PART 4「相談」がミスを防いで、実力をアップさせる 00「相談」とはどんなものか? ◆「相談」は共有する情報の性質が違う 報告と連絡は、会社という組織をタテ糸とヨコ糸のように貫く情報のネットワークでした。では、報連相の最後に残った「相談」は、一体どんな働きをしているのでしょうか? 相談も、情報を共有するという面では報告や連絡と同じです。ただし、相談の場合は、共有する情報の性質がやや異なります。 報告や連絡で共有する情報は、主に業務に関する進捗状況や、その周辺のさまざまな情報、たとえば他社の動向や競合商品の価格といった、純粋な情報であることがほとんどでした。これに対して相談が共有する情報は、「この仕事はここに問題がある」「もっとこうした方がよい」「これはこうした方がよいのではないだろうか」といった問題意識や提案など、全体のレベルを引き上げる性質の情報なのです。 何か問題が起こったときや、仕事のやり方がわからないときに行う相談はどうでしょうか? 実はこれらも同じです。相談することで、どこが問題なのか、どういう問題なのかといった情報を関係者が共有することができ、その問題への解決策を見出していく過程で、相談者のレベルも全体のレベルも引き上げられるのです。 ◆「相談」は高さ方向へのレベルアップ ここまでの解説をまとめると、次図のようになります。報告のタテ方向、連絡のヨコ方向に対して、相談は高さの方向への共有化です。 報告と連絡によって、職場のタテヨコに情報の共有化が行われます。そして、相談によってその職場はより上のレベルへと引き上げられます。より高いレベルになればなるほど、問題意識が高く、積極的な提案がなされている職場であるということです。 報告と連絡によって職場の風通しをよくし、相談によってより効率的で強い組織へとレベルアップしていく――。これが、私の考える報連相の報告・連絡・相談、それぞれのイメージです。
◆「相談」は 2種類に分けられる 相談をさらに細かく分析すると、2つに分けられます。 次図は、相談者の成長と共に、相談によって共有される情報が変わっていく様子を示したものです。 相談者の能力がまだ発展途上のうちは、仕事でわからないところを上司や先輩に聞く形の相談が行われます。まずは与えられた仕事を正しく行えるように、足りないところを上司や先輩の知識で補うのです。 そうすることによって、相談者は自分自身の能力を引き上げることができます。これを、「仕事を正しく行うための相談」としましょう。 ところが、相談者が成長して、ひと通りの仕事を上司や先輩に聞かなくてもできるようになってくると、相談の内容が変わってきます。 仕事を行う中で気づいたことや考えたことを上司と共有して、提案する形の相談になってくるのです。こうなってくると、その相談によってチーム全体の効率や成果が引き上げられることになります。 こちらの相談は「仕事を変えるための相談」です。 この章では、この2つの相談の具体的なコツを、順番に解説していきます。
01 仕事を抱え込まず、わからなければすぐに教えてもらおう ◆「自分 1人で解決した!」はマイナス評価 最近の若手社員には、「上司や先輩にアドバイスをもらいながら仕事を進めるのは格好悪い」「自分で完結できなかった仕事は失敗である」という考えを持っている人がいます。特に、男性の若手社員に多いようですね。 こうした考え方は、独立心が旺盛で積極的なのはよいのですが、わからないことがあっても自分 1人で何とか完結させようとしてしまい、上司に相談するタイミングが遅れがちなのが問題です。 経験の少ない新入社員が、わからないことを自分の判断だけで処理するのは危険きわまりない行為です。 たとえうまくいったとしても、上司からは「いつ問題を起こすかわからず、危なっかしいヤツ」という見方をされてしまいます。 若手社員の思惑とは裏腹に、自分 1人で仕事を抱え込めば込むほど、マイナスの評価をされてしまうのです。 ◆独立心を、コミュニケーションから逃げるための口実にしない! 