「日本とヨーロッパとの間でEPAが発効!ワインが安くなる!」など、関税に関するニュースを聞くことは多いです。ただ、実際のところ、関税の役割や仕組みを知らないでしょう。
一体、関税とは何か? どのような役割があるのでしょうか?
そこで、この記事では、関税の基礎知識から、具体的な計算方法までを説明していきます。なお、記事の文章末には「関税目的別記事」「関税の計算ツール」も用意しています。ぜひ、ご利用下さい。
■このような方に便利な記事です。
- 関税をゼロから体系的に理解したい。
- 海外通販で購入をして関税がかかった。なぜ?
- 海外から○○を購入しようとしている関税がかかるか心配
関税の基本知識
まずは、関税のワンポイント(結論)をご紹介します。詳しい解説は、各記事のリンク先でご覧ください。ゼロから順番に確認しあたい方は、このまま上からお読みください。
関税の8つのワンポイントを紹介
- 関税の意味は?
- 関税は誰が決める?
- 関税を支払う人は?
- 関税と消費税の関係
- 関税はいくらから支払う?
- 関税の計算方法は?
- 関税と輸出/個人輸入の関係
- バイマやQOO10と関税は?
1.関税が持つ2つの意味
関税は、消費税と同じく「国税」の一種です。(財務省資料)関税の目的は、日本に海外商品が入るときに税を課すことで、日本と海外産品との「価格差」を小さくし、安い価格のまま日本市場に入らないようにすることです。これにより2つの効果があります。
- 日本国内の産業の保護
- 日本国内の物価と供給の安定化
2.関税は誰が決める?
関税は、国定税率と協定税率に大別されます。協定税率は、WTOの総会等により決定。国定税率は、関税分科会で確認し、財務省に答申。その結果を国会で審議します。
3.関税を支払う人と支払う先は?
関税を支払う人は、商品の輸入者であり、支払い先は、輸入国側の「税関」です。ロシアや中国等では、輸出関税がありますがこれは稀です。基本は、関税は、輸入国で関係する物だと考えましょう!
ちなみに、インコタームズをDDP等にすることで、関税等を輸出者払い(元地払い)にできます。しかし、これは、関税の支払い方を変えているだけであり、関税は、輸入者が支払う原則は同じです。
4.関税と消費税の関係
商品を輸入するときは、関税の他、輸入消費税10%がかかります。(かかる可能性がある)
5.関税はいくらから支払う?
関税は、商品の原産国、価格、輸入目的等により、かかったり、かからなかったりします。消費税のように一律で10%がかかるわけではありません。
例えば、次のような観点から、支払うべき関税額を計算するのは、困難です。
- アマゾンから輸入したら~
- バイマから輸入したら~
- 財布を輸入したら~
- ○○円分輸入したら~など
6.関税の計算方法は?
関税の計算方法は、商売目的と個人使用目的で2つあります。
1.商売目的
-
- (商品価格+送料+保険代金)×関税率=関税額
- (商品価格+送料+保険代金+関税額)×0.1=消費税額
2.個人使用目的
-
- 商品価格×0.6×関税率=関税額
- (商品価格+関税額)×0.1=消費税額
商売目的は、輸入にかかる全ての費用を計上した価格に対して関税がかかります。他方、個人使用目的は、商品の価格を0.6倍した金額に関税がかかります。(かからない場合あり)
根拠:関税定率法基本通達
7.関税と輸出/個人輸入の関係
関税は、商品を 輸入する人が輸入国側の税関に支払います。中国やロシアの木材輸出など、一定の条件に当てはまらない限り、輸出で関税を支払うことはないです。
8.バイマやQOO10と関税は?
バイマ、QOO10で購入した商品も商品の価格、輸入する品目等により、関税等の支払いが必要な場合があります。但し、一部のサイト(例:海外アマゾン)は、商品の購入時に、日本側の関税を徴収している所もあります。つまり、この場合は、日本側で関税等の支払いはないです。
以上が関税のよくある疑問8点です。ここからさらに関税について詳しく確認していきましょう!
関税の目的と意味とは?
関税は、外国の商品が日本に輸入されるときに課される税金(国税)です。関税の目的は「日本国内の産業の保護」です。ご存じの通り、日本と外国は物価差があります。同じリンゴでも、海外は10円、日本では、100円と価格差がありますね。関税は、この価格差を縮める役割があります。
消費税と関税は違う?
違います。消費税は、関税を含めた額に対して10%課税されます。
関税や消費税を英語で言うと?
消費税=Tax、関税=Import duty または Custom duty
「図解」関税が国内産業するとは?
関税の役割と国内産業を具体例で確認していきましょう!
例えば、日本国内で生産されたリンゴが一つ50円。日本よりも人件費等が安い国で同じリンゴが一つ10円で生産できるとしましょう。この場合、日本産リンゴと海外産のリンゴには、約40円の価格差があります。もし、この一つ10円のリンゴがそのまま日本に入ってくるとどうなりますか?
