「労働生産性の向上」が先、「増員」は後。
これからの時代、増収増益、つまり売上を伸ばし、同時に利益も伸ばすような教科書的経営は、並大抵なことではできるものではない。
よって、売上が期待通りに伸びなくても、「増益」だけはしっかり確保する経営が要求されることになる。
そういうなかで労働生産性を高めるには、①年間付加価値を増やす、②平均社員数を減らす、③その両方をやる、の3つしかない。
そして、①のキーワードは、仕事の徹底的な見直し、つまり「事業の再構築=リストラ」、② のキーワードは、人の徹底的な見直し、つまり「組織の再構築=リストラ」と「人件費の変動費化」である。
つまり、社員の生活向上を考え、同時に自社の事業繁栄を願うならば、社長として自社の「リストラクチャリング」と「人件費の変動費化」に強くならなければならないということだ。
これまで強気一辺倒で成功を収めてきた社長なら、「そんな弱気な。儲かる新規分野にどんどん進出していって、売上拡大を図るべきだ。そのために必要な人員を積極的に投入していかなければ、増益どころか、縮小均衡になってしまう」と反論されるかもしれない。
お説もっともだが、これまでのように向こう見ずでやっていたら、必ず痛い目にあうことになる。儲けの薄い商品、成長率の低い分野で事業を続けたままでの新規拡大策は、自殺行為に等しい。
儲からなくなっている仕事は捨てる。そうしておいて、余った人員を有能なものから優先的に、現在の儲け頭の事業や力を入れるべき事業に重点的に再配置するべきだ。
ここで労働生産性が上がって、初めて、増員も待遇改善も可能になると心得るべきだ。あくまで「労働生産性の向上が先、増員は後」である。
労働生産性が下がっているのに、増員や待遇改善などという虫のいい話は、民間会社である以上、できない相談だ。
これは事業経営の鉄則である。
佐藤肇著「社員の給料は上げるが総人件費は増やさない経営」より
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