月があり、その間はいっさい動かないと思わなければならない。
この期間に一生懸命に電話をかけても、メールを送っても、返事は来ないのだ。
休日は、各国によってさまざまである。
取引相手国の休日を知りたければ、どうするか?簡単な方法がある。
取引する相手国のカレンダーを入手すればよい。
そうすれば、相手の国の何月何日が休日になっているかは一目瞭然である。
【POINT】事前▼取引の前に、相手国の文化を理解することが重要である。
特にその国のバカンス休暇や休日のパターンは必ずチェックしておき、余裕を持ったスケジューリングをしておくことだ。
03▼届いた見積額が展示会の時の話と違う海外の展示会に行って商談をしたが、その時に聞いた価格より高い見積書が届いた。
あわてて連絡すると、「そんな価格の話はしていない」と突っぱねられた……輸入ビジネス参入時によくあるパターンである。
「しっかり商談すれば大丈夫だろう」と安心してメモを取らないことが多いからだ。
こうした問題では、まず誰と価格の商談をしたかが争点になる。
展示会で交わした価格の話を証明するためには、証拠が必要であろう。
そのために自分が話したこと、相手が話したことをきちんとメモを取っておくことが大事なのである。
もう一つ、輸入ビジネスに慣れてきたころも危険である。
多少は実務経験を積んだことから油断が生じ、この種の問題が起きやすくなるのだ。
いまはE―MAILの普及により、展示会での商談も簡単になってきている。
「メールで、写真付きの見積書を送ります」「分かりました、それでお願いします」自分で書くという作業が面倒くさいのか、ややもするとこうした交渉になりがちである。
メールで到着した見積書を見ると、展示会で聞いた時の価格と違う。
あわてて連絡すると、「そんな話はしていない」と言うのだ。
しかし、展示会での商談内容をメモに取っておかなかったので、話はそれ以上進展しないのだ。
だってそうであろう。
証拠がないのだから。
こうした問題が起こる背景として、いくつかのことが考えられる。
ひとつめに、相手がこちらを品定めして、適当な値段を言っている場合がある。
輸出用のプライスリストを用意しておらず、気分で適当な値段を言うことがあるのだ。
信じられないかもしれないが、そんな経験が何度もある。
ふたつめとして、展示会で話をした相手と、実際に見積もりをする人間が異なる場合もある。
言い間違いもあれば、こちらの聞き間違いということもあり得るだろう。
私の場合、展示会には必ずノートを持参する。
自分の話したこと、相手の話した内容を書き、担当者のサインをもらうのだ。
当然、価格の話が出た時はノートに価格を記入したうえで相手に確認してもらい、忘れずに相手のサインをもらう。
輸出者が高い見積書を送って来た場合、担当者のサインがある部分を写真などに撮り、相手にメールを送る。
「ここに○○さんのサインがある。
今回は商談をした時の見積もりでやってください」こう主張すれば、相手はその価格でやらざるを得なくなる。
「安い見積書が届いたらどうすればいいのか?」こんな声も聞こえてきそうだが、その場合は「サービスだな」と考え、安い見積もりでいけばいいではないか。
めったにないことなのだから……。
【POINT】事前▼商談の際は必ずメモを取り、商談の最後にメモを確認してもらい、サインをもらっておく。
こうしておけば、この種の問題は起こりようがない。
事後▼事実なら、再度交渉すべきである。
証拠がないために水かけ論になる恐れがあるが、堂々と主張して交渉すべきだ。
国際的には、交渉はすることが常識である。
こうしたケースで、交渉慣れしていない日本人は泣き寝入りすることが多く、日本人はくみしやすいと思われている。
つまり、言葉は悪いが、なめられてしまうということだ。
04▼全額前払いに応じたら商品が届かない初めての取引相手だったが、全額前払いの条件だった。
相手の会社の信頼性を確認せずに取引に応じたら、商品が届かなかった……まず重要なポイントは、初めての取引相手とは全額前払いの条件に応じないことだ。
絶対にやってはいけない。
私の例だが、4月に行われる展示会で陶器のオブジェに関心を持ち、少量のサンプルオーダーをしたのである。
すると、相手はこう切り出して来た。
「少量でも、サンプルは有料です。
料金は3万円になります。
送料も別にかかります」サンプルではサンプル料金と送料でいろいろなケース(「序章08▼サンプルを無料にできないか?」参照)があるが、この場合は合計3万5000円程度だった。
日本に戻ってから送金すると5000円程度の送金手数料がかかるので、振込料のセーブと思ってその場で支払って帰国したのである。
しかしなかなかサンプルが届かない。
連絡を取っても、一向に返事が来ない。
さらにまずいことに、私はその時の領収書を紛失してしまっていた。
料金を支払った証拠がなくなってしまっていたのである。
毎年4月と10月、私はその展示会を訪れていた。
10月に再びその展示会を訪れた時、料金を取っておきながらサンプルを送って来ない件のブースを訪れた。
「私のことを覚えているでしょう?4月の展示会にサンプルの料金を払ったのに、なぜ送ってくれないのですか?」すると信じられないことが起きたのである。
「えっ、なんの話でしょうか?記憶にありませんが」思わずムカッと来たが、私は領収書を紛失している。
これ以上いくら言っても、水かけ論に終始する。
これは想像だが、この業者の常套手段かもしれない。
領収書を提示すれば「ああ、あの時の」とか、「こちらの書類がどこかに行ってしまって」とかの対応をするのだろう。
私の場合は小額だったのでまだいいが、30万円ほど全額前払いしたのに商品が届かなかった悲劇の友人がいる。
なかには、全額前払いしたのに石ころが届いたという話もある。
では、実際に商品が届かなかったり、石ころなど届いたらどうすればいいのか?裁判にするという方法もないわけではない。
裁判の場合、準拠法と契約書が争点になる。
準拠法とは、どこの法律に基づいて裁かれるのかということである。
契約については先に少し触れたように、契約書は輸出者が作るものと、輸入者が作るものがある。
それぞれ自分にとって有利なように作成されているのだ。
日本の輸入者が作る契約書には「裁判は東京で行なう」と記載するが、輸出者が作る契約書には「裁判は自国で行なう」となっているのが普通である。
どちらで裁判を行なう際でも、たとえ勝訴しても、確実に取れるかどうかは保証の限りではない。
「毎月5000円ずつ10年払い」といった提案が出たとしても、とうてい現実的な解決策とは言えないであろう。
また、中国で訴訟を起こした場合、まず勝てる見込みはないと思っておくべきである。
【POINT】事前▼今の時代、全額前払いというのは相当強硬な条件で、いったん様子を見たほうがよい。
だいたい30%前金で、残り70%は船積み後に決済する条件が常識になっている。
何があっても、初めての取引相手に全額を前払いするようなことをしてはならない。
それを「自分の哲学」にしておく必要がある。
事後▼裁判に訴える手もあるが、事実上、経費倒れする場合も多い。
金額に応じて訴求するかどうかの判断をすべきである。
05▼商品は欲しいが、取引相手に不安がある相手の商品は欲しいが、全額前払いの支払条件を出された。
心配な面もあるが、こうした場合の対処法はあるのか……前項でも述べたように、初めての取引相手には全額前払いに応じないことである。
しかし、その商品が非常に魅力的で、なおかつ日本市場で有望と思われる場合もある。
その場合、どうすればいいか?悩ましいポイントではある。
私は、次の2つのポイントを判断の手がかりにすることをお勧めする。
相手の対応を見て、信頼できるかどうか?人間の観察力が要求されるため、すべての輸入者にお勧めできる方法ではない。
しかし、やましいことを考えている人間は、どこかにおかしな素振りが出るものだ。
少しでも「おかしいな」と感じたら、とりあえず取引しない方向性にする。
自分が、その商品をどの程度まで欲しいのか?全額前払いのリスクと、その商品が欲しいあなたの気持ちとのバランスの問題だ。
リスクを犯してまでも輸入したいか、リスクを考えて輸入をやめるかだ。
問題は、その中間である。
相手の対応にはちょっと心配な点があったものの、なかなかその商品があきらめられないケースだ。
あなたはどうすればいいのか?目をつぶって全額前払いの条件に応じるのか?私の場合であれば、相手の会社の信用状況を調べる。
国際的な興信所を使えば、相手の会社の信用状況は簡単に調べられるのだ。
たとえば「ダンレポート」という有名な会社があり、東京にも支社があるのだ。
また最近、「帝国データバンク」もそうしたサービスを開始している。
データベースに資料があれば、1万円程度で情報を入手することができるのである。
資料がなければ、とを天秤にかけて判断する。
【POINT】事前▼初めての取引相手とは全額前払いの取引はしない。
これが大前提だが、商品が非常に魅力的で、しかも日本市場でも有望な場合、取引相手の信用状況を調べてトータルで判断をする。
06▼契約条件だった信用状(L/C)の開設を銀行から断られた初回取引は信用状(L/C)が条件になっていたが、銀行でL/Cの開設を断られてしまった。
取引をあきらめるしかないのか……初回取引が必ずL/Cというわけではない。
今は現金のほうを喜ぶメーカーが多いのだ。
しかし少数だが、L/Cを求めるメーカーもある。
L/C決済の流れを思い出してほしい。
L/Cを開設するためには、輸入者と銀行との間に信用関係が必要なのだ。
初めての取引では、輸出者は「商品代金をきちんと支払ってくれるのか」という不安がある。
初回取引に輸出者がL/Cを求める理由は、輸入者の信頼度を見るためである。
さらに、輸出者の事業実績として、L/C取引が輸出者銀行の情報として伝わる。
その事業実績が輸出者にとって融資の審査対象になることも考えられるし、L/Cをもらった瞬間に、銀行からそれと同額の融資を受けられるメリットもある。
取引条件だったL/C開設を銀行に断られた場合、輸入者はどうすればいいのか?取引をあきらめるしかないのか。
実はそうとばかりは限らない。
本当にその商品を輸入したいのであれば、もう一度、銀行とL/Cの開設を交渉するのである。
その場合、L/Cと同額の現金を担保として提供すれば、だいたい開設を認めてくれるはずである。
銀行によっては条件をつけるケースも考えられ、銀行の担当者とよく相談することが求められるが。
再度の交渉でも、銀行にL/Cの開設を断られたらどうするか?万事休すなのか?いや、それでもまだ手はある。
どうしてもその商品を輸入したければ、あとは情熱を見せる一手である。
相手にその商品への熱い思いを語り、送金ベースでの輸入を再度依頼してみるのだ。
あなたの情熱が伝われば、「YES」は出るのだ。
【POINT】事後▼銀行にL/C分と同額の現金を担保として提供し、再度開設を依頼する。
それでも銀行が開設を拒否した場合は、輸出者に正直にその旨を伝えて送金ベースにしてもらう。
送金ベースがNOであれば、その取引は断念するしかない。
07▼送金したのに、入金が確認できないと言われた中国に送金する際、日本国内での送金と同じように、振り込んだその日に着金するものと考えていた。
貨物の到着を待ったが一向に届かず、メーカーに問い合わせると入金が確認できないとのこと……私たち日本人はまず、とてつもなく便利な国に住んでいることを自覚しなければならない。
銀行送金をすれば、その日のうちに相手の口座に着金する。
それが当たり前の感覚になっていると、失敗することがあるのだ。
たとえば、欧米では振り込めば1~2日のうちにだいたい着金するが、中国では1週間、時には10日もかかることがある。
そうした事情を知っていないと、こうしたケースが起こるのである。
輸出者が、着金を確認してから商品を出荷したいと思うのは当然である。
商品を出荷したはいいが回収不可能では困ったことになるからだ。
そうした事態を避けるためにはどうすればいいのか?簡単でありながら、良い方法がある。
銀行送金が済んだ段階で、銀行印が押してある送金依頼書を輸出者にFAXしておくのだ。
銀行印がある依頼書が届いた段階で、だいたいの輸出者は出荷してくれるはずである。
日本の銀行は世界でも信用があるのだ。
最近は日本の銀行も破綻したり、信用不安に陥ることもある。
しかし他国の銀行と比べた場合はまだいいほうなのだ。
ただ自国の銀行を見ている輸出者は、銀行そのものを信用していないケースもある。
こうした輸出者は、着金を確認しないと商品の出荷をしない場合もある。
余談になるが、中国に輸出する日本メーカーは、輸出先の中国企業がなかなか製品代金を支払ってくれない悩みや、不払いの悩みを訴えるケースが多いのである。
中国の会社で、どんな経理マンが優秀、有能と言われるかご存知だろうか。
驚いてはいけない。
「金を払わない経理マンこそ優秀、有能な経理マン」なのである。