日本のりんご農家さんが破産する可能性がありますね!そのため、この価格差を小さくするために、海外産のりんごに関税を課し、日本の国内産との差を小さくしています。
海外産のリンゴに関税を課せば…..
1.輸入者が税関に商品の関税と消費税を支払支払う。
2.輸入者は、輸入した商品の代金+関税+消費税+自分のマージンをのせて国内に流通
3.外国産の産品と日本国内産の価格差が小さくなる。
関税は、誰が誰に対して支払う?
関税は、誰が誰に対して支払うのでしょうか? よく関税は、輸出されるときにかかる等の情報を目にします。たしかに、一部の国では、鉱物資源の輸出関税を課している所もあります。しかし、これは非常に稀なことであり、基本的には、輸入国側の税関が輸入者に関税を課します。
- 関税を支払う人:日本に商品を輸入する人
- 関税を支払う先:日本の税関(財務省)
関税を支払う人:日本に商品を輸入する人
関税は、日本に商品を輸入する人が支払います。外国で商品を購入するときに支払うわけでもなく、外国の輸出者が支払うわけではありません。
関税を支払う先:日本税関(日本に輸入するとき)
関税を支払う先は、輸入する国の税関です。日本に輸入するときは、日本税関に支払います。
- 関税を支払う人:基本は輸入者
- 関税を支払う先:輸入国側の税関
- 関税の行方:日本に輸入する場合は、国税扱い。
関税はいくらから払うの?
海外から商品を輸入する方が最も気になる点は、これだと思います。しかし、結論から申し上げると、これに対する明確な答えは、どのサイトにもないはずです。いえ、正しくはできないといいます。その理由は、関税の決定要素にあります。関税は、
次の4つの要素を考慮した上で決まります。
- 輸入の目的
- 原産国
- 輸入価額
- 輸入品目(物)
1.輸入の目的
商品を商売で使うために輸入したのか? それとも、個人使用のために輸入したのか?が重要です。一般的に商売目的の方が関税を支払うことが多いです。
2.原産国
原産国とは、輸入する商品が生産された国ですね!中国製品であれば、原産国は中国です。この原産国が日本とEPA(経済協定)を結んでいると、関税がかからない可能性が高いです。
3.輸入価額
輸入する総額が20万円を超えるのか?で、一般税率と簡易税率の境があります。
4.輸入品目(物)の違い
輸入する商品にも影響します。
例えば、海外から農産物を輸入するのと、機械製品を輸入する場合を比較すると、総じて農産物の方が関税率が高いです。もちろん、農産物の中でも、バナナだったら●●%、リンゴだったら××%と様々な税率が設定されています。
例えば、非常に限られた条件の下、限定的なお話をすると…..海外商品の価格が日本円相当で16666円(課税価格換算で1万円)以下であれば、商売・個人使用と会わず、関税と消費税は、どちらも免税です。(根拠法は関税定率法14条の無条件免税)
関税はいくつかの要素によって、複雑に決められているため、●●だったら●●%と覚えるのは難しいです。
関税の種類と関税率
既述の通り、関税は、輸入目的、原産国、輸入品目等によって、複雑に決まります。
では、複雑に決定される関税の種類や関税率を確認しましょう。関税の種類には、基本税率、協定税率、特恵税率などがあります。また、輸入総額を基準とする一般税率と簡易税率もあります。
- 20万円をこえる場合=一般税率
- 20万円以下の場合=簡易税率
このときの総額は、課税価格のことであり、商品価格でないことにも留意が必要です。もし、あなたがコンテナやLCL等を使い、本格的な輸入をしている場合は「一般税率」、海外通販レベルで輸入している場合は「簡易税率」が関係してきます。
| 関税の仕組み | 意味 | |
| 一般税率 | 基本税率、暫定税率、特恵税率、特別特恵関税、WTO税率、EPA税率など | |
| 簡易税率 | 条件輸入価格が20万円以下のとき | |
| 入国者の携帯品及び別送品の簡易税率 | ||
| 少額輸入貨物の簡易税率 | ||
1.一般税率(総額が20万円を超える)
一般税率は、輸入する価格が20万円をこえるときに適用する税率です。輸入ビジネスをしている方は、この一般税率を適用します。一般税率には「国定の関税(国定税率)」と「条約による関税(協定税率)」があります。
国定税率は、日本の法律に基づき設定されている関税です。根拠法は、関税定率法と関税暫定措置法です。一方、条約による関税率は、他国との条約が基になり設定されている関税です。(WTO税率やEPA税率など)
WTOとは、世界貿易機関の略であり、ほとんどの国が加盟しています。加盟国は、お互いに「最恵国待遇」の原則があり、関税上、差別が禁止されています。この例外が「FTA/EPA」の仕組みです。
2.簡易税率(総額が20万円以下)
簡易税率は、輸入価格の総額が20万円以下のときに適用する関税率です。例えば、海外からの手荷物品、海外通販サイトで購入した商品に課されることが多いです。それぞれの詳細は該当記事で確認をしてください。
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