とはいえ、現実問題としては、社長が「判断だけ」をしていればいい、というわけにはいかないケースも多いだろう。 小さな会社では特に、人手が足りないことなどが理由で、社長自ら営業担当者として売上アップに注力したり、マーケティングの責任者を担ったり、商品開発担当として企画を考えたり、といったことはある。 しかしそれらは、単に「兼務」しているに過ぎない。 兼務すること自体は構わないのだが、そうした「社長本来の仕事以外の仕事」が多忙になりすぎるあまり、社長本来の仕事である「判断」がおろそかになる、ということが非常によく起きる。 例えば、判断以外の営業や商品開発など、自分が得意なことばかりを率先して行ったり、反対に、社長はすべてにおいて一流であるべしという誤った認識から、資格を取ったり、必要以上に専門知識を詰め込もうと時間を浪費したりする社長もいる。 しかしながら、それらは大きな間違いであることを認識しなければいけない。 実際、私がこれまでに見てきた「行き詰まった社長」の多くは、ストレスの多いと感じる重大な判断をしたくないがために、自分が働いていることを感じられる得意な業務に逃げてしまう。つまり、会社に必要な処置を施さず、根本治療ではなく対症療法でやり過ごそうとするのだ。 その結果、その日その月は乗り切れても、本来の問題は解決せず、会社の健康状態は悪化していき、ちょっとした出来事で会社が消滅してしまうこともある。
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