支払いを催促すると、だいたいこんなやり取りになる。
「あの商品の支払代金がまだ未入なのですが……」「今、一生懸命にやっています」「いつごろの入金になるのか?」「ハッキリとは分からない」「きちんと支払ってくれるんでしょうね?」「もちろんだ、支払います」「いつごろの入金になるか、具体的にならないのでしょうか?」「入金を急ぎますか?急ぐならそこで相談だが、支払方法を分割に変更させてくれないか?」実話である。
日本のメーカーとしては、商品代金が不払いになると困る。
支払方法の変更にしぶしぶ同意して分割払いになるが、それでも確実に支払われる保証はない。
私たち輸入ビジネスに携わる者とは真逆の話だが、中国の一つの顔を知っていただきたいのだ。
【POINT】事前▼銀行送金が済んだ段階で、輸出者に送金した旨を証明する「送金依頼書(銀行印が押されたもの)」をFAXしておく。
だいたいの輸出者は、その時点で出荷してくれるはずである。
事後▼大至急、「送金依頼書」をFAXする。
同時に、大至急での出荷を要請する。
08▼契約した個数と、実際に届いた個数が違ったスペインの会社に100個の注文をしたのに、届いたのは104個だった。
商品は100個でいいのだが、返品できるのか……商品の個数については、増減があるものと心得ておく必要がある。
商品は、船便の場合通常コンテナに入れて輸送する。
コンテナには20フィートと40フィートの2種類がある。
輸出者は、依頼された商品が、一つのコンテナに積める個数を割り出すことができる。
その量によってそのどちらのコンテナにするのかが決まる。
しかし契約の際に、輸入者の要望でカートンの形を変えたり、ギフトボックスの形を変更することがある。
その場合、商品1個あたりの大きさが変わってくるのは理解できよう。
これを「measurement(メジャーメント)」と呼ぶが、一カートンのメジャーメント(容積)が小さくなるケースがある。
その場合、発注量だけではコンテナを満載にできず、結果として輸送途中に荷崩れの可能性が出てくるのである。
そうしたリスクが想定される場合、輸出者からこんな要望が来ることがある。
「発注されたカートンで積むと、満載にならず荷崩れを起こす可能性がある。
注文数は100個ですが、106個にしてもらえませんか?」――荷崩れを起こして破損でもすると、そちらのほうが被害が大きくなる。
輸入者は多少個数が増えても安全なほうがいい。
「OK、106個にしてください」――こう返事することになるが、もちろん増えた分の品代は払わなければならない。
このように納得づくの場合は、問題はないのであるが、輸出者から連絡がなく突然、発注量より多い受注書が届くことがあるのだ。
輸入ビジネスを行なっている人間には常識だが、初めての人はビックリするだろう。
契約書の条項に10%の増減を認める旨の一言がある場合が多いからである。
逆に、パッケージ仕様を変更したために、コンテナに積める個数が減ることもある。
たとえば100個の発注でも96個しか届かない。
この場合は当然、料金は96個分でよいのは言うまでもない。
【POINT】事前▼契約書には、「10%ぐらいの個数の増減はあり得る」という一項が入っていることが多く、改めて説明しない場合もある。
契約書を確認しておくこと。
事後▼契約書に「増減があり得る」の項目があって個数が増えた場合、増えた個数分の料金は支払わなければならない。
個数が減った場合、減った個数分の料金は差し引いてもらう。
09▼アメリカの会社とFOB契約をしたが、商品が届かないアメリカの会社と、FOB(本船渡し契約)で契約した。
輸出者から出荷済みの連絡があったが、待てど暮らせど到着の案内がない。
納期が迫ってきたので再度輸出者に確認を入れたところ、間違いなく出荷済みとのこと。
よくよく調べてみると、商品はシカゴの貨物用倉庫に放置されたままだった……FOBとはどういう貿易条件だったか、覚えておいでだろうか?もう一度、「序章18▼貿易条件がよく分からないが…」を思い出してほしい。
通常、FOBとは、「輸出者が本船に商品を乗せてくれる契約」だ。
契約で指定された港で、輸入者が手配した本船に、輸出者が商品を積み込んで引き渡す。
船に積むまでのリスクと運賃などの費用は、輸出者の負担になる。
それ以降のリスクや運賃、保険料は輸入者が負担する。
このFOBは、国際商工会議所が取り決めた「インコタームズ(貿易条件の解釈原則として規定されたもの)」の国際ルールになっているが、アメリカの場合は多少ニュアンスが異なっている。
実は、アメリカでFOBと言った場合、国内法で6つのFOBの形式が存在するのだ。
厄介なことに、その中にはEXWORKS(工場渡し条件)を始め、商品を本船に積み込まない契約も含まれている。
さらに、アメリカ国内の輸送費や船積み費用が輸入者負担になることも多いのである。
もし、そうしたFOB契約であればどうなるか?あなたが本船を手配していても、商品は船積みされない。
いくら首を長くして到着を待っていても、このケースのように倉庫に放置されたままの事態が起きてしまうのである。
【POINT】事前▼アメリカのFOBの定義を知らなければ、こうしたケースは起き得る。
アメリカとのFOB契約では、契約内容の確認を怠らないことである。
事後▼そのままでは納期に間に合わないだろう。
顧客と相談して納期を延ばしてもらうとか、キャンセルされても輸入して販路を発見するなど、最善と思われる処置を講じることである。
10▼運賃が重量ではなく、容積換算で高くなってしまった中国から5個口(約75キロ、480個)ほど、見積書を取らずに某大手国際配送会社を使って航空輸送で輸入した。
480ドルのFOB金額に対し、運賃が重量ではなく、箱の容積に換算されて21万円になってしまった……輸入ビジネスに慣れないうちは、輸送費の決まり方は非常に理解しづらい一面があると思われたのではなかろうか。
通常、海上運賃の建値(運賃計算の基準となる単位)は次のようになっている。
容積建て運賃(measurement)……通常、1立方メートルを1トンとする「容積トン」で決められる。
重量建て運賃(weight)……重い貨物に適用される。
原則的に1トンは1メトリックトン(metallicton)、つまり1000キログラムを「1重量トン」と決めている。
従価建て運賃(advalue)……商品が高価な場合、インボイス(納品・請求書、仕入れ書)上のFOB価格に一定率をかけて算出される運賃。
ボックス・レート(boxrate)……コンテナ単位で表示される運賃。
「コンテナ1本でいくら」という運賃設定である。
以上が海上運賃の基本的計算法である。
容積建てか、重量建てかの選択は、船会社が選ぶのである。
当然、船会社は自分が有利なほうを選ぶ。
たとえば重いものは「重量トン」で、かさばるものは「容積トン」でかけるのである。
このケースのように、航空輸送の場合はどうなるのか?航空輸送の場合、基本的には、容積と重量のどちらか大きいほうで決められる。
容積は6000立方センチメートルを1キログラムに換算する(ただし、7000立方センチメートルを1キログラムとする一部の国もある)。
航空運賃は、ミニマム運賃、45キログラム未満、45キログラム以上、100キログラム以上、300キログラム以上、500キログラム以上、1000キログラム以上に分けられている。
それぞれの場合に応じてキログラム当たりの運賃が設定され、重くなるほどキログラム当たりの運賃が安くなる。
これを「重量逓減制」と言う。
普通の場合、国際貨物運送会社に商品の種類を話して、運賃の見積もりを取る。
このケースのそもそもの過ちは、見積もりを取らずに輸入してしまったことにある。
私も、似たようなケースを経験した。
展示会に間に合わせようと、オランダから3点セットのソファを2組輸入することにした時のことだ。
時間が切迫していたので見積もりも取らず、とにかく輸出してくれと相手に依頼した。
後日運賃の請求書を見ると、何と50万円になっていた。
目玉が飛び出た。
通常、運賃は、貨物が積まれる国の通貨建てで決められる。
ドル圏であればドル、ユーロ圏ならユーロ、イギリスならポンドになる。
一方、私たち日本の輸入者にすれば、円をその通貨に換算して支払わなければならない。
見積もりを取れば、運賃のだいたいのところは把握できる。
しかし、そこに為替レートの変動という厄介なものが入っているため、実際に輸送しないと分からないことになるのだ。
【POINT】事前▼基本的に、輸送は運賃の見積書を取ってから依頼すべきである。
見積もりを精査し、納得したうえで依頼すべきであろう。
事後▼ダメもとで交渉してみる。
実際、このケースでは交渉がうまく行き、21万円の送料が12万円まで下がった。
ただし、交渉すれば必ず送料が値下げされるとは限らない。
11▼相手の勝手な判断で、輸送コストがアップしてしまった事前に全体の量を確認していなかったため、商品量が多すぎて一つのコンテナに積みきれなかった。
2つのコンテナに分かれてきたため、思った以上にコストがかかってしまった……このケースは、ヨーロッパの輸出者との取引の時の話である。
「20フィートのコンテナで船積みしたいので、そのコンテナにジャストフィットする商品数にしてほしい」輸出者のほうから、こう依頼された。
私のほうはそれほどの量は不必要だったが、相手の言い分を飲み、その量の輸入を承諾した。
2ヶ月後、輸出者から連絡が入った。
「1つのコンテナに積みきれなかった。
30個残ったから、その分のコンテナを別にしました。
書類が2通行くから処理してほしい」「ちょっと待ってくれ。
最初からそんな量は要らないんだ。
余った30個は積まなくていいんだ」「ミスター大須賀、もう積んでしまったよ」商品が船積みされてしまった以上、動きは取れない。
しかも、積めなかった分は「LCL(LessthanContainerLoad=混載)」になっていた。
前にも触れたが、混載というのは1つのコンテナにいろいろな輸入者の商品が詰め込まれる輸送形式である。
この時の契約はFOB契約で、商品を船に載せるまでが輸出者の責任で、船積み以後のコストは輸入者の負担になる。
わずか30個の商品のために、しかも本来は欲しくもない商品のために、混載分のコンテナ代をはじめ、輸送費も通関費用も新たなコストが発生することになってしまったのだ。
ヨーロッパのメーカーであり、キャリアもあったから大丈夫と信頼してしまったが、実はこの輸出者は輸出ビジネスを始めたばかりだった。
輸出実務に不慣れだったために、20フィートコンテナに積める量を把握していなかったのだ。
幸い、この商談はL/Cではなく、商品到着後に半金を支払うという契約を結んでいた。
商品が着いたあと先方と連絡し、交渉することにしたのである。
「思い出してほしい。
『20フィートコンテナにしたいので、その量にしてほしい』と言ったのはそちらですよね?」「確かに、そうです」「30個残ることが分かった時に、『積めなかった分はどうする』と聞いてくれれば、30個はキャンセルした。
あなたが私の立場ならそうは思いませんか?」「私もキャンセルしてくれと言ったと思います」「それなら、LCL分のコンテナ代を全部とは言わないから、半分負担してほしい」相手もさすがに非を認め、LCL分のコンテナ代の半分を負担してくれたのである。
【POINT】事前▼いったいどの程度の商品が1回で輸送可能なのかを確認したうえで、発注すべきである。
積み残しの連絡があった場合、どうしても必要な場合を除いて、積み残し分はキャンセルをお願いする。
相手が把握している数字が正確かどうかは、相手の輸出キャリアを聞けばだいたい予想がつくものである。
事後▼事態が分かった時点で、次の取引で余計にかかった費用を差し引くように依頼する。
輸出者にも、話せば分かる人間と、話しても分からない人間がいる。
国によっては、後者が圧倒的に多いところもあるので注意してほしい。
12▼輸送途中で商品が消えてしまったB/L(船積書類)も届いて商品を待っていると、コンテナに積まれているはずの自分の商品がないという。
どこで商品が消えたのかも分からない……「輸送途中で、商品が消えることなどあるのか?」こう思われる方があるかもしれない。
だが、輸入ビジネスでは実際に起こりうるケースである。
幸いにも1度だけだが、私も商品が行方不明になった経験がある。
ある日、国際貨物運送業者(フォワーダー)から電話がかかってきた。
「大須賀さん、コンテナを開けて荷主別に貨物を仕分けしていたんですが、積まれているはずの大須賀さんの貨物がありません。
B/L(船積書類)には、間違いなくこのコンテナに積まれたことが示されていますが、貨物がないのです」一瞬相手が何を言っているのかわからなかった。
普通なら考えられないことだが、こうした不思議なことも起こる。
では、なぜ輸送の途中で商品が消えたのか?この時の輸送は、LCL(混載)だった。
LCLでは、「コンソリデーター」という職業の人間が、いろいろなメーカーから輸出商品を集め、コンテナに乗せて輸出するのだ。
