「人望」を獲得する
「人望」が厚い人は、基本的に人間が好きだ。その結果、あの人といると楽しいと皆から思われ、自然と多くの人が尊敬と信頼の気持ちを寄せて、その人の周りにいつも集まる。
呂新吾の「呻吟語」の中でも、第一等の人物の条件は、「深沈厚重」、すなわち、人物が深山のごとく、大きく落ち着いて人間の内容の深さがあり、信念を持ち、どっしりとしていて、物事が治まるとしている。
人間的魅力をベースに「人望」の厚い人は、組織。人を「引っ張る力」と周りから「支えられ押し上げられる」という二つの側面を有している。
すなわち、「リーダーシップカ」と「人柄」の良さの両方を兼ね備えており、人をひきつける「魅力」(個性)があり、信頼できる人物であるわけだ。
最終的に人が動いてくれるのは「あの人のためなら……」とリーダーの人柄に負うところが大きい。
また、社外の取引先からも「あの人なら」任せても大丈夫と評価され、事業の基盤である「顧客」からの信用・信頼の構築にもつながる。
だからこそ、マネジメントは、「人望」が得られるように努力し、求める必要がある。
人望の厚い人は、その人の有する人柄、能力、見識、判断力に憧れ、人として尊敬と信頼の気持ちを相手に抱かせるものなのだ。こうした人望の厚さを有することが、「器」そのものであると言える。
つまり、その人の持つ「人柄」を当てにされ、周囲から頼られる「頼もしい人物」であるということだ。
組織の中で日常的にその人の人柄、行動と接することにより、尊敬できる人物か、また、信頼に値する人間かどうかはわかるものだろう。
いざというときに頼りになるかどうかを人は見ているものだ。そのような頼もしい人物への「信頼」が組織の中に大きく広がることにより、事業の基盤となる顧客からの信用。
信頼を生み出し、顧客価値を創り出すことにもつながつていくのは前述のとおりだ。
人望は、日常的な人間関係を抜きにしては語ることができないものだ。
また、日本の社会では、重要な役職、地位に抜擢するときには、その人物が「人望」のある人かどうかが大きな評価基準の一つでもある。
周りの人からも人柄を頼りにされ、役に立つ人間になるためには、自らに何が足りないのか。それは、人望のある人から学ぶことにより知ることができ、さらにその足りないものを身に着けることができるはずだ。
私がお会いした「人望」のある人の特徴は、周りの人からも一日置かれる存在であり、独自の強みを有し、その人らしさを自分自身の持ち味、個性としているというものだ。
人望のある人の行動の特徴は、「器」が大きく懐が深い、また「信念」を有し、ときにはロマンテストであり、現状を憂い、現状に満足せずにさらに一歩高い目標を目指す向上心を持っている。
また、物事を俯廠的、大局的に捉え判断し、気力がみなぎっており、何事にも一所懸命に自らの強みを活かす人だ。それだけではない。
得意とする分野に関し、優れた見識と先見性を持ち、幅広い人的ネツトワークを有している。また、人との出会いを「値遇」として大切にし、常日頃から人脈を広げる努力を行っている。
相手の話を最後まで聞き切る聴き上手であり、情報や人が自然とその人の周囲に集まりやすいので、大きな説得力を持っている。
その結果、物事を細部にわたり的確に状況判断することができる。部下の相談ごとには、些細なことでも面倒がらずに対応し、人に対する思いやりがある。
また、周りの人にも頼り、部下に積極的に仕事を任せるとともに、あまり回は出さずに遠目からうまく行くように見守っている。
目下の人に対しても、感謝の心を忘れずに接し、笑顔と「ありがとう」の言葉を欠かさない。人としても誠実であり、何よりも「正直」で、まめな性格であることが多い。また、約束したことは必ず守り、スピード感を持ってテキパキと対応する。
「人望」の厚い人の特徴
- 尊敬、信頼の気持ちを相手に抱かせる。
- 人間的な魅力があり、人として近づきたい。。
- 人として、考えのスケールが大きい。
- 高い「志」を持って常に現状に満足せずにより上を目指す。。
- 私心がなく、人の役に立つことをスピード感を持って実行する。。
- 「人徳」があり、誠実に思いやりを持って行動する。
- 言行一致である。
- 聴き上手で、相談しやすいので、その人に情報が集まりやすい。
- 能力と判断力を有し、周囲の人から頼りにされ、的確に物事を決断する。
- 話す内容は、理路整然で無駄がない。
何歳になっても、他の人の経験、知識から学ぶ柔軟性を有し、「学び続ける姿勢」を失わないので、いつまでも気持ちが若くいきいきと元気である。
「人間」を洞察し、その人物の強みを見極め、生かすことに長ける。
やるべきことに対して、青年のように熱く語るのだが、話す内容は、理路整然としていて無駄がない、それでいて人の言うことに耳を傾け、お互いが腹に落ちるまで話し合った上で、物事を判断する。
何よりも聞き上手であり、話す言葉そのものに品性が感じられる。リーダーの要件は、周囲の人からの全幅的な信頼感に基づく、そうした「人望」を有する人である。
「人望」がない人がリーダーになると、周囲の人から協力を得られないために、組織が不穏になり、成果が上げられない。
それでは「人望」は、どのように獲得することができるのだろうか。人望は、「志」を持つて自らが学び、人望の厚い人から学ぶことによって、獲得することができる。
すなわち、人望は、自らの足りないことを謙虚に反省し、努力して積み重ねることなのだ。「人間力」にとつて「人望」は、行動蓄積の結果である。
人望は、あるかないかではなく、努力して「磨いているか」「磨いていないか」で判断されるべきものだ。
また、人望を得るために重要な要素である「信頼」「利他行動」とは何か、どうやったら得ることができるのか、次章以降で取り上げ、考えることにする。信頼を蓄積することにより、人望を得ることにつながる。
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