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スピーチ・司会など「人前でウケる話し方」10の公式

スピーチは頑張らないまず、知っておいていただきたいことは、スピーチは基本的につまらない、ということ。つつがなく自分のスピーチが終わったら、「ああ、つまらなくてよかった」くらいのことを思っていていいのです。でも、せっかくならウケたい、場を盛り上げたいって思ってますよね。大丈夫です。手は色々とあります。大事なのは、まず、頑張らないことかなと思います。頑張って話すと、聞いているほうが緊張します。すると、笑いたくても笑えないし、おもしろいと思いたくても思えません。緊張感だけが伝わって終わることになります。だからその場では、「どうせ、みんなつまらないのだし、自分もつまらなくていいか」くらいの気持ちでいたほうが、かえって、みんなに話を聞いてもらえるんです(ただし、場をわきまえないのはいけませんが)。この章では、人前で話したり、司会をしたりするときのコツを色々と紹介していきたいと思います。ドキドキしながら頑張って盛り上げようとするよりも、ずっとラクに人に喜んでもらうことができますよ。

〈スピーチ〉見たままを話す勇気!スピーチでよく間違えるのは、場をわきまえないことです。スピーチなんですから、公式の場です。はしゃいでいるときとは違います。では、その場で求められていることは何か。こういう場は、形式張っているだけに、リラックスしてもらうことが大事です。まず、ひとつの方法としては、「目の前の事実を伝える」ということです。フォーマルな「公の場」こそ、事実や自分の感情を伝えるべきだと思います。たとえば、何かの授賞式に出席したとします。壇上に司会の人がいて、受賞した人にマイクを向けて話を聞いているのですが、会場から見ていると、どうもマイクが近い。話す人は話しづらそうだし、声がくぐもって聞こえる。そんなとき、あなたの番になったら、こう言ってみてください。「あ、ちょっとマイク近いですね」って。会場からは笑いが起こります。ただ、マイクが近いから「マイクが近いです」って言っただけ。でも、これがコツなんです。見ていた人は、みんな無意識に気づいているんです。「あの人、マイク近いな」って。こういうみんな気づいていたけれど、言葉にしていなかったことを見つけたら、即、使います。「あの人マイク近いな~」ということを頭の片隅におきながら壇上に登って、タイミングをみて言葉にします。ほかにも、結婚式の司会で、新婦のお父さんが恐い顔をしていたら(本当は喜んでいるんだろうけど、感情が表に出ない人で、ぶすっとしていることはありますよね)、「あの、新婦のお父様が先ほどから渋い表情をなさっていて、それが気になって僕は食事ものどを通らないんですけれど、大丈夫でしょうか」それでお父さんが笑ってくれたら、「笑っていただいて安心しました」と言うと、会場も和やかになるわけです。また、会場に咳が止まらない人がいるような場合も、「一部咳が止まらない方がいらっしゃいますけれど」と言ったら、やっぱり笑いが起こります。そんなことを言うと失礼なのではと思う人もいるかもしれませんが、「咳が止まらない」人は、心の中で申し訳ないと思っているはずなんです。でも、それが笑いになると、その「咳」が場を盛り上げる役割を果たしたことにもなりますよね。すると、「咳をしていた人」は、咳が止まらなくて困っていたときよりも、気持ちがラクになります。ほかにも色々とできますので、次に例を挙げておきます。