商品が消えるのは、そのコンソリデーターがくすねたか、そこに出入りしている人間が持ち去ったかした場合しか考えられない。
ただいかんせん全くもって物証がないのである。
こうした場合、現地まで出かけて商品を探すことなど事実上不可能である。
いったいどこで、どの段階で商品が消えたのか分からないため、探しようもない。
できることは、外交貨物海上保険でカバーすることだけである。
外交貨物海上保険に入っていれば、紛失・破損を始めとするいろいろなトラブルの損害がカバーできるのだ。
しかし保証される額は、CIF(運賃・保険料込価格)の110%しか保証されない。
販売すれば得られたであろう利益は、たった10%しか見てもらえないのだ。
こんなに苦労して10%では、わりに合わないと感じたものである。
それでももらえないよりは、いいのだが。
【POINT】事前▼輸送時のリスクヘッジのため、外交貨物海上保険をかけておく。
支払う保険料はそう高くはない。
料率は扱う商材によって異なる。
大切なのは、必ず保険をかけるということだ。
事後▼事実上、消えた商品の捜索は不可能だ。
商品はあきらめて、外交貨物海上保険でカバーするしかないだろう。
13▼商品が破損したが、海上保険をかけ忘れていた到着した商品の一部が破損していた。
海上保険をかけ忘れていたため、破損した貨物は廃棄せざるを得なくなった。
かけ忘れに備えた保険のかけ方はないのか?……外交貨物海上保険は、輸送開始前に申し込む必要がある。
しかし現実的には、その時点では保険申し込みに必要な内容(船名、船積港、出港日など)は分からない。
契約を結んだら出来る限り早く「予定保険」を申し込み、輸出者から出荷案内(ShippingAdvice)が届いたら、確定保険に変更するのだ。
とはいえ、取引のつど外交貨物海上保険をかけるのは面倒なものである。
実は、外交貨物海上保険には2種類用意されている。
個別予定保険▼文字通り、個々の輸入のたびに申し込む保険包括予定保険▼継続的な輸入がある場合、保険会社と事前に結ぶ保険包括予定保険を利用すると、1回ごとに予定保険を結ぶ手間が省けるうえ、保険のかけ忘れによるリスクが防げる。
さらに、確定保険の申し込みだけですむので便利である。
前項のポイントで、「外交貨物海上保険の保険料は、扱う商材によって異なる」と述べた。
輸入ビジネスで扱う商材は色とりどりで、破損しやすいものもあれば、まず破損を心配する必要がないものもある。
包括予定保険でも、事前に扱う商材すべてにわたって支払う保険料を決められない。
輸入する商品は、随時変わっていくものでもあるからである。
そこで、比較的扱いが多い商材を申告し、事前に、ある程度の保険料(保険金額×保険料率)を決める。
商品が変わっても、ここで取り決めた保険料率が適用されるケースが多い。
ちょっとした裏ワザである。
【POINT】事前▼かけ忘れを防ぐ意味で、一定期間、1回1回かけなくても包括的にすべてに保険が自動的にかかる包括保険の仕組みを利用する。
事後▼保険のかけ忘れは自己責任。
廃棄処分にせざるを得なくなったとしても、損害を補填してくれるところはない。
保険のかけ忘れで失敗したら、必ず保険をかけることを教訓として生かしてほしい。
14▼契約違反の裁判を起こそうとしたが…相手から送られてきた契約書をよく見ずにサインしてしまった。
契約違反があったために裁判を起こそうとしたら、管轄裁判所が海外の裁判所になっていた……契約は、輸入ビジネスでもっとも大切なポイントの1つである。
輸入ビジネスを行なう以上、日本と海外とでは、契約に関する考え方がまったく違うことを認識しなければならない。
「これは形式です。
なにかあったら私が責任を持って対応しますから」日本では契約書を出すほうも、もらうほうも、こんなことを言うことが多い。
あなたもご経験がおありだろう。
トラブルが起きた場合でも、交わした契約書にしたがって処理されることもない。
日本では契約書の一番下に、「トラブルが起きたときは、お互いに誠意を持って話し合いで解決する」といった一項が入っているのに気づかれたことはないであろうか。
非常に日本的な文言である。
しかし、海外では、こんなことは絶対にあり得ない。
「もしトラブルがあったら、お互いに誠意を持って話し合って解決しましょう」あなたがこう言ったとすると、必ずこう反論されるはずである。
「誠意を持って話し合いで解決するなら、最初から契約は不必要じゃないか」特に欧米では、契約書に玉虫色の部分がないのだ。
起きそうなことはほとんど想定されているので、契約書類はまるで本のような分厚いものになる。
その代わり、彼らは、契約書に書かれていることはきちんとやる。
ビジネスを通じてプライベートでいくら仲良くなったとしても、それでも「これは契約書にないけど、お願いしたい」は通用しない。
「それは契約外だから」とサラリと言われるのだ。
実際の輸入ビジネスでは、輸出者・輸入者がそれぞれ自分に有利な契約書を作り、その契約書を相手に送って相手がサインするのを待つことは前述した。
訴訟に関しては、訴訟は「自国法と自国で行なう」と書くのが普通である。
もちろんその方が、やりやすいからである。
輸入ビジネスでベストの契約方法は、あなたが作った契約書を送り、相手に「イエス」と言わせる方法だ。
しかし輸出者も、自分が有利な契約内容で契約したい。
このままお互いに自分の立場を貫けば、永遠に取引にはならないだろう。
実際の現場では、どちらが切迫度が高いかで決まるのだ。
「どちらがシビレを切らすか」と言ってもよい。
相手が先にシビレを切らすまで、双方とも相手が作った契約書にサインせず、自分が送った契約書がサインされてもどって来るのを待つ。
これを「書式の戦い」と呼ぶ。
その間、お互いに具体的には何も言わず、微妙なやり取りが行なわれる。
「そういえば、この間の話はどうなった?まだ契約書をもらっていないね……」「今、検討中です。
そちらこそどうしたんですか?契約書を送ったんですけど……」「こっちも検討中ですよ」こうしたやり取りの1~2週間後、再び同じようなやり取りが交わされる。
「書式の戦い」の意義は、相手に、自分の姿勢を相手に見せることにあるのだ。
相手の契約書に不服も言わずにサインすると、「この相手はくみしやすい」と思われかねない。
しかし、「書式の戦い」の姿勢を見せると、「中途半端なことはできない」、「手ごわい相手だ、いつもより丁寧に仕事を運ばないと……」と思わせることができるのである。
しかし、いつまでも「書式の戦い」を続けていてはビジネスが始まらない。
そんな時はどうすればいいのか?「じゃあ、表面約款で行きましょう」こう提案すればいいのだ。
「表面約款」と言うのは「商品の到着日時、代金支払いの方法」など、どちらも合意できる内容だけを表面に書いたものである。
その他、裏面に書かれた合意できない一般条項(細かい条件)についてはサインしないのである。
表面約款だけで取引をスタートさせると、それぞれの手元に、自分だけがサインしたあなたが作った契約書と、相手だけがサインした相手の都合で作成された契約書の2通りが残されることになる。
訴訟になった場合、どこで裁判を行なうかの合意はあらためてしないのである。
では、表面約款で取引を始めて、何かトラブルが発生した場合はどうなるのか?お互いに契約書にサインしていないので、トラブル解決のための話し合いを持つことになる。
相手が作成した契約書でビジネスを進めなければならない時でも、自分に不服な部分があれば変更を主張し、出来る限り自分に有利な条件にしておくことである。
【POINT】事前▼契約書は必ず自分サイドで作成し、「裁判の場合は自国法と自国で行なう」ことを相手に認めさせておくことがベスト。
認めない場合でも、相手の契約書にサインせずに「表面約款」で取引をスタートさせることもできる。
事後▼管轄裁判所が海外の裁判所の場合、事実上、あきらめたほうが費用対効果は高いのが現状である。
第3章解決!「通関、関税」での困った
01▼船会社からの貨物到着案内を見過ごしてしまった船会社から送られた「ArrivalNotice(貨物到着案内)」のFAXを見過ごしてしまった。
気がついた時は、貨物保管代金がとんでもない金額に膨れ上がっていた……船会社からの貨物到着案内を「ArrivalNotice」と呼ぶ。
普通の場合、船会社は貨物の到着案内をFAXで通知してくる。
ヨーロッパからの海上輸入だとだいたい1ヵ月、アメリカなら14~20日、中国なら3~5日で日本に到着する。
到着後、本船が入港してから通関まで、無料で貨物を置ける期間が決まっている。
これを「フリータイム」と言う。
フリータイムは10日から11日ぐらいが多い。
このケースのように到着案内を見過ごしたり、案内自体を紛失してしまうと、フリータイムをオーバーすることになる。
そこで費用が発生し、日割り計算の貨物保管代金が日ごとに膨らんでいってしまうのだ。
私もそんな苦い経験がある。
到着案内を見過ごしてしまったのだ。
シンガポールからソファを輸入した時、フリータイムをオーバーして費用が発生してしまった。
さらに、そのことから納期が遅れ、こちらでもペナルティをくらってしまったのである。
どんな時に、こうしたケースが起こり得るのか?まず輸入ビジネスに慣れていない場合だろう。
いろいろなことに忙しくしているうち、到着案内を見過ごしたり、紛失してしまうことになる。
次に、納期が意外にゆるやかな場合が考えられる。
予定の納期よりも早めに商品が到着するような形でオーダーすると、「先の話だからまだまだ大丈夫」とつい油断してしまう。
その「つい」が到着案内でのミスを起こさせてしまうのだ。
注意されたし。
【POINT】事前▼事前に、船会社に本船の入港予定を確認しておく。
その日が近くなったらFAXで到着案内が来ることが多いので、注意を払っておくこと。
事後▼ダメもとで事情を説明し、貨物保管代金の値引き交渉をする。
事情は理解してくれるかもしれないが、値引きに応じてくれる可能性は低いと覚悟しておく。
02▼必要な書類がなくて通関できない中国から港に商品が到着したが、B/L(船荷証券)が届いていなくて通関できないでいる……「B/L(船荷証券)」とはどんな書類か?輸入ビジネスを行なう以上、B/Lがどういう書類で、この書類がなければどうなるかはしっかり頭に叩き込んでおいてほしい。
B/Lとは、「輸出者があなた(輸入者)の商品を船積みすると、輸出者に対して、船会社が発行する貨物受領書」である。
同時に、重要な性格がある。
それは、「船会社が運送を引き受けた運送契約書」でもあることだ。
船積みが終わった段階では、B/Lはまだ輸出者の手にある。
実はB/Lは、貨物の受領書と運送契約書以外に、「有価証券」の性格も持っている。
そこであなたは、輸出者に裏書をしてもらって、その証券を買い取る必要がある。
ここまではよろしいだろうか。
大事なところである。
その証券の買い取りが「代金支払い」に相当するもので、代金支払いの代表が送金と信用状決済(L/C)である。
あなたが所定の支払いをすると、輸出者はB/Lをあなたに送って来るのだ。
重要なことは、このB/Lを最終的に持っている人だけが、本船到着後の港で貨物の引渡しを船会社に請求できることである。
したがってあなたの商品が港に到着する前に、必ずB/Lを手に入れておかなければならない。
「なかなかB/Lが届かない。
納期もあるし、通関に間に合うのか?」実際に輸入ビジネスに携わっていると、こんなケースをたびたび経験することになる。
ただひたすらB/Lの到着を待っていると、フリータイムを超えたために余分な費用が発生することになってしまう。
L/Cを使った場合は、そうしたリスクがさらに大きくなる。
L/Cを使うと銀行経由でB/Lが回ってくるが、どんなに早くとも1週間とか10日ぐらいかかるからだ。
フリータイム中にB/Lが届いて通関できればいいが、遅れるとフリータイムの枠内に収まりきらなくなる可能性が出てしまうのだ。
しかし、方法はある。
その方法を伝授しよう。
「サレンダー」と言う手法を使うのだ。
サレンダーは、簡単に言うと「B/Lなしでも、輸入者が貨物を入手できる」方法である。
ただしこれは送金ベースに限定されることに要注意だ。
サレンダーでやる時は、決済が送金ベースと決まったときに「B/Lはいいから、サレンダーでお願い」と輸出者に伝えておけばよい。
そうした意味でも、L/Cではなく、送金ベースの決済が増えているのである。
これは法律上の制度ではなく、あくまで輸出者と輸入者が使う便宜上の手法である。
言葉を換えると、「現場の知識」とも言えるだろう。
【POINT】事前▼B/Lがないと、何人たりとも貨物を引き取ることはできない。
事前に、「輸入者がB/Lなしでも貨物を引き取る方法(サレンダー)でお願いする」と輸出者に言っておけば、問題なく引き取り可能である。
ただし、この方法は、送金ベースの場合に限られることに注意が必要である。
事後▼再度、先方にB/L送付の確認をする。
