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はじめに序章本書の取扱説明書──「観察力」「分析力」「仮説力」とは何か

はじめに

出会って数秒で、相手が何を考えているかわかってしまう。 1度の打ち合わせで、仕事がうまくいくかどうかわかってしまう。そんな人が、あなたの周りにもいませんか?世界の VIPをもてなすには「察する技術」が必須 私が代表を務める日本バトラー&コンシェルジュ株式会社は、世界中の VIPやセレブの方々に執事サービスを行なう会社です。この経験が評価され、執事を題材にしたテレビドラマや映画の執事監修を依頼されています。 当社のお客様は、最高のサービスを受けることが当たり前になっている方ばかり。ですから、ありきたりのサービスでは満足してもらえません。「最高水準の執事サービス」が求められるのです。 最高水準のサービスを提供するために、もっとも必要なものは何か、おわかりですか? 礼儀正しさ? 丁寧な仕事? 答えはノー。もっとも重要なのは、執事一人ひとりの「察する技術」なのです。 察する技術とは、相手が何か言う前に、要望を察して行動に移すこと。つまり、一を聞いて十を知り、十二分のサービスを提供すること。または、不測の事態を察して滞りなく業務ができるようにする力です。仕事ができる人は察しがいい たとえば、あなたが上司に「モスクワから明日お客様が来日するので、東京から大阪までの航空チケットを手配してほしい」と残業時間の深夜 0時に言われたとします。普通なら、指示通りにチケットを手配するだけです。 でも、察する技術をもった執事はちがいます。まず、指示を出した上司を「観察」するのです。 日付が変わる時間帯に「明日」と言う場合、普通は時計やカレンダーを見ながら日付や曜日を言います。 しかし、観察の結果、その仕草がなかったときは、「今この時間が何日なのかわからないまま指示しているのかもしれない」と察するのです。そして、具体的な日付をあげて上司に確認するので、チケットの日付ミスを防ぐことができるわけです。 また、東京の空港は羽田と成田がありますが、調べてみるとモスクワからの便は成田空港が多いことがわかり、お客様が搭乗される便は成田に着く可能性が高いと「分析」して、上司に確認します。 そして、もし成田空港着の予定であれば、成田-羽田-伊丹ではなく、直接、成田から伊丹空港に向かうほうが便利だと「仮説」を提案するのです。 同時に、来日予定日の天候を調べて、悪天候の予報なら、新幹線のチケットも予約します。 さらに、わざわざこちらの会社にチケットの手配を頼んだということから、もしかするとこのお客様は来日回数が少ないのではないかと「分析」し、新幹線で移動中に日本の象徴である富士山が見えれば喜ぶと「仮説」を立てて、富士山の見やすい席のチケットを押さえるのです。察する練習は習慣化が大事 察する技術は、生まれつきのものだという人もいますが、じつは、努力次第で誰にでも身につけられます。実際、私自身も、あとから身につけた口です。 その経験から、察する技術を身につけるには、次の3つが必要であるという答えにたどり着きました。それが、「観察力」「分析力」「仮説力」です。 詳細は序章に後述しますが、この3つの力を鍛えることで、察しのいい「できる人」になれるのです。 本書では、日常よくあるシチュエーションで、3つの

力が身につく練習法を紹介しています。 しかし、練習をするうえで注意点が1つあります。それは、 1度やったくらいでは結果は出ないということ。習慣化してはじめて身につくと心得てください。 本書の練習法を習慣化し、察する技術を身につけ、みなさんがさらに「できる人」になる手助けになれば幸いです。

第 1章 社内で「察する力」を鍛える

SCENE 004 名刺で鍛える名刺に書かれたことを見ると仕事への責任感が見える責任感があれば携帯電話の番号が書いてある会社の姿勢も名刺でわかるセレブ相手の業者の名刺には必ず携帯電話番号が書かれている情報、いない情報を確認名刺の情報から相手、または会社の姿勢を分析 SCENE 005 会議で鍛える 1自分に関係のない会議に出席してみる無関係の会議なら冷静になれる自分の仕事にも役立つ執事の提案で遺産相続が有利に見るべきは人間関係重要発言の「次」を見逃さない SCENE 006 会議で鍛える 2メモをとると本質が見えてくるメモ書きで会議の雑音が消せる業務日報も効果アリ執事は議事録で相互理解を促す成功者は日記をつけているなるべく短くまとめる SCENE 007 写真で鍛えるいつも目につく場所に相手の写真を貼るようにするベストの仮説を相手にぶつけられる写真は相手のことを思い出すきっかけマニュアルに写真を貼ってサービスレベルが向上恥ずかしがらずに貼る SCENE 008 身銭を切って鍛える自腹で自社製品を買うとシビアに分析するようになるお金を出すと商品価値を疑うようになるセレブも自社製品を買っている立場が変われば視点も変わる訓練する対象は社外がベスト セレブのムチャ振り 1 「大阪まで、ゴミを拾いにいってくれない?」

