社長の「知りたがり」と「やりたがり」は百害あって一利なし。
中小企業の社長に見られる良くないケースの一つに、何もできないのに全部を知りたがり、「俺が、俺が」とやりたがるタイプがいる。
これでは部下がヤル気を損ない、業務も滞る。でしゃばる社長は百害あって一利なしだ。
謙虚さをなくし、権力をふりかざして社内を混乱させている社長は、 一度じっくりと、「社長の仕事とは何か」を考え抜いてみればよい。
そうすれば、「自分にできることは驚くほど少ない」ということにおのずと気づくはずだ。
社長にできることは限られている。売上を左右する肝心のお客様に、社長は直接的には何もできない。社長がお客様一人一人に会って営業することはできないし、商品をつくることもできない。
それではお客様に影響を与えられるのは誰かといえば、それは社員にほかならない。お客様と直接に接しているのも社員だし、良い商品をつくるのも、良い接客をするのも、逆に悪い印象を与えるのも、働く社員たちである。
だから、社長がお客様を大事にしたかったら、お客様に接する社員を大事にするしかないのである。すると、良い循環が起こる。社長が社員にいい影響を与えると、社員はすばらしい商品をつくったリサービスを提供してお客様に良い影響を与える。
その働きかけにより、お客様は自社の製品を買ってくれたリサービスを利用してくれて、会社の売上利益に良い影響が出る。上場している会社であれば株価が上がり株主が喜ぶ。そして株主は社長に良い影響を与えるという循環である。
そういう良い循環をつくり、業績を上げていくことが社長の仕事であり、そのために社長が徹すべきは、会社の「環境整備」係となることだ。
唯一、お客様に影響を与えられる社員の処遇をできるだけ高め、だからといって甘やかさずに、一所懸命教育する。
それが環境整備係の仕事である。
リーダーは権力をふりかぎして「俺が、俺が」と主役になろうとしてはいけない。
むしろ、組織を下から支えるものというのが私の考えである。
佐藤肇「決断の定石」CDより
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