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「志」を持って生きる

目次

「青年よ、大志を抱け!」の本来の意味とは

人には、実現したい目標を持つて生きようとする心の働きがある。それが、「志」とか「夢」と呼ばれるものだろう。

それらがあるからこそ、現状に満足するのではなく、「あるべき姿」に基づき、変化に挑戦し、実現することができるのである。

「志」とは、今よりもより高い次元で生きる価値の実現を目指し、ビジョンに向かって行動するための「心構え」である。

「志」を持って生きることにより、自らの心に抱いている「思い」をさらに大きく成長させることができる。

「志」を考える上で、ウィリアム・クラーク博士の「青年よ、大志を抱け―」(ωoく∽し①”Bぴ〓o嘔∽弄o〕【∽oこ日曽・)は、あまりにも有名な言葉だろう。

「君たちのような若い人は、未来に向けて「志」を持った生き方をせよ」と呼びかけている。

しかし、若者を未来に導く博士のメッセージ内容の全文は、意外と知られていない。

北の大地を旅し、赤レンガの北海道庁旧本庁舎の2階への階段を上がると、南側廊下に馬上にまたがるクラーク博士と札幌農学校の学生たちと「島松(現在の北広島市)の別離」という絵を見ることができる。

同行した学生たちに向かって、あの有名な言葉である「青年よ、大志を抱け!」と語った場面だ(作者一田中忠雄)。

絵画の下段には、左記の内容が英文で記されている。

「青年よ、大志を抱け―それは金銭や我欲のためにではなく、また人呼んで名声という空しいもののためであってはならない。人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて」

ウィリアム・クラーク博士は、五十歳という人生の壮年期に、日本政府の要請により、米国マサチューセッツ農科大学の学長から札幌農学校の教頭に赴任された。

学生への講義内容は、米国の大学カリキュラムに基づき作成されたそうだ。

クラーク博士も、人生の秋の訪れを迎える年齢になり、自分なりに人生を振り返り、考えてみると札幌での人か月間が「人生で最も輝かしい時であった」と述べている。

学生たちのように、希望に燃える若い時にこそ、大きな志を持ってあらゆることに挑戦することができるものだ。学び続けることにより、自らを活かす「機会」もつかみ取れる。

そんな時期に、異なった価値観を受け入れ、社会、人のために役に立つことは何かを考え、自分らしくいきいきと人生を謳歌することが人生の意義であると伝えたものであると推測する。

次に紹介したいのが、サムエル・ウルマンの「青春の詩」だ。

「青春とは人生のある期間をいうのではなく、心の様相をいうのだ」と説いている。

基本的に人間というものを信じる素直で前向きな姿勢、これが青春のマインドを保ってゆく秘訣であることを我々に教えてくれている。

「青春とは人生のある期間ではなく、「心の持ちかた」を言う。二十歳の青年よりも六十歳の人に青春がある。年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。歳月は皮膚にしわを増すが、情熱を失えば心はじぼむ。苦悩・恐怖。失望により気力は地に這い、精神は芥になる」

この「青春の詩(く8警)」は、サムエル・ウルマンが七十歳代に書いた詩であり、人生の青春の季節は過ぎ去ったが、青春とは「心の持ち方」なのであると問いかけている。

岡田義夫氏が、英文の雑誌に掲載されたものを見られて感銘され、個人的に日本語訳にされて多くの企業人に愛誦され普及したものである。

宇野収氏(元東洋紡会長)が、日本経済新聞に「青春の詩」の一部を紹介された後、一九八六年に産能大学出版部から「青春」という名の詩を宇野収、作山宗久の共著で出版された。

私も、夢、希望、理想を持ち続けるための人生の指針にさせていただいた詩である。

人生半ばの過渡期において、自分の心の中に「若さ」と「老い」のバランスが生まれる。「内なる若さ」は、さらに発達する大きなエネルギーと力になる。

確かにこの時期になると、体力と気力の衰えにより「若さ」と「老い」の対立、葛藤を感じることになる。人生百年、これからも自分に何ができるのか「問い」を考えながら、生きたいものである。