察する力は「カン」のよさ 本書は、相手に何か言われる前に、相手の気持ちや考えを察して行動する力を身につけていただくためのノウハウを解説しています。 実際の練習法の紹介に入る前に、まず、「察する力」とはなんなのかを説明しておきましょう。 察する力は、いわゆる「カン」のよさです。「カン」のいい人は、先回りして物事を処理できるため、仕事ができると周囲から認められるものです。 では、この「カン」とは、いったいなんでしょうか?女性の「カン」は観察の賜物「カン」といえば、女性の「カン」は鋭い、などとよくいわれます。では、女性はなぜ「カン」が鋭いのでしょうか。それは、ディテールまで見るからです。 女性は、男性では気づかないような細かいところまでよく見ています。これは、女性たち自身が、ディテールにこだわっているからです。 たとえば、爪をきれいに磨いたり、服装に合わせてピアスを選んだり、ディテールにこだわります。 観察する力が男性よりもすぐれているので、ちょっとした変化も見逃しません。ですから、男性の浮気はだいたいばれてしまうのです。相手の思いや考えを感じ取るのが観察力「カン」のよさを身につけるには、次の3つの力を訓練する必要があります。観察力、分析力、仮説力です。 まず、観察力ですが、これは先ほどの女性の「カン」と同じで、些細な変化を見逃さない力、相手が暗に発しているメッセージや主張を感じ取る力のことです。 そういったものを、相手の行動や表情、服装、持ち物などを見て読み取ったり、握手の微妙なちがいや相手のしゃべり方や話などから、いつもとのちがいを感じ取ったりする力のことを指します。 観察力は、常に「何か意味があるのでは?」と思いながら相手を観察することではじめて、力がついていくのです。 たとえば、打ち合わせをした取引先の相手が何色のネクタイをしていたのか、あとで思い出せる人は少ないのではないでしょうか? このように、漠然と眺めていないようにするためには、物事への意味づけがポイントになります。 つまり、事前に「ネクタイの色は相手の性格と関係がある」などという意味づけが頭のなかにインプットしてあれば、何色かを意識するので観察し、覚えていられます。 インプットする意味づけは、まず本書で紹介している例を使ってみてください。それに慣れたら、たとえば「ネクタイの色に意味があるなら、洋服の色にも意味があるのでは?」などと、応用してみてください。 さらに慣れてきたら、なんでもいいのでことあるごとに意味づけをしてください。そうすると、意味づけの引き出しがどんどん増えます。この、「引き出しが増える」というのが、観察力が上がるということなのです。分析力も意味づけで鍛えられる 分析力は、観察して得たものについて、意味づけを考えたり、事柄を整理したり、順序立てて考えたり、まとめたりする力です。 分析力は、経験がつくります。ただし、観察力と同様、漠然と経験してもなんの意味もありません。 ポイントは、いろいろ経験するときに、「物事にはすべて理由がある」という前提で考えること。観察力と同じで、何事にも意味づけするクセをつけるということです。

こうすることで、意味づけの引き出しをどんどん増やしていけるわけです。仮説力は先のことを予測する力 最後の仮説力は、観察、分析で集まってきた情報や考えから、未来を予測する力のこと。観察、分析した結果の予測ですから、きちんと根拠があります。 仮説力は先読み力ともいわれます。普通の人なら、読めても 1歩先くらいですが、仮説力のある人は、 3歩も 4歩も先まで考えます。 たとえば、執事は、ご主人様と外で待ち合わせるとき、ものすごく仮説力を働かせます。 仮に、 3日後の午後 4時に、東京から福岡までご主人様をお迎えにいくとします。当然、遅刻は絶対に許されません。そのため、最悪の事態まで想定して仮説を立てます。「飛行機は時間通りいかないことが多いので、新幹線を使おう」「でも、事故があって電車が動かない場合もあるので、クルマでいけるよう、車両を仮押さえしておくべきだ」。さらに、「どうしてもいけない場合を考えて、別の執事に待機しておいてもらおう」、という具合です。 仮説力は、経験を積むほど何歩も先を読めるようになるもの。最初からそんな高みをめざすと挫折するので、最初は 1歩、 2歩でいいのです。 まずは、本書を読んで、仮説を立てるクセをつけるのが第一歩。そして、それが身につくまで、何度もくりかえしやることではじめて、「察する力」がつくのです。 ここから先は、具体的な練習法の紹介になります。 なお、各項目の最初のページに、「観察力」「分析力」「仮説力」のうちどの力の練習になるかを示したマークをそれぞれにつけています。「とくに、 ○ ○力を身につけたい」ということがあれば、マークを参考に、練習する項目を選んでみてください。

目次

SCENE 001 仕事相手の持ち物で鍛える鞄と名刺入れと筆記具を見て仕事への誇り度をはかる

見えるところに気を使っているか?

仕事相手が持っている鞄や名刺入れ、筆記具などを見ると、その人が自分の仕事に対して抱いている誇りがどのくらいなのかが見えてきます。 鞄、名刺入れ、筆記具というのは、周囲の目にさらされることが多いアイテム。誇りをもって仕事をしている人ならば、そうしたアイテムにも気を使わないはずがありません。 つまり、アイテムへのこだわり度が、仕事への誇り度を表わしているということです。

TPOに合わせたものを選んでいるかどうか

では、どういうものを持っていると誇り度が高く、どういうものだと低いのでしょう。 ひと言で言えば、「きちんとしたものかどうか」ということです。決して高価なものでなくていいのですが、その場にふさわしいものを持っているかどうかで、仕事への誇り度がはかれます。 たとえば、大事な契約書にサインする可能性があるのに、イベントなどでもらったノベルティのボールペンしか持っていなかったり、お客様に名刺を渡すときに名刺入れではなく財布から出したりするのは、仕事への誇り度が低いと言わざるを得ません。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事は普段、自分の鞄を持ち歩きません。両手を空けて、いついかなるときもお客様に対応できるようにするためです。例外はありますが、いつも持ち歩くのは、せいぜい携帯電話と現金くらいのものなのです。 逆に、 TPOに合わせて自分なりに選んだものを使っている人は、仕事への誇り度が高いといえます。 私ども執事の場合は、シックな色合いのしっかりした筆記具を持つように心がけています。お客様に代わって、手紙の代筆や書類の記入などをする機会が多いため、その際に使う筆記具に気を配ることで、お客様の代わりに書く内容にも気を配る意識が生まれます。 そうすることで、お客様に少しでも私どもの誠実さを感じていただければと考えているのです。

本当のセレブは鞄を持たない

私どものお客様であるセレブな方々も、周囲に見られることの多いアイテムには、やはりたいへんに気を使います。 たとえば、宅配便の伝票に押す認印やサインするためのボールペン。こういうものでも、三文判ではなく手彫りの印鑑だったり、重量感のあるきちんとしたボールペンだったりします。 鞄にも、セレブはこだわります。女性は高級ブランドのバッグを持つ方が多いのですが、男性の場合、とくにビジネスシーンで使う鞄は、機能性にこだわっている方がほとんどです。 ただし、本当のセレブは、常にお付きの方がそばにいるので、「持たない」というケースもあるのですが。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiこの仕事では、妙な依頼が結構あります。あるお客様の例。「福岡県のある方に、直々に贈り物を届けたいが、東京から行く時間はないし代理の人はいかせられない。だから、相手がいない時間に、そ ーっと家の前においてきて」とのことでした。【観察力】鍛え方・実践のポイント

