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サラヘの手紙

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親愛なるサラヘ

私は今、ロロ。メイの名著『失われし自己を求めて』を三度目に読み返したところです。

最近になって、ようやくビジネスの世界でも生きる意味や目的、そして本当の価値についての議論が行われるようになりましたが、彼はすでに一九五三年に優れた見解を示しています。

彼の本が出版されてから四十年以上がたちます。

果たして私たちは、この問題について進歩したといえるでしょうか?・私たちは依然として、生きることの意味や、信じるべき価値を探し求めています。

しかし、私たちの姿勢は、ロロ。メイをはじめとする昔の人々と比べてあまりにも軽薄だと思うのです。

私たちが価値について語るとき、セーターや靴と同じように、お金さえ払えば手に入るものだと考えていないでしょうか?・これは、あちこちで開かれているリーダーシップや自己改革と題した経営者向けの研修と同じです。

ちょっとした研修さえ受ければ、大切なものが手に入ると考えている人が多いのです。あなたの選んだ起業家の道は、決して平坦なものではありません。また、安定とはほど遠いものでしょう。

だからこそ面白いのです―それは本当の人生の道―ロロ。

メイは「自由の道」と呼ぶかもしれませんが――なのです。メイはこう書いています。

自由とは、ある問題に対して賛否を表明することだけではない。自由とは、自分自身を創造する力である。自由とは能力であり、ニーチェの言葉を借りれば『私たちの本当の姿になること』である

ここでひとまずペンを置くことにします。あなたの近況を教えてください。事業は順調ですか?・あなたがどこにいようとも、私の心はあなたとともにあります。

マイケル

エピローグ実践しないかぎり、何も理解できない

この本は単なる成功のための処方箋ではない。学びのための招待状である。私たちは、収益性と人間性を両立させながら経営する方法を学ばなければならない。

ホテルベネチアで紹介したように、スモールビジネスは、あなたにとっての道場である。ジョー・ハイアムスは『武道の中の禅』の中で、次のように述べている。

道場とは、宇宙の縮図である。私たちは道場で、自分自身と向き合うことになる。道場とは、閉ざされた戦いの空間である。

しかし、対戦相手を敵と考えてはいけない。対戦相手は自分を理解するためのパートナーなのである。

道場とは、己を知り、人生の難題への対処方法を学ぶ場である。武道で身につけた集中力と自制心は日常生活にも生かせるのだ。

また道場では、絶えず新しい試みが求められる。それゆえ、道場は学習の場でもある。禅の世界では、これを自己啓発の源と呼んでいる。

スモールビジネスは、まさに道場である―スモールビジネスは、手ごろなサイズまで縮小された世界である。

行動がすぐに結果として表れるほど小さく、また、あらゆるアイデアを試すのに十分なほど大きい世界である。まさに実験の場であり、自分の世界なのである。

自分の世界をつくろう

高い品質の商品・サービスを提供し、顧客にも従業員にも笑顔があふれている。このような自分の思い描く通りの世界をつくることは、スモールビジネスの夢である。この夢を実現するために、多くの起業家は努力を重ねてきた。

しかし、これまでに見た通り、ほとんどの夢は実現せず、スモールビジネスの大半は失敗に終わってしまう。

多くの起業家は、スモールビジネスを通して世界を変えようという高い志をもちながらも、自分だけは変わろうとしないのである。

その結果、やりがいのあるはずの仕事も、苦痛にみちたものになってしまう。ここから得られる教訓は明快である。外の世界にどれほど働きかけても、人生を変えることは不可能なのである。

世界を変え、人生を変えるためには、手始めにスモールビジネスという小さな自分だけの内部の世界をつくらなければならない。

私が紹介した事業発展プログラムは、小さな世界を経営するための最も効率的な方法である。

そして、「イノベーション→数値化→マニュアル化」のプロセスを継続することにより、小さな世界を成長させることができるのだ。

その結果、あなたの経営する事業は、働く場所以上の何かへと変わるにちがいない。

自分の中の「起業家」「マネジャー」「職人」のオ能を発揮し、人生をより豊かにしてくれる場となるのである。

いざ行動へ!

でも本当に成功するのだろうか?事業の試作モデルをつくっても、本当に機能してくれるのだろうか?中国には次のようなことわざがある。

聞いたことは忘れてしまうが、見たものは記憶に残る。しかし、自ら実践しないかぎりは、何も理解することはできない。

この本で紹介した方法をきっちりと実践すれば、あなたの事業は確実に成功すると断言してもいい。もう、躊躇している場合ではない。今こそが実践のときである。

実践しないかぎり、本当に理解することはできないのである。実践に移すまでアイデアは思いつきにすぎず、イノベーションは起こすことはできない。今こそが、イノベーションを起こすときである。

スモールビジネスに夢を取り戻すときである。長い間、失われていたものを取り戻すときである。

はじめの一歩を踏み出そう

この本の冒頭で尋ねたことをもう一度質問してみよう。

あなたは今、どんな仕事をしているだろうか?本書を読み終えて起業熱が高まり、事業の試作モデルを開発し、「金のなる木」へと育てたいという気持ちがわいてきたのではないだろうか?そう―サラのように、あなたもはじめの一歩を踏み出すときなのである。

ただし、その前に少し事業から離れて、戦略を練らなければならない。

まず事業の現状を把握し、理想的な成長を遂げた事業の姿を決めることだ。そして、ゴールと現在地とのギャップを理解しなければならない。

事業で夢を実現するためには、このギャップを埋めることが必要なのである。

よく考えればわかることだが、システムの「欠如」、他社と差別化する独自性の「欠如」など、さまざまな「欠如」がギャップの原因となっているcこの本が、あなたの事業に欠けているものを見つけ出し、夢を実現するためのきっかけとなることを願っているc覚えておいてほしいことは……聞いたことは忘れてしまうが、見たものは記憶に残る。

しかし、自ら実践しないかぎりは、何も理解することはできない。それでは始めよう。

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