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2 IMAGE―人生を変える「イメージ」の作り方を学ぼう

目次

[親の言葉が行動を決める]

人間の行動パターンを決めるのは前頭前野におけるブリーフシステムの働きです。ブリーフとは「信念」のことで、これにもとづいて人は行動(ハビット)や選択(アティテュード)を実行します。そして、そうした一連の働き自体をブリーフシステムと呼んでいるのです。

信念と聞くと、「その人独自のものの考え」といったような印象を受けますが、ここで私が言う「ブリーフ」とは、すべて他者からの影響のもとに形成されたものです。特に子どもの頃に親が発した言葉はブリーフシステムに多大な影響を与えると言われています。

たとえば、コーヒーはカフェインが入っていてからだによくないと親から言われ続けた子どもは、大人になったとき、コーヒーを飲まなくなるでしょう。あるいは、コーヒーか紅茶のどちらかの選択を迫られたとき、紅茶を選ぶでしょう。

その他にも学校教育の現場やテレビやネットなど、様々な情報によって、ブリーフは形成されます。すなわち、ブリーフシステムとは自ら主体的に作り出したものではなく、他者からの洗脳の結果、生まれたものなのです。

したがって、自分の真の夢を実現するためには、他者やマスコミなどの言葉が作り出す洗脳から自由になる必要があります。そのためには、現在のあなたのブリーフシステムを抜本的に変革する必要があるのです。

[共同体の中での「洗脳」から自由になる]

こうした他者からの洗脳は、大人になってからも続きます。たとえば、あなたが会社を辞めて起業をしようとしたとします。

そうしたとき、周囲の人間は「君には無理だよ」「もっと現実を見なさい」「安定した仕事をどうして捨てるの?」といった一見親身に思える言葉をあなたに投げかけるかもしれません。

しかし、それが洗脳なのです。彼らには現状のあなたしか見えていません。そして、その範囲内で常識的な判断をし、あなたにアドバイスを与えます。あなたはその言葉に影響されて、自分の夢を諦めてしまうかもしれません。

これはドリームキラーと呼ばれる人たちによる典型的な洗脳のパターンですが、そうした洗脳の中にあると、エフィカシーが低下して、現状の範囲内の間違ったゴールを選択してしまうことになります。

[高い自己イメージを維持する方法]

アファメーションを用いることで、強い自己肯定を行い、それによってエフィカシーを上げてゴール達成を確実にする方法はすでに述べました。

ここではさらに、より抽象度を上げた効果的なメソッドを紹介しましょう。

それは「トリガー」と「アンカー」という概念を用いたものです。アンカーとは船の錨のことで、無意識下にある特定の記憶や意識状態のことを指します。

一方、トリガーは銃の引き金のことで、アンカーを水面下から引っ張りだす契機となる言葉や記号、暗示といった情報。

トリガーがきっかけとなって、無意識下にあるアンカーが作動して、無意識状態が強い臨場感となって意識の表面に引き出されるのです。

たとえば、参考書の重要なところに蛍光ペンで線を引くことも同じです。自分の覚えやすい意識状態(アンカー)を、ペンを使うこと(トリガー)で作り出しているのです。

アファメーションにおいては、夢の実現に向かってやる気になっている意識状態や自己イメージをアンカーとして設定します。

アファメーションを行えば、夢に向かう臨場感が高まりますが、翌日になると、自信が揺らいで不安な気持ちになります。

その疑念をすぐに打ち消すために最低でも 1日 2回、朝晩にアファメーションを繰り返し、そのときに必ず音楽をかけるとか、膝に手をやるとか、トリガーとなる行為を行います。

それらを実行することでアンカーが作動し、高い自己イメージを維持している無意識状態が顕在化するのです。

このとき大切なのは、徹底してリラックスすること。リラックスできないと、目の前の現実や身体的な物理空間の臨場感に縛られてしまい、理想の自分やゴールに臨場感を持てなくなるからです。

これを徹底すれば、トリガー行為を行うだけで強い臨場感を伴う無意識を作り出せます。1日に何度でも、「夢に向かう自分」をイメージできるようになれば、無意識にゴールを目指すことができるのです。

[自分の中の価値観がゴールを決める!]