相手の持ち物を観察するクセをつける

ここでは、観察する対象として鞄、名刺入れ、筆記具をあげていますが、この3つはあくまでも代表例です。たとえば、相手が営業マンだったら靴を見る、修理工なら工具を見るなど、とにかく相手が持っているアイテムをよく観察すること。そして、常に観察するクセをつけることが大切です。 仕事でなくても、たとえば、ホテルにチェックインするときに、受付においてある筆記具がしっかりしているものかどうかを見たり、保険契約のときに、保険外務員の方はどんな筆記具を出すのかを見たりするなど、チェックできる場面は結構あるものです。 ここで1つアドバイス。持ち物にこだわる人というのは、多くの場合、相手の持ち物も観察しているものです。つまり、観察している自分自身も相手に見られていると思って、ある程度きちんとしたものを持ち歩くようにしたほうがいいでしょう。【分析力】鍛え方・実践のポイント

値段よりこだわり方で誇り度を分析する

相手の持ち物から仕事への誇り度を分析するときは、高そうなものを持っているかどうかではなく、こだわりがあるかどうかで判断するのがポイント。 高価なものでなくても、自分なりのこだわりをもって選んでいるものなら、それがイコール、仕事への誇り度の表われとなります。 分析力を鍛えるときに注意したいのは、業種や職種によって、こだわり方にちがいがあるという点です。 たとえば、筆記具を例にとると、私ども執事ならシックな色のしっかりしたものを持つのが一般的です。 しかし、クリエイターの方なら、派手な色合いだったり、目を引く個性的な形だったりするほうが、仕事への誇り度は高いかもしれません。 ですから、業種・職種によってこだわり方は異なるという前提で分析すること、これが重要になります。

SCENE 002 アポイントの日時で鍛えるアポイントの曜日と時間で相手の真剣度を探る

月曜日や金曜日のアポイントは真剣

純粋に「そこしかスケジュールが空いていない」という場合は別として、仕事相手にアポイントを入れたとき、相手が指定してくる曜日や時間で、相手の真剣度がわかります。 まず、曜日についてです。 毎週末が休みの場合、月曜日か金曜日を指定してくるなら、かなり重要なアポイントだと相手が考えている証拠です。月曜日は気力、体力ともに十分な状態ですし、金曜日なら次の日が休みなので、あとのことを気にせずじっくり取り組めます。 次に、時間です。 アポイントの基本は、スタートを 10時、 13時、 15時、 17時のいずれかに入れます。 10時であれば、先方はだいたいその前の時間にアポイントを入れていないものなので、確実に 10時にスタートができます。 13時スタートなら、お昼の休憩が終わっているので、じっくり取り組めます。 15時のアポイントは、切りのいい 17時まで、たっぷり 2時間とれることが多いものです。 17時からのアポイントでは、後ろの時間を気にしなくていいというメリットがあります。話が盛り上がったら、途中で切り上げなくてもいいわけです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki妙な依頼、その 2。年に数回しかこない海外のお客様の家に、檜のお風呂があるのですが、檜は放っておくと乾燥して割れてしまいます。それで、「週に 2回お湯をためておいて」という指示を受けたことがあります。「お前が入ってもいいから」と。

13時 30分のアポイントは軽視している証拠

相手が真剣でない場合は、以上の逆になるといえます。つまり、火、水、木曜日を指定されたら、あまり重要なアポイントだと思っていないということです。 プライベートで考えると、わかりやすいかもしれません。大切な人とのデートは、 2人でゆっくりすごしたいので、週の真ん中よりも金曜日に予定を入れることが多いのではないでしょうか。 一方、あまり積極的ではない飲み会などなら、「次の日、仕事が早いから」と言い訳するためにも、週の真ん中あたりに予定を組みたがるのではないかと思います。 時間についても、同じように考えられます。 11時のアポイントの場合、お昼までの 1時間しか使えません。 16時も、切りのいい 17時まで 1時間しかないのです。そのため、相手があまり真剣に考えていないアポイントだということがわかります。 また、 ×時 30分というアポイントは、どうでもいいと思われているかもしれません。要するに、 30分しか会いたくないと言っているのと同じだからです。 とくに、 13時 30分という場合は、お昼をゆっくりとりたいからという意思表示の表われである可能性大。集合時間に遅れないよう、あえて中途半端な時間に設定したとも考えられますが、大抵はどうでもいいアポイントだと思っているのです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki妙な依頼、その 3。「家のすべての時計が、秒針までピッタリ正確にそろうように」という指示を受けたことがあります。時計は誤差があるうえ、 1部屋に4つほどあるので、もうたいへん。総出で 3時間ごとにチェックしたものです。

アポイントの入れ方でつき合う会社を選ぶセレブ

私どものお客様で、ある経営者の方は、まさしくこのようなアポイントの入れ方で相手の真剣度をはかっていました。 たとえば、仕事でこれからつき合っていきたい候補の会社が 3社あり、 1社に絞りたいものとします。 そこで、まだ予定が確定していないような 1カ月後や 2カ月後、 3社にアポイントを入れてもらうよう頼みます。このとき、候補の曜日を月、火、水曜日の3つあげて、相手に選んでもらうということをやっていました。 それで、月曜日を選ぶ相手は真剣に考えているから一緒に仕事をしよう、などと判断していたのです。 その方は、金曜日をとくに重視していました。「金曜日は、翌日に用事がないからゆっくりすごせるというだけでなく、できるだけ早く自宅に帰りたいと思っている人が多い日。その日をわざわざ要求してくるのだから、相手にもそれなりの真剣さがあると考えられる」 また、時間についてはこう言っていました。「じっくり考えたい、ゆっくり話が聞きたいという場合は、午後、できれば 15時以降に設定する」。午前中は、前日の仕事の続きや連絡などで忙殺されがちだからです。 実際、優秀な営業マンほど、夕方にアポイントをとりたがります。また、保険の外務員の方は、ゆっくり話を聞いてもらいたいので、一般的に午前中のアポイントを避けるものです。【観察力】鍛え方・実践のポイント

いろいろな曜日や時間帯をあげて選ばせる

アポイントを入れるとき、漠然と候補日を出していませんか? もしそうなら、次のようにあらためましょう。 月曜日もしくは金曜日と、ほかの曜日を提示して、相手がどれを選ぶか観察してみましょう。 時間帯も、午前中、 13時、 16時などいろいろなバリエーションをあげて、相手を細かく観察してみましょう。

【分析力】鍛え方・実践のポイント

重要視しているかどうか予測してみる

相手が選んだのが月曜日か金曜日ならそのアポイントを重要視、火、水、木曜日ならとくに重視していないと予測します。 時間帯も、 10時、 13時、 15時、 17時を選んだら重要視、それ以外、または中途半端な時間スタートなら、とくに重視していないと予測して打ち合わせにのぞみ、相手のようすを確認しましょう。

SCENE 003 仕事メールで鍛えるメールの署名欄からプライドの高さを読み取る

「肩書き」入り署名欄のメールはないか?