最初に「おもしろい人」と思わせれば、笑いは出やすくなるなお、この「マイクが近いです」は、壇上に上がってすぐ言うことが大事です。「マイクが近いです」って言った瞬間に笑いが起きたら、この人はそういうことを言う人間なんだなって、みんなが思います。そうしたら、その後は、言うことが多少過激でも、ボケても、受け入れられるようになります。いきなり、何かおもしろい自己紹介をはしゃいでしたとしても、その人が「おもしろい人」であるかどうかわからないうちは、聞いているほうは笑えないものなんです。笑って失礼になっては困りますし、まずは聞いていないので「え、何言ってた?」ってなります。でも、その場に合わせてちょっとした話を振っておくと、「この人はおもしろい人だ」と気づいてくれますから、何を言ってもおもしろがってくれるんです。それに、一度笑いが起きると、自分もリラックスして話せるので、言葉が出やすくなります。まとめると、公の場では、・違和感(マイクが近すぎるなど)に気づくかどうか・それを言う勇気があるかどうかがポイントです。違和感に気づく、というのは、場を読むことにもつながります。「今、この場で何が起こっているのか」「どういう人間関係なのか」「どういう受け答えをしているのか」などと、ずっと見ているわけですね。そして、そこで起こったことを、そのまま言うことで「ウケる場」を作ります。その場にあるもの、起こったことを受けて話すというのは、ウケるスピーチの基本でもあります。これができると、その場にいる人達の興味を引く大きな要素になります。そのためにも壇上に上がったら、目線をみんなに送ってください。そして、そんなに脈絡はなくてもよいですので、「ここにいる人はこう思ってるだろうな」と思うことを、声に出して言います。たとえば、前の人のスピーチが長かったら、「素敵なスピーチをありがとうございました。ちょっと長かったですけど」とか。その程度で構いません。ただし、あくまで話の枕として話すものなので、決して張り切らないこと。ここでは「笑いをとらなきゃいけない」と思うよりも、ライブ感を出すことが大切です。みんなが思っていることを代わりに言ってあげる

うまい人ほど「淡々と」言うスピーチや人前で、「ありのままを言う」「見たままを伝える」ことが「笑い」になることをお伝えしましたが、では、そのときどんな言い方をすればよいのか。答えは、「淡々と」言うってことです。事実だからということで、ことさら「マイク近いですよね!」って大げさに言うことは不要です。「ちょっと、マイクが近いようですけれども」というように、淡々と言ったほうがウケるんです。なぜかというと、目の前で起こった事実は、淡々と言うほうが、全員の感情に近いからです。もし全員がそれに気づいているのであれば、それは周知の事実なんですから、ことさら盛り上げずに、「事実としてこういうことがありました」と淡々と言ったほうがその場に合います。逆に「自分だけが気づいた」という感情でしゃべってしまうと、しらけてしまいます。だって、みんな知ってるんですから。スピーチでは、ウケようとすると、みんな「どうもー!」とか言って、大声で張り切って、聞いている人に媚びようという感じではじめがちですが、実際におもしろい人っていうのは、すごく淡々としゃべっているものなんです。「うまくいかない人は張り切って入り、うまくいく人は静かに入る」これがスピーチの基本です。盛り上がっているときに淡々と言っても無駄に場の空気を崩しますが、公的な場とか、少しフォーマルな場では、「ありのままのことを淡々と言う」というのが、間違いのない方法です。事実は淡々と話したほうがおもしろい

〈スピーチ〉事実の逆を言う「きみまろ話法」綾小路きみまろさんがよくやる方法です。入ってきた早々、大勢のおばちゃんに向かって「まあ、今日はお若くておきれいな方達ばかりで~」これでウケてしまいます。おばちゃんばっかりなのに。事実じゃないこともわかっているのに。でも、みんな笑うんです。次の2つをくらべてみてください。A「お美しい若い方ばっかりで~」B「全員おばちゃんばっかりで~」恐らく両方笑いは起きますが、その笑いは真逆です。Aは純粋な笑い、Bは苦笑い。ごくごくベタなネタですが、前者の「お美しい若い方ばっかりで~」のほうが、みんなウソとわかっている分、おかしいんですね。ほかにも、司会者が緊張のあまり噛んでばかりだったら、「司会者の方が非常にリラックスされて、まったく噛まないですけれども」と言うと、笑いが出ます。噛んでばかりの司会者も、その一言でリラックスして、その後はやりやすくなると思います。喉に引っかかった小骨をとるとすっきりしますよね。こんなふうに誰かがその場で引っかかっているものを、裏返しにして言うことで、焦る気持ちをとってあげてください。なお、こうして事実と逆の表現をするときも、できるだけ淡々と言ったほうがウケます。そこではしゃいで言ってしまうと、事実よりも、言う人の驚きが前面に出てしまいます。すると、「みんなが知っていた事実」ではなくなってしまい、場がしらけてしまうのです。話をするなら淡々と。淡々と言っていれば、たとえウケなくても、スベったことにすら気づかれないので、ずっと堂々としていられます。事実の逆を言えば、純粋な笑いが生まれる

