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「人間力」発揮の場面とマネジメント行動

目次

人間力は、あらゆる場面で求められる

この章では、マネジメントの方々が経営現場において、日常的に遭過する七つの事例を通して、人間力についての理解を深めていただきたいと思う。

「人間力」を発揮すべき時はどのような局面なのかを身近に感じていただき、マネジメントとして「人間力」をどのように身につけ、発揮すべきなのかを学んでほしい。

なぜマネジメントに人間力が求められるのか、人間力を発揮するために何が必要なのかを一緒に考えてみよう。また、合わせて巻末の「人間力を高めるチェックリスト」も参照してほしい。

マネジメントは日々、多様な選択肢の中から意思決定を行うものだが、この人が決定したことだから間違いないと思ってもらえるためにも「人望」が求められる。

また、利害の対立する問題を解決するにあたっては、目的、その判断に至った経緯、背景をきちんと説明し、協働行動しやすいように納得性を高める必要がある。

会社が窮地の局面において、リーダーとして先頭に立って真正面から立ち向かい、「あいつは逃げない」と周囲の人から信頼されることにより、一体感をつくり出す。

想定外の問題が発生した際には、まず「正確な事実の把握」を急ぎ、優先課題を明確にし、「スピード感」を持って対応することが大切だ。

マネジメントの最も重要な仕事は、「判断。

意思決定」である。

限られた情報に基づき、「仮説」を立て、決断するのが役割だ。

また、マネジメントとして、全社最適の視点に立って、決断するという立場も忘れないでほしい。

トラブル発生の場合、部下が仕事で困っているときにこそ、上司の「器」の大きさが問われる。

「成果」は実行した部下の手柄であり、「失敗」はマネジメントの管理責任であると認識することも重要だろう。

マネジメントの日常の言動を社内外の各層の人が見ており、日々の言動にその人の人間性が表れる。

部下の意見にも耳を傾け、自らの考えに不足している点を補う器の大きさが問われる。

「人間力」は、特定の局面だけではなく、業務を遂行するあらゆる場面で求められる。

この人と一緒に働きたいと感じられる人間的魅力があるかないかだ。

事例1事業・組織を変革するとき

今まで長年やってきた仕事のやり方を変える決断を行い、事業の将来の姿を見据えて組織の変革をリードする必要に迫られることがある。

そうしたときは、組織のビジョン、中長期の「あるべき姿」、方向性を示し、日標達成に向けて全社一丸となって取り組むように組織、人に対し、動機付けを行う必要がある。

こうした場合には、会社の目指す方向へ組織を動かすために、マネジメントの社内外へ発信する戦略的な方向性が必要だ。

将来のあるべき姿は、ボトムアップでは決まらないので、トツプダウンにより、マネジメントが決定すべきものである。

また、多様な選択肢の中から意思決定し、組織全体で取り組むためには、目指すべき将来の方向性、経営目標の「あるべき姿」を情熱を持って語り、この人が決定したことだから間違いないと思ってもらえるためにも「人望」が必要となる。

チームメンバー、社員、ビジネスパートナーに対して、利害の対立する問題を解決するにあたっては、目的、その判断に至った経緯、背景をきちんと説明し、協働行動しやすいように納得性を高めることも重要だ。

