私の経営者人生は、いつも節目節目で逆風が吹いていた。取締役になった1995年は創業以来の赤字、さらに社長に就任した年はリーマンショックの翌年で、85億円の大赤字に見舞われた。
危機に直面し、会社をどう舵取りしていこうかと悩むとき、いつも思い出すのは創業者である父親の教えだ。「いたずらに規模を追わず、身の丈にあった経営に徹せよ」と何度も言われてきたのだ。
「身の文にあった」とは、大企業のように儲かる事業も儲からない事業も抱えて売上をとりにいくのではなく、儲かる事業に経営資源を集中し、自社の財務力に見合ったヒト・モノ・カネで、堅実に成長していく経営のことである。
決してイケイケ・ドンドンの派手さはない。しかし、社長の悲願ともいえる「会社を絶対に潰さない」経営法なのである。
佐藤肇「決断の定石」CDより
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