何かの事情で先方の入金確認が遅れていることもある。
銀行印のある送金依頼書を輸出者にFAXすること。
03▼到着が遅れ、普通の通関だと納期に間に合わない商品の生産が大幅に遅れ、港に到着したのは納期ギリギリ。
普通に通関が終わるのを待っていたら納期に間に合わず、ペナルティを払ったあげく、キャンセルも考えられる……時期ものとかシーズンものの商品の場合、こうしたケースが発生しかねない。
たとえば、ボジョレーヌーボーのように解禁日が決まっているものがある。
こうした商品の場合、輸入者は解禁日ギリギリに港に到着するように手配しておく。
早く輸入すると倉庫代がバカにならないからである。
正月用のカズノコなどもそうだろう。
輸出者が作る契約書に、次のような一項が書かれているケースがある。
「やむを得ない事情があった場合、納期が遅れることもある」これに対し、輸入者が作る契約書ではこう書かれる。
「いかなる理由があろうと、納期は厳守すること。
納期が遅れた場合、1日の遅れについて○○のペナルティ料を支払う」双方がこの姿勢を貫くと、ビジネスはスタートしない。
こうした場合はどうするか?「納期の遅れは絶対に認められない。
『納期が遅れることもある』という契約書の一項目は削除してほしい」こう交渉すれば、「じゃあ、その項目は削除しよう」と、輸出者は削除してくれる。
製造に遅れが生じることも考慮し、輸入者は、ある程度余裕を見た納期に設定するのが普通だ。
しかし、このケースのように、予定より生産が遅れて納期ギリギリの商品到着。
普通の通関では納期遅れのペナルティやキャンセルが生じかねない事態も起こり得る。
こうした場合、どうすればいいのか?答えは「ポイント」を見てほしい。
【POINT】事前▼基本的に海外商品の納期は遅れるものとしたスケジューリングを考えておくべきである。
いろいろなリスクを考えた場合、タイトな日程は組んではいけない。
事後▼輸入申告と同時に「担保提供書(銀行等の保証書を添付)」と「輸入許可前貨物引取り承認申請書」を税関に提出し、許可前に商品を引き取る手続きをすればいいのだ。
必要な書類は税関にすべてそろっているので安心してほしい。
04▼商品の一部に輸入できないパーツがあった画期的な商品を発掘し、その商品を展示会に出展しようと計画したら、何とその商品の一部に輸入できないパーツが含まれていた……商品には、法律で輸入が禁止、あるいは検査や許可が必要なものがある。
輸入制限品……外為法(外国為替法)によって輸入が制限されているもの輸入禁制品……公安または風俗を害するもので輸入が禁止されているもの。
たとえば麻薬、拳銃、コピー品、偽造紙幣、わいせつ品など輸入規制品……国内法(薬事法、酒税法、食品衛生法、植物防疫法など)によって輸入規制されているものうっかりしたために、私も、「植物防疫法」で苦い経験をしたことがある。
スペインのある展示会で、魅力的なテーブルランプを発見した。
テーブルランプのボディの部分がガラスになっていて、そこにドライフラワーが入っている。
スイッチを入れるとドライフラワーに光が当たり、何ともかわいらしい。
メーカーに聞いてみると、日本との取引はほとんどないという。
胸が高鳴った。
日本未上陸の商品で、消費者にも受け入れられる自信があった。
こうしたケースでは、独占販売権付きの交渉がベストだ。
しかし交渉は難航した。
相手がなかなかイエスと言わないのだ。
私は、販売計画、販売努力目標、日本の市場の可能性などを熱心に伝えた。
「OK、1年間なら独占販売権を認めよう」交渉の結果、私は、期間限定ではあったが独占販売権を得ることに成功した。
私は、この商品を「東京インターナショナルギフトショー」に出展する決意をした。
このショーは、日本では最大級のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市とされている。
これが私の会社の見本市デビューだった。
商品はショーのぎりぎり前に届く手配になった。
しかし、いつまで待っても商品が届かないのである。
「貨物が全量検査されています。
悪いことに、今回の輸入分のうち、輸入できないものが含まれているようです」通関業者に問い合わせると、こんな返事が返ってきた。
業者が税関に輸入申告すると、税額を確定させるために、税関は個々の申告を次のような区分に分ける。
区分1……審査なし区分2……書類審査区分3~5……現品検査このうち、区分3~5になるとやっかいである。
現品検査には「見本検査」「一部指定検査」「全量検査」の3つがあり、私の商品が全量検査に回されてしまったのだ。
商品の一部に「植物防疫法」で輸入できないものに該当する疑いがあったからである。
いまさら見本市への出展取り消しはできず、検査に時間がかかってテーブルランプも見本市に間に合わず大恥をかいたのである。
見本市期間中、私のブースには、サンプル輸入した3つの商品がポツンと並んでいただけであった。
何とも情けない出展だった。
後日、この商品はドライフラワーの部分を取り除いて輸入した。
それでも商品価値はあると判断したからである。
【POINT】事前▼輸入は基本自由である。
しかし、いろいろな事情によって規制がかけられているものがある。
輸出先では問題なく販売されていたとしても、それが必ずしも日本でも販売可能であるとは限らない。
あやしいと感じたものは、必ず事前にサンプルを取り寄せて税関、もしくは関係官庁におうかがいを立ててから輸入すべきである。
検査になった場合、かかる費用はすべてあなたの負担になる。
検査費自体はさほどではないが、コンテナを開ける費用(デバン)や、抜き取り後の積み込み(バン詰め)などが加算されると、驚くような金額になる。
頼んでもいないのに、である。
区分3~5は避けたいのは人情だ。
その“いい方法”を伝授しよう。
「日本貿易関係手続簡易化協会(03―3555―6034)」で行なっている「日本輸出入者標準コード登録」をするのだ。
特に同じ商品を何度も輸入することが考えられる場合、絶対に登録をお勧めする。
私の実務経験から、区分3~5になる確率は飛躍的に少なくなるのである。
事後▼輸入規制に引っかかるパーツを取り除けば、輸入は可能である。
ただ、その部分がなくとも商品価値があれば、の話である。
取り除いた場合に商品価値がなくなるようでは、やむを得ないが廃棄処分にするしかない。
05▼商品は、国内法で検査が必要な商品だった通関を待って即納することになっていた商品が、検査が必要な商品だった。
通関に手間取ってやっと通関した時は納期が過ぎてキャンセルになってしまった……商品には、前項以外にも検査を義務付けられているものがある。
輸入ビジネスに関わる代表的な法律に「食品衛生法」と、私がテーブルランプで引っかかった「植物防疫法」がある。
食品衛生法は食品だけの検査と思っている人が大多数だろう。
だが意外なことに、グラス類も食品衛生法での検査がある。
食品衛生法上では、グラスは深さ、容積、色ごとに検査を義務付けられているのだ。
なぜこんなことを私が知っているのか?実は、当の私が経験者なのだ。
この時の私のグラスのオーダーは試験的なもので、少量多品目に渡っていた。
1品目5個程度で、50品目ほどになっていたと記憶している。
当時の検査費用は、1品目が1万2000円ほどだった。
1品目何個の輸入であろうと、検査は1品目ごとに行なわれる。
私の場合は50品目のすべてにわたって検査が行なわれ、検査費用の合計は60万にもなってしまった。
植物の場合は複雑で、たとえば額縁の中に植物の種が入っているような飾り物があったとしよう。
種が密封されていれば大丈夫だが、種が取り外せるような場合は、検査が必要になるのだ。
しかも同じ植物でもA国の花はいいが、B国の花は禁止ということもある。
絶対に事前の調査を必要とする所以である。
またその判断は検疫官にゆだねられるため、検疫官によって判断が異なるケースも出てくることも覚えておいたほうがいいだろう。
事前に相談した際は、検疫官の了承サインをもらっておくとよい。
その際注意すべきことがある。
あなたが、通関をする予定の税関に聞くということである。
これは、おさえておいてほしい。
【POINT】事前▼各税関では「事前教示制度」や、音声・FAXによる「税関相談テレフォンサービス」などの輸出入サービスを行なっている。
サンプルを取り寄せる前に、そうしたサービスを利用して輸入可能なものかどうかをチェックしておくことだ。
事後▼失敗をみとめ、安くても売りさばくしかない。
06▼健康食品を輸入したが、「薬事法」に引っかかった「薬事法」を知らずに、健康食品を輸入してしまった。
通関できず、港の倉庫に眠りっぱなしになってしまった……薬事法がらみの健康食品もよく問題になる。
健康食品の輸入は注意したい商品の1つだ。
このケースでは、輸入者が薬事法に該当するのを知らなかったために起きたものである。
輸入者はなんと輸入した商品を倉庫に搬入したまま、「薬事法」の許可を取る算段を始めた。
そうせざるを得なかったのである。
その過程で、常時、社員として薬剤師を置かなければならないことなどを知り、その算段に行き詰まってしまった。
さらに重要な問題が1つ発生した。
消費期限の問題である。
健康食品のような商品で消費期限があと数ヵ月に迫っている場合、まず流通ルートには乗せられないのである。
問屋に卸し、それから小売店に流れている間に消費期限が切れるか、残り期間がわずかになってしまうからだ。
販売期間が短い商品は、問屋も小売店も扱いたがらない。
当然であろう。
結局、その輸入者は販売をあきらめざるを得なかった。
廃棄処分にしたのである。
しかもである。
あげくのはてに、廃棄処分にしたのは輸入してから1年ほど経過した時のこと。
商品代金、輸送代金、倉庫代金、廃棄処分にかかった費用など、合計で数千万円の損を出したのだ。
実話である。
笑うに笑えない話ではないか。
仮に、通関できるような条件を整えたとしても、日本の薬事法では、許可なしで健康食品の効果効能を謳ってはいけないことになっている。
ネーミングでもそのままではグレーゾーンか、明らかに薬事法違反の商品がある。
具体的には言えないのであるが。
グレーゾーンの商品はストップがかかる可能性があるし、薬事法違反のネーミングの商品は輸入できないのである。
薬事法がらみの商品は、ハイリターンが期待できる。
しかし、それもこれも無事に通関でき、販売ができ、市場に受け入れられての話である。
しかと心得よ。
【POINT】事前▼化粧品、医薬品、健康食品などを輸入販売する時は、薬事法の許可が必要になる。
日本の法規制上で問題ないのか、もしくはどういう条件のもとでなら輸入可能なのかを調べておくこと。
ネーミングにも注意が必要だ。
事後▼この場合は、製造・販売の許可を持っている業者に輸入を代行してもらい、とにかく輸入をしてもらうという手もないわけではない。
しかし国内販売においても規制をうけるため、結局は販売はできない。
廃棄するのが、現実的だろう。
07▼税関での見解が異なり、関税が高くなった事前に税関で関税率を確認しておいたにもかかわらず、急きょ、確認した税関の管轄外の税関で通関しなければならなくなった。
この税関は見解が異なり、確認していた税率より高い関税が適用されることになってしまった……「税関によって見解が異なることなどあるのか?」こう思われるかもしれないが、前述のように現実に起こり得るケースである。
たとえば、違う地域の仲間と同じ商品を違う港に荷揚げすることがある。
その際、同じ商品であっても、税関の判断により分類が異なると関税率も違ってきてしまうのだ。
つい最近も、税関による見解の相違に私の仲間が遭遇している。
仲間2人が海外の展示会に行ってある商品を共同購入し、本拠地の関係から、別々の税関で通関しようとした。
一方の税関ではスンナリ通関できたが、もう一方の税関では輸入できないと言われてしまったのだ。
こんなことも起こりえるのである。
この商品はマッサージ器のようなもので、この種の商品は分類が非常に微妙になりがちだ。
たとえば「マッサージ効果がある」といった表示があった場合、薬事法に触れるとされるのだ。
販売するためには、厚生労働省に医療用具の承認を受けなければならない。
通関を「NO」とした税関では薬事法に抵触する商品に分類されたため、輸入ができなくなったのである。
一方、「OK」を出した税関では、薬事法に抵触しない商品と判断したのだ。
同じ商品であれば、同じ法ルールのもとで、同じように扱われる。
それが本来の姿だと思うが、行政官の個別の判断によるところも事実としてあるのである。
【POINT】事前▼基本的に、通関予定の税関に尋ねておくことが重要である。
どの商品に分類されるか、通関に問題があるかは、事実上、その担当行政官の判断にゆだねられている。
東京で輸入通関するのであれば、東京港の税関に尋ねる必要がある。
その際、税関の見解を書類にしておくと安心できる。
事後▼このケースのような場合、確認を取った税関の見解を書いた書類を当該税関に示して交渉する。
