お金の悩みで眠れないとき、やっていただきたい「5つのこと」 第 1章では、「お金の悩みで眠れない」という事例を4つ紹介しました。 この章の最後に、「お金の悩みで眠れず、お金しか見えなくなってしまったとき」に、その「迷いの森」から抜け出すためにやっていただきたいこと、忘れないでほしいこと5つを、おさらいしておきます。お金の悩みで眠れないとき、やっていただきたい「5つのこと」その 1 そもそも、自分は何のためにこの事業をやっているかに立ち返る 資金繰りで夜もおちおち眠れず、頭のなかが「お金、お金、お金」ってなると、会社のことも、自分のことも見失ってしまいます。 そんなときは、ぜひ、頑張っている自分をねぎらったあとで、「自分はいったい、何のためにこの会社をやっているんだっけ?」という原点に立ち返ってください。ビジョンや理念を思い出すのです。 そうすると、残すべきもの、捨てるべきものが見えてきます。「親の会社をそのまま引き継いだので、事業についてはそれほど思い入れがない」という場合は、「自分にとって一番大切なものは何か?」を思い出してください。 会社を清算したカフェ経営者の福本さんの事例では、「いったい自分にとって一番大切なものは何かを真剣に考えたら、『社員さんたち』という答えに至った」という話がありましたよね。その 2 「お金がなくなると何が不安なのか」を正しく認識する 私自身が、お金に対する不安に苦しんだ経験からわかることがあります。 それは、「お金がない」「お金が足りない」って、漠然とした不安が一番やっかいだということです。 漠然とした不安は、不安が不安を呼んで、雪だるま式に増大します。 人間というものは、「自分にとっては、これが不安なんだ」という定義ができれば、「答えを見つけよう」って思考が働くようになります。トンネルに入って真っ暗闇だと不安でも、出口の光が見えると、そこに向かって歩き出しますよね。 不安の正体がわかれば、私のように、「お金に困っても、命までは取られないよね」って、漠然とした不安な思いから解放されます。 あくまで私の感覚ですが、お金の問題に限らず、不安の正体が把握できて、「本当にそうなの?」と、少し引いた目線で見ることができれば、その時点で、感情コンサルを受けにいらした方の半分くらいは、悩みが解決したという印象です。その 3 お金の悩みであっても、人に相談する お金の悩みは、社長さんにとって、ある意味もっとも周りに相談しにくい悩みだと思います。でも、どうか 1人で背負わないで、誰かに相談してください。 相談相手は、信頼できる会社のナンバー2とか、社外で信頼しているメンターとか、あるいは家族でもよいと思います。 感情コンサルにこられたある社長さんの話です。 資金繰りの悩みから、家庭では奥様に「話しかけるな!オーラ」全開で接していたそうです。それが、いよいよ会社が危ないとなって、思い切って奥様に打ち明けたら、「あなたの好きなようにすればいいわよ」 って言われて、あっけにとられたと聞きました。 実は奥様は、社長さんが 1人で苦しんでいることを心配していて、「やっと話してくれてよかった」と安堵したのですね。 本章の田淵社長が、意を決して奥様に資金繰りの相談をした事例も、そうでした。 弱い心、本音の思いを見せることができると、近くにいる人ほど、そんなあなたに寄り添ってくれるものです。 何も、相談相手から、アドバイスをもらおうと思わなくても良いのです。 誰かに相談するだけで心が軽くなるし、何が問題なのかが整理できます。 相談するうちに、自分が本当はどうしたいのかが見えてくることだってあります。そもそも、誰からどんなアドバイスをもらっても、最終的に決めるのは自分ですよね。「相談できる相手がいる自分はラッキー」って思って、お金の悩みであっても、心に溜め込まず、吐き出してみてください。その 4 お金では悩まないと、自分で決める 私は、この方法で救われました。 自分の話だけでは信じていただけないかもしれないので、もう 1人、私の友人である 50代の女性社長の事例を紹介しましょう。 彼女は、お父さんから会社を引き継いだのですが、「自分はお金の奴隷」が口癖でした。「私はお金の鎖でつながれているのよ」「その鎖、取れるよ」
「無理よ。取れるもんなら取ってみてよ」「じゃあ、ちょっとイメージして。手が鎖でつながれているでしょ」「うん、つながれでる」「今、取ったけど」「えっ? あれ? 本当に取れた」「そんなもんだよ」「うそ? 誰にも取れないと思ってたのに、どうして取れたんだろう?」「鎖が取れたから、もう自分で主体的にお金を回せるよ」「うれしい! この鎖さえなければいいって、ずっと思ってたんだよ」 彼女の場合、私と友人関係であるという点も大きかったと思います。彼女のなかで、「満里子さんなら、もしかしたら鎖を取ってくれるかも」という深層心理がうまく作用してくれたのかもしれません。 それまでの彼女は、「お父さんから受け継いだ会社のお金を、自分が自由にしてはいけない」という思い込みが「お金の鎖」になっていたようです。 その思いから自由になった途端、がぜん、お金の運用に目覚めて、海外商品への投資とか新規事業開拓などをはじめて、今では、すっかり羽振りがよくなったと聞きました。 我ながら、お金の鎖から外してあげたのは、すごい効果でした。 お金に対するメンタルブロックって、実は、意外に簡単に外せるんです。 コツは、都合のいいほうへ勘違いし、自分は大丈夫と決めること! そうすると、いろんなことがうまく回りはじめます。その 5 チャンスが来た、と前向きにとらえる これまで感情コンサルで出会った社長さんたちを思い起こすと、お金がなくなるときは、「大きな岐路」に立たされているのだろう、と振り返ることができます。 そこから成長軌道に乗った人を、たくさん見てきました。 だから、お金の問題が起きたら、「チャンスが来た」と前向きにとらえることもできるのです。 私自身、「会社が危うい」というお金の悩みがきっかけになって、感情コンサルという仕事をはじめることができました。 プロローグでも触れましたが、弊社が得意先から 1年後の取引停止を宣告されなかったとしたら、私は今頃、平々凡々と、日常を過ごしていたに違いありません。 改めて、感謝の気持ちでいっぱいです。 経営者がお金の問題に出くわしたときは、1つ上のステージに上がるのためのスタートラインに立っているのかもしれません。 取引先のせい、経営環境のせい、などと頭を抱えているのは、もったいないです。 さらに大きくお金を回すためのジャンプ台に立っている、と捉えると、世界が違って見えてきませんか。 ここまで、お金の問題に直面したとき、心がけていただきたいことを、5つに分けてお伝えしました。万一のときこそ、役立てていただければ幸いです。
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