メールの文面1つにも送り主の性格は見え隠れするものですが、メールの文末によくつける署名欄にも同じことがいえます。 これまで何も気づかずにやりすごしてきた方は、ぜひ今一度、過去の仕事でやり取りしたメールを見てください。 見返しても何もわからないというなら、教えましょう。署名欄でチェックするポイントは、役職などの「肩書き」があるかどうかです。

肩書きにこだわる =自己顕示欲の表われ

はじめてメールを送る場合は、こちらがどういう立場なのか相手にはわかりませんから、それを知らせる意味で肩書きを入れるのはわかります。 しかし、普通、メールを送るのは、一度会った相手に対してではないでしょうか? 会って名刺交換し、面識ができている相手に対して、わざわざ肩書きを入れたメールを送る意味はまったくありません。 では、なぜわざわざ肩書きを入れるのでしょう? それは、今の自分の立場がどのくらい高いのかを、相手に知らしめたいからにほかなりません。ひと言で言えば、自己顕示欲の表われです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki妙な依頼、その 4。以前、自動車送迎禁止の学校に通うお子さんを尾行してくれという依頼がありました。本人にも気づかれないよう、近すぎず遠すぎない距離で、ときには人を入れ替えついていきます。まさか、尾行のスキルが身につくとは……。

本当のセレブはむしろ肩書きを隠す

一方、私ども執事を雇われるような、本当のお金持ち、本当にステイタスの高い方というのは、なるべく身分を隠したがります。それは、身分をひけらかすリスクを十分に理解しているからです。 セレブは、ご自分の知らないところでいつ恨みを買うかわかりません。たとえば、店舗チェーンをもつ会社の社長であれば、ご自身が新規出店した影響で地場の店舗が潰れてしまい、その潰れたお店の関係者から恨みを買うかもしれないのです。 ですから、なるべくご自身の身分の高さを周囲にさとられないよう、私ども執事にも配慮を求めることがしばしばあります。 たとえば、クルマを乗り降りする際、運転手がドアを開けて差しあげようとすると、すかさずさえぎってご自分でドアを開けたり、ホテルなどにクルマで到着したとき、私ども執事が出迎えるのを控えるよう指示したりするのです。 このように、本物のセレブは、ご自身の身分を周囲にさとられないよう、たいへん気を使います。ですから、メールの署名欄にご立派な役職名などをわざわざ書き入れるはずがありません。また、誰もが知っている大企業のオーナーのなかには、あえて本業の名刺は使わず、ご自身が保有する公益法人や個人会社の名刺を使っている方もいます。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事の年齢を指定してくるお客様は、結構います。何歳が人気だと思いますか? じつは、若い人を指定してくる方は皆無。 50代または 60代に人気が集中しています。若い執事が主人公のマンガと、現実とは、ちょっとちがいますね。

【観察力】鍛え方・実践のポイント

肩書きの表記や秘書の連絡先の有無を確認

まず、署名欄に役職が入っているかどうかをチェックします。役職名があったら、その表記を見てください。 経営トップの方からのメールに「代表取締役」や「 CEO」「バイスプレジデント」と入っていませんか? これが、観察ポイントその 1です。 もう1つの観察ポイントは、秘書の連絡先が書かれていないかどうか。詳細は次の分析力の鍛え方・実践のポイントに譲りますが、これが書かれていた場合はたいへん気を使う必要のある方だと心得ましょう。 仕事であまりいろいろな人とつき合わないという方は、フェイスブックなどの SNSを見てみてください。個人的な交流が中心の SNSであっても、わざわざ会社の役職を書いている方を見かけることがあります。そういう方には、「こんなにエライのに、個人的につき合っていただいてありがとうございます」という気持ちで対応しましょう。【分析力】鍛え方・実践のポイント

CEOの表記があれば最高の敬意をもって対応

まず、メールの署名欄に役職が書かれていたら、それだけで自己顕示欲が強い相手と考えます。 次に、 CEOやバイスプレジデントと入っていた場合、会社の規模などを考慮します。 もし、外資系の大企業の方なら、 CEOでも不自然ではありません。しかし、国内でしか取引がない、しかも数人の会社の社長が CEOを名乗っていたら、相手のやっかい度は一段上。バイスプレジデントなどのエライのかエラクないのかよくわからないカタカナ役職も同様です。 さらに、社長 1人の会社なのに CEOと書かれていたら、並外れた自己顕示欲の持ち主。要注意人物と心得ましょう。 秘書の名前や連絡先が入っている場合、こちらもかなり要注意度がアップします。なぜなら、「あなたが直接連絡できるような私ではない。秘書を通せ」というサインだからです。そういう方には、最高の敬意をもって接しなければなりません。責任感があれば携帯電話の番号が書いてある 名刺に、ある情報が入っているかどうかで、その方の仕事への責任感が見えてきます。 それは、携帯電話の番号です。 通常、名刺に書かれる情報は、自分の氏名、社名、会社の住所・電話番号、肩書き、メールアドレスといったところではないでしょうか。 本来は、これだけの情報があれば事足りるはず。それなのに、名刺に携帯電話の番号まで入れるのはなぜでしょう? 1つには、「私はお客様から逃げません」「即時に対応します」という責任感の現われです。 もう1つは、就業時間でなくても、休日でも対応しますよという責任感の表われです。 ほとんどの個人事業主の方は、携帯電話の番号や、個人のメールアドレスを入れています。 逆に、携帯電話の番号を入れていないのは、仕事の時間以外は責任をもちたくない、公私の区別をはっきりとつけたいという方です。「就業時間外や休日まで連絡されてはたまらない」というわけですね。 名刺のフォーマットが決まっている会社ではあまり関係ないのですが、個人の裁量でどの情報を名刺に入れるかが決められる場合は、その方の仕事への責任感があるかないかの指標として使えます。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiセレブは、自分の名刺に余計な情報を入れません。名刺は、一度人に渡してしまうと一人歩きしてしまいます。何に使われるかわからないので、必要以上のことを書いて余計なリスクを背負い込まないよう、セレブは気をつけているのです。

