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たくさんの付加価値より「一点集中突破」

 顧客のニーズやペインをつかんだら、どんな価値を提供していくかを考えていきます。前述した、お客様が欲しいと思うサービスやプロダクトに欠かせない二つ目の要素「提供価値」です。  提供価値と聞くと、「できるだけ多くの付加価値があったほうが良い」と考える人がいますが、私は、スタートアップの創業初期では、プロダクトやサービスの提供価値をとことん絞った「一点集中突破」がいいと考えています。  知名度の低いスタートアップのプロダクトやサービスは、尖った価値がないと、お客様に振り向いてもらえません。顧客の心をつかむには中途半端な付加価値が複数あるより、小さくても良いので類似サービスにはない価値が一つあったほうが強いからです。  もう少し具体的に言うと、とにかく一番困っていそうなところや「せめてここだけは解決してほしい」という課題を絶対に解決できる。あるいは、何かの業務がめちゃくちゃ楽になる、といったターゲットのペインに刺さる価値があると、お客様の心に届きやすくなります。プロダクトをつくってきた社長はつい、自身の関心のある価値を推しがちですが、顧客の課題にとって意味のある価値に絞るということが必須です(*)。  たとえば「組織全体の活性度が上がります」といったあいまいなものではなくて、新卒の離職に悩む人事担当には「新卒入社 3カ月以内に離職する人が激減する」と打ち出したほうが、ターゲットは狭いものの、そのターゲットへの訴求力はグンと高くなります。「営業力の底上げになります」よりは、「具体的なニーズを持つ決裁者とのアポを月に 3件必ず保証します」のほうが、アポイントが少なくて悩む営業部のリーダーには刺さりやすいのです。  また、類似サービスにない価値だとしても、それがわかりにくいとお客様には刺さりません。提供価値はパッと聞いてすぐわかるに越したことはありません。「今までにない ECのサービスで……」と言うより、「有名な ECサービスの〇〇領域の特化版です」といった形で伝えます。  さらに突っ込んだ話をすると、提供価値は、導入する顧客にとっての「売上増」や「コストダウン」などの効果が数字で示せるといいでしょう。  顧客が重視する KPIに明確に寄与することが伝えられれば、サービスやプロダクトの導入による費用対効果がわかりやすくなります。「導入によって、業務コストが〇〇円削減できる」「他の採用サービスからの切り替えで、新規アポ数、解約率などが〇%向上が見込める」といったことですね。すべては証明しきれないまでも、できるだけ費用対効果を明示するよう意識したいところです。*私は釣りが好きなのですが、釣りにたとえるとわかりやすいかもしれません。イワシも、イカも、マグロもまとめて釣りに行くことは普通、ありえないわけで、何か 1種に絞れば他の魚は釣れないのです。

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