保証の限りではないが、うまく解決する場合が多い。
08▼特恵関税の申請に必要な書類を取り寄せ忘れた特恵関税を使って関税が無料になることを想定していたが、所定の書類の取り寄せを忘れていて有税になってしまった……特恵関税については、序章で基本的なことを説明した。
基本的内容については、「序章09▼関税を安くする方法はあるのか?」で確認してほしい。
特恵関税を使って関税を無料にするためには、言うまでもなく、特恵関税が使える国や地域からの輸入でなければならない。
申請に必要な書類もあり、手続きは通関業者に委託するとしても、必要な書類はあなたがそろえなければならない。
特恵関税を受けるためにはまず、「特恵関税用の原産地証明書(CertificateofOrigin)」が必要だ。
この証明書には厳格な要件が必要とされている。
FormA様式であること発行者は商工会議所、輸出国税関、またはしかるべき機関であること輸出前に発行されたものであることインボイス(納品・請求書)の輸入品目が証明書と一致すること日本の税関の登録のスタンプ、およびサインがあること修正された場合は、発給期間の修正印が押してあること
注意すべき点は、原産地証明書は特恵関税用の原産地証明でなければならないことと、原本でなければならないことだ。
つまり、コピーは認められないということである。
「特恵関税用の原産地証明書を作ってくれ」輸出者にこう要求するのが一番である。
もしこう言っておかないと、輸出者は作らない。
あなたが特恵関税を利用しようとしているのかどうか、分からないからだ。
「もしもし、フォームA(原産地証明書のこと)要りますか?」相手が気を利かせて、こう言ってくれることを期待してはいけない。
自分の面倒になることを、わざわざ相手は言わないのだ。
【POINT】事前▼輸出前の相手に、必ず「特恵関税用の原産地証明書」の原本を要求しておく。
事後▼手元に書類がないのだから、有税になっても仕方がない。
打つ手はない。
09▼特恵関税の枠がいっぱいで、適用されなくなった特恵関税を適用させて関税を無料にするはずだったが、すでに「枠」がいっぱいとかで適用が受けられなかった。
結局、予定外の関税支払いが発生してしまった……特恵関税は、該当する国・地域からの輸入を行なう輸入者にとって大きなメリットがある。
必要な書類は準備した。
これで特恵関税が適用されると思っていると、このケースのように、「枠」の問題で適用されないこともあるのだ。
この枠を「シーリング」と呼び、1年間でのその国からの輸入量、もしくは金額の枠が決められている。
枠を超えた場合は特恵関税の適用が受けられなくなり、関税支払いが発生する。
なぜ、特恵関税には輸入量の制限があるのか?理由は、国内企業・業者の保護のためである。
発展途上国からの輸入を無制限に認めていると、日本の市場が荒らされる。
国内の企業・業者があおりを受けて、業績が圧迫されるからである。
このことを知らなかったばかりに、特恵関税制度の適用が受けられないケースも出てくる。
しかし、確実に適用を受けるための秘策がある。
特恵関税の開始年度の特性を利用するのだ。
特恵関税の年度は4月1日から翌年の3月末である。
新年度が始まった4~6月の輸入であれば、特恵関税の適用で心配な輸入量や金額の制限はまずない。
私の場合、納期の問題や季節的な制約がある商品でなければ、できる限り年度初頭の輸入にしている。
余計な心配をしたくないし、何よりも特恵関税の適用を受けやすくするためである。
【POINT】事前▼4月に持ち越せしても問題がなければ、年度末近い輸入は避けたほうが賢明だ。
4月輸入にすれば、まず問題なく特恵関税の適用が受けられる。
事後▼シーリングによる予定外の関税支払いの発生は仕方ないだろう。
あとはそのコストをどう消化するかの問題で、お客様との話し合いで販売価格に転嫁できればベストだ。
第4章解決!「納品、販売」での困った
01▼納品した衣料品が縫製不良で、顧客から強いクレームが…顧客から輸入代行を依頼され、衣料品を500万円程度納品したが、ほとんどが縫製不良だった。
顧客から、「売り物にならない。
メーカーに損害賠償請求をしてほしい」旨の強い要望を再三再四にわたって要求されて困っている……ここで「輸入代行」という言葉が初登場した。
おやっと思われた方もいるだろう。
説明しよう。
輸入ビジネスを行なっている業者は、ほとんどが「輸入卸し型」と呼ばれるスタイルを取っている。
商品の発掘、輸入を自分の判断で行ない、在庫も自分の判断で持つ。
そうすることで、お客様からの注文にいつでも応えられるようにしている。
そういったスタイルのビジネスモデルである。
では、輸入代行というのはどういう輸入ビジネスのスタイルなのか?これは、「お客様からの依頼に応じて、海外メーカーからの輸入業務を代行するスタイル」になる。
輸入をしたいお客様の代わりに海外メーカーと書類ベースのやりとりをし、商品の輸入をするのである。
在庫を持たないですむメリットはあるが、輸入卸し型と比較すると、利益率がかなり低くなるデメリットがある。
輸入代行でも、普通の輸入ビジネスと同じ手順、配慮が必要なことは言うまでもない。
輸入者はサンプルを取り寄せて契約通りの製品かどうかをチェックし、間違いないことを確認してから本オーダーする。
衣料品に関しては今、ほとんどが中国製である。
縫製不良以外に色不良、デザイン違い、色落ちなどが問題になることも少なくない。
契約に違反するような製品であれば、当然、メーカーに損害賠償請求が可能である。
代理人(弁護士)を立てて、訴訟を起こせばいい。
ただし、裁判管轄地が問題になる。
もし中国になっていれば、こちらの思ったような展開にならないことは覚悟しておかなければならない。
【POINT】事前▼相手の工場を訪問して、相手の力量を自分の目で確認するステップを必ず踏むこと。
特に継続的な取引を考える場合は、必ず一度は訪れること。
契約に「商品はサンプル通り」と入れると同時に、裁判管轄地を日本にしておくことも重要だ。
事後▼送られてきた商品が契約通りかどうかが争点になる。
事前にサンプルを入手しているのであれば、それとの整合性で訴求可能である。
02▼パッケージが汚れ、商品価値が半減してしまった淡い色のパッケージ(ギフトボックス)の商品を輸入したが、そのままコンテナに積み込まれてしまったためにパッケージに汚れがついてしまった。
高額商品だったが、その価値が半減してしまった……日本人の一般的な嗜好として、原色系のパッケージ(ギフトボックス)は敬遠され、パステルカラー調のものが好まれる傾向にある。
このパステルカラー系のパッケージは上品だが、難点がある。
汚れやすいのだ。
輸入ビジネスでは、商品の品質と並び、パッケージに関するトラブルもよく起こる。
日本人と比べて、外国人はあまりパッケージに神経を使わないからである。
日本人は日本の商品を見ている。
それが固定観念になっていて、1個ずつ商品がきれいなギフトボックスに入れられたうえ、きちんとダンボールに梱包されて来るものと信じている。
一方、海外ではギフトボックスを重視しない傾向が非常に強い。
結果、パッケージがお粗末になるのである。
パッケージがこちらの要望通りに作られていても、きちんと外梱包しないと輸送中に汚れるおそれがあるではないか。
しかし、パッケージに関心がない彼らは、信じられないことにきれいなパッケージむき出しのままコンテナに積み込んだ。
結果は、言うまでもなかろう。
せっかくのパッケージを台無しにしてしまったのだ。
商品が淡い色のパッケージの場合、契約書で、汚れがつかないような梱包にして輸送するように指示することを忘れてはいけない。
【POINT】事前▼商品の梱包は、商品価値を損ねずに届くかどうかの大事なポイントだ。
パッケージに限らず、相手から「くどい」とか「細かい」と思われようと、大事なポイントはくどいくらいに指示すべきである。
同時に、余分のギフトボックスを積んでもらうのが現実的な対応である。
事後▼契約書に、こちらが希望する梱包を指示してあるかどうかが争点になる。
指示があれば交換や値引きの交渉も可能だが、指示がない場合はコスト増を覚悟でギフトボックスを取り寄せるしかない。
03▼「パッケージがお粗末」と返品をくらった「商品のパッケージ(ギフトボックス)がお粗末すぎる」と、お客様から返品された。
手元には、大量のデッドストックだけが残ってしまった……輸入ビジネスでは、パッケージの問題だけで1冊の本が書けてしまう。
たとえば、中国の業者との商談でこんなことがあった。
「これを○○個輸出してほしいのだが」こう言って私は、発注をしたのである。
私たち日本人の感覚からすれば、1個ずつきれいなギフトボックスに入ってくるというイメージがあるであろう。
ところが、到着してビックリした。
とんでもなく汚いダンボールに商品が無造作に詰め込まれていたのだ。
しかもありえないことによれよれのエアパッキン(プチプチとも呼ばれる緩衝材のこと)にくるまれて。
私は思わず、わが目を疑った。
これではとても高額商品にはならないであろう。
さらに気をつけなければならないのは、たとえば10個入りで1セットの外装に入っているような商品だ。
お客様に商品を納める際、私たちは1個の商品それぞれにパッケージがないと困る。
まさか、新聞紙にくるんで顧客に納めるわけにはいかないからだ。
「1個ずつ、別々にパッケージに入れてくださいね」こう念押ししておかないと、10個が1つのダンボールに入った状態で届くことになる。
話を面白くしようとオーバーに言っているわけではない。
事実なのである。
話を、テーマにもどそう。
あなたは、海外の輸出者はまずパッケージにあまり関心を持たないことを認識する。
そう認識したうえで、こうした損害を未然に防止するために、パッケージについてくどいくらい確認しておくことだ。
相手がなかなか首を縦に振らない場合は、“殺し文句”を使う。
「第2章01▼メーカーがパッケージの変更を納得しない」を再読してほしい。
【POINT】事前▼まず、世界的にはパッケージはさほど重要視されていない現実を知るべきである。
日本では、パッケージも商品価値を高める大事な要素であることを十分に説明しておくこと。
できれば日本のパッケージの現物サンプルを送り、納得のいくものを作ってもらうのも一手である。
事後▼最悪の場合、日本で新たにパッケージを作って入れ替えることは可能。
ただし、その分のコストは自己負担になる。
04▼国内輸送でパッケージがつぶれてしまった商品のパッケージ(ギフトボックス)が輸送中につぶれ、ギフト用の商品にならないと返品されてしまった……商品は売れ筋だ。
商品パッケージもこちらの要望通りにできた。
陸揚げしてチェックしても、パッケージの汚れや破損といった問題はない。
完璧だ。
あなたは自信満々で、商品をお客様のところに届ける。
あなたとしては、お客様からの良い報告を心待ちにしている。
しかし、なぜか返品されて来てしまったのである。
もう落胆どころの話ではないだろう。
一体何が起こったのか?お話ししよう。
商品は人形、お客様は某通販会社であった。
商談もトントン拍子にすすみ、今の話のように自信を持って納品した。
だがすべて返品となってしまったのである。
理由は何と「箱不良!」。
驚いた。
そんなことがあるのかと。
気を取り直して箱をチェックした。
そしてさらに驚いたのである。
返品されたギフトボックスを見ると、ほんのわずか凹んでいただけなのである。
輸入した際にギフトボックスに問題はなかったのは、確認している。
国内輸送中に、何かの拍子に凹んだとしか考えられない。
しかしそれにしてもこんな程度で返してよこすのかと思わずちょっと憤慨してしまった。
幸い、私は、かなり多めに予備のギフトボックスを発注しておいた。
お客様と相談し、新しいギフトボックスに可能なだけの商品を詰め替え、再度出荷することで問題は解決したのだが。
今度は、輸送中のアクシデントを考えて小口の出荷を避け、フルコンテナで運ぶことにした。
小口の混載輸送は何回かの商品の出し入れがあり、傷みやすいのである。
それ以降は、量がコンテナの半分に達した場合は、小口の混載輸送(LCL)を避け、フルコンテナ輸送(FCL)にするようにしたのである。
【POINT】事前▼出荷する場合、傷みが起きやすい小口の混載出荷を避け、コンテナ単位で運ぶようにする。
もう一つは、輸出者に、あらかじめ10%程度の予備のギフトボックスを入れておいてもらう。
国内のお客様に出荷する時、その予備のギフトボックスも一緒に出荷する。
こうしておくと、輸送中に箱のトラブルが発生しても解決する。
事後▼返品後に予備のギフトボックスがあれば、相談後、商品を詰め替えてお客様に送る。
ない場合、新たに作るコストと予定利益をにらんで判断することになる。
05▼海外ではヒットしていたのに、日本でサッパリ売れない海外でヒットしているある商品を発見した。