会社の姿勢も名刺でわかる 名刺のフォーマットが会社で決められている場合は、名刺を見ると、その会社のポリシーや、お客様や取引先に対する姿勢が浮かび上がってきます。 エコマークを入れて「うちは環境問題にも真剣に取り組んでいます」とアピールする会社もあれば、広告替わりに自社ブランド名や自社製品名を入れるなど、商魂たくましい会社もありますが、ここでとくに注意したいのは「情報がない」場合。 たとえば、連絡先の電話番号が会社の代表番号しか書かれていなければ、お客様よりも社内のスタッフを優先している会社の姿勢が見えてきます。 なぜなら、お客様からの電話がクレームやムリな要求だったとき、代表番号の受付でシャットアウトすることができるからです。 その典型が、大手金融機関。実際に名刺の代表番号にかけてみると、支店の代表どころか、中央コールセンターのような全国の代表番号だったりするケースもあります。 これでは、実際に名刺をくれた担当者につながるまで、何人の人に取り継いでもらわなくてはならないか、想像もつきません。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiテレビでは、ハリウッドスターが来日して何千万円もお店で使ったなどと話題になります。しかし、本物のセレブは、ああした派手な買い物はしません。売り手が自宅まで商品を持っていくことが多いので、買い物のために外出はしないのです。セレブ相手の業者の名刺には必ず携帯電話番号が 私どものお客様であるセレブの方々は、ご自分からお店に出向くのではなく、自宅に業者の方を呼んで買い物をするケースが多くあります。 こうした、富裕層向けビジネスをしている方々は、例外なく個人の携帯電話の番号やメールアドレス、なかには自宅の電話番号まで入っている場合もあります。「何かあったらかけつけます」「わからないことがあったら土日でも連絡してください」と言って名刺を渡しますが、事実そういった姿勢が見込まれて、セレブの方々に信用され、長く取引を続けている方も多いようです。【観察力】鍛え方・実践のポイント書かれている情報、いない情報を確認 名刺をいただいたとき、そこに何が書かれているのかだけでなく、何が書かれていないのかをチェックする習慣をつけましょう。 携帯電話の番号が入っているか、メールアドレスは個人宛か、会社の電話番号は大代表なのか個人直通の番号なのか、などをチェックします。【分析力】鍛え方・実践のポイント名刺の情報から相手、または会社の姿勢を分析 個人の裁量で名刺に入れる情報を決められる場合は個人の姿勢が、会社の名刺フォーマットなら会社の姿勢やポリシーが分析できます。 たとえば、連絡先が代表番号しか書かれていなければ、お客様よりも自分自身もしくは会社のほうを大事にしていると分析できます。 個人のダイヤルインの番号が入っている、さらに携帯電話の番号まで入っているとなれば、仕事に対する責任感を、相手の方あるいはその会社がもっていると分析できます。 また、広告宣伝に力を入れていたり、どういう紙質のものを使っているかなどを見たりすると、その会社の現状もわかることがあります。

無関係の会議なら冷静になれる 通常は、自分に関係のある会議しか出席しないでしょう。 しかし、自分に関係のある会議では、冷静な意見はなかなか言えません。「こういうことを言わなければいけない」「会議をこういう方向にもっていかなくては」などと、自分の役割を考えてしまうからです。 ところが、自分に関係のない会議なら、「どういう結論になってもしったことではない」と割り切れ、客観的に考えることができるので、似たような議題でも、まったくちがう建設的な意見が思い浮かんだりします。 このように、第三者的な立場で会議に出席すると、自分に関係のある会議では見えなかった、いろいろなことが見えてきます。 たとえば、自分の意見を通すために場の雰囲気を悪くしている人。社長や役員を持ち上げることに徹している人。自分の意見はまったく言わず、反対だけする人。まるで、猿芝居を見ているような気持ちになるはずです。 無関係な会議に出るときの気持ちや立ち位置がわかりにくければ、スポーツ解説者を思い浮かべてみるといいと思います。 フィールド内の現役アスリートは、自分のプレーに必死です。しかし、解説者は当事者ではないので、勝敗には関係ないし、フィールドで果たすべき自分の役割もありません。ですから、冷静な目でいろいろなことを分析できるのです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事の仕事はどこまでか? じつは、とくに決められていません。ただし、法律違反や公序良俗に反する仕事はもちろん NG。よくあるのは、お金でもめているので交渉してくれというものですが、これは代理業務といって弁護士しかできません。自分の仕事にも役立つ このように、自分に関係のない会議を見る機会をつくると、自分がどういう立場を演じたらいいのかなどがわかって、ものすごく勉強になります。 自分と似たような立場の人がいたら、「あ、自分は会議でこう見られているのか」と気づいたり、「なるほど、こういうやり方もあるんだ」と学んだりできるのです。 また、自分と同じような発言をして、同じように突っ込まれている人がいれば、「だから突っ込まれるのか」などとわかって、次の会議から自分の発言のしかたを改善できるようにもなります。 さらに、会議を俯瞰して見ることができるので、進めるべき道筋や、解決策などもひらめくことがあります。執事の提案で遺産相続が有利に 私ども執事は、仕事がら、話し合いの場に居合わせることが多々あります。 体調の思わしくない社長に付き添って出席する役員会議から、ご子息を留学させるかどうかの家族会議まで、会議の規模もさまざまです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki私の会社には、いろいろな資格や免許をもっている人がいます。医師免許、ソムリエの資格、一級小型船舶免許などなど。でも、結局いちばん使えるのは普通自動車免許。送迎や洗車など、動かす機会は多々あるので必須です。 もちろん、そうした会議で、私どもが意見を述べるようなことはありません。しかし、お仕えする方のサポートをするのが私どもの仕事ですから、その方に有利なことがあれば、会議のあとで進言することはあります。 たとえば、遺産相続。セレブは遺産の額も大きいですから、家族や親せき間でもめることが少なくありません。 もちろん、私どもは、出席を求められても一切口出しをしません。しかし、客観的に見ていると、家族や親せき同士の力関係や、意見を出しても必ず反対される人、敵は誰で味方は誰かなどいろいろなことが見えてきます。 すると、「こういうふうに進めればいいのに」などとお仕えする方のメリットになるようなアイデアが浮かんで、会議のあとに伝えることがあります。 そしてそれが、意外と名案で、親せき間の力関係が変わったり、遺産相続の条件がよくなったりするケースも実際にありました。【観察力】鍛え方・実践のポイント見るべきは人間関係 ここでの大前提は、とにかく関係のない会議に参加してみること。忙しいからとか、変な目で見られそうなどと躊躇せず、積極的に参加してみましょう。 観察するポイントは、人間関係です。 意見や会議の内容を理解することも重要なのですが、参加者の力関係に気をつけていると、勉強になります。たとえば、 Aさんが意見を言うと必ず Bさんが同意する、 C部長の意見は必ず D部長が反対する、などという具合です。 さらに注意したいのは、誰かが重要な発言をした次の反応。詳細は「分析力・仮説力」に書きますが、ここがいちばん重要なポイントです。見逃さないようにしましょう。【分析力・仮説力】鍛え方・実践のポイント重要発言の「次」を見逃さない 誰かが重要な発言をしたあと、間髪入れずに賛成したり反対したりすることがあります。次に誰が何を言うかで、人間関係がわかってくるのです。 発言した直後に賛成する人は、発言者と密接な関係がある証拠。たとえば、発言した部長に、懐刀の課長がいれば、援護射撃のために、すかさず補足意見を言います。 逆に、発言直後に否定的な意見を言う人は、何を言っても嫌い、つまりその人のことが本当に嫌いなのです。 どちらでもなく、しばらくたってからぼそっと何か言う人は、中立的な立場を誇示したい人と考えられます。 このように、人間関係を分析していくことで、察する技術の訓練になります。 あとは、観察・分析したデータをパターン化して、「こういう意見を言うとこう反対される。だから、こう言おう」などと仮説を立ててみましょう。

