「未来会計図表」は、会社全体の売上・利益をどう高めていくかということを見極めるためのツールですが、特定の案件について受注すべきかどうかを判断するツールとしても活用できます。例を挙げて説明しましょう。古田土部品は、自動車部品を製造するメーカーです。古田土部品の現状の「未来会計図表」は次の上の図の通りです。
今、古田土部品に 1000万円規模の引き合いがありましたが、ライバルがいて、単価を 20%下げれば受注できるという状況です。一般的に考えれば、 20%もの値引きをしたら、大幅に利益が減るので、取引は見合わせたいと考えます。「未来会計図表」で、 1000万円の受注が成立した場合の損益構造を表してみます(前の下の図)。図でわかる通り、値引きなしで受注した場合には、粗利益率が 44%ですから、 1000万円の売上増に比例して、粗利益が 440万円増えることになります。しかし、今回の受注の条件は 20%の値引きです。値引きした前提で「未来会計図表」を修正すると、次の図のようになります。
本来の値引きなしなら、 440万円の粗利益が獲得できるところ、 20%の値引きによって、粗利益は 240万円に減ってしまっています。ところが、固定費は増えませんので、この案件の受注によって獲得できた 240万円の粗利益は、そのまま経常利益の増加となります。したがって、この案件は 20%の値引きをしてでも受注するほうがよいという判断ができます。最終的に重要なのは、利益の絶対額です。利益の絶対額を増やすことのできる取引なら、積極的に受注すべきであり、率の悪化にこだわる必要はありません。「未来会計図表」を活用すると、このように「値引きをしてでも受注すべきかどうか」という個別の案件(課題)に対して、正しく答えを出すことも可能になります。ぜひ、「未来会計図表」を積極的に活用することをお勧めします。
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