日本でも流行ると判断していち早く輸入にこぎつけたが期待に反してまったく売れず、在庫の山を築いてしまった……私の経験である。
イギリスでヒットしているある商品を発見した。
その商品は、ブランデーグラスにブランデーを注ぎローソクで温め、楽しむ「ブランデーウォーマー付きグラスセット」である。
「オブジェとしてもなかなか格好がいいし、これは売れるぞ」そう確信した私は、日本の顧客との商談なしにいきなり買い付けにでた。
しかしである。
私の予想は完全に外れ、まったく売れなかったのである。
イギリスでヒットしていたのに、日本ではなぜヒットしなかったのか?理由は簡単だ。
当時の日本人はまだあまりブランデーを飲まなかったからである。
ブランデーを温めて飲む習慣もなかった。
無理である。
文化的背景がまったく違うということだ。
値段も目が飛び出るほど高価だった。
需要がないうえ、値段が高価では買い手がつくはずはない。
結局私は、やむを得ず、損を覚悟で見切り販売をかけた。
輸入ビジネスでの支払いは前払いが多い。
資金が潤沢であればよいが、売れない商品を長期間にわたって抱えていると、資金の回転が悪くなる。
いつまでも過去にしがみつかず、資金を回転して次のビジネスに取りかかることである。
【POINT】事前▼まず商品を選ぶ場合、その商品がどういう背景で開発されたかを考える必要がある。
現地でいくら売れているとしても、日本の文化に合わないものは人気が出ない。
少量のサンプルを入手して市場調査、もしくは商談をして予約受注をする。
事後▼失敗を認め、損を覚悟でディスカウンターなどに売却しても、早めに現金化を図ることだ。
倉庫に寝かしておいても、置けば置くほど商品状態が悪くなる。
見切り販売をかけたあと、その商品に注文が来ることがないわけではない。
だからといって、「もう少し待っていればよかった」と未練を残さないことだ。
未練を残すと、次に同じような経験をしたとき、いつまでも持ち続けることになって資金回転が悪くなる。
06▼ブームが早く去り、大量在庫を抱える羽目に…アメリカで流行っているものを二番煎じで大量に輸入した。
思いのほかブームが去るのが早く、輸入したものが二束三文になってしまった……流行りものを扱う際は、資本とスピードが要求される。
基本的に、流行りものは売り逃げ商品だからである。
ドッと仕入れてワッと売って利益を上げたら、サッと手を引く。
一発当たれば数年食えるケースもあるが、反面、売れなければ地獄である。
もう10年くらい前の話である。
アメリカで流行っている「ロックサンタ」と呼ばれる商品を仲間と輸入した。
ご記憶の方もあるだろうが、これは「踊るサンタクロース」として大フィーバーしたのである。
輸入に踏み切ったきっかけは、現在NYヤンキースの松井選手が契約更改するニュースだった。
その時の映像で、ロックサンタが後ろで踊っていた。
その映像を見た同業者が「これは日本にも来るな」と直感して私に話を持ちかけ、私もそれに乗ったのだ。
これを業界用語で「横引き」と言う。
自分だけでは量がさばけないかもしれないといった時、あるいはリスク分散する時、商圏や顧客がバッティングしないという条件が必要だが、この横引きをやるのである。
流行りものの怖さを知っている私たちは、何千個か輸入してテストマーケティングを行なった。
当たりが良かったので、翌年に本格輸入すると案の定大ブレークした。
ロックサンタは季節ものだが、季節もの以外でも、海外でヒットした商品を素早く輸入して成功する例がある。
すると、その成功に便乗しようと、二番煎じで輸入する人もいる。
しかし、だいたいは不良在庫を抱える羽目に陥る。
ブームというものはそう長くは続かない。
逆に言えば、長く続かないからブームと言うのである。
【POINT】事前▼「日本の消費者は世界一新しもの好きで、飽きやすい」と言われる。
流行りものは寿命が短いことをよく認識すると同時に、日本に到着するまでの時間を事前に把握しておく。
目安として、2~3ヵ月ほどのタイムラグが生じることを前提に参入を考える。
事後▼こうしたケースでは、いかに早く換金するかの問題になる。
時間が過ぎれば過ぎるほど、価値が下がることを覚悟すべきである。
07▼飛びついた商品はすでに市場で売られていた!海外の展示会で、「これは!」と思う商品を発見、舞い上がってその場で契約。
入荷後、お客様と商談したらその商品はすでに市場にあり、しかも自分がつけた値段の半額ほどで販売されていた……輸入ビジネスを始めたばかりの時期に、こうした間違いを犯しやすい。
「これは良いんじゃないか?売れるんじゃないか?」海外の展示会などでこうした商品を発見すると、自分でもよく分からないものでもつい手を出したくなってしまう。
それにはわけがある。
ビジネスにはやる気持ちが、そうした行動を取らせるのだ。
私も、同じような失敗をしたからよくわかる。
アイテムは、イタリアの展示会で見つけた宝石箱だった。
見た目がなかなか良いうえ、しゃれた感じで売れる商品になると直感した。
さっそく商談をまとめて輸入すると、その宝石箱と同じものがすでに国内市場で販売されていたのだ。
あげくのはてにそれは実は中国で作られたものだった。
私が輸入した商品は「MADEINITALY」となっていたが、実は「MADEINCHINA」だった。
中国で作られたものをイタリアの業者が輸入し、「MADEINITALY」と表記して展示会に出展していたのだ。
日本市場に出回っていたものは、そのまま「MADEINCHINA」となっていた。
しかし誰がどこから見ても同じものなのである。
頭がクラクラした。
中国製のため、価格は私のつけた価格の半額程度だった。
生産国表示が違っても同じ商品でもあり、これでは勝負にならない。
損が出ることは承知で、値段を合わせてそっと叩き売ったのである。
今思い出しても、イタリアのその業者はひどい業者だった。
クレームの一つも言わないと気がすまないので電話をかけたが、電話にまったく出ない。
FAXを送り付けても、なしのつぶてだったのである。
こうした業者が展示会に出てくること自体が不思議だが、そうした業者がいることも現実であると認識しなければならない。
【POINT】事前▼魅力的な商品だったとしても、いきなり発注してはいけない。
必ず現物サンプルで、日本のマーケットにあるのかどうかをしっかり調査、確認すること。
事後▼ライバルの価格に合わせ、早めに売り切ることを考える。
08▼法律の改正を知らず、商品がそのままでは売れなくなったテーブルランプを輸入したが、電気コード部分が「電気用品安全法」に合致せず、販売できないと言われてしまった……法律というものは、永久に不変ではない。
法律が改正されたことに気づかなかったことで、問題が生じることもある。
法律の改正に気づかないと、あるいは通達を知っていてもその内容を忘れると、法律に合致しない商品ということで販売できなくなることがあるのだ。
このケースは、「電気用品安全法」で、輸入品で使われている部品の指定変更が行なわれて以降に生じた。
たとえば、電気コード部分でも、コンセントでも、中間スイッチでも、電球を入れるソケット部分でも、「電気用品安全法」で使わなければならない部品の基準がある。
その基準は非常に厳格なものになっている。
では、どうすれば、こんな失敗をせずにすむか?手っ取り早い方法をお教えしよう。
「日本に輸出したことがあるか?」輸出者にこう尋ねてみる。
日本への輸出経験があれば、それだけ日本市場を理解しているからだ。
「ある」という返事であれば、「最後に輸出したのはいつ?」と質問するのである。
「ほんのつい最近」こういう返答であれば、「それと同じ仕様にしてください」とオファーを出せばよいのだ。
輸出経験が乏しいか、最近は輸出経験がない場合、相手に「日本の法律では、○○の部品のままでは販売できない。
日本の法律に合致する部品に交換のこと」と指示しておけば、この種の問題は防げる。
【POINT】事前▼海外にも、日本の「電気用品安全法」に合致する部品がある。
輸出経験の有無にかかわらず、忘れずに、輸出者に日本の「電気用品安全法」に適応する部品を使ってもらうように指示しておくこと。
事後▼日本の業者に依頼して、部品の交換をしてもらって対応する。
その分、コストがかかることは当然だが、指示していないと輸入者側の負担になる。
09▼季節商品が売り時を失ってしまった春先の入学シーズンを当て込んで、児童向けの商品を東南アジアのメーカーに発注した。
納期と「リードタイム」を考えずに発注したため、入荷が5月になってしまった……児童向けの入学シーズン商品の例として、学習机とイスのセットがある。
ちょっと高級感が漂うおしゃれなランドセルも、こうしたジャンルの商品に入るだろう。
輸入ビジネスの商材には、プロパー商品として恒常的な生産体制(ライン)に入っているアイテムもある。
しかし、ほとんどは輸入者からのオーダーを受けて生産に取りかかる。
いわゆる受注生産である。
オーダーを受けてから商品が完成するまでには、一定の期間がかかるのだ。
その時間がここにある「リードタイム」である。
リードタイムとは、生産日数のことである。
通常であれば、納期からリードタイム、それに輸送の時間などを逆算してオーダーをする。
日本のメーカーの場合、商品にもよるが発注して比較的短期間で納品が可能である。
しかし東南アジアのメーカーではリードタイムが2ヵ月ほどは必要である。
日本のメーカーと同じような感覚で発注すると、こうした事態が生じるのである。
重要なポイントは、契約の際に表面約款をきちんと一つずつ詰め、リードタイムを勘案して納期を確認しておくことだ。
「できるだけ早く作って、できるだけ早く送ってくれ」極端な場合、こんな口約束だけで納期の指定をしたらどうなるか?相手は「日本のことだから、机は新学期に合わせて販売したいのだろう」などと絶対に考えてくれない。
クレームをつけても、「できるだけ早く作って、できるだけ早く送った」と言うに決まっているであろう。
【POINT】事前▼発注から納品されるまでの全体の日数がどの程度必要なのか?これをあらかじめきちんと知ったうえで、発注業務を行なうべきである。
事後▼商品が時期外れになってしまった以上、今年の販売実績はまず望めない。
とにかく叩き売るか、来期に回せるような商品であればその手はずを整える。
10▼強力なライバルと競合してしまった日本未発売の商品を発掘、かなりのプロモーションをかけて商品の国内浸透を図った。
ようやくヒットの兆しが見えてきたが、まったく同じ商品を扱う強力なライバルが出現。
あっという間に顧客を奪われてしまった……日本市場で売れる商品の条件とは、どんな条件だろうか?私の結論を言えば、「圧倒的にズバ抜けていること(outstanding)」である。
日本ではもう、「良い(good)」とか「優れた(excellent)」では物足りないのだ。
当たり前だからである。
同時に、「日本未発売」や「日本初上陸」といった条件を備えていればさらに魅力を増す。
お客様心理としては、新しいものを欲しがるからである。
日本初上陸、日本未発売の商品は、それだけで十分に訴求力を持つ。
ただし、違う側面から見れば、商品を浸透させ、認知させるためには時間と資本が必要ということにもなる。
このケースのように、あなたの努力が報われ始めたとたん、大きな資本を持つライバルがあなたの顧客を奪っていくようなケースも多いのだ。
トンビに油揚げである。
ではトンビ対策はあるのか?あるのだ。
それは「独占販売権(総輸入代理権)」を獲得することだ。
日本未発売で、日本市場で有望と思われる商品を発見した時、必ず、独占販売権付きの販売契約を結ぶことを忘れてはいけない。
交渉の努力が実って相手がこう言ったとする。
「OK、あなたを日本での輸入総代理店としよう」そこであなたは有頂天になってはいけない。
必ず、あなたの名前(会社名)と相手の名前を入れ、お互いがサインした契約書面にしておく。
この書面は契約の事実を示すだけでなく、のちのち何かあった時の証拠になるからである。
【POINT】事前▼日本未発売の魅力的な商品を発見したら、「独占販売権(総輸入代理権)」を取る交渉に全力を傾ける。
独占販売権なしで販売に当たるのは、ザルで水をすくうようなものと心得ておく必要がある。
交渉では、「序章07▼独占販売権を獲得する方法は?」に紹介したような説得術が有効である。
事後▼相手が強力な場合、価格の消耗戦に陥ると勝てない。
かけた時間と費用は惜しいが、損切りできるならその商品は処分し、別の商品でのビジネス展開を図るべきだろう。
11▼総代理店契約を一方的に打ち切られた3年間の総代理店契約ベースで、フランスからワインの輸入販売をしていた。
1年が経過したころ、「目標金額未達」という理由で一方的に契約終了の連絡がきた。
調査すると、総代理店契約を結んでいるにもかかわらず、日本国内の他社にも供給していたことが判明した……総代理店契約ということは、日本での独占販売権を持っていたということである。
当然、あなたが独占販売権を持っている証拠も書面で残っているだろう。
