黒字化していた会社が突然赤字に転落してしまうということも経営では起こりえます。 なぜ赤字になってしまうかには様々なケースがありますが、多くの場合はキャッシュフローとコスト管理が原因です。 キャッシュフローの話では、ビジネスの根本的構造が問題の場合もあり、その構造を修正しないと黒字倒産になってしまうこともあります。 コスト管理に関しては売上数億円くらいまで成長した会社によく起こる問題でもあるので、このあたりの原因を確認しどう解決していくかを理解しておきましょう。 キャッシュフロー 皆さんのビジネスの売上構造はどうなっていますか。 例えば飲食店であれば商品を作るための材料を仕入れて商品を完成させてお客様に提供してお金を受け取ります。製造業だと材料を仕入れて商品を完成させて納品し、そしてお客様から 2カ月後に入金されるという構造が多いでしょう。 保険を使う病院や整体などの事業ですと、診察をしてお客様からお金を 3割もらい、レセプトを提出して数カ月後に国から 7割が支払われる形となっています。 このような売上構造になっている業種は黒字倒産となる可能性があります。 なぜかと言えばキャッシュフローが悪いからです。 キャッシュフローが悪い会社の多くは後払いを採用している会社です。 後払いですと、仕入れや人件費など先にお金を使っている額が大きい会社ほど現金がどんどん出ていきますからキャッシュフローが厳しくなります。 後払い、つまり売掛金は貯まるのですが手元の現金がなくなってしまいます。 売掛金がきちんと入金されれば良いのですが、取引先の運営がうまくいかないと売掛金を回収できないこともあります。これが続くと売掛金があるため会計上は黒字なのですが実際は現金がないため、取引先に巻き込まれた連鎖倒産となってしまうことがあるのです。 倒産とはいかないまでも、売掛金の回収がスムーズにいかずに資金繰りが厳しくなりファクタリングなど金利が高いところを頼ると赤字に転落してしまうこともあります。 会社を黒字化して安定させるには前払いシステムを採用するのが一番の解決策です。 前払いであれば、先にお金が入金され、そのお金の中で運営していけばよいのでお金のコントロールをすることが可能です。 例えば、学習塾や資格学校などは授業を提供する前に授業料を先にもらいます。 特に資格学校は 1年間の授業料を先にもらうのが一般的です。その集まった授業料で 1年間の経営計画を立てればよいので、非常に安定した運営をすることができます。 実は国もこの前払いの方針を採用しています。 黒字化している会社の方は気づいているかと思いますが、この国は利益を出して納税している会社には予定納税というシステムが採用されています。 まだ売上も確定していないのに、前期の利益から算出し予定納税分を先に払えと請求されるのです。 郵便局の切手も同じですよね。まだ出していないのに先に購入する必要があります。 あげればきりがありませんが前払いを採用している会社ほど、黒字化でき安定した経営をしているのです。「そうはいってもうちの業界は後払いが一般的だし……」と嘆かれている方も多いと思います。 その場合でもいかに前払いにシフトするかを諦めずに考えてみましょう。 僕がよく話す例でパン店の例があります。パン店はパンを作る機械が高価でなかなか店舗展開が難しい業種です。売上構造も仕入れて作って販売して入金される形ですので、なかなかお金が貯まりません。 しかし、この構造を前払いに変えれば一気にキャッシュフローをよくすることができます。前払いにするには「回数券」を導入すればよいのです。 僕の知り合いのパン店は食パンが有名で食パンが毎日かなりの数が売れていました。 そのお店に回数券を導入させたところ、回数券が飛ぶように売れ、お金が貯まり出しました。今では 6店舗を展開するまでに成長できたのはやはり前払いでキャッシュフローがよくなったのが要因なのです。 ご自身の業界でも前払いシステムの導入を一度検討してみてください。 コスト管理
赤字に転落してしまう要因の一つに社長が会社のコストを理解していないということがあります。 売上が上がり、会社の雰囲気が良くなると、ついつい気を緩めてしまう社長は多いです。 僕の顧問先だった会社の社長もその一人でした。元々彼は自分も現場に参加する技術者だったのですが、どんどん会社が成長するにつれてマネジメント側に移行していきました。 マネジメントも役員が育ち、ある程度任せられるようになると自分の自由な時間がとれるようになります。 そこで経営者に誘われて飲みにいくようになってしまいました。経営者との情報交換が重要なのは間違いないのですが、無駄な経費を使ってしまうのは本末転倒です。 月に 100万 ~ 200万円を飲み代に使ってしまう経営者はだいたい売上数億円くらいに成長した方が多いイメージですが、年間 1200万 ~ 2400万円の純利益を残すための構造や実際の会社のコストを理解していない方がほとんどなので、会社がこれ以上成長せず少し事業が苦戦し出すとすぐに赤字に転落してしまうのです。 さらに売上数億円くらいの会社だと、社宅として社長の住まいを経費で落とすことがありますが、その経費が月 50万円を超えるくらいだと黄色信号が点滅するイメージですね。 未来の売上をコントロールすることは難しいですが、未来のコストをコントロールすることは可能です。 人件費や家賃、広告費や運営管理費、そして社会保険や税金など前もってかかる費用をしっかり頭に入れておくのも社長の仕事です。 そのコストをしっかり管理し、剰余金で会社への投資や自分の成長への投資をすることが健全な経営なのでそのことを忘れないようにしましょう。黒字社長のルール ㊱「黒字倒産」を避けるために重要なのはキャッシュフローの安定。できる限り「前払い」をしてもらえるスキームを作り出そう。
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