頭を切り換えて、わからないことを聞くのは「当然のこと」だと考えるようにしましょう。躊躇せずにすぐに上司や先輩に相談して、間違いを防ぐのです。これが、「仕事を正しく行うための相談」の基本です。「こんな事で相談したら怒られるかもしれない」とか、「こんなことを相談したらバカにされるかもしれない」と感じることもあるでしょうが、それは、上司や先輩とコミュニケーションをしなくてもいいようにするために、自分で作り上げた口実であることも多いものです。「こんなこと」も正しく処理できなければ、お客さまや職場の同僚に迷惑をかけてしまうのは明らかです。どんなに恐い上司や先輩であっても、わからないことがあったら勇気を出してすぐに相談し、正しいやり方を教えてもらうようにしてください。
02 10分間の準備があなたの相談をスムーズにする ◆「相談」する側にも準備が必要! 仕事を正しく行うため、わからないことがあったらすぐに相談しなければならないのは前述した通りです。グズグズしていると、何らかの形でトラブルに発展しかねません。 ただし、上司に相談を持ちかける前に、上司が状況を理解できるように最低限の情報を用意しておくことが必要です。 あなたにとっては目の前の問題ですから事情がわかっていますが、相談を持ちかけられる上司や先輩にとっては、急に飛び込んできた「初めて見る案件」です。正確に状況を理解してもらえるように、あなたの頭の中でもある程度情報を整理し、必要な資料なども用意してから相談を持ちかけましょう。 何が問題になっていて、上司や先輩に何をしてほしいのか、自分はどうしたいのか、目的意識や相談の着地点を明確にしておくと、さらに効率的に相談に臨めます( → Part 4の 08参照)。 このステップを省略すると、相談を受ける側はなかなか事情が飲み込めません。私もよく相談を受けますが、確かにまずい状態であることは感じ取れるのですが、何がどうしてこうなってしまったのか、何をしてほしいのかが理解できない場合が多いのです。そうした相談を受けたときには、状況を把握するのにやたらと時間がかかってしまい、「段取りが悪いなぁ」と感じてしまいます。こういった印象を相手に与えないためにも、多少の準備を忘れないようにしましょう。 ただし、資料を用意したり、頭の中で物事の筋道を立てたりするのにあまり時間を取っていては、今度は相談のタイミングが遅くなってしまいます。バランスが重要なのです。 具体的に言うと、 10分間を1つの目安にするとよいでしょう。これ以上準備に時間をかけていると相談のタイミングが遅くなってしまいますし、 10分あれば必要な資料は大体準備できるものです。 03 上司の前に、まずは先輩社員のフィルターを通す ◆すぐに上司に聞いていると煙たがられる 相談するとき、まず誰に相談を持ちかけようか悩むことはありませんか?「仕事を正しく行うための相談」の場合、最初に相談を持ちかけるべき相手は同じ部署の先輩社員です。 先輩社員は、あなたが今行っている仕事と同じことを、何年か前の新人時代に担当していたことがあるのが普通です。わからない部分や問題になる部分はだいたい同じですから、同じ部署の先輩に聞けばほとんどの問題は解決できるのです。 そして、先輩社員に相談しても解決できないようなことだけを、上司へと持ちかけるようにします。 この順番で相談することで、上司は新人の部下に細かい指示をすることから解放され、部署全体の舵取りに専念できるようになります。上司というのはとても忙しいものですから、同じ部署のほかの社員が知っていることであれば、先にそちらに相談してほしいと思っています。何でもかんでも先輩社員を飛び越えて上司に相談していると、上司に煙たがられてしまうということです。 もちろん、先輩社員が席を外しているなどの場合は例外ですから、直接、上司に相談します。