高齢化社会における人生の応援歌として、中高年の人々が、自分にとって何が一番大切なのかを考える機会となればと思う。

次の世代に人生の意義を伝え、充実した人生をどのように生きるべきか、それぞれの人生の生き方に勇気と指針を与えるものだろう。

人生において「何を」実現しようとするのか、そのために何をすべきか自問自答し、アイデア・発想を情熱を持って実行することにより、その夢=志を具現化することができるはずだ。

「志」の視点

  • マネジメントは、事業に対する「志」を高く、大きく持って取り組むことが求められる。
  • 社会が大きく変化する時代だからこそ、何よりも「志」を持って生きることが求められる。
  • 現実の中でうまく生きようとするだけではなく、人として志を持っていかに生きるかを考え、行動することが重要だ。
  • 志は、覚悟・緊張感を伴い、実践することにより、志をさらに大きく成長させることができる。
  • よりよきものを生み出すためには、「志」を持って強く願い、望むことが必要である。

「志」に生きる人の特徴

  • 使命感と志を一体化させる。。
  • 何があってもやり抜くという強い意志がある。
  • 新しい仕組み。
  • 人的ネットワークをつくる。
  • 探究心、向上心を有している。
  • 「志」を、学び続けるマインドの支えにする。
  • 目標の実現達成に向けて、粘り強く諦めない。
  • 自らを厳しく律する。
  • 現状に満足しないで、疑間を持ち続ける。
  • 直感、感受性が高い。

そもそも「志」とは何か

何事においても、よりよきものを創り出すとか、将来どんなことに挑戦し、何を実現したいのかを考えるとき、そのベースには志や夢が必要だ。

新しいことに挑戦する場合には、最終成果のイメージを明確にし、最後まで志を持ってやり遂げる強い精神力が必要となる。

「志」とは、心に決めてある方向を目指す、日標に立ち向かうことである。人として問いを持ち続けることにより、自らの「思い」の実現に向かって日々の行動を積み重ね、習慣化させることが重要だ。

志は、気力と密接に関係する。一つのことに集中すると、気力を動かすことになる。

人間の肉体を支配する志がしっかりと確立すれば、気力はそれに付き従ってくる(「孟子」(上))といわれる。

人は「志」を持つことにより、ゆるぎない価値、気骨(バックボーン)を伴った感情が生まれてくる。

「志」が高尚であれば、働き方もいきいきと元気になる。「志」とは、より高い価値を目指し、自らの限界に挑戦しようとする心の姿勢とも言える。

また、志に向かって努力することにより、マネジメントとしての「器量」も大きくなる。すなわち、「器」の大きさは、その人の「志」の大きさに比例するものと言えるわけだ。

自らの信念(絶対的な価値)として、自分は将来何を実現したいのか、また、どのような人間になりたいのかを明確にすることも、「志」を持つためには重要な前提条件だ。

知的好奇心に基づき、意欲を信念に発展させ、向上心を持って行動し、「カタチ」にする。また、普遍的価値である「理念」を「信念」と融合させることにより、「志」をつくることができる。

将来何に取り組み、どんなことを実現したいのか。顧客・事業の役に立つ存在になるために何をすべきかを含め、仕事の使命。目的を考える上でも、「志」は不可欠のものである。「志」を立てることほど人にとって大事なことはない。

志を有する人は、将来の人生。

キャリアの目標を達成することができるが、「志」を有しない場合は、世の中の流れに身を任せ、流されるままに生きることになり、結局何も成し遂げられずに、人生を終えることになる可能性が高い。

また、マネジメントに昇進しても、「何を」実現したいのか、自らの「使命」は何なのか、自分なりの「解」がないと仕事を前向きに考え、大きな志に基づき取り組むことができない。