〈スピーチ〉当たり障りのある話を作ろう結婚式のスピーチなどで、結婚した友人のよさを伝えるときに、「やさしくて」とか、「努力家で」とか、「友達思いで」とか、言いますよね。でも、そんなことを言っても、まったくウケないですよね?「やさしくて」って言いたいなら、それに合った具体的エピソードを言うべきです。たとえば、「彼女と会ったのは大学時代で、私が失恋したときに一晩そばにいて励ましてくれたのが一番の思い出です」というような具体的な話をすれば「友達思い」と言う必要はありません。でも、そのほうがずっと伝わります。だから、もしスピーチを考えるとしたら、次の順で行ないましょう。1相手の長所・特性を大まかに書く「アクティブな性格だった」「行動力があった」「リーダーシップがあった」「コツコツやるタイプだった」などと挙げていきます。2次に、なぜそう思ったか、自分の思い出を探る「『コツコツやるタイプ』と思ったのは、なぜか?何の出来事でそう思ったのか?」「その人からかけられたもので、印象に残っている言葉はなかったか?」といったことを思い出します。3締めのメッセージを決めるまとめです。「そういうことでコツコツやるタイプなんで、夫婦生活もコツコツと末永く幸せに続いていくと思います」と言って、最後に「幸せになってください」って締めればOKです。話がおもしろくない人は「観念的」に話しているこれは、「話すとき」に、共通して言えるのですが、話がおもしろくない人っていうのは、基本的に、観念的というか、具体例がないまま話してしまうわけです。たとえば、あるプロジェクトの打ち上げでリーダーが話をします。普通の人「みなさんに一生懸命やっていただいて、このようなすばらしい結果になりました」これだと、なんにもピンと来ないですよね。でも、たとえば、おもしろい人「私がこの商品がイケると思ったのは、駅前の九州料理を出す居酒屋さんで聞いた、◎◎くんのあの感想でした。それであらためてこの商品の意義を感じ、その後、次々と新しいお客様に商品のよさを知ってもらうことができ、成功したと思います」前の例と違いますよね。「自分がその場にいて、どう感じたか」を話していますが、「自分がどう考えたか」を言ってるわけじゃないですよね。だから、スピーチを考えるときは「何を言うか」っていうことを、まずは観念的に書いて、それに付随するエピソードを思い出すのが正解です。スピーチというと、いきなり文章を書きはじめる人もいますが、それでは当たり障りのない文章になってしまうのは確実です。1つ、具体的なエピソードがあるだけで違います。みんな「考え」よりも「具体例」を聞きたい

〈スピーチ〉失敗談を話すスピーチでも、失敗談を話すのは有効です。もしくは、自虐ですね。ちなみに自虐は自分でボケて自分でツッコめるので、1人で話すスピーチでは、やりやすい方法です。だから、スピーチで、もうひとつ笑いをとりたいと思ったら、「失恋した」とか、「就職活動で失敗した」といった自分の話を入れていくといいですね。〈例〉「私が失恋したときに、『◎子は笑ってたほうが素敵なんだから、元気出して、って言ってくれるようなやさしい彼が絶対見つかるよ。あの人は◎子のよさがわかってないんだよ』と言って励ましてくれました。やさしい人だなと思いました」自分の失敗談+相手の美点さらに、おもしろくしたいなら、彼女のびっくりするようなエピソードを入れるといいでしょう。〈例〉「私が失恋したときに、『◎子は笑ってたほうが素敵なんだから、元気出して、って言ってくれるようなやさしい彼が絶対見つかるよ。あの人は◎子のよさがわかってないんだよ』と言って励ましてくれたのですが、後で話を聞いたら、『笑ってたほうが素敵』というのは、新郎のAさんが彼女に言った言葉だったようで、なぐさめてくれたと思っていたのに、実はのろけられていたことに後で気づきました。当時から仲がよかったAさんと一緒になってよかったと思っています」自分の失敗談+相手の笑える一面ただし、間違っても、相手を貶めてはいけません。よくスピーチで、新郎の浮気の話とか、これまで付き合った女性の話をする人がいます。最後に「だけど彼女を選びました」とは言うのですが、新婦の側としては笑えないですよね。最悪の状況だと思います。仲間内ではおもしろいのかもしれないですが、価値観や立場の違うたくさんの人がいる前です。それこそ、空気を読むべきです。スピーチでの自分の失敗談は誰もが笑ってくれる