メモ書きで会議の雑音が消せる ここでいう「メモ書き」というのは、議事録のごくかんたんなものと考えてください。 じつは、議事録を書くためには、ある能力が必要になります。 それは、いらないものをそぎ落とす能力です。 会議では、重要な意見ばかりではなく、感情的な発言やムダ話、余計な補足などさまざまな言葉が飛び交います。議事録には、会議の本質と関係ない意見は残しません。ですから、必要な意見と必要でない意見を選り分け、いらない言葉をどんどん捨てる能力が求められます。 雑音を削り、必要な言葉だけを残すと、会議の本質が見えてきます。 つまり、議事録をとると本質が見えてくるので、察する技術を鍛える練習にピッタリなのです。 ただ、議事録をとる会社ばかりではないですし、議事録をとる役を与えられるともかぎりません。まして、会社から求められてもいないのに議事録をとっていると、さぼっていると受け取られかねません。 そこで、本格的な議事録ではなくメモ書き程度でいいので、会議の内容を書き出してみましょう。かんたんにできる範囲なら、続けやすいものです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki海外のお客様が多いこの仕事ですが、じつは、海外留学が長くて英語が達者だという人は、執事に向いていません。なぜなら、いくら英語がペラペラでも、私どものお客様が求める「日本人特有の細やかなサービス」が苦手な人が多いからです。業務日報も効果アリ 会社で書くものといえば、業務日報もあります。とくに新入社員の方は、書かされることが多いようです。 業務日報を書かせる会社の目的は、その日にやったことを報告させて、上司が部下の仕事ぶりや進捗状況を把握するため。 しかし、それだけではなく、一人ひとりの社員に、今日 1日きちんと仕事をしたかどうかを振り返らせる、自己啓発的な目的も大きいでしょう。「よく考えたら、たいした仕事をしてなかった」と反省して、次の日は日報にきちんと書けるように働こうと意識を向けさせる効果があります。 この業務日報も、議事録のメモ書きと同じような効果が期待できます。執事は議事録で相互理解を促す 私どもも、お客様と打ち合わせをしたときは、必ず議事録をとっています。それほど大げさなものではありませんが、「こういうことでまちがいありませんか?」と、打ち合わせた内容をまとめて、当日中にお送りします。 私どもが議事録をつくる理由ですが、1つには、お客様が私ども執事に、本当は何を求めているのかがわかるからです。お客様が、感情的に話したことも、議事録に起こすことで論理的に整理できるのです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki愛煙家は、執事には向きません。基本的に、タバコを吸う時間がありませんし、吸える状況であっても、臭いの問題や、お客様先で火の不始末を起こすことも考えられるからです。ただ、葉巻タバコをお客様とのおつき合いで吸う執事はいます。