ただし、現状を変えるには「組織の慣性」という「カベ」を乗り超えなければならない。

マネジメントには常に「説明責任」が求められ、説明できないことはしないという行動の基準や倫理性が求められることを忘れないでほしい。

マネジメント行動の視点事業を取り巻く環境の変化に伴い、現状のやり方でいいのかを自間自答し、自らの限界の壁をつくらない。

マネジメントとして、会社、事業を将来このようにしていきたいという「ビジョン」を示す。

そのためには、社員やチームメンバーに、現在の働き方をこのように改革してほしいという中期経営計画の目標を明確に示し、現状との「差」(ギャップ)を伝える必要がある。

その際に、率先垂範で行動し、道を示すことも重要だ。

変革の目的は何か、「なりたい姿」は何かを事業目線で考え、何が重要なのか本質を見極め、伝えることは決して簡単ではない。

それでも、私たちの「事業の使命」は何かを共有し、周囲を巻き込み、事業の使命の実現と成果の達成に結びつけることが求められる。

また、どこにリスクがあるのか、それはどの程度のものかを予測し対処することも重要だ。

事業の強み、機会を考え、誰を変革のキーマンにするのか検討し、人材を配置する。

現場に寄り添い、部下の意見にも耳を傾け、状況を把握するように努力する。

事業を成長させるために、現状の仕事のやり方、進め方の課題を部下と話し合い共有する。

事例2会社が危機、窮地に陥ったとき

事業戦略の失敗、売上の不振による経営のリスク、コンプライアンス違反により、会社が逆境に陥り、経営危機に直面したときに、マネジメントの対応能力、経営のガバナンスが問われる。

コンプライアンス違反のような何らかのルール、社会的な倫理に反していることが問われ、会社が危機に陥つたときには、危機管理への的確な対処が求められる。

現場情報の収集・分析、全体の状況掌握および具体的な行動の指示、トップヘの報告など、限られた時間内で的確に判断、行動し、意思決定を行わなければならない。

事業の本質的な問題を議論せずに、「組織の常識」という不合理なしがらみを断ち切れずに経営不振により、経営危機をもたらすケースが多い。

マネジメントの真価が問われるのは、このように危急、逆境にあるときの対応であり、

その人物の襟度を看ることができる。

つまりは難局に立ち向かい、「あいつは逃げない」と思ってもらえるかどうかだ。

事業の推進において、大きな課題や難題が発生したときや、事業としての正念場を迎えた時に、リーダーとして先頭に立って真正面から立ち向かう姿勢を示し、取り組みができるかどうかである。

周囲からの信頼が厚いと、今までのしがらみを断ち切るために、思い切った決断と実行ができるかが問われる。

すなわち、「この人を信じれば何とかなる」と思われない限り、人は安心してついてこないのである。

マネジメント行動の視点前任者が下した経営判断であつても、言い訳、見苦しい発言を控える。

経営の責任として覚悟を持って対応することが求められる。

組織が逆境にあるときにこそ、今まで取り組めなかつた事業の改革案を示し、チームメンバーや社員を鼓舞する。

マネジメントが、会社の危機に対し、どのような態度をとるかで、組織で働く人々の「やる気」に影響を与えることになる。

危機に際しては、落ち着いて動じない「泰然自若」の心構えで、的確に対応策を決定し、具体的に行動を指示できるように平常心で対応する。

そのためには、意思決定をぶれずに一貫した考えで行う「器」の大きさが求められる。

会社が窮地に陥つた時にこそ、粘り強く、組織の方向性を前向きに語る必要がある。

また、自分の経験や直感にこだわらず、衆知を集め、事に対処するために、異なった意見・考えも聞き、「想定最悪、行動最善」に基づき、問題解決策を話し合い実行する。

意思決定の内容は、論理的にわかりやすく、関係者の納得性を高め、スピード感を持って行動できるように具体的に指示することが必要だ。

取るべき意思決定は、緊急を要しながらも、感情的にならず、理性的に「沈着冷静」に素早く的確に指示を出す。

マネジメントとしての「覚悟」の姿勢が組織の一体感を高め、困難に立ち向かう社員の意識を高めることになる。

事例3製品の品質問題が発生し、問題に対応する

顧客からの受託業務のトラブルや製品の品質の不具合など、想定外の問題が発生した時の問題解決の対応においては、事実の的確な把握に基づき、スピーデイで誠実な行動が求められる。

製品の品質問題が発生し、その製品は工業用途に使われ、工具形状が加工品質に直接影響を与え、そのまま加工に用いると、加工対象の製品を凹ませてしまう。

たった1件のお客様からのお問い合わせであつても、それが重大な製品の不良問題につながる。

「なぜ、問題が起こったのか、いつからその問題が起こっていたのか、出荷済みの製品はどのくらいなのか、在庫商品はどうなっているのか、そもそも問題の本質的な原因は何なのか。