04 上司や先輩に丸投げせず、自分の考えを持とう ◆上司の判断に頼りすぎないこと 仕事でわからないことがあったら、勝手な判断をせずにすぐに上司や先輩に相談するのが基本( → Part 4の 01参照)ですが、これは、自分では何も考えなくてもよいということではありません。「仕事を正しく行うための相談」では、やりようによっては手を抜くことが簡単にできます。疑問が浮かんだら、自分では何も考えずにとにかく「どうしましょうか?」と相談を持ちかけて、考えることをすべて上司や先輩に丸投げしてまう「省エネ相談」です。 こういう相談の仕方をしていれば、自分で考えなくてもよいのでとてもラクです。ですが、考えることを相談相手に委ねる悪習が身についてしまうと、実力がいつまで経ってもつきません。自分の意見がない、言われたことをするだけのマニュアル人間になってしまい、相談の本来の目的であるレベルアップができなくなってしまうのです。 ◆いつでも「私はこう思います」と応えられるようにしておこう 上司・先輩の知識や経験を教えてもらうときには、常に自分なりの意見や考え方を持つべきです。「自分ならどうするか」「どうしたらよいのか」と考えながら相談することが、自分の能力を引き上げるための第一歩です。 第一、そういう自分の意見がなかったら、上司や先輩に「で、君はどうしたらいいと思う?」と切り返されたときに対応できません。 この切り返し、実は私もよく使います。何でもかんでも相談してきて、自分で考えることを放棄しているような人は絶対にこの質問に答えられませんから、ただオロオロするばかり。こんな人を見るとがっかりしてしまいます。 自分なりの考えや意見を持ちながらも、 1人で勝手な判断をせずに相談する。もし意見を問われたら、しっかりと説明する。 これが、本当の「仕事を正しく行うための相談」なのです。
05 あせらずに少しずつ、相談のレベルを上げていく ◆まずは、言われた通りの仕事ができるようになること! 新人のうちは、とにかくわからないことがあれば相談して、自分のレベルを上げていくことに努めます。「仕事を正しく行うための相談」ですね。 このレベルでは、とにかく言われたことがその通りにできるようになるのが先決です。そして、ある程度仕事に慣れてきたら、少しずつ相談のスタイルを変えて、「仕事を変えるための相談」を目指します。 具体的に言うと、最初は仕事でわからないことや問題になっていることについて、自分なりの解決策や改善策を考える習慣を身につけます( → Part 4の 04参照)。そして、アイデアが出てくるようになったら、相談の際に自分の意見としてときどきつけ加えるようにします。これに慣れれば、自然に「仕事を変えるための相談」ができるようになっていくはずです。 06 何かを変えたいと思ったら、実行に移す前に相談する ここからは、「仕事を変えるための相談」について解説していきます。まずは、相談を持ちかけるタイミングについて述べていきましょう。 ◆判断まではあなたの仕事だが、決定できるのは上司だけ 相談は、より効率的な仕事のやり方を追求するためのツールですが、その目的を達成するためなら勝手に仕事のやり方を変更してもよい、というわけではありません。たとえば、次のようなケースを見てください。 ×悪い例 ある営業所では、従来、得意先に月 2回の訪問を実施していました。 新人の渡辺君は、あるとき、訪問を月 1回に減らして、その分の時間をほかの得意先を開拓する時間に充てようと考えました。メールでの連絡が増えたために、月に 2回も訪問する必要性がなくなったと感じたからです。 上司には相談することなく、渡辺君はその考えを実行に移しました。 新規のお客さまの開拓に充てる時間が増えたことで、渡辺君は新しい得意先を次々に獲得できました。渡辺君は自信満々です。 ところが、渡辺君が営業ミーティングでそのことを報告した途端、「何を勝手なことをやっているんだ!」と上司から大目玉を喰らいました。 このケースは、まさに相談の本来の目的である「より効率的な仕事のやり方」を追求した例です。実際に、新規の得意先