急に振られても簡単にいい話が作れる「とりあえず、エピソード話法」歓送迎会や仕事の打ち上げで、いきなりスピーチを振られることもありますよね。大抵は、「9か月にもわたるプロジェクトでしたが、熱心なみなさんのおかげで~」とか、「◎◎さんには感謝しています」などという話からはじめることが多いですが、それだとやはり通り一遍の話にしかなりません。こういうときも、「とりあえず、エピソード」です。なんでもいいので、この日の主題に関係することで、自分が一番記憶に残っているエピソードを話してみてください。「途中で課長がため息をついているのを見て、このプロジェクトは大丈夫なんだろうかと、ひとしれず不安に思うこともありました」「退職される山田さんは、いつも朝早く来ていて、仕事の成果よりも、なぜ毎日朝早く起きられるのか、ということを実は疑問に思っていました」そして最後は、ベタで構いません。「でも最後は、みなさんの力で成功できたと思います」「退職されても、ご活躍を祈っております」気持ちが伝わるスピーチのできあがりです。多くの方は大抵、逆のことをしています。「まとめ」→「エピソード」というパターンだと話がしまりません。それを、「エピソード」→「まとめ」とするだけで、すぐにいい話になるんです。誰にでも簡単にできるコツなので、ぜひ試してみてください。振られても焦らず、まず、エピソードを思い出す

〈司会・進行〉盛り上がったら1回休み。引っ張らないで次へ進む司会・進行役をしているときに大事なことを1つお話します。笑いが出たら絶対に引っ張りません。そこで終わらせます。「情報ライブミヤネ屋」の宮根誠司さんを見ると、コメンテーターの「それは~で心配ですね」といったコメントを一切受けず、すぐ、「そして、さる5月×日、事件の真相を示す出来事が発覚します」と、全然違う話題に進みます。すると、流れがよどまず、テンポよく次へ進めます。これはテレビだけの話ではありません。誰かがおもしろいコメントを言ったときに、司会の人が、またその人に質問をしてしまうことってあるじゃないですか。たとえば、社内の宴会で何かのゲームをやることになり、社長と部長が対戦することになったとします。そのとき、部長が、「いつもは社長にいじめられているので、今日は勝ちます」と言って、笑いが起きたとします。そこで下手な司会者は、「どんな感じでいじめられてるんですか?」とついつい聞いてしまいます。これは絶対やってはいけません。それ以上掘っても広がらないからです。想像してみてください。「どんな感じでいじめられてるんですか?」って聞かれて、うまい返しなんて思いつきますか?「いえ、ほんとはいじめられておりません」というのが関の山です。せっかくボケてウケているものを、つぶしてしまいます。これを使うなら、その後、社長のところに行って、司会「社長、社長にいじめられてるとか言っている人がいますが、どうですか?」それで社長が何か言ったら、今度は部長のところに行って司会「社長は、ああ言ってますが、どうですか?」と、聞くのが正解です。これは、宴会の進行をする人、飲み会の場を盛り上げようと思っている人も同じです。場を盛り上げたいなら、話を掘り下げるのではなく、回していかなければいけません。1回ウケたら、すぐ次に進みます。はじめにお話ししましたが、場を盛り上げたいなら、みんなが盛り上がっているときこそ、1回休み。その間に、次に何の話題を出すと盛り上がるのかを考えておきましょう。盛り上がっているからといって、調子にのって入っていくと、せっかくの盛り上がりを食いつぶしかねません。ウケたエネルギーを次につなげられるよう、「一歩先」を考えておきましょう。ドラマでは、シーンをつなげるときは「、」で終わらせます。コントは1回きりで終わるので「。」で終わります。ドラマで、コントのように「。」をつけてしまうと、見ている人の感情が途切れてしまって疲れてしまいます。「期待の不安」というのですが、ちょっと物足りないくらいの余韻を残して次に進むと、見ている人にいい感情を作れます。これは、ドラマでなく、場を自分が仕切っているときも同じです。このネタもっと掘れるのに、と思っても深追いせず、次に展開しましょう。盛り上がってるときは次に備える

