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「世界」と「歴史」の中で、どう生きるか/覚悟

「世界」と「歴史」の中で、どう生きるかさて、そのうえで、次の大切な問いを、問わなければならない。この「世界」と「歴史」の中で、どう生きるか。

その問いです。

もとより、「世界」という広さにおいて観たとき、「歴史」という流れにおいて観たとき、我々には、様々な生き方があります。その中で、いかなる生き方を定めるか。

それは「選択」の問題ではなく、「覚悟」の問題です。いま、「人類に貢献する」という生き方を考えてみましょう。

それにも、いくつかの生き方があります。一つの生き方は、恵まれない人々を支援するという生き方です。この地球上には、まだ、数多くの恵まれない人々がいる。発展途上国においては、食糧難で餓死される人々もいる。こういう人々のために、一人の人間として、何かを貢献しよう。

そう思って仕事に取り組むという生き方がある。そうした生き方は、見事な生き方だと思います。

例えば、発展途上国における技術指導に携わる仕事。その技術指導によって、治水技術の改善や農業技術の向上を図る。そのことによって、発展途上国の人々を支援する。

そう考えて、海外に赴任し、仕事に情熱を注ぐ。こうした生き方は、素晴らしい生き方だと思います。

そして、これは、恵まれない人々を支援することによって、人類全体の幸福度を高めていくという意味での貢献です。

人類全体が置かれている状況を改善し、全体の幸福度を上げていくために、仕事に取り組む。これは、そうした意味において、「人類に貢献する」という生き方です。

しかし、「人類に貢献する」という生き方は、決してそれだけではない。また違った生き方も、ある。

例えば、「ピアニスト」。いったい「ピアニスト」という仕事とは、何なのでしょうか。あの素晴らしいショパンを弾く、あのピアニストの仕事とは、何なのでしょうか。そのことを考えるとき、もう一つの生き方が見えてきます。

たしかに、この地球上の人類の中には、いま、まだ様々な段階を歩む人々がいます。ある人々は、まだ原始から脱したばかりの段階を歩んでいる。

しかし、一方で、この日本やアメリカなどでは、人々は、高度な科学技術と豊かな経済力による最先端の文化の段階を歩んでいる。

そうであるならば、その最先端の文化の段階を歩んでいる人々には、大切な「使命」があると思うのです。

それは何か。人類全体の可能性を切り拓く。その「使命」です。

だから、我々には、もう一つの生き方がある。

それは、人類のフロンティアを切り拓くという生き方です。

人類の持つ可能性を、さらに推し広げるという生き方です。

それもまた、「人類に貢献する」という一つの生き方であり、一つの覚悟です。

この「情報革命」というものが、いったい何をもたらすのか。この「知識資本主義」というものが、どのように花開いていくのか。

それが、この地球上の人類すべてに、すぐに恩恵をもたらすものではないとしても、いつの日か、人類のすべてが、その恩恵に浴する時代が来る。

その願いと祈りを持ち、日々の仕事に取り組む。それも、一つの生き方です。

いま人類のフロンティアを切り拓きつつある科学技術革命。

二一世紀の新しい社会の在り方を模索しつつある知識社会。

そうした流れの中で、これから我々が、どのような素晴らしい世界を、社会を、地域を、企業を、生み出していくことができるのか。

人類の新しい文化を、精神を、夢を、志を、残していくことができるのか。そのことに、全身全霊で挑戦することも、一つの生き方です。

だから、先ほど、ピアニストのことを述べたのです。アーティストは、なぜ、その作品に全身全霊で取り組んでいくのか。なぜ、全身全霊で取り組み、力を尽くし、新しい創造的な作品を残そうとするのか。

それは、なぜか。それが、人類の可能性だからです。アーティストの創造する作品。それが、人類の持つ可能性だからです。

そして、アーティスト自身の姿。それが、人間という存在の持つ可能性だからです。

それは、ビジネスマンや経営者も、また、同じです。

我々ビジネスマンや経営者もまた、その仕事を通じて、人類の可能性を切り拓き、自身の姿を通じて、人間という存在の可能性を切り拓いている。

先端的な技術の開発。魅力的な商品やサービスの創造。革新的なビジネスモデルの発案。先進的な事業や産業の育成。

そうしたことを通じて、新しい人類社会を創造していく。

そして、一人のビジネスマン、一人のマネジャー、一人の経営者としての自身の成長を通じて、新しい人間像を創造していく。

それもまた、人類の可能性を切り拓く営みであり、人間という存在の可能性を切り拓く営みに他なりません。

そして、大切なことは、それを、自身の「使命」として自覚していること。そのことです。それが、ビジネスマンの「仕事の価値」を定める。

「仕事の価値」というものは、規模の大小で決まるわけではない。収益の多寡で決まるわけではない。

では、我々が、日々取り組むビジネスにおいて、その「仕事の価値」を定めるのは、何か。

それは、実は、ただ一つのことなのです。その人物が、何を見つめているか。その仕事の彼方に、何を見つめているか。そのことなのです。

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