」今までお取引頂いているお客様から製品の信頼を失い、企業のイメージダウンになり、業績に大きな影響を与える。

想像しただけで背筋が凍りつく内容である。

事業責任者として、すぐさま担当取締役である副社長に問題の状況を報告し、お詫びを行った。

製品に不具合があり、このままではお客様に多大なるご迷惑をかけ、影響が広がり、リスクが拡大する。

トラブルが発生した場合には、全社最適の視点から、対応策をどうするのかを冷静に判断、意思決定するのが、マネジメントの役割責任である。

トラブルや問題が発生すると、責任の所在を追及し、部下を叱ったり、責めたりしがちである。

また、いたずらに事を大きくしてしまい、悪いことが発生すると人のせいにしたくなるのが人情かもしれないが、問題を担当部署に押し付けたりせずに解決策を即断即決し、協力し対応する。

マネジメントは、信念を持ってトラブルに対処することが求められるが、状況に応じて柔軟な発想により、トラブルの最小化と収束の道筋を描く必要もある。

一方、問題の原因は、曖味にせずに究明し、再発防止につなげる。

問題解決の対応内容は、顧客価値を高める納得性の高いものが求められる。

上司の副社長に報告すると、「そうか。

そういうことも事業には起こる。

」と、にこやかに反応されて、少し間があいたあと、即断即決にて指示を出された。

受注停止、出荷停止し、お客様には同等品か上位品での交換に応じる、即刻に原因究明と影響ロット範囲の特定、該当出荷時期の特定、当該時期に出荷したすべてのお客様にご連絡し、直接訪問し事情を説明することを指示された。

「現品回収と代替品提供」、Webサイトに品質問題の状況の掲載、委託先メlヵlにも協力を依頼し、総出で在庫の全品検査、製造ラインを改修し、テスト出荷し、良品確認の上、受注を再開する。

「お客様の信用が第一である。

ほかはすべてが終わつてから。

マネジメント行動の視点

何が緊急に処理すべき優先課題かを、社内外の関係者を巻き込み、スピード感を持って的確に判断し、行動する。

顧客起点で、お客様の立場に立って、正直・誠実に対応し、誠意を持って解決策を迅速に提案し、信頼関係を維持することが肝要だろう。

この事例の事業責任者がとった行動のように、とにかくスピードを持ってトラブルの内容について、上司および関係者に報告する。

報告は、事実と意見をわけて行う。

遅い報告は判断を遅らせ、被害を拡大させるのみである。

そして、決してそこから逃げるようなことはせずに、平常心を保って「実態」を正確に把握するために現場に出向き、事実を直接確認することを心掛ける。

なお、最悪の事態を想定しつつも過度に悲観的にならずに、上司の副社長のように、極力明るく振る舞い、責任は上司が負うことを示し、部下が勇気を持って、仕事ができるようにする。

また、困難から逃げずに、知恵を絞り、さまざまな角度から最善最良の問題解決策を検討し、関係者を説得する。

どのような結果でも責任を持ち、最善の選択をするのがマネジメントの役割である。

仕事は厳しいが、この会社はまともな会社だ、この副社長の部下のミスを許容する器の大きさに感動する。

リスクに直面したときに即断できて、部下の責は間わない、そういう「しんがり」の器を持ったマネジメントになりたいものである。

禍を転じて福となすというくらいの「度量」を備え、これを機会に仕事のやり方、進め方を見直し、改善することにつなげ、信頼を回復するのが器の大きさ=度量というものであろう。