得意先の獲得という成果も上がっています。それでも、渡辺君は叱られてしまいました。成果が出ているのに、なぜ叱られてしまったのでしょうか? ここまで読んできたあなたなら、もう理由はわかりますね。仕事のやり方を変更することについて、上司にあらかじめ相談していなかったからです。 ビジネスで何かを変更しようと思ったら、実行に移す前に必ず上司に相談しなければなりません。 現場のさまざまな情報から、「こうした方がよいのではないか」「こうした方が結果が出そうだ」と自分なりの状況判断をするところまではあなたの仕事ですが、それを実行に移すかどうか決める権限を持っているのは、あなたの上司だけだからです。 ◆決定権限のルールがチームの秩序を維持している これは、会社に限らず、あらゆる組織で決められている決定権限のルールなのです。決定する者と、その決定を実行する者を明確に分けておかないと、組織というのはまともに動かないのです。このルールが、チームの秩序を維持するのです。 面倒に感じるかもしれませんが、これは会社(チーム)で働く者の宿命です。どうしても自分 1人で物事を決めて動きたいというのであれば、会社を辞めてフリーで働くか、自分が経営者にならないといけないのです。 ◆上司を納得させれば、あなたの意見でチーム全体が変わる 決定権限のルールにはメリットもあります。 仕事のやり方を勝手に変えたら叱られてしまいますが、実行する前にあらかじめ相談して、上司の許可さえもらっていれば、たとえ新しい試みの結果、何か問題が起こったとしても、自分だけが責任を問われるということはなくなります。新しい試みが常に成功するとは限りませんから、これは重要なことです。 また、上司さえ納得させることができれば、チーム全体をあなたの意見で変えることも可能です。自分の考えによってチーム全体が変化し、レベルアップしていくというのはとても嬉しいものです。 とにかく、アイデアが浮かんだら、勝手に実行に移さずにあらかじめ相談することを徹底してください。例に挙げた営業所の渡辺君も、アイデアを実行する前にひと言上司に相談してさえいれば、営業ミーティングで褒められていたはずです。 07 新しいアイデアも、 1週間放置したら色あせ始める ◆ 3日から 1週間のうちに相談する「仕事を正しく行うための相談」では、すぐに相談しなければトラブルに発展してしまうケースを考慮し、 10分以内に相談内容をまとめることを目安としました( → Part 4の 02参照)。 しかし、「仕事を変えるための相談」では、もう少し時間をかけて資料を用意したり、考えをまとめてから相談しても問題ありません。 ただし、これもあまり時間をかけすぎると、状況が変化してしまったり、気づいたことを相談しようとする気持ちの勢いがなくなってしまいます。アイデアが新鮮なうちに、早め早めに相談するように心がけましょう。 これにも具体的な目安を示しましょう。アイデアを思いついたら、できれば 3日、遅くとも 1週間以内には、上司や先輩に相談を持ちかけるべきと心得てください。 ◆忙しそうな上司に相談を持ちかけるには? ただし、相談を受ける上司や先輩の側にも予定や都合があります。上司や先輩に、「ただでさえ忙しいのに……」と思われないように、タイミングを測って相談を持ちかける必要があります。 では、上司や先輩にとって、相談を受けるのに適切なタイミングとはどんなときでしょうか? 当然、それほど忙しくなくて、余裕のあるときになります。ただ、そうした時間帯がいつなのか、部下の側からはなかなかわかりませんよね。 判断がつかない場合は、「 ○ ○の件の相談で 20分ほど頂きたいのですが、お時間はありますでしょうか?」と、素直に
