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【3ー2】先行投資と社風づくり

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足元の業績が良いときも悪いときも、将来への「先行投資」を怠ってはならない

企業の将来のために、常に新しい商品とか新しい事業のことを考えていかなければならないといっても、そうそう簡単に新たな事業の柱というのは生まれるものではない。

収益の柱となるような新事業の開発には、相応の資金と時間をかけていかなければならない。

たとえば、何人かのプロジェクトチームを組んでマーケット調査、業界動向、企画、設計、試作…と一連の作業には、それなりの人件費がかかるし、経費もかかる。

当然のことながら、ある程度の資金がなければ、新事業や新商品を収益の柱にまで育てることは不可能である。

したがって、社長は毎年の予算配分において「先行投資」という科目を設け、社員に積極的に予算を使わせることが、新事業あるいは新製品の開発の大きな原動力になるのだ。

先行投資とは、新事業の調査費や研究開発費、将来の事業拡大に備えた企業広告費、セミナー参加費などの社員の特別教育費の経費である。

社長は、この先行投資に充てる予算を、会社の業種業態に関わらず、少なくとも一律2%くらいは、毎年きっちりと付加価値のなかから分配すべきである。

そして、たとえばエンジエアの社員が見本市へ勉強をしに行く。それが将来の勉強のためであれば、その出張旅費も先行投資の予算から使う。

あるいは、新商品の情報収集を外部に調査依頼したら、その調査の費用、コンサルタント費用も先行投資の予算枠から使う。

このように、振り分けた予算をきっちり使うことが、じつは非常に大事なことである。

なぜなら、「今年は利益が出なかったから来年は先行投資はしない」、「今年は利益が出たから、来年は先行投資を行う」と、社長のきまぐれで先行投資の予算枠を設けたり設けなかったり、あるいは予算枠はあっても有効に使っていなければ、先行投資という考え方なり言葉が社内に浸透していかず、新事業や新商品を生み出し続ける社風が、いつまでも築かれないからだ。

一方、先行投資をし続けるという風土が会社に定着すると、社員全員に「常に新しいものに挑戦しよう」という高いモチベーションが充満し、ひいては、高付加価値な事業なり商品なりを、将来にわたり開発し続ける企業体勢というのが自然と築かれる。

ゆえに、社長は「先行投資を怠っていたら、次の時代の発展はない。目の前の仕事だけではなく、将来の果実を得るために常に投資し続けるのだ」という強い意志を社員に伝えるために、足元の業績が良いときも悪いときも、先行投資の予算枠を毎期確保し続けなければならないのだ。

佐藤肇著「社長が絶対に守るべき経営の定石50項」より

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