〈自己紹介〉相手に見えている自分を上手に使う合コンなどの軽い場から、異動した先の部署での朝礼など、自己紹介をする場は多いものですが、これが苦手という人もいるかもしれません。本来なら、別にウケる必要はないので、普通に言えばいいのですが、もう一歩自分を印象づけたい人のために、2つ方法を紹介します。◎相手に見える自分を上手に使う頑張っているのにやる気が見えない人、普通よりも相当年上に見える人、そんな人にお勧めなのがこの方法です。あなたが前に立ったとき、その場にいる人達は、「なんか老けて見えるけど、本当は何歳だろう」などと軽い疑惑をもっているかもしれません。自己紹介でその気持ちを解消してあげると、結構な確率でウケます。〈例〉「老けて見えるかもしれませんが、大卒で入社してまいりました」「やる気があります!表情に乏しいので見た目でわからないと思いますが」また、見た目とのギャップをうたうのも効果的です。〈例〉「か細く見えますが、趣味は登山で百名山制覇しました」「派手に見えるのは顔だけで、趣味は切手集めです」意外な事実がわかると、しっかり覚えてもらえると思います。◎相手を立てる自分が上の立場で新しい場所に来た場合、あえて、自分を下にして、相手を立てることも、その後の仕事をスムーズに進める上で大事だと思います。僕がはじめて映画を撮影したとき、スタッフの方はみな、知らない人ばかりでした。そんな環境の中で、まったく未経験の「映画」というものを撮らなくてはいけません。まずは、みんなと仲良くならなければならない。そのときの自己紹介で、どうしたか。普段はかけない眼鏡をかけて、「みなさんと同じように、できる人に見せようと思って、ダイエットして伊達眼鏡をかけてきました。まだ見かけだけですが、中味も充実させてまいりますのでよろしくお願いします」と言いました。きっとスタッフの方も「どんな人が監督になるんだろう」と思われていたのではないかと思いますが、眼鏡などのちょっとした演出がきいて、仕事もしやすくなったように思います。「なんで、この人はここにいるんだろう」と思われているのではないかと感じたら、その不安を先取りして伝えてみましょう。自分もほっとし、相手の心も解きほぐし、その後の仕事もスムーズになります。「意外な自分」は記憶に残る

〈人前〉大勢の前で軽い笑いをとる4つの方法スピーチとは離れますが、大勢の前で話さなければならないときがあると思います。そんなとき軽い笑いがあると流れがスムーズになります。そのコツを紹介しましょう。◎特定の人をいじる公開収録番組で、司会の芸人さんなんかを見ていると、たまにやっていますね。これは日常でも使える技です。たとえば朝早くからの会議だとすると、寝癖のある人はいないか。化粧が乱れてる人はいないか、あくびをしてる人はいないかと探します。上司があくびをしてたら、「飲みすぎですか?」といじってください。一見ハードルが高く見えますが、実は簡単に笑いがとれる方法です。◎「遠くから来た人!」と手を上げてもらうパーティや研修など大勢の人が色々な所から集まる場合はこれです。「遠くからいらした人いますか!どちらからいらしたんですか?北海道?まあ、そんな遠いところから、ひょっとして暇ですか?」よくあるパターンですが、大抵笑いが出ますね。◎人が「無意識で思っていること」を探すみんなが思ってることをぼそっとつぶやくのも成功率が高いです。たとえば朝早くの会議での最初の発言ならぼそっと……「眠いですね」とつぶやきましょう。みんな眠いことを共有すれば、不満もなくなります。ここで「朝早くて眠い方もいらっしゃるでしょうが、頑張りましょう」などと言ってはいけません。鼓舞するのはまだ早い。本当にくじけそうな空気が出てきてからのほうが効果的です。最初は、気持ちを共有すること。「あるあるネタ」だけでも十分ウケます。◎偉い人を活用する会社でも結婚式でも交流会でも、人の集まるところには序列が生まれます。その場合は一番存在感のある人を活用しましょう。たとえば結婚式の場で、「僕も新郎の友人として、お父様にお伝えしたいことがあります。◎◎は、ガサツなところもありますが、根はいい人なので、どうぞよろしくお願いします」など、実際にはみんなに対してしゃべるんだけれども、「お父様に」と、あえて言うことで、新婦のお父さんをもちあげます。この言い方なら、お父さんの心情への気配りも感じられますよね。「新郎のよさが、お父様にもご理解いただけましたでしょうか」「ああ」なんてやりとりが起これば、笑いが起こるのは想像できます。「聞いている人」「話す人」の壁を崩すと意外な笑いが起こる

