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1 「報連相」の前に知っておきたいこと

04「 5 W 1 H」で情報の伝達ミスを防ぐ! ◆ヌケやモレを防ぐための約束ごと 報連相で共有する情報は、 5 W 1 Hをすべて網羅するように心がけます。 これは、報連相に限らず、ビジネス・コミュニケーションすべての基本となるルールです。仕事でやり取りされる情報は、可能な限りこの6つの要素を押さえていなければならないのです。 5 W 1 Hの内容は、次の図の通りです。これに、 H o w much?(いくらで?【価格】)と H o w many?(いくつ?【数量】)を加えて 5 W 3 Hとしたり、さらに Who?(誰が?【自社担当者】)と Whom?(誰に?【お客さま】)を分けて 6 W 3 Hとしたりと、さまざまな派生形がありますが、本書では基本形の 5 W 1 Hで説明していきます。 5 W 1 Hをおろそかにして、6つの要素のいくつかが欠けた情報をやり取りするとどうなるのか、次のケースを見てください。 ×悪い例 当社では、ゴミ削減の一環で、自分が持ち込んだゴミは社内では捨てずに自宅に持って帰る、ということが決まりました。 私が担当者でしたから、早速上司に、「今度から、持ち込んだ個人のゴミは、会社で捨てることはできなくなりましたのでよろしくお願いします」と、メールで簡単に報告しました。上司は、そのメールを部内に一斉転送して連絡しました。 ところが、途端に「なぜですか?」「今度っていつですか?」「会議で出す弁当はどういう扱いですか?」などと質問メール攻めにあい、メールの返信に苦労しました。 5 W 1 Hで表される6つの要素は、物ごとを言葉で表すときに外すことができないものばかりなのです。悪い例のメール報告のように、このうちのどれか1つでも欠けてしまうとその情報は不完全になってしまい、上司が正しい判断をすることができなくなったり、業務に支障をきたしたりします。 逆に言うと、 5 W 1 Hの 6項目をカバーしていれば、その情報は一応、モレもヌケもなく、必要な情報をすべてカバーしていると仮定する約束ごとでもあります。 報連相で情報を共有する際には、 5 W 1 Hのすべてを網羅しているかどうかを必ず確認する、と肝に銘じておきましょう。 ◆不完全な情報は完全な情報に変えてあげる とは言え、仕事でやり取りする情報が、いつも 5 W 1 Hをカバーしているわけではありません。連絡されたり指示