聞くのがよさそうです。 そのとき手が空いていればすぐに対応してくれるでしょうし、忙しければ予定を組んでくれるはずです。 報告の章で紹介した、忙しい上司の時間を奪う作戦も参考になるでしょう( → Part 2の 04参照)。ただし、相談は報告よりもじっくりと時間を取って行うものですから、外出先から戻ってきたばかりのときや、出かける直前などのスキマ時間を利用する作戦は避けるべきです。 相談も報告と同じく、上司の時間を奪う行為です。上司にとっては、相談に乗るのも仕事のうちではあるのですが、突然持ちかけられる部下の相談を負担に感じることがあるのも事実です。「上司だから相談に乗ってくれて当然だ」とは考えず、時間を取って頂いたことに対して感謝し、お礼を言うのを忘れないでください。 08「相談メモ」で内容を整理する ◆メモに落とし込むと、考えが具体化する 相談は、報告や連絡とは違って抽象的な内容になることが多くあります。 そのため、相談内容をあらかじめ頭の中で整理しておかないと、いざ上司や先輩と話をするときに、考えていることをうまく伝えられずに困ってしまうことがあります。自分の頭の中では「わかっている」のに、それを相手に伝えられないのです。 そういう事態を避けるため、相談を持ちかける前に頭の中の曖昧な状態の考えを紙に書き出して、具体的な相談メモという形に「落とし込んで」おくのがオススメです。 相談メモに含めたい内容は次図のようなものですが、これはあくまでも一例で、アイデアの要点がまとまっていればどんなものでもかまいません。 アイデアを相談メモに落とし込んでいくと、頭の中で考えていただけでは気づかなかった問題や、考えが足りなかった部分などが浮かび上がってきます。
相談メモを完成させるためには、そうした曖昧な部分を具体的な言葉にしていかないといけませんから、ただの思いつきで相談しているときよりもグッと具体的な内容の相談になるのです。 上司や先輩の側にとっても、相談メモがあるとあらかじめポイントが整理されているので、部下から情報を引き出す必要がなく、短い時間で的確なアドバイスを与えることができます。 相談を持ちかける前に時間的な余裕がある「仕事を変えるための相談」では、こうした相談メモを使うのが非常に効果的なのです。 ◆相談メモは手書きで充分 注意したいのは、あまり書式や見た目にこだわらないことです。それこそ手書きのメモ 1枚でかまいません。 要点を簡潔な表現で箇条書きにしてあり、言いたいことがわかればそれで充分です。 09「オレオレ相談」にならないように気をつけよう! ◆相手の意見を聞く気がない「オレオレ相談」 私が受けて困る相談者に、相談しているように見えて、実は自分の意見を聞いてほしいだけで相手の意見などハナから聞く気がない、というタイプの人がいます。 たとえば、「相談があります」と部下の方から持ちかけてきたにもかかわらず、こちらがアドバイスをしても、「いや、それは……」と、何だかんだと理由をつけてはねつけるようなタイプです。 こうした人たちの相談スタイルのことを、「オレオレ相談」と名づけました。 オレオレ相談は、完全な一方通行のコミュニケーションですから、もとより相談者は上司や先輩の意見を聞く気がありません。こういう相談をされると、「人の意見を聞く気がないのなら、相談する必要はないのに」「時間の無駄だなぁ」と思ってしまいます。 ◆相談は上司や先輩の意見を聞くためのもの ビジネスで行う相談とは、どんな内容のものであれ、上司の知識や考えと自分の知識や考えをすり合わせて、第三のよりよいアイデアを導くためのものです。 仮に、相談の結果あなたの意見が 100パーセント通ったとしても、それは上司とのすり合わせの結果、たまたまそうなったのであって、最初からあなたの意見や考えがそのまま通ったものではありません。 だから、最初から相手の意見を聞く気がないオレオレ相談では、そのすり合わせができず、相談にならないのです。 自分の意見を述べたら、それについての相手の意見を謙虚な姿勢で聞くようにしてください。そもそも相談とは、そのために行うものなのです。 上司や先輩は、若手社員のあなたよりも多くの経験を積んでおり、業務についての知識も豊富に持っています。そうした人の視点から見て、あなたの意見や提案がどう見えるのかを聞くのが相談なのです。