〈人前〉スベったときほどウケるチャンス何か言ってスベったときって、バツが悪くてイヤなものですよね。これが嫌でおもしろいことが言えない、っていう人もいると思います。でも、スベったときは意外とウケがとりやすいんです。「あ、今、スベりました」って言えばいいんですから。みんな、笑ってくれますし、その場で笑ってくれなくても、「この人はこういう人なんだ」って思ってくれますから、その後、笑ってくれる可能性は高くなります。ここではスベったときのリカバリーフレーズを、いくつか紹介します。◎ウケなかったら「かわいさアピール」何か言ってウケなかったときに「あ、今、笑いをとろうとしてたんですけどね」「思ったよりウケなかったことにショックを受けていますけれども」と言うと、「笑いをとりたかったのにできなかった……」という残念な気持ちが伝わり、かえって笑いがとれたりします。少しかわいさアピールも入ります。ほかに、「あまりに笑いがないので、もう笑いをとろうとしません」「今後は笑いはなしでいきます」という言い方もありますが、まじめにとってしまう人もいますので、かわいさアピールのほうが無難かと思います。こちらは、何を言ってもウケないときの、バリエーションの1つとして紹介しておきます。◎「●●は笑ってくれたんですけど…」「うちの犬は笑ってくれたんですけど」とか、もう絶対、笑ってくれなそうなもの(犬)とか、笑ったように見えたのはあなたの幻想でしょうと聞いている人にツッコまれそうなものが、笑ってくれたことにします。ほかにも、「地元の●●さんは笑ってくれたんだけど」「田舎のおばあちゃんは笑ってくれたんだけど」など、自分の周りの世界に結びつけて、小粒感を出す方法もあります。◎繰り返して、無理やり笑いに落とし込む「繰り返す」方法もあります。「重ね」って言ったりします。とっておきのオチが伝わらなかったときに使います。「伝わらなかったみたいなので、もう1回言います」それでもウケなかったら、「もう1回言います。これで最後です」と繰り返していきます。まあ、最後にはダメ押しで笑ってくれると思います。これでもだめなら、こういうときこそ、「もう今日は笑いをとるのはやめます」です。「もうウケないから今日はあきらめよう」という感情が伝わるように言うのがポイントです。また、1回言って受けなかったものを、時間をおいてから、あえてもう一度言うというのもあります。「あ、なんで言っちゃったんだろう、ウケないってわかってるのに」お客さんに「よっぽど、言いたいんだな」と思ってもらえたら、場がなごみます。「最初、ウケなかった」ということも、ひとつのフリになります。◎「今、笑うところです」と強制してはいけない一方、使ってはいけないのは、「今、笑うところです」というフレーズです。講演会などで、よく見かけませんか?何かおもしろいことを言ってウケなかったときに、「今、笑うところです」とか「今、笑うところだったんですけど」などと言う人。これ、二重にしらけます。だって、おもしろくないから笑ってないのに、さらに、上から目線で言われると、人間、本当に笑えなくなります。たとえ、笑いが出たとしても、仕方なく合わせてくれているのだと思います。やっぱり基本は、「自分は下」です。なお、笑いがとれた後は、さっと次に進んでください。時々、笑いがとれると嬉しいのか、「やっと笑いが出ました」とか、「こうするとみなさんウケてくれるんですね」と言う人もいますが、余計です。テンポが悪くなります。ウケたら、「。」をつけて、すぐ次に進んでください。

