銀行が「どうか借りてくれ」と頼みに来るのは、B/Sの長期計画をもつ会社だけである。
銀行借入に際して、返済期限は銀行との約定ではなく、自ら決めるものだ。言い方を変えれば、確かな返済計画をもたない借入は厳禁すると言いたい。
ここで言う「確かな返済計画」とは、「毎期いくら売り上げて、いくらの利益を出すから、それを返済に充てる」というP/L計画ではない。
売上の増減という、最も不確実な要素が基礎になっているP/L計画だけでは、まったく具体性も実現性もないからだ。
そうではなく、「設備はどの程度増やすのか、土地は買うのか」と、事業計画に沿って5年先までの資金需要を把握し、「その資金を銀行から借りるなら長期。短期どちらがいくら足りないのか」と見積もり、「返済の原資は在庫を減らすのか、売掛期間を短くするのか、はたまた預金を使うのか」など、そのほとんどを社長の意志で実行できるB/S計画に基づき、「毎年いくらずつ、これくらいの期限で返済します」というのが「確かな返済計画」なのである。
きちんとした返済計画を作成することで、長期かつ無計画に利息を払い続ける無駄がなくなる。
何よりのメリットは、融資条件の優遇につながることだ。貸す側に立てば当然であるが、返済能力があるのかどうかわからない高リスクの会社には、いろいろとリスクヘッジをかけることになるし、多くのリターンが見込める融資先は優遇する。
実際に、私の塾で長期B/S計画書を作成し、これをもって融資の相談に行った社長のほとんどは、「こんな素晴らしい計画をおもちなんですね」と感心され、融資審査なしで何億円もの融資を受けたり、以前の借入金利より0。3%下がるなど、銀行から優遇されるようになっている。
したがって今後、資金導入については、しっかりとしたB/S計画を社長がつくり、この返済計画に基づいた約定で、銀行からお金を借りるという習慣をつけていただきたい。
佐藤肇著「社長が絶対に守るべき経営の定石50項」より
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