志のない人は、問題の壁にぶち当たるたびに悩み、迷うことになる。だから、第一に自己起点の「志」を立てることからスタートする必要がある。

その「志」である目標の実現に向けて努力することにより、元来人に備わっている「気力」が自然に動き出す。

真の元気というものから、「なりたい姿」を目指す「志気」となる。その「志気」が、日標実現に向けたドライブとなってくれる。

孟子は、「志は、気の師なり」、気力を左右するものであり、気力は人間の身を支配するものである。

だから「志」がまずしっかりと確立すれば、気力はそれにつき従ってくると述べている。

さらに孟子は、気は人間の内面より発するものであり、正しく養うことにより天地に満ちるものとされるものであり、「浩然の気を養う」ことになると述べている。

そうした「志」は、誰かが与えてくれるものではない。自らが考え、見つけるしかない。だからこう自らに問い掛けてほしい。

人間として、本当に考えるべきことは何か?人生において私は「何を」実現したいのか?

志を得られたら、それを今度はビジョンに具体化し、その実現に向かって「覚悟」を持って行動する。

現状に満足せずに、危機感を持って自分は何をすべきかと問い続け、行動する。

既成の論理にとらわれずに自らの直感、感受性により、現状の問題を徹底的に考え抜き、深掘りし、本質的な課題を明確にする姿勢が大切だ。

「ビジョン」とはすなわち「志」である

組織では、「志」のことを「ビジョン」と呼んでいる。ビジョンとは、現実を踏まえて望ましい方向性と将来における到達点を表現したものである。

「ビジョン」は、現在と将来をつなぎ、人々に力を与える。すなわち、将来の姿を見えるように引き寄せたものだ。

そのような「ビジョン」は、マネジメント自らの「志」に基づき、先見性と洞察力および想像力によって創ることができるものだと私は思う。

マネジメントとして、明確なビジョンを掲げて、組織をリードし、組織として最大の成果を出す。

「ビジョン」が明確になつたら、次にわかりやすい言葉でそれを周囲の人に伝え、共感を得る努力が必要になる。

さらにマネジメント自らが、ビジョンの実現に向かって率先して行動することにより、周囲に勇気を与えることになる。

自分自身も変わるということを強く意識して、「情熱」を持って取り組む必要がある。そのためにも、シンプルでわかりやすく、ストーリー性のあるビジョンを考える必要がある。

さらに重要なことは、孔子の「人にして遠き慮りなき者は、必ず近き憂いあり」だ。

将来のことまでよく考えずに、日先のことばかり考えていると、近いうちに必ず困った事態に陥る。

また、先の見えない不透明な状況にあって、未来に向かって何かを起こすには、「覚悟」が必要だが、その場しのぎの考えに身を任せていたのでは、覚悟など持てるはずもない。

なお、「確実」に達成できるものや「リスク」の伴わないもの、チヤレンジする価値を伴わないものは、ビジョンとは言わない。

ビジョンは、信念を持ってアウトプットをイメージし、楽しみながら実行すると、必ず実現することができるものだ。

人間は、未来に希望が持てる場合は、その実現にエネルギーを集中させることができる。

そのためには、ビジョンのゴールを明確にして、なぜ実行する必要があるのか目的を説明し、周囲の人が納得できるように説明し、巻き込んでいく必要がある。

ビジョンを考えるときに、日前の業務中心に対応し、深く考えないと、次のような状況に陥りやすいので注意を要する。

  1. 「何を」(What)やりたいのかを中長期の視点で考えるのではなく、どうしても短期的な対応策(How)であるアクション中心に考え、行動してしまう。
  2. 「志」を実現するためには、自らのやりたいことを考え抜く必要があるが、どうしても今やらなければならない当面の問題解決、行動に注力してしまう。
  3. 将来の「あるべき姿」と現状の実力という二つのことを自律的に考え、論理的にその「ギャップ」を分析する必要があるが、とりあえず現状をベースに短期的目標を考えてしまう。
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