スベってもリカバリーの術はたくさんある

おわりに僕は、テレビのディレクターとしてずっと、テレビの向こうの人達を楽しませようと格闘してきました。ディレクターになりたてのころは、自分のおもしろいと思うものを企画し、己の能力を示そうと頑張っていました。その後、ヒットしているもの、流行している技術を使って番組を作ろうとしていました。そして今は、ただ純粋に楽しんでもらおう!とだけしか考えていません。正直視聴率のことは気にせず、見た後に「面白かった」と心に残ってほしいと望んでいます。それでも、ありがたいことにヒット作に恵まれているようです。会話をする上でも、楽しい人は印象に残る人であり、また会って話をしてみたい人であります。ウケる人は、人から受け入れられる人であります。ではなぜ人から受け入れられるか?それは、ウケる人は、まず人を受け入れているからだと思います。なんだか禅問答みたいですが……。そのために大切なことは、1つ、「笑顔」です。口ベタでも緊張しいでも、とにかく笑ってみましょう。脳は不思議なもので、笑った自分を見て、「あ!面白いんだ!」と認識し、楽しくなるのです。行動することによって、脳がそれを認識し、気持ちが変わるのです。気持ちだけ変えて行動しようと思っても、結局もとに戻ってしまいます。だからまず行動する。その勇気はわずかです。笑えばいいのです。もしあなたがバラエティ番組に出演し、ごく自然にふるまったとして、あとから録画を見たらびっくりするでしょう。自分では普通にしていたのに、ものすごく機嫌が悪い人に見えるはずです。それだけテレビに出ている人達は笑顔で、人々を楽しませようと奮闘しているのです。逆にいえば、笑顔があれば、楽しい雰囲気は伝わるということです。ウケるためにはまずは自分がウケましょう。自分の話に笑顔で応えてくれる人は、誰でも好きになっちゃいます。何ものべつまくなしに、へらへらしてろというわけではありません。仲よくなりたい人だけで結構です。会話に悩む人が増えています。理由は、相手にどう思われるかを気にしすぎているからです。自分がどれだけ受け入れられているかを気にしている人は、絶対にウケません。だって、そんな人、うっとおしいでしょう。まずは素直に、楽しい、うれしいという感情を笑顔で伝えること。これでリラックスした雰囲気が生まれ、ウケる空気が整います。その上で、この本に書いてあるスキルを実践してみてください。きっと相手の反応が変わるはずです。この本があなたのコミュニケーションを変え、楽しい会話と笑い声が日本にあふれることを願っております。「ウケる」ことは、とても楽しい。「ウケる」ことは、自分に自信を与えます。自分を変える勇気と笑顔で、「ウケる」人になりましょう!2015年1月吉田照幸

■著者紹介吉田照幸(よしだてるゆき)1969年、福岡県生まれ、山口県育ち。1993年NHK入局。NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー。ここ10年でもっともコントを制作している。「のど自慢」「小朝が参りました」などエンターテイメント系の番組を中心に活躍。40分間1人で舞台で場を持たせるなど前節の技も鍛える。広島放送局を経て番組開発部移動後、2004年に「サラリーマンNEO」を企画、以後全シリーズの演出を担当。型破りな番組として人気を博す一方、タニタの社食、Google本社を日本のテレビ番組として初潜入、コント番組に日産のカルロス・ゴーン氏を引っ張り出すなど、話題となった。2011年には「劇場版サラリーマンNEO(笑)」の脚本・監督を務める。第35回・36回国際エミー賞コメディ部門ノミネート(連続ノミネートは日本では唯一)。2013年春、異例のレンタル移籍で、連続テレビ小説「あまちゃん」の演出を担当。現在、「となりのシムラ」などコント番組、コメディ、ドラマと制作中。次回は「洞くつおじさん」のドラマを準備中。

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