事例4前例のない難しい判断・意思決定をする

マネジメントの最も重要な仕事は、意思決定である。

物事を多角的、多面的に把握し、何を目的に行うのか、リスクは何か、何をしないのか、いつ、どのように実行するのかを考えた上での、的確な判断が求められる。

計画は想定内での推移が理想であるが、「仮説」が外れることもあり、事業運営を行っていると突発的な経営上のリスクも発生する。

そのような状況での判断、意思決定こそ、マネジメントとしての真価が問われる仕事である。

新しいことに取り組む場合は、組織として経験していないため、「前例がないから無理だ」と思い込み、慎重を期してしまう。

また、判断の材料。

情報が完全でなくても、Must情報(絶対必要)とWant情報(あればより判断しやすい)を分類し、限られた情報をもとに決断するのがマネジメントの役割だ。

不条理な結果を招くことがわかっているが、場合によつては、心情的に受け入れ難い選択をしなくてはいけないような状況であっても、事業の責任者としてスピード感を持って的確に決断することが求められる。

意見の集約が難しい局面、マネジメントとしてどのような態度で発言をするかで、組織の一体感に大きく影響する。

判断ミスは許されないが、安易に問題を看過したり、意思決定を先延ばし、リスクを取らないと抱えている問題も大きくなる。

先延ばしすることによるデメリットを回避することこそ、しなければいけないことだ。

また、中途半端に意思決定をすると、結果的に問題を大きくすることになることが多い。

困難がより大きくなるとわかっているからこそ、躊躇せずに最適と判断する選択を決断し、やり遂げることが事業および自らを成長させることになる。

マネジメント行動の視点

常に「沈着冷静」で動じないこと、会社の業績を考える上で、本当に重要なことは何なのか本質を見極め、真正面から課題に向き合う姿勢が求められる。

担当者の意見、情報を鵜呑みにすることがないように、自らの頭で考えて事実を確認する。

周りの人の意見にも耳を傾け、スピード感のある結論を出し、実行に向けて何が大切なのかをよく話し合う。

こうしたとき、人望のある人は、社内の各部署の人が日頃から相談しやすく、必然的に社内外の情報が集まりやすいので、状況、判断が的確になる。

全社で課題を解決する必要のある条件や大きな課題の条件ほど、素直な心で対応し、周囲の理解や協力を得やすくするものだ。

前例がない難しい判断、意思決定を伴うものであるからこそ、取り組む価値がある。

マネジメントとして、どれだけ事業に対する思い、情報を持っているかが問われる。

また、組織として前例のないことに挑戦するためには、「社内の常識、前例、慣例」に照らして判断するのではなく、世の中の常識、市場の変化に基づき、判断の基準を明確にする必要がある。

全社最適の視点に立って、マネジメントとして覚悟を持って現状を打破する決断を行うことが求められる。

何が問題なのか、どのような成果を期待するのか、判断、意思決定のポイントを明確にする。

目的に基づき、決定内容が最善と考える根拠は何かを自問自答する。

解決策の実行を確実にするための方策を明確にする。

また、意思決定のリスクは何か、プラス面(「8∽・)、マイナス面(o8∽・)を整理し、あらかじめ想定する。

マネジメントとして現状の前提条件の常識を疑い、柔軟に発想し、論理だけではなく、自らの感受性に基づき決断する。

完全はないのだと自分を信じて判断。

意思決定を行う。

事例5部下の失敗、困っていることに対応する

上司として、部下が困っていることへの対処にこそ「人間力」が求められる。

部下目線で考え、状況を共有し、適切な助言ができるのかどうかが重要だからだ。

トラブルが起きたとき、部下が困っているときに、上司の「器」の大きさが問われることになる。

往々にして、どのような原因で失敗が生じたのかをよく理解せずに、すぐに感情的になり怒ってしまい、部下にミスを叱責し、萎縮させてしまう上司がいる。

また、解決策の立案についても、一番現場の業務の事情を知っているのは担当者だからと部下任せにし、明確な指示も出さない上司もいる。

あるいは、会議などで部下の失敗報告に対しトップから苦言を呈された場合、一緒になって回車に乗る品格のない上司もいるが、会議の席上では部下をかばい、責任は上司が取らなければならない。