独占販売権は、期限が切ってあるのが通常である。
その期限の間、輸出者はあなたに日本市場を任せるが、他にも良い輸入者がいないかと探していると思ったほうがいい。
思ったような成績が上げられない場合、独占販売権契約は打ち切られる。
ドライな世界なのである。
このケースの場合、契約期間中に一方的に契約終了が通告されている。
契約違反は明らかだが、契約内容を精査しなければならないかもしれない。
契約内容によっては、契約終了の通告が認められるケースもあるからだ。
では、どんな契約内容が問題になるのか?まず、「販売目標数字」が浮上する。
別名「販売目標金額」のことである。
仮に、「1年以内の販売目標として○○万円を保証する。
目標未達の場合、契約不履行で契約を解除する」といった一項があった場合だ。
1年を経過してその売り上げ保証額が達成できなかった場合、これはあなたの契約不履行に当たり、先方の行動も正当化されてしまう。
ただこのケースのように、他社に販売していた場合は先方の契約違反となり、そこに交渉の余地が残る。
そこを明確にしておく必要がある。
【POINT】事前▼契約の際、「販売数字」を絶対に保証してはいけない。
あくまで「努力目標」としておくこと。
目標金額さえ保証していなければ、一方的に契約は打ち切られない。
事後▼販売数字を保証し、「目標未達の場合、契約不履行によって契約を解除する」という条項があった場合、残念ではあるが方法はない。
ただこの場合、総代理店契約を結んでいるにもかかわらず他社に販売していたことは契約違反となり、そこを争点に争えば相身互いということも考えられる。
12▼PL法(製造物責任法)対策を講じたいが…PL法(製造物責任法)にからむトラブルは起こしたくない。
事故を防ぐために商品の取り扱い方をよく理解してほしいが、どうすればいいのか……日本でも、PL法(製造物責任法)はかなり知られるようになった。
ご存じかもしれないが、「商品の欠陥のせいで、消費者が生命・身体・財産に被害があった場合、その消費者は製造者に対して損害賠償できる」という法律である。
PL法に関して、アメリカに有名な話がある。
常識では考えられないことだが、濡れたネコを乾かそうと、ある主婦が電子レンジに入れた。
そのネコが死んだために、主婦はメーカーを訴えた。
ネコを電子レンジに入れて乾かすことなどメーカーは予想もしていないから、当然、反論する。
しかし結局、「ネコを電子レンジに入れて乾かしてはいけない」と取扱説明書に書かれていなかったため、メーカー側の敗訴に終わった。
巨額の損害賠償金を課せられたメーカーがどうしたかと言えば、「電子レンジにネコなどの動物を入れて乾かさないこと」という一文を取扱説明書に入れるようにしたのだ。
信じられないが事実である。
なんとなくユーモラスではあるが、笑えない話である。
「私は輸入者だ。
輸入品で問題があっても、PL法に引っかかるのは海外のメーカーだろう」もしあなたがこう思っていたとすれば、危ない誤解である。
輸入ビジネスでは、輸入者はメーカーと同等に扱われる。
つまり、あなたが輸入した商品の欠陥のせいで事故やトラブルが起きれば、PL法に問われるのはあなたになるのだ。
そこで、輸入者であるあなたは、PL法対策を講じる必要がある。
輸入者が損害賠償請求を受けた際、海外メーカーに求償できるように事前に契約書に盛り込んでおくちょっとでも安全性に疑問がある商品は輸入しない丁寧な取扱説明書を作る(商品によっては警告ラベルも)海外のメーカーに任せると意味不明の取扱説明書になることもあり、場合によってはこちらで作ることも考える。
特に使用・取扱方法によって事故の起きやすい商品の場合、警告ラベルを作って十分な注意をうながす。
PL保険に加入する輸入前に、相手に対し、日本も対象にしたPL保険に入っているかを確認する。
同時に、損害保険会社、あるいは商工会議所や商工会連合会などが窓口になっている「PL保険」にあなた自身が加入することをお勧めする。
【POINT】事前▼一つの事故が会社の運命を変えてしまうこともある。
輸入品の安全性は慎重にチェックし、丁寧な取扱説明書を作ることである。
13▼為替差損をヘッジする賢い方法はないものか?契約時に95円だった円が、その後の為替レートの変動でどんどん円安になり、決済時には105円になってしまった。
お客様との販売価格をこれ以上は上げられなかったので、大損してしまった……輸入ビジネスを含め、貿易には為替リスクがつきものである。
説明するまでもないかもしれないが、契約時より円安にふれると、輸入ビジネスにはマイナスである。
いろいろな経費がコストを押し上げ、最終的にあなたの利益を圧迫するのだ。
私の場合、ユーロ高円安で悩まされたことがある。
ユーロが最初に導入された時、1ユーロ=120円程度だった。
一時はドルとの逆転現象を起こして90円台まで円高になったことがあったが、底を打って1ユーロ=160円台まで円安になってしまった。
とうていビジネスにならないので、この時はヨーロッパからの商品輸入は休まざるを得なくなったのである。
円安リスクをヘッジする方法として、大きく4つある。
紹介しておこう。
為替予約をする「為替予約」とは「商品を受け取る際に必要な外貨の為替相場を事前に予約して決めてしまう方法」である。
たとえば、「1ユーロを2ヵ月後に130円で買う」と予約・確定させる。
その時の相場が1ユーロ=140円であろうが、150円であろうが、あなたは1ユーロ=130円で買う(交換する)ことができる。
通貨オプションを利用するこの方法は、の為替予約の応用編になる。
まずのように為替予約をする。
同じように1ユーロ=130円だったとする。
通貨オプションを使うと、期日のレートが1ユーロ=120円の円高になった場合、予約をキャンセルし、安い為替相場で輸入決済ができる。
逆に、さらに円安になった場合、最初の1ユーロ=130円のレートで決済できる。
あなたにとって非常に有利な取引になるが、「オプション料」と呼ばれる手数料がかかる。
通貨オプションを利用する際、販売価格にオプション料も織り込む必要がある。
自社の為替レートを円安気味に設定しておく為替レートが円安にふれても採算が維持できるように、自社の為替レートを円安気味に設定し、国内販売価格をあらかじめ高めにしておく方法である。
個人や中小企業で輸入ビジネスを行なう場合はこの方法が一番現実的で、もっとも多く用いられている。
円建て契約にしておく円安リスクは、外貨を決済する時に発生する。
決済通貨を円建て(円で支払う)にしておけば、あなたの円安リスクは発生しない。
ただし、輸出者は外貨である円で受け取るから、自分に為替リスクが発生する。
欧米や中国はなかなか難しいが、韓国や台湾では円建て契約でやってくれる場合もあるから提案してみるといいだろう。
【POINT】事前▼為替レートの変動に関しては、輸出より輸入のほうが対応しやすい。
基本的に、価格幅がある商品を輸入するため、為替差損があっても、損失を織り込んで価格が付けやすいからだ。
実務的にはを使う業者が多く、私もこの方法を使っている。
事後▼輸入ビジネスにとって、為替の変動は影響が大きい。
ここで掲げたような賢い円安対策を勉強し、実際に役立てることである。
14▼通販業者と大型企画がまとまりそうだが、大丈夫か?新規顧客の通販業者と、3000万円の売上目標で企画がまとまりそうです。
資金が少ない私にすればかなり大きな負担になりますが、3000万円分の商品を発注したものかどうか決めかねています……ここで挙げた例は私のクライアントのケースである。
私にもほぼ同じ経験があるのでご紹介しておこう。
役に立つはずだ。
通販会社が商品を扱う場合、コスト負担はゼロか、かかったとしても非常に安いというのをご存じだろうか。
通販会社との取引と言うと掲載料がかかると思われるだろうが、意外に違うのである。
TVショッピングに出すときでも、出品料はかからないのだ。
通販雑誌に掲載する時も、無料で掲載してもらえることのほうが多いのである。
しかし、ここからが重要である。
それはこうである。
ハードルの低さはあるものの、売れ行きに関しては一切保証がないのだ。
私の例でお話ししよう。
商談内容はこうであった。
「9月半ばから通販媒体で告知を始めます。
10月1日までに、とりあえず商品を1000個用意してください。
前回の同等商品の売り上げは5000万円でしたから、今回は3000万円ぐらいを見込んでいます。
それくらいは売り上げる企画です」前回のデータも見せられたうえこう言われると、本気にもなるではないか。
希望に胸を膨らませて1000万円分の商品を用意したが、結局、10%程度しか売れなかったのである。
「○○さん、ひどいですよ。
惨憺たる結果じゃないですか」私は、泣きを入れた。
もっと激しく抗議したいところだが、言葉をグッと飲み込んでそう言ったのである。
すると、担当者はどう言ったのか。
こうである。
「まぁまぁ、大須賀さん、そういう後ろ向きの話はしちゃダメだよ。
死んだ子の歳を数えるなって言うでしょ。
明日の前向きな話をしましょうよ。
実は良い企画があるんですよ……」こちらにしてみれば大赤字。
決して後ろ向きの話でも何でもない。
しかし相手も百戦錬磨である。
担当者は違う魅力的な話に持っていこうとするのである。
こうした苦い経験があったので、相談を持ちかけたクライアントにこう言った。
「相手が3000万円と言っても、そのまま受けてはいけない。
まず300~500万円ぐらいで交渉しなさい。
『300万円ぐらいでプレセールをやりましょう』と言って様子を見たほうがいいと思います」しばらくして、彼から連絡が入った。
「300万円のプレセールは断られました。
結局、この話はないことに……」「それはそれでいいじゃないですか。
3000万円分の商品を用意して全然売れなかったらどうなったか?」彼は脱サラして輸入ビジネスを始めたばかりで、潤沢な資金があったわけではない。
3000万円分の商品を用意して売れ行きが不振であれば、どんな事態になるか容易に想像できるだろう。
違う相手とのビジネスで、しっかり利益を出せばいいのだ。
通販業者は、「売れなくてゴメン」などと言ってそれを買い取るわけではないのだから。
【POINT】事前▼これもよくあるパターンだ。
基本的にはありがたいオファーなのだが、現実的には、企画は外れることも多い。
こうした場合、まずプレセールを実施して反応を見、結果を分析する必要がある。
その結果次第で次を考えていくのが定石だ。
リスク覚悟でオーダーを受けるのであれば、別の輸入業者数社にも同じ提案をしておくこと(横引き)も判断のひとつである。
事後▼オーダーを受けて現実に売れなかったとしても、通販会社は賠償してくれない。
売上目標であって、売れ行きを保証したわけではないからだ。
じっくり時間をかけて、他社に販売をかけていくしかないだろう。
15▼取り込み詐欺に遭ってしまった新規の顧客獲得のために、日本の展示会に出品。
思惑通りに顧客を獲得したが、前金をもらわずに納品。
その後、その業者はプロの詐欺集団と判明し、売掛金の回収が困難に……展示会などで顧客を獲得すると、「これでビジネスが成立した」とつい嬉しくなるだろう。
一部の優良顧客であれば大丈夫だろうが、こうした展示会にはいろいろな人間が、いろいろな思惑で顔を出しているものである。
なかにはそれなりの会社案内も作り、普通の会社を装ったプロの詐欺集団もいることを忘れてはならない。
「私は、そんな詐欺には引っかからない」誰でもそう思っている。
私もそうだった。
しかし、あえて恥をさらすと、私も取り込み詐欺に引っかかった経験があるのだ。
あなたにはそんな詐欺の被害者になって欲しくはない。
プロの詐欺集団の被害に遭わないために、ここで詐欺集団の代表的な手口を紹介しておこう。
出品した展示会が終わった数日後、ある会社からFAXが流されて来た。
文面は、こんな感じである。
「御社の製品に大変に興味を持ちました。
お話ししたかったのでしばらくお待ちしましたが、お客様が途切れず、お声かけするのを遠慮させていただきました。
ついては、カタログを送付していただけませんでしょうか」自尊心をくすぐるこういうオファーが来れば、カタログを送るしかないだろう。
すると、ここがミソなのだが、さっそく少量のオーダーが来るのだ。
少額ではあるが、当然、出荷前にオーダー分の代金請求をかける。
すると、相手はこう言い出した。
「当社の規定として、20日締めの翌々月10日払いになっているのです。
今回はそれでやってもらえないでしょうか?」こちら側として「それは受けられない」と言いたいところである。
しかし売り上げが欲しいことも事実だ。
リスクと利益が頭のなかをぐるぐると駆け巡る。
「たいした金額ではないし、再来月の10日払いならいいか?」こう思うと相手の思うツボなのだ。
出荷すると、翌日すぐに電話がかかってきたのだ。
「お客様に見せると、もっと欲しいと言われました。
今度は20個送ってください。