議事録をお送りするもう1つの理由は、私どもとお客様の理解を合致させるためです。同じ言葉でも、お互いの理解がちがっているケースもありますから、あとでもめないように、文章でお互いの理解を合致させるわけです。成功者は日記をつけている 仕事で議事録のようなものを書くことは、よくあると思います。しかし、プライベートでそこまでする人は、あまりいないのではないでしょうか。 じつは、セレブの多くは、プライベートでもきちんとメモ書きを残しています。「いろいろ話したが、結論はどうだっただろう?」と混乱しないために、自分の考えを記録に残しておくためです。 自分の家やクルマを買ったりしたとき、メモしておいてあとできちんと議事録に整理する方もいます。 このように、普段からメモ書きをして本質を見抜く訓練を自然にやっているのは、とくに一代で財を成した方に多く見受けられます。そして実際、本質を見抜くのが非常にうまいものです。 本質を見抜くのがうまいセレブは、メモ書きのように、ブログでもちょっとしたことを書いていたりします。 それから、私どものお客様で非常に多いのは、日記をつけている方。長い文章ではなく、その日のトピックスをかんたんにまとめただけなのですが、書くことで自分を振り返ったり、物事の本質を見つめ直したりしているのでしょう。意外と、こういうものが成功の秘訣といえるのかもしれません。【分析力】鍛え方・実践のポイントなるべく短くまとめる 会議の発言を全部書いていては、本質がよくわからなくなってしまいます。ですから、本質を見抜く分析力を鍛えるためには、なるべく短くまとめるのがコツ。 たとえば、どんなに長い打ち合わせでも、 A 4の紙 1枚にまとめるなどと決めておくといいでしょう。 書くボリュームをあらかじめ決めておけば、余計な雑音をそぎ落とそうという意識が自然に働くようになり、本質だけが残るメモ書きになります。 また、会議だけでなく、ほかのシチュエーションでも分析力を鍛えることができます。 議事録は、要するに、本質と雑音が入り混じった発言のなかから、書く過程で本質を抜き出すということ。この作業ができればいいのですから、取引先との打ち合わせでもいいわけです。 また、 51ページ〔※こちらを参照〕に書いたセレブのように、お店と交渉をして何か買ったときの自分の考えをメモしたり、日記を毎日つけたりしても、十分に察する力の訓練になります。ベストの仮説を相手にぶつけられる 会社の机の上に、家族の写真をおいている人はいないでしょうか。欧米の会社なら多いのですが、机に家族写真をおいていると、常に家族のことを考えるようになります。 家族の写真をおくのは、仕事のモチベーションアップのため、という方が多いのでしょう。 しかし、仕事中でも家族に貢献することを考えることによって、家族関係がうまくいきやすくなるという効果もあることに気づいている人は少ないのではないでしょうか。 もちろん、そもそもうまくいっていない家族の写真は飾らないという考え方もできるのですが……。 それはともかく、家族写真の効果を応用して、大事なお客様の写真を机の周りに貼ると、仕事がうまくいくことが期待できます。 机の周りにお客様の顔写真を貼っておけば、席を立ったり座ったりするごとに、そのお客様の顔を見ることになります。すると、写真を見るたびにそのお客様を思い出すので、「そういえば、来月の新商品について、あの方だったらこう思うのではないか?」「ひょっとして、こういうサービスを望んでいるんじゃないか?」などと、頻繁に考えるようになります。 今までは、写真の人物と結びつけて考えていなかったようなことでも、自然と「もし、あの人だったら」という仮説を立てて考えるようになるということです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事の休憩時間は、決まっていません。基本的には、お客様が外出するなど、何か依頼される可能性がないときに、お客様に気づかれないようにとります。でも、休憩がなかなか

なかなかとれない日もあり、昼食が食べられないことも珍しくありません。 こうして、常にいろいろな仮説を立てていると、実際に会ったときにベストの仮説をぶつけることができるので、仕事がうまくいきやすくなるのです。写真は相手のことを思い出すきっかけ 写真を貼る効果は、2つあります。 1つは、先ほども書きましたが、相手のことを思い出すきっかけになるということ。 社会人になると、誰しも日々、忙しいでしょう。ですから、意外と1つのことを考えている時間なんて少ないものなのです。 ところが、目につくところに写真を貼っておくと、写真を見るたびに相手のことを思い出すきっかけになり、相手について考える時間が長くなります。 もう1つの効果は、写真をきっかけに、相手の考え方や発言、行動、口調などを思い出すということ。そういった、相手の細部を思い出しながら仮説を考えるので、よりリアルな仮説が立てられるようになります。 言い方は悪いのですが、ある意味で、アイドルのポスターを部屋に貼って妄想を膨らませるのにも似ています。マニュアルに写真を貼ってサービスレベルが向上 私どもも、お客様の写真を貼って、お客様の声の特徴や考え方、ものの言い方などを思い出し、「今度はああいうサービスをすると喜ばれるかもしれない」などと考えるきっかけにしています。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事は、昼食を食べそびれることもしばしばと書きました。仕事を熱心にやればやるほど、食事が不規則になりがちで、太りやすいのです。そういう意味では、仕事の熱心さと執事の体重は比例するかもしれません。できる執事は太ってる!? じつは、私どもの会社では、お客様ごとにつくっているマニュアルの表紙に、お客様の顔写真を貼っているのです。 なぜ、お客様マニュアルに写真を貼っているかというと、個人名を書いてしまうと、万が一マニュアルの情報が外部にもれてしまったとき、それが誰の情報かが特定されてお客様に迷惑をかけてしまう恐れがあるからです。 ですから、名前の代わりに、お客様の顔写真を貼っているわけです。 このように、最初は単なる個人情報の保護対策だったのですが、マニュアルに写真を貼ってからは、ほかの執事もそのお客様のことをよく考えるようになり、サービスレベルが上がり始め、「なるほど、そういう効果もあるのだな」と実感しました。 以来、私どもの会社では、マニュアルに貼るだけでなく、執事一人ひとりが各自担当するお客様の写真を持ち歩くようにしています。【仮説力】鍛え方・実践のポイント恥ずかしがらずに貼る 十分な効果を上げるためにも、自然と何度も目をやる場所に写真を貼りましょう。たとえば、パソコンから顔を上げたら嫌でも机の上の写真が目につく、などというのが理想的。 恥ずかしがらずに貼る、というのも大事です。いちいち人の目を気にしていたら、長続きしません。 机の周りなどはどうしても貼りにくいという場合には、携帯電話やスマートフォンの待ち受け画面にするという手もあります。待ち受け画面なら、こちらから見せないかぎり、ほかの人の目にはほとんどふれないはずです。 もちろん、自宅に貼ってもいいのですが、テレビのそばやリビングの時計の周辺など、頻繁に目にする場所でなくては意味がありません。 また、仕事相手の写真でなくても、仮説力の訓練はできます。たとえば、家族写真。職場の自分の机に飾って、「この子もそろそろ、自転車に乗れるようになりたいと思っているんじゃないかな。今度のクリスマスプレゼントに買ってあげようかな」「最近は帰りが遅いから、たまには早く帰って家事をやってほしいって、うちの奥さんは思っているんじゃないかな」などと家族のことを考えるだけでも、練習になります。 このように、「カン」を鍛える習慣とともに、前出の欧米ビジネスマンのように仕事のモチベーションアップとプライベートの充実までも手に入れてみてはいかがでしょうか?