それが鉄則だ。

部下が、失敗を報告に来るときは、表情、態度で大体わかるもので、なるべく笑顔で聞くように心掛ける。

まず、部下の報告内容を納得いくまでよく聞くことが第一だ。

すでにリカバーできないことであれば、事後対策の助言を行う。

なぜそうなったのか、今回の失敗で何が足りなかったのか、失敗を通じて学んだことを確認し、再発防止につなげる。

部下が失敗したときに、上司としてきちんと責任を取るべきであるが、部下の成長レベルに応じてどのように責任を取らせるのかを明確にし、仕事に対する責任感を高め、次の挑戦につなげるように動機付けを図ることも忘れてはいけない。

これはあくまでも人材育成のための行動であって、懲罰などではない。

信頼をベースに心底から信じる気概と、日常的に部下と根気よく対話するマネジメントの姿勢が、部下に安心感と信頼感を与えることになる。

マネジメント行動の視点

マネジメントは、組織の長として、部下の結果に対して責任を取る立場にある。

前述したように、成果は実行した部下の手柄、失敗はマネジメントとしての管理責任である。

部下が直面している状況の事実関係を把握し、客観的な視点から判断を行い、対応策を決め、スピードを持って実行する。

さらに言えば、上司としては、もっと早い段階で問題発生の兆候(シグナル)を捉え、ミスの発生を防止することが求められる。

日頃から一番言いたくないこと、気になっていること、困っていることを報告、相談できるような雰囲気をつくる。

失敗の報告については、内容が不十分であつても、まずは部下の報告に対しねぎらう。

また、追加で報告を依頼したり、判断すべきことがあれば、考えた上で、報告を行うように依頼する。

ミスの発生はある意味、上司の失敗でもある。

だからこそ部下を叱責するのではなく、間違いを検証し、原因を突きつめた上で再発防止策を一緒に考え、次に備えるのだ。

部下に対しては、手を差し伸べ、包容力のある対応を行うことが肝要だ。

繰り返すが、上司として信頼されるためには、日頃から聴く耳を持っているということが重要だ。

そのためにも普段からなんでも相談できる雰囲気や関係をつくることが大切である。

部下が自信を失っている時にこそ、上司に相談して良かったと思えるような問題解決の糸回、異なった視点からの解決策のヒントを示す必要がある。

部下の「強み」「弱み」を日頃から良く理解し、的確に状況を把握し、判断指示を行う。

部下の失敗に対して、度量と寛容を持って臨む上司の姿勢が部下のやる気を鼓舞し、勇気付けることになる。

「最後は俺が責任をとる」と伝える。

事例6立ち居振る舞いと日常の行動に求められるもの

日々の判断や言動にその人の人間性が表れるものだ。

マネジメントの日常の言動は社内外の各層の人が見ていると思つたほうがいい。

「人間力」とは、その時の立ち居振る舞いでごまかせるものでなく、過去から現在、未来にわたる考え方からくる言動で形成されるものだ。

マネジメントが、相手によって態度を変え、多忙を理由に部下の話をよく聞かずに否定から入るようではダメだ。

部下に、言葉遣いや態度により過剰なプレツシャーを与え、部下のやる気を下げることになる。

組織の業績が芳しくない状況であればこそ、反対に明るく振る舞う必要がある。

マネジメントは、部下から何でも相談してもらえるような雰囲気を醸し出すことが大切であると再三述べてきた。

雰囲気をつくるだけではなく、部下に対して自分から積極的にコミュニケーションを図ることももちろん重要だ。

社内会議などで、フランクに思っていることを話してもらうために、愚痴になっても良い。

解決策を思いついていなくても率直に意見を述べられるようにする。

また、部下の手本として、常に現状のやり方に満足するのではなく、新しいことに挑戦する姿勢を示す必要もある。

自分が決めた方針に対し、部下からの反対意見や否定的な意見が出された場合に、冷静に対応しているだろうか?・「このようなこともわからないのか!」という発言をするのではなく、部下の意見を真摯に受け止め、自らの知識を内に秘める謙虚さと器量も求められる。

