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エクイティは投資家選びを間違えると痛い目にあう

 ただし、これまで私自身が多くのスタートアップへ出資し、支援してきて思うのは、エクイティによる資金調達は、「落とし穴」も多いので、注意が必要だということです。  本当によくある失敗例は、目先のお金につられて、自分たちとは考え方が異なる投資家やベンチャーキャピタルから資金調達したために、後になって揉めることです。  株式と引き換えにお金を出してもらうということは、「口も出される」ことを意味します。「このお金、勝手に使っていいよ、何の報告もしなくていいよ」という気前のいい投資家はほとんどいません。やはり出資するからには成功してほしいので、「良かれ」と思って、アドバイスや管理をしてきます。  それを考慮しないで、自分たちが目指している会社や事業と考えが異なる投資家を選ぶと、十中八九揉めます。  投資家と起業家の間で方針の不一致が生じてしまうことほどの苦行はありませんが、相手は「株主様」です。株主の了承が得られないと、やりたいことができずに、事業がストップしたり、頓挫したりすることもありえるので、あからさまに対立するわけにはいきません。  特に創業初期はのどから手が出るほどキャッシュが欲しいので、つい「気前よく出資してくれる」投資家を後先考えずに引き込んでしまうのですが、相手はお金を「くれる」わけではないのです。そこで選択を間違えると、事業の足を引っ張ることになりかねません。本来なら事業に集中すべきところ、株主対応に多くの時間とリソースが取られてしまった会社を数多く目にしてきました(* 1)。  方針が合わない投資家がいる場合は、株を買い戻して、お引き取りいただくことは論理的にはありえますが、一筋縄でいくはずがありません。  交渉するにも、心理的にも大きな負担が生じます。同じ値段で買い戻せることはほぼなく、「今まで関与したことの対価だ」と法外に高い値段をふっかけられ、裁判になっているケースすらあります。エクイティの調達は、「やっぱりなかった」ことにはできず、基本的には不可逆なのです(* 2)。 *1創業初期の起業家には抜け落ちがちな視点ですが、資金調達は事業を続けていれば、何度も行ないます。その際、「どの投資家から調達しているか」はブランドにもなりえますが、評価が分かれる投資家が入っているとネガティブに働くこともあります。 *2契約書を結ぶ際にも法務機能が弱いために、投資家の言いなりになってしまい、「投資家の求める条件に沿って買い戻さないといけない」「投資家都合で他の投資家に自由に売買できる」など投資家を優先する契約を結ばされるケースも見かけます。

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