シミュレーションしていく際に、どの項目の改善を目指すかについては、一定の考え方があります。「未来会計図表」に沿って説明していきましょう。もう一度第 2章 4項の「未来会計図表」を見てください。そもそも売上は「単価( P) ×数量( Q)」で決まります。売上を増やすというのは、単価を上げるか、数量を増やす、あるいはその両方を実施することです。そして、粗利益を決めるのは、「その売上を達成するのに必要となる変動費( V)」です。現状の変動費率が 60%とすると、売上 100に対する粗利益は 40となります。もし、この場合に変動費率を 1割削減できれば 54%となり、粗利益は 46になって 1・ 15割増しとなります。変動費を 1割削減することによって、粗利益は 1割増しではなく、 1・ 15割増しになるということです。さらに固定費( F)があります。固定費の中に削減できる費用がないかどうかを精査し、改善できるところは改善します。つまり、利益構造を改善するということは、販売単価( P)・販売数量( Q)・変動費( V)・固定費( F)の4つのどれをどう改善していくかを見極めていくことだといえます。さて、このときに重要なのは、これら4つの項目は、取り組みやすさの順番と、影響度の強さの順番が異なるという点です。最も取り組みやすい項目は、固定費( F)です。社長の決断で削減することが可能です。逆に、利益向上に最も影響度が高いのは販売単価( P)です。しかし、一般的に考えて、販売単価を上げる(いわゆる「値上げ」)のは、最も取り組みが難しい項目ですよね。変動費( V)と販売数量( Q)については、会社ごとの事業構造によって異なりますから、どちらが影響度が高いか、取り組みやすいかなどは、一概にはいえません。
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