条件は同じでお願いします」その20個もまた出荷することになる。
その翌日、また電話が入る。
「いやぁ、すごい評判!大人気ですよ。
さすがですね。
お客様は大喜びですよ」ほめられてうれしくない人間はいない。
その時の注文も受けてしまう。
そうこうするうち売掛金が増え、300万円ほどになってくるとさすがに不安になった。
そこで、FAXに記されている住所を頼りに、相手の会社に行ってみたのである。
社長は不在だったが商談室に通され、専務という人間と会った。
「10日払いということだが、売掛金が300万くらいになっている。
いくらでもいいから先に払ってもらえないだろうか?」「今すぐと言われると、10万程度しか払えない。
残金はやはり10日でないと……」仕方がないので、10万円だけでも送金してもらった。
その入金のあと、またオーダーが入る。
こちらとしては、全額回収したいからそのオーダーにも応えてしまった。
ここから先は、お決まりのパターンである。
そして約束の10日の支払日が来た。
当然のごとく銀行で確認すると入金はない。
不安になって電話をかけてももちろんつながらない。
「お客様がおかけになった番号は、現在使われておりません」その時に初めて、取り込み詐欺だったことを知った。
この詐欺集団の被害者は私だけではなかった。
数十社が被害に遭い、ほぼ1ヵ月で被害総額は数億円にのぼったのである。
詐欺集団は形を変え、姿を変え、社名を変えて同じ手口を繰り返しているはずである。
展示会に2000社が出品しているとすれば、1800社程度に同じ内容のFAXを流す。
カタログを送って来た会社を相手に、今紹介したような手口で詐欺を仕かけるのだ。
この体験以後、売り掛けの話が相手から出た時、私は調査機関を使って信用情報を確認することにしている。
さらに、自社で基準を決め一定以上に達しなければ売り掛けはしないようにしているのだ今でも辛い辛い思い出である。
【POINT】事前▼取引の初期にあっては、いかなる理由があろうと前金をもらわずに納品してはいけない。
売り上げがほしい時はこうした詐欺に引っかかりやすく、特に注意が必要だ。
ビジネスに慣れてきたら、自分なりの対処法を考えることも一つの手だろう。
事後▼詐欺事件だから警察に被害届けを出してもよいが、事実上、売掛金回収は困難になることがほとんどだ。
まず、不可能と考えてよい。
経理上は損金処理できることもあるので、専門家に相談してみるとよいだろう。
おわりにこの本では、輸入ビジネスでの日本人であるがゆえに陥りやすいミス、罠について掘り下げました。
私自身の体験も恥を忍んで公開しています。
成功のパターンは、星の数ほどあることでしょう。
しかし失敗の定義は、ひとつです。
それは、あなたが思い描いた結果が得られないこと。
そうです。
失敗のパターンは、すべての人に同じなのです。
私が、28年に及ぶ輸入ビジネスの中で、不幸にも遭遇した経験は、きっとあなたの役にたつ。
そんな思いでこの本を書いたのです。
あなたが輸入ビジネスに関与すると、ここで紹介したような失敗や問題に直面するかもしれません。
しかし、勘違いしないでほしいのです。
本書で紹介したようなトラブルや失敗の数倍、数十倍もの喜びがあるのですから。
これが私の実感です。
私の願いは、本書を読んでいただくことで、問題をうまくクリアーし、事前に失敗を回避する知恵を獲得していただくことなのです。
じっくり読んでいただけば、注意すべき点がクッキリ浮き彫りになることでしょう。
あなたには、回り道をしてほしくないのです。
失敗は、私だけで十分です。
私は御縁をいただいたあなたの輸入ビジネスの成功に寄与したいのです。
できる限り失敗の種をつむことで、あなたは成功するしかなくなるのです。
この本の大きな魅力はここに尽きると信じるものです。
そして輸入ビジネスは国際交渉です。
入口の商談をはじめ、サンプルや商品の仕様、価格、輸送などで輸出者との交渉が必要になります。
交渉ごとで、日本人はくみしやすいと思われていることを知ってほしいのです。
欧米人は、話し合いがあり、議論があり、それを通じて物事が決まると考えています。
当然、結論にはある程度の妥協があるのかもしれません。
しかし、それはお互いの主張をぶつけ合ったうえで、折り合えるポイントを発見しての妥協を探った結果なのです。
欧米では、「ディベート(議論)」が文化としてあります。
自己主張できない人間は一人前の人間として認められないため、小学生のうちから授業でディベートを学ぶのです。
上級学校でのディベートの授業を通して自己主張術を学び、自分の意見を堂々と主張する術を身につけるのです。
我々日本人は「謙譲の美徳」や「相手の気持ち」を大切にします。
それは、日本が世界に誇れる美点でしょう。
反面、自分の意見をきちんと主張する人間を嫌ったり、排斥したりします。
議論は時には相手の人間性の否定まで発展してしまうことがあるのです。
欧米人は「意見と人間性は別物」と考えているのです。
一日中かんかんがくがくと議論した後にこんなしゃれたことを言うのです。
たとえ合意が得られなくても、「お互いの意見がまったく違うことに合意した」と。
そして握手でわかれるのです。
素晴らしいとは思いませんか?輸入ビジネスに限らず人と人との関係は、いかに「WIN―WIN」に持っていくかが重要だと実感しています。
その関係さえ築ければ、ビジネスパートナーとしてお互いに成長できるからです。
そのために、あなたにも、もっと自分の立場を正当に主張してほしいのです。
相手にこいつと組むと得するかもしれないと思われる人であってほしいのです。
自分の意見を持つ人間は尊重されるのです。
あなたの毅然とした態度が結局、「WIN―WIN」の関係を築く基礎になるものだと信じています。
最後になりますが、あなたとの素晴らしい出会いのきっかけを与えてくださった皆様に感謝の言葉を述べさせてください。
「先生の失敗談が聞きたい」って背中を押してくれたインポートプレナーズクラブの会員のみんな!皆様の変わることのないひたむきな応援は私の財産です。
ありがとうございます。
今回お声をかけてくださった現代書林の坂本桂一社長様、失敗談を熱望してくださった鹿野青介常務様、そして私のわがままをやさしく聞いてくださった相根正則副編集長様、皆様の深い理解がなければ、この本がこの世に出ることはなかったでしょう。
ありがとうございます。
心から心から感謝です。
ご自分の事例を惜しげもなく提供してくれたクライアント様、そして仲間たち。
ありがとうございます。
この本は、まさに皆さんとの共著です。
私の実弟である大須賀進。
私の最高のビジネスパートナーとしていつも支えてくれてありがとう!あなたがいなければ、今の私はないでしょう。
ありがとう。
度重なる出張のために留守がちな私に代わって家を守ってくれている妻には、言葉では言い尽くせないほどの感謝を捧げたい。
ありがとう!君がいなければ、私は自由に海外を飛び回ることなどとうてい不可能だったでしょう。
信じてついてきてくれてありがとう。
胸がいっぱいです。
深い愛情をこめて何度でも言うね。
ありがとう!私がいなくても元気に育ってくれた子供たち、ありがとう。
あんまりいい父親じゃなくてごめんね。
あなたたちは私の誇りです。
おふくろさん、どんな時でも信じていてくれてありがとう。
くじけそうなとき明るく励ましてくれてありがとう。
どんなに勇気づけられているか……。
感謝です。
そしてそしてここまで一緒にたどり着いたあなた!ありがとう。
あなたの命でもある貴重な時間を費やして最後まで読んでくださって本当に深く感謝いたします。
私との出会いが、あなたにとってなんらかの価値あるものになるならば、私にとってこのうえないしあわせです。
ありがとう。
もう一度言わせてください。
ありがとう!あなたの輸入ビジネスでの成功を祈りながら……!平成21年7月香港の国際見本市会場にてジェトロ認定貿易アドバイザー大須賀祐
参考文献初めてでもよくわかる輸入ビジネスの始め方・儲け方大須賀祐日本実業出版社おもしろいほどよくわかる貿易ビジネスの基本と常識大須賀祐PHP研究所最新輸入ビジネスジェトロ編世界経済情報サービス(weis)実践国際ビジネス教本ジェトロ編世界経済情報サービス(weis)輸入ビジネス教本ジェトロ編世界経済情報サービス(weis)わかりやすい貿易実務片山立志・寺田一雄オーエス出版社輸出入・シッピング実務事典高内公満日本実業出版社出る順通関士東京リーガルマインド貿易為替用語辞典東京リサーチインターナショナル編日本経済新聞社最新貿易ビジネス中野宏一白桃書房貿易マーケティング・チャネル論中野宏一白桃書房貿易業務論第9版中村弘・田中尚志東洋経済新報社図解円安・円高のことが面白いほどわかる本西野武彦中経出版関税六法日本関税協会国際法務の常識長谷川俊明講談社最新貿易実務(増補版)浜谷源蔵同文館実践国際マーケティング堀出一郎中央経済社外航貨物海上保険案内三井住友海上火災保険(株)小口輸入Q&Aミプロ貿易実務と外国為替がわかる事典三宅輝幸日本実業出版社入門輸出入の実務手びき宮下忠雄日本実業出版社やさしい貿易実務森井清日本実業出版社図解実務入門よくわかる貿易書類入門(図解実務入門)片山立志日本能率協会マネジメントセンター貿易・為替用語の意味がわかる事典森井清日本実業出版社現代の貿易ビジネス寺田一雄中央書院貿易物流実務マニュアル石原伸志成山堂書店貿易と国際法森井清同文館わかりやすい貿易取引の手引山口敏治中央経済社貿易の知識(日経文庫)小峰隆夫日本経済新聞社英文契約書の書き方山本孝夫日本経済新聞社入門外国為替の実務事典弓場勉日本実業出版社国際契約の手引大須常利・淵本康方日本経済新聞社貿易実務がわかる本吉野議高日本能率協会マネジメントセンター国際取引契約浅田福一東京布井出版ベーシック貿易取引小林晃・赤堀勝彦経済法令研究会最新英文ビジネス・ライティング橋本光憲中央経済社英文ビジネスレター事典橋本光憲監修三省堂外国為替用語小事典山田晃久・三宅輝幸編経済法令研究会入門貿易英語中村弘東洋経済新報社貿易業務論(改訂版)中村弘東洋経済新報社貿易取引入門新堀聰日本経済新聞社法律英語のカギ長谷川俊明東京布井出版英文契約書作成のキーポイント中村秀雄(社)商事法律研究会すぐできて儲かる輸入ビジネスミプロかんき出版貿易・為替の基本山田晃久日本経済新聞社マクロ・ミクロ貿易取引山田晃久学文社輸出・輸入手続き実務事典山田晃久日本実業出版社貿易の実務石田貞夫日本経済新聞社新貿易取引石田貞夫・中村那詮有斐閣「貿易実務」の基本が身につく本井上洋かんき出版やさしくわかる貿易実務のしごと井上洋日本実業出版社入門の入門貿易のしくみ梶原昭次日本実業出版社90分でわかる外国為替の仕組み片山立志かんき出版実践貿易実務神田善弘ジェトロ基本貿易実務(五訂版)来住哲二同文館ICC信用状統一規則および慣例(1993年改訂版)国際商業会議所日本国内委員会儲かる海外商品の見つけ方・売り方AtoZ財団法人ミプロアスキー国際ビジネスを成功させるために佐々木紘一文芸社やさしい商品輸入ビジネス入門佐野光質南雲堂フェニックスジェトロ貿易ハンドブック2006ジェトロマンガで入門貿易実務ができる本高橋則雄・木村雅晴こう書房洋上三万マイル浪漫大航海大須賀英夫歴史春秋出版社
この作品は現代書林「輸入ビジネス儲けの法則」(2009年9月15日初版第1刷)に基づいて制作されました。
【著者プロフィール】大須賀祐(おおすかゆう)●…1955年9月26日生まれ。
早稲田大学商学部卒。
ジェトロ認定貿易アドバイザーNo.486。
株式会社インポートプレナー最高顧問。
輸入歴28年。
日本貿易学会正会員。
OVTA財団法人海外職業訓練協会国際アドバイザーNo.644。
「輸入ビジネス・インポートプレナー養成講座MIC」主宰。
●…東証一部上場企業入社後、3年目で最優秀営業員賞受賞。
その後、自ら直接輸入を推進。
2004年2月、当時合格率がわずか8.4%であり、現役で日本国内に500名もいない超難関資格「ジェトロ認定貿易アドバイザー」を取得。
現在、独自のビジネスコンセプト「インポートプレナー」(輸入で起業・輸入で新規事業)のコンサルティングに情熱を注いでいる。
●…著書に、輸入ビジネス書としては異例ともいえる2連続販売即日Amazon総合ランキング1位になった「初めてでもよくわかる輸入ビジネスの始め方・儲け方」(日本実業出版社刊)、「おもしろいほどよくわかる貿易ビジネスの基本と常識」(PHP研究所刊)がある。
■この本の内容に関するお問い合わせ先info@importpreneurs.com■著者のホームページhttp://www.importpreneurs.com■著者の輸入ビジネスブログhttp://importpreneur.jugem.jp■著者のメルマガ「インポートプレナーズ通信」http://www.importpreneurs.com/mailmag.html
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