さらには常に感情をコントロールし、冷静さを失わずに、部下の意見を傾聴し、不足している点を修正し補う上司としての懐の大きさが問われる。

マネジメント行動の視点

多様な考え方、異なる意見にも耳を傾ける、度量の大きい広い心の立ち居振る舞いが求められる。

日常業務においても、全体の状況を見通し、俯腋する高い判断の視点が必要だ。

経営課題を現場において実践できるように、社員の目標行動につなげる。

組織の上位者になればなるほど、器の大きさは、立ち居振る舞いで決まると言っても過言ではない。

おごらず謙虚に振る舞う冷静な頭脳と温かい心を持たなければならない。

率先垂範行動、顧客に対する誠実な対応を忘れないことだ。

そのような立ち居振る舞いが部下からの信頼を得ることになる。

自らの感情の起伏が激しいことをよく理解した上で、左右されないように律する。

感情的な言動をとることなく、部下に対して謙虚に感謝の気持ちで接する余裕を持ってほしい。

私たちは、他人を褒めることはあまり上手ではないが、部下から良い結果の報告を受けた時は、笑顔で褒めるようにすることも大切である。

上司は部下から「この人についていけば大文夫」と思われることが重要である。

特に厳しい局面であればこそ、安心感を与えることが大切である。

事例7人間力は、日常業務のあらゆる場面で求められる

「人間力」は、特定の局面だけではなく、業務を遂行するあらゆる場面で求められる。

リーダーとして、先頭に立って物事を推進するときや、顧客の信頼を得るために、顧客起点で考え、行動する必要のある時に特に求められる。

中長期に事業を考え、的確な判断が求められるとき、顧客との交渉、説得、関係づくりなど、常に人間力が求められる。

部下に挑戦的な仕事を任せ、やる気を高めるときに、上司としての人間力が求められる。

組織のビジョン、戦略、方向性を自らのことばで伝える必要がある。

物事を多面的、多角的に把握し、マネジメントとして判断、意思決定をしなければならない時に躊躇せずに、最善と思われる選択を行い、覚悟を持ってやり遂げる。

意思決定に際し、組織・部門の責任者間の調整が必要となり、専門性の高い提案をするときにも、「人間力」が問われることになる。

マネジメントは、「重要」であるが「緊急」でない、いわゆる中長期の成果を出すためにビジョンを考えたり、人材育成や新規事業にも取り組まなければならないが、現実は、自

らの担当領域における短期的に取り組みやすい現在のオペレーション業務に注力してしまいがちである。

しかし、「人間力」を身に着けることによって、忍耐力を養い、心に余裕を持つことにより、そうした状況もある程度是正されるものだ。

マネジメント行動の視点

部下への仕事の権限移譲、日標の設定、評価のフィードバック、モチベーションマネジメント(部下を認め、尊重し、共に成果を出す)、人材育成。

指導など「人間力」は、多様な業務の「質」と深く関わっている。

常に明るく、元気な挨拶を心掛ける。

組織のトップが暗ければ、部下は気持ちよく仕事ができない。

また「人間力」は、人としての内面的側面と他者との信頼に基づく行動の結果であるとも言える。

端的に言えば、この人と一緒に働きたいと感じるのが人間的魅力だ。

人として信頼されるためには、誠実に対応し、責任から逃げないこと、相手の言うことをよく聞き、信用することである。

部下に対しては、組織の方向性を示し、将来どのようになりたいのか、そのために今何をすべきかを考えさせる。

また、できる限り部下に仕事を任せ、人材として成長する機会を与える。

任せた上で何かあれば、上司が責任をとるという大きな器で任せる。

また、上司であっても、間違った場合には、素直な心で謝ることも必要である。

「人間力」は、「平時」と「有事」ではそれぞれ異なる力を発揮するものだ。

平時においては、事業に対する「志」の高さや事業に対する信念。

有事においては、問題に対する洞察力とともに組織の方向性を示し、ベクトルを一致させて、毅然とした態度で問題解決にスピーディに取り組み実行する姿勢である。

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