◆上司や先輩のアドバイスは、不安に思われている証拠 相談の際に、上司や先輩が意見をつける部分は、彼らが不安に思っている部分であることも知っておくとよいでしょう。上司や先輩の知識や経験に照らし合わせて、あなたの提案の中で「危ないな」と感じられる部分に意見をつけてくるのです。 逆に言えば、意見をつけられなかった部分は上司も問題ないと考えているということです。その不安になっている部分さえ改善すれば、あなたの意見や提案が通るかもしれないのです。 上司や先輩のアドバイスには真摯に対応することです。そうすることが、彼らの不安を解消し、あなたのアイデアの実現につながります。オレオレ相談では、いつまで経ってもあなたの意見や提案は実現されませんよ。 ◆相手の意見を聞く姿勢を持つと、気持ちの余裕も生まれる また、上司の考えを聞く姿勢を持っていると、気持ちに余裕ができて、上司の表情や身振り手振りなど、自分の意見を一方的にまくし立てているときには気づかなかった部分にまで注意を振り向けることができます。 そうすると、上司の言葉の裏にある本音や期待まで、敏感に感じ取ることができるようになります。 上司の側でも、部下が自分の意見をよく聞いているのがわかれば、よりリラックスして、細かい部分にまでアドバイスしたり、指示してくれるようになります。「相談」で上司の意見を聞く姿勢を持つことは、とても大切なことなのです。 10 チームの一員として、一人ひとりが助け合う姿勢を持つ ◆チームの重荷にならないように! 相談をするときには、自分のためだけの相談にならないように心がけることも必要です。 たとえば、会社全体の方針転換によって、あなた個人の業務の内容が変わったり、増えたりすることがあります。こんなとき、自分の事情だけを振り回して無茶な相談をすると、評価を下げてしまいます。 もちろん、急激に業務が増えて手が回らないとか、新しい業務に慣れないので仕事のペースを落としてほしいといった事情を、相談するなと言っているわけではありません。合理的な理由があれば、こうした事情はむしろ積極的に相談してほしいくらいです。 そうではなくて、そういう相談をするときには、自分 1人の事情だけを考えずに、会社という大きなチームの一員であるという意識を持って、解決方法を考えたり、上司のアドバイスを受け入れたりしてほしいのです。 どんなに相談を重ねても、チームの一員として助け合う気持ちがなければ、あなたにとっては効率的な仕事のやり方になったとしても、チーム全体にとってはあなたが重荷になるという状況になりかねません。 自分がチームの一員であるということをしっかりと自覚し、皆で助け合いながら全体として成果を上げていくのだということは、忘れないでくださいね。
11「相談結果の報告」が次につながる! ◆結果がよくても悪くても必ず報告する 上司や先輩に相談に乗ってもらったら、アドバイスに従って自分なりに物ごとを進めることになります。そうして、その案件にひと段落ついたら、相談に乗ってもらった人に結果を報告して、アドバイスしてもらったことへの感謝を伝えます。目の前の仕事に夢中になってついつい忘れがちですから気をつけましょう。 これは、相談に乗ってもらった結果がうまくいかなかった場合や、さまざまな事情でアドバイスされた対策を見送った場合でも同じです。 相談された側からすると、自分のアドバイスの結果がどうなったのか気になるものです。どうなったかわからないというのは気持ちが悪いので、結果がよくても悪くても、とにかく知りたいのです。 ◆相談に乗ってくれた人全員に報告する 結果の報告がしっかりされると、上司や先輩は次の相談にも気持ちよく応じてくれます。逆に、相談結果の報告がないと、相談に乗ってあげる甲斐がないので気が乗らなくなってきます。いつでも気軽に相談できる雰囲気を維持するためにも、相談結果の報告が必要なのです。「指示」と「報告」と同じで、「相談」と「相談結果の報告」はセットなのだと心得ておきましょう。 なお、相談に乗ってくれた人が複数いる場合は、面倒がらずにその人たち全員に報告をします。また、相談相手を紹介してくれた人がいる場合には、その仲介者にも結果の報告をしてください。 とにかく、関係した人全員に結果を報告するということです。
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