夢やゴールを設定するためには、自分の価値観を明らかにすることも必要になってきます。価値観をはっきりさせれば、あなたの将来のビジョンは、より鮮明に描くことができます。

そのためにルー・タイスは、次の5つのことを試すよう勧めています。

①自分のからだから心臓を取り出して、手のひらに載せるところを想像してみる。目を閉じて、強くイメージします。あなたの心臓を取り出して、 2分間、手のひらに載せてください。その状態で、自分にこう問いかけます。「私が自分の人生で最も望むことは何だろう?」と。

②命が脅かされる出来事を想像(あるいは経験)してみる。命が危険にさらされているとき、人間は自分にとって一番大切なものが何か、はっきりと理解できます。

③痛みを経験する。自らの痛みを経験することは、相手の痛みを想像できることにつながります。ルー・タイスは、痛みは自由や正義といった、その人間の核となる価値観に目を向けさせると言っています。

④自分が本当に幸せだと感じるものは何かを考える。心からの幸せを感じる対象は人によって異なるでしょうが、その上位にくるものは、豪邸や高級車といった物質的豊かさを手に入れることではない場合がほとんどです。むしろ、成熟した人間は、自分が何かを手に入れることよりも、他人に与えることに幸せを見出します。

⑤厳しい質問を投げかける。自分に厳しくこう尋ねてみましょう。「私はこの人生で何に最も価値を見出すだろう?」「何に対して闘うだろう?」「何のためなら命を賭けられるだろう?」といったような厳しい質問を自分に投げかけましょう。

答えとしては、自由、権利、愛する者、生活、健康、自然……など、いろいろなものが考えられますが、あなたも6つか7つ、自分にとって大切な事柄を挙げてください。

それらを大切な順に並べていくと、何を人生の目標にすべきかがはっきりしてきます。こうすることで、自分が本当にどんな人生を送りたいのかが、より鮮明に見えてくるはずです。

それはあなたが心から望む人生であり、自らの「生」のクオリティを決める極めて重要な価値基準となるでしょう。

[「やらされる」から「やりたい」へ]

ゴールを達成する上で、「したい = want to」という思考ほど重要なものはありません。というのも、「したい」という意識は、強烈な創造力を生み出すからです。そして、結果的に現状を抜けて目的地に主体的に向かうことになるのです。

一方、「しなければならない = have to」という意識は、人間にそれをするように仕向けるのではなく、逆に潜在意識がそれをしなくていい理由をいくらでも創出します。

労苦から逃れるために、逃避や回避の行動をとらせるのです。

あなたが現状を抜け出して自らが目指す「目的地」に向かうことは、もはや「しなければならない」ことではありません。

それは、あなたが「したい」ことにほかなりません。

そのためにあなたがとる必要な選択と行動は、そのすべてが「したい」「選ぶ」「好む」という気持ちから沸き起こります。

このようなポジティブな動機を持てば、問題の解決、対立の解消、満足できる最終結果というポジティブなイメージが潜在意識に刷り込まれます。

そして、このことが、最終的にイメージを満足感、達成感、喜びの感情と結びつけ、目標達成を楽しいものにしてくれるのです。

これに対して、「しなければならない」というネガティブな思考を基準にすると、質の高い、自信に満ちた人生を築くことができません。

「したい」にもとづいた選択と行動によってもたらされた結果は、すべてがベストの結果と言うことができます。

「したい」と考え、持てる力を注いだことは、どんな結果が出たとしても、その結果に責任を持つことができるからです。

一方、「しなければならない」として行った選択と行動によって悪い結果が出たときは、すぐに「本当はやりたくなかった」という言い訳を生みます。

「しなければならない」という考えには、結果を受け入れ、責任をとる意思が欠如しているからです。

[不登校のメカニズム]

ルー・タイスは、「何を達成するかは、ほとんどの場合、何を信じるかによって決まる」と述べています。「何を信じるかによって決まる」というのは、どのようなブリーフ(信念)を持っているかによって、あなたが達成できる夢やゴールが決まるという意味です。

ブリーフとは、認知科学的に言えば、その人の前頭葉の前頭前野につくり上げられた認識のパターンのことです。

たとえば、学校で友だちのいじめに遭い不登校になった子どもには、学校は命さえ落としかねない恐ろしいところという認識が生まれます。

その子どもは、いじめをする友だちのことを思い出したり夢でうなされたりするたびに、その強烈な恐怖体験をくり返し追体験します。

すると、しだいに前頭前野に認識のパターンがつくり出され、しまいには会話の中に「学校」という単語が出てくるだけで、からだに震えがくるような重い症状をきたし、最悪の場合、トラウマが形づくられます。

こうして、学校に関連する物事を友だちの苛酷ないじめに結びつける認識のパターンが生まれることによって、先生の名前を聞くだけでからだが震えるという反応が起こるわけです。

不登校の子どもの例は極端かもしれませんが、人間は例外なく、前頭前野にいくつもの強固な認識のパターンをつくり上げています。

この認識のパターンが、人間が持つブリーフシステム(信念体系)です。

[「ブリーフ」が認識のパターンを決める]

ブリーフは、言葉を受け入れることによってつくられます。

その人に、「私は、人前で話したり、何かをしたりするのは苦手だ」というブリーフがあるとしたら、他人がそう吹き込んだか、誰かに人前でちょっとした失敗を笑われたか、そうした他人の言葉を受け入れたことによってそれが生み出されたと言えます。

ちなみに、言語世界では他人が示す態度も言葉のひとつです。このように、外部の言葉を受け入れることによって生み出されたたくさんのブリーフが、人間のブリーフシステムを形づくっているのです。

こうした他動的なブリーフを変えるには、現状よりもハイランクの将来の自分を思い描き、新しいゴールを設定する必要があります。

[自分に対する固定観念を捨てる]

人生のゴールを達成しようと思うなら、まず自己イメージ(他者が自分をどう見ているかを想像することで得られる、自身が作り出す自分の印象)を変える必要があります。

現状の自己イメージに縛られていれば、あなたが本当に望むゴールを見つけることはほぼ不可能です。では、どうすれば自己イメージを変えることができるのでしょうか。答えは、現状のブリーフシステムを壊すことです。

そして、現状のブリーフシステムを壊すためには、「自分はこうあるべきだ」「自分はこうでなければならない」と思い込んでいる、これまでの固定観念に縛られたブリーフをすべてそっくり破棄してみることが重要です。

たとえば、仕事には満足できないが、自分には高い学歴があり、いまの大企業勤めを辞めるわけにはいかないと考えてきた人なら、「本当にやりたい仕事を探すために会社を辞めます」と上司に宣言した瞬間に、現状のブリーフシステムは壊れます。

本当にやりたい仕事がまだ見つかっていないとしても、いまの仕事を辞めてそれを見つけるための行動に踏み切った瞬間に、これまでのブリーフシステムは壊れてしまうのです。

現状のブリーフシステムを打ち壊し、新しいブリーフシステムを獲得すると、これまで思いもよらなかった人生のゴールが見えてきます。

たとえば、「私は知的でおしゃれな人間だから、ファッション雑誌の編集者に向いている」として、誰もが知っている有名出版社に勤めていた人が、数年後、いつのまにか田舎で農業をしていたというような例はいくつもあります。

現状の固定的なブリーフシステムが崩れたことで自分の可能性に気づき、他人がびっくりするような飛躍を遂げることができるのです。

このように、新しい自己イメージとブリーフシステムの獲得プロセスは、自分が本当に望むことを発見するプロセスでもあります。ちなみに、私のことを引き合いに出せば、私の人生のゴールは「戦争と差別のない世界をつくること」です。

[行為へ至る前に脳内に流れるドーパミン]

アファメーションで自分の夢やゴールを書き出したとき、なぜそうなると嬉しいかといった理由も同時に書き出すことが重要です。

たとえば、起業家になって成功するという夢に対してならば、「女性にモテる」や「外車に乗れる」など、思いつくことならば何でも構いません。

「好ましい」と思う理由を書き出すのは、その目標に対する自分のモチベーションを高めるためです。機能脳科学的に言うと、脳に「プライミング」という現象を起こさせるのです。

「こうなると気持ちいい」と考えると、脳内には実際に行動するよりも先にドーパミンが流れ、その行動に向かわせます。プライミングとは、そうした一連のメカニズムのことを言うのです。

たとえば、好きな女性と初めてデートをするとき、男性は相手に好印象を与えようとして、明日着ていく服やデートプランを念入りに考えたりします。

ふだんだったら、面倒で憂鬱なことでも、デートというご褒美を前にすると、すべてがハッピーに感じられるからです。

[種の保存のためのプライミング]

プライミングは実は種の保存という原初的な欲求を支えるためのシステムです。人間を含む動物は種の保存に結びつくことをすると、脳内にドーパミンが流れます。

しかも、性交という行為に至る前に流れ、生物を性交へと促します。なぜならば、性交に伴う快楽は一瞬であり、それだけでは生物を性交へと駆り立てないからです。

プライミングというシステムがあるからこそ、種の保存のための行為へと向かわせるのです。ところで、人間は他の動物に比べて、プライミングのメカニズムが発達しているため、より抽象度の高い世界に対してもプライミングを働かせることができます。

たとえば、「戦争や飢餓のない世界を実現させたい」といった高次元の目標にも、プライミングを仕掛けることは可能なのです。

ゴールの実現に向かい、積極的にプライミングが働く脳をつくれば、高いモチベーションが維持できます。そのためには、「好ましい」と思うことを書き出していく行為が大切になります。

[ハビットとアティテュードに変化をもたらす]

人間の行動はブリーフシステムによって無意識のうちに決定されます。そして、このブリーフシステムを形づくっているのが過去の強い感情を伴った記憶、すなわち情動記憶です。

たとえば、過去に親に「コーラを飲むと虫歯になるから飲んではダメ」と強く叱責されたことがあれば、それが情動記憶として刻まれ、前頭前野に「コーラを飲んではいけない」というブリーフシステムが形成されます。

そして、それは現実世界においては、ハビットとアティテュードとして表出されます。ハビットとは一般には習慣と訳されますが、この場合は日常生活の中で無意識に行うことすべてを指します。

先の例で言えば、他人にコーラを勧められても、それを断るという行為として具現化します。これに対して、アティテュードは行動の性向、あるいは無意識の選択を意味します。

たとえば、コーヒー、紅茶、コーラの中から飲み物を選ばなければならない状況で、無意識にコーラを選ぶことを避けるようなことです。

このようなハビットやアティテュードは過去の記憶、情動記憶によって形づくられますが、両者は必ずしも現在のゴールと合致しているわけではありません。

むしろ、現状を固定化することで、ゴールへと至ることを阻害するおそれがあります。私たち人間は、放っておくと現状を肯定し、いつまでも同じ状態であろうとします。

なぜならば、慣れ親しんだ思考様式や習慣の中に居ることのほうが、現状の外(それは未知なる世界であり、恐怖の対象でもある)に出るよりも安心で心地いいからです。

そして、もしも少しでも現状の外に出ると、元に戻す力(ホメオスタシス)が働き、自分にとって居心地のいい状態(コンフォートゾーン)が維持されるのです。

しかし、現状のコンフォートゾーンの中に居続けて、過去の情動記憶が作り出したハビットとアティテュードに縛られたままでは、あなたが目指す本当のゴールにはたどり着けません。

ゴールを達成するには過去の情動と、それが生み出したハビットとアティテュードからなるブリーフシステムのドラスティックな改変が必要になるのです。

[思い込みが生み出す死角]

現状のブリーフシステムを壊すという課題は、じつはスコトーマ(心理的盲点・死角)とも密接に関連しています。人間の思い込みは、物理的な障害物だけでなく、大きな死角を生み出します。

たとえば、家から急いで出かけようとしたときに、財布が見つからなくなったことはないでしょうか。しかも、あなたはこれから大切な出張に出かけなければならないのに、間の悪いことに新幹線のチケットは財布の中にあります。

こんなときは、「財布がない!」という焦りがどんどん膨らんでいきます。いたずらに時間が過ぎ、焦りが募れば募るほど、財布を見つけることができなくなっていきます。しかし、何かの拍子でテーブルの上に無造作に投げ出された財布が目にとまります。

「そこは何度も捜したはずなのに!」と、あなたは狐につままれたような気分になるわけです。認知科学的に見れば、これは思い込みが障害物になって、死角をつくりだしたことが原因と言えるでしょう。

「財布がない!」と強く思い込むことによって、目の前にある財布が視界から消えてしまったわけです。

[スコトーマが現状の外を見えなくさせる]

人生のゴールを考える上で、ブリーフシステムを壊すこととスコトーマの関係は、かなり難しい問題です。

何とかして人生のゴールを達成しようと思っても、あなたに見えている世界が昨日と同じ現状であれば、どんなに努力したところで不満を解消することはできないでしょう。

なぜなら、人生のゴールを達成する具体的な方法は、いまあなたが見ている現実世界にはなく、スコトーマがかかっていまは見えていない現状の外側にあるからです。

現状のブリーフシステムを壊すためには、アティテュードを変えることも一つの方法です。

アティテュードの変え方はいろいろありますが、自分が持つ現状のブリーフやブリーフシステムとはまったく逆の考えと立場を意識的にとることが、一番いいかもしれません。

たとえば、会社の上司に不満があるのに、唯々諾々と従わざるをえない場合、思い切ってその上司に罵声を浴びせてはどうでしょうか。

そうしたことで、いままで見えなかった世界が見えてくるかもしれません。

[ゴール達成をサポートする心強い考え方]

ルー・タイスは、目的的志向を身につける8つの原則を挙げましたが、それを日本人的な感覚にアレンジして紹介してみましょう。

○目的的志向の原則 1 行動を起こす前に心の準備を整える 目的的志向を働かせ、ゴールを達成するには、まず現状を解消しなくてはなりません。新しいコンフォートゾーンを獲得し、その新しいコンフォートゾーンで快適にふるまう自己イメージをつくりあげるのです。

○目的的志向の原則 2 イメージの中の現実を変える 新しいイメージを強く視覚化すると、人間はそれまでの古いイメージに不満を覚えます。そして、それが大きなエネルギーになって、問題解決やゴール達成に向かわせるのです。

○目的的志向の原則 3 目標の設定は「そこまで」ではなく、「その次」を考える ゴールを設定するときは、現状からできるかぎり遠く離れたところに設定してください。

○目的的志向の原則 4 普通ではないことを普通にする いまのあなたにはほど遠い、冒険的なライフスタイルも、エキサイティングな事業も、それを内的な経験としてリアルに強くイメージし、その経験を潜在意識に刷り込んでいくことで、普通に実現できることになります。

○目的的志向の原則 5 機会を逃さず、自分に逃げ道を与えない 逃げ道を用意するネガティブな気持ちは、あなたの潜在意識を動かして、あなたの目的的志向を働かなくさせてしまいます。

○目的的志向の原則 6 自分の価値にふさわしいものを選ぶ 人生のゴールを達成したときの自分の価値にふさわしい考え方をしましょう。

○目的的志向の原則 7 ゴールに向かって成長する いまの自分には大きすぎると思うようなゴールを設定することから始めましょう。大きなゴールを掲げることができたら、それに向かって自分を成長させていきます。

○目的的志向の原則 8 リソースについて心配しない 人生のゴールを設定する際には、あらかじめリソース(資源)を考慮に入れる必要はありません。なぜなら、ゴールを設定すればスコトーマが外れ、いままで見えなかったリソースの在り処が見えるようになるからです。

[目的的志向を支援する]

目的的志向を働かせて、人生のゴールを達成するのに重要な3つの要素をまとめると、次のようになります。

①イメージ 将来像への新しいイメージを持てば、あなたの五感すべてがそのイメージに照準を合わせるようになります。見るもの、聴くもの、触るもの……など、すべてがこれまでとは違ってくるはずです。

②言葉 目的的志向をうまく働かせるためには、自分が使う言葉に注意を払わなければなりません。これまで説明したように、何を話すかは、あなたのブリーフをつくり出します。言葉の選択によって、あなたはよい方向にも悪い方向にも導かれるのです。

将来に対して新しいイメージを持つと、ゴール達成に必要なすべてが、「したい」「選ぶ」「好む」というセルフトークに変わってきます。

もし変わってこなければ、思い浮かべているゴールが本当に望む人生のゴールではない、ということです。新しいイメージは、現状に対する不満をも鮮明にするはずですが、そのせいで現状への不満に囚われた思考をくり返し、周囲の人の悪口をいったり、自分が置かれた状況を呪ったりしてはいけません。周囲の人や環境のせいにする自己正当化は、結果的に現状を肯定する方向に作用します。

③情動 情動がなければ、ゴールに向かう情熱も湧いてきません。

実は、目的的志向が働くときは、ゴールを実現する自分の姿がいまの現実よりもリアルに感じられている、という状態が脳の中に生まれています。人間はよりリアルに感じている方のゲシュタルトを選択し、それに合致した行動をとります。

とすれば、あなたは人生のゴールをリアルに感じなければなりません。ゴールを達成した自分というゲシュタルトを、脳に選択させなければならないからです。人生のゴールのイメージに情動を結びつけることは、とても大切なのです。

なぜならば、アファメーションをより効果的なものにする道具である臨場感は、ゴールを達成した際に感じる気持ちに類似した過去の情動記憶と結びつくことで、より強固になるからです。

[名伯楽マーク・シューベルト]

ルー・タイスの愛弟子のひとりに、マーク・シューベルトという方がいます。彼は『白鳥の歌』など数々の名曲を残したフランツ・シューベルトの末裔です。

実は、シューベルトさんはアメリカが生んだ驚異的な競泳選手、マイケル・フェルプスのコーチを務めた人なのです。

ご存じのように、フェルプス選手は 2008年に行われた北京オリンピックでは、前人未到の金メダル 8冠王に輝きました。

[オリンピックで競う自分の姿をイメージする]

シューベルトさんがフェルプス選手のコーチに就いたのは、彼がまだアメリカ国内の有望選手のひとりにすぎなかった 13 ~ 14歳のころのことです。

それ以来、幼いフェルプス少年に、目標達成のためのコーチングが施されました。

シューベルトさんはオリンピック出場を決める以前の彼に、自らの成功イメージを徹底的にビジュアル化するようアドバイスしました。彼がまだ、年齢別の全米水泳でトップにも立っていなかったころのことです。

フェルプス選手は毎晩ベッドに入ると、天井のあたりを見つめ、そこにオリンピックの決勝戦を泳いでいる自分の姿を描きました。いや、念じた、といったほうが正確かもしれません。

決勝戦の出場メンバーは誰で、自分はどのコースを泳ぎ、どのように一番のライバルに競り勝って優勝するのか。そうした具体的なイメージを、強く思い描いたのです。

フェルプス選手は、出場イメージを脳裏に焼きつけながら眠りにつくのを日課にしました。私はフェルプス選手と面識はありませんが、オリンピックで競う自分の姿をイメージするときは、同時にセルフトークを行っていたことでしょう。

たとえば、「私はすごい選手だ。もうこんなに 2番手を引き離している」とか、「泳いでいるときは、最高の気分だ」などです。

このようにゴールを達成した自分の姿を強く思い描きながら、そのときに達成していることを自分に語りかけるのがアファメーションなのです。

前にも触れたように、アファメーションは「なりたい自分」になれる魔法の言葉です。アファメーションであなたの人生は劇的に変わります。

[趣味のゴールが決まれば仕事のゴールも決まる]

人生の目標について訊ねると、一番多い答えが「仕事」です。確かに生活の中で仕事に関わる時間は大きなウェイトを占めますが、人生という枠組みの中では、仕事はたくさんあるゴールのうちの一つに過ぎません。

同じくらいに、健康や趣味、家族や地域社会への貢献といったことも重要です。私たちが考える幸福とは、これらの幸福がバランスのよい状態のことです。

仕事やお金以外の幸福を手に入れようとすることは、ゴールを設定する上で大事なことだと思います。

これを「バランス・ホイール(もともとはタイヤの内側にある複数の棒状の金属)」と呼んでいますが、要は仕事だけでなく、家庭や人生、精神的なことについてのゴールも取り入れなくてはいけないということです。

私が常々感じているのは、自分の「趣味」は仕事と同じぐらい悩んで決める必要がある、ということです。趣味は直接的に自分の役に立つわけではないですが、徹底的に好きでないとできません。

考えただけで嬉しくて仕方がなくなり、他の時間を削ってでもやりたいほどのことでないと、趣味とは言えません。実は、趣味のゴールを見つけられたら、職業のゴールを見つけるのも容易なのです。

なぜならば、職業のゴールも、趣味のゴールと同じくらいわくわくできて楽しいものでなくてはならないからです。趣味に対する熱意と同じベクトル量を仕事でも持てれば、仕事のゴールは簡単に見つかるでしょう。

このように人生の様々な方向性に対してそれぞれゴールを持つのは大切なことです。

たとえば将来の夢で「サッカーの世界最高峰リーグの F Cバルセロナで活躍したい」と考えたとします。これは仕事のゴールと言えます。これに「世界中の子どもたちにサッカーの楽しさを教えたい」という社会貢献に対するゴールを加えます。

あるいは「結婚したら、家族と過ごす時間を大切にしたい」という家庭に対するゴールを加えていきます。このように人間のゴールは一つだけではありません。要は複数のバランスのとれたゴールを設定することが大切なのです。

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