お金を出すと商品価値を疑うようになる 自社で売っている商品の価値は、つい忘れてしまいがち。たとえば、自社製品が 100円の値をつけて店頭に並んでいても、本当にその値段でいいのかと疑うことはないのが普通ではないでしょうか。 ところが、自分でお金を出して自社製品を買ってみると、急に見る目が変わります。そして、「この商品は、本当にこれだけのお金を出す価値があるのか?」「この値段は適切なのか?」と考えるようになります。 このように考えて、「いや、そんな価値はない」と思ったら、次に「では、どうしたらこの値段で売れるのか?」「どういう人に売ったら、この値段でも買ってもらえそうか?」と考え始めるのです。 サービスを売っている会社も同様。「自腹でうちのホテルに泊まってみたけど、アメニティが充実してないな」「うちの会社のレンタカー、意外と隅々まで掃除が行き届いているんだな。さすが、高いだけある」などという具合に、結構シビアに見るようになるはずです。 逆に考えると、その会社の従業員が自社の商品・サービスを自発的に買っている場合は、商品価値があるということになります。 ただ、自腹で買うのですから、あまり高額な商品・サービスを売る会社では難しいので、この訓練法は、一般消費者向け商品・サービスの会社に限定されます。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiセレブは、お金にシビアです。たとえば、お客様のクルマにガソリンを入れて燃料費を請求すると、「本当にウチのに入れたのか?」と疑われるケースも。ですので、次からは、燃料メーターと一緒に領収書を写真に撮って提出することにしました。セレブも自社製品を買っている 私どものお客様に、ある大型スーパーチェーンの創業家の方がいらっしゃいます。 その方は、毎日、自社の店内でお昼ご飯を買って食べては、「このおかず、 300円出して買うかね?」などと考えているそうです。 もし、自社の儲けだけを考えていたら、「この 300円のおかず、もう少し量を減らしても気づかれないだろうから、量を減らして原価率を下げればもっと儲けが出るな」などと考えたくなります。 しかし、大金持ちのセレブが、自腹で買って消費者の立場になって考えることで、「 300円出して買ってもらうにはどうしたらいいか?」という方向に考えが向いていくわけです。 自家発電機の保守会社を経営されているお客様などは、自宅に、ビルに入れるような本格的な自家発電機を設置しています。 それで、自分のポケットマネーで自社の保守サービスを受け、「何もトラブルが起きないのに、毎月サービス料が引き落とされるのはお客様も納得いかないだろう」と気づいたそうです。 そこで、会社で営業マンに、「壊れておうかがいするのは当たり前。何もなくても、お客様のところに顔を出すことが大切」と言って毎月顔を出すよう指示したおかげで、契約の継続率が上がったとのことです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki私どものお客様で、プライベートジェットを持っている方は結構います。すごくぜいたくに思いますが、じつは 6、 7人も乗ると、民間旅客機のファーストクラスに乗るよりは安かったりするので、意外に経済的なのです。立場が変われば視点も変わる 自腹で自社の商品・サービスを買うのと同じ効果があるのは、立場の逆転です。 どういうことかというと、たとえば、メーカーに勤めていた人が、人事交流の関係で販売会社に出向になったなどという場合を考えてみてください。 要するに、作る側から売る側になるということです。 作る側と売る側では、視点が 180度変わるので、考え方やものを見る視点もぜんぜんちがってきます。 作る側にいたときは、「いいものを作ってやろう。そうすれば、黙っていても売れるはずだ」と思っていたのが、売る側に回ったとき「いくらいいものでも、そのよさがわかりにくければ売れないんだ」とわかって、営業マンがよさを伝えやすい製品を開発したりするようになります。 このように、立場が変わることで、自腹を切るのと同様に見る視点が変わるわけです。【分析力】鍛え方・実践のポイント訓練する対象は社外がベスト ここでのポイントは、身銭を切るということ。負担にならない金額の商品・サービスなら、とにかく自分でお金を出して買ってみましょう。 身銭を切ることで、自然と消費者の立場から自社の商品・サービスについて分析するようになり、自然に分析力が鍛えられることになります。 金額はたいしたことがなくても、自社で売っているものを買いにくかったり、買えても消費者目線になりにくかったりするケースもあります。 たとえば、喫茶店で働いている場合。店内の全員がいつも一緒に働いているスタッフだと、どうしても消費者の立場から客観的に分析するのが難しくなります。 それに、スタッフ全員が知り合いの店で「コーヒー1つ」と頼んでも、その店本来のサービスは受けられないのではないでしょうか。 そこで、こういうときには、競合店で買ってみるというのも手です。つまり、自社の商品・サービスと似たような価格帯の、似たような商品・サービスを買ってみればいいのです。 なお、自社の商品・サービスを買うときは、社員販売などといって割り引いてもらったりしてはダメ。消費者の立場になって考えるためには、消費者と同じ価格で買わないといけません。

セレブのムチャ振り 1「大阪まで、ゴミを拾いにいってくれない?」セレブのムチャはほほえましい 私どものお客様であるセレブな方々は、世間一般とは感覚が少しちがっています。だからこそ、本人はやってくれて当たり前と思ったことが、普通の人なら「そんなムチャな」と思うような指示だったりすることが頻繁にあります。 もちろん、人命にかかわるようなムチャや犯罪まがいのムチャは言いません。むしろ、あとから考えるとほほえましいものばかりです。 たとえば、以前に、こんなムチャ振りがありました。人に見られたくないからと執事が大阪へ 東京在住のお客様なのですが、前日に仕事で大阪出張にいっていたのです。そのお客様が私を呼んで、こう言いました。「昨日、大阪のホテルで、ゴミ箱にメモを捨てちゃって。そのときはたいしたことないと思っていたんだけど、どうしても必要になったからとってきてくれる?」 その言葉を聞いた瞬間、「なぜ、捨てたメモをとりに、わざわざ執事が大阪にまでいかなければならないのか」と疑問に思いました。しかし、じつはそのメモは、ホテルの関係者などほかの人に見られたら困るものだったらしいのです。 ですから、言いつけ通りに、ゴミを拾いに大阪まで出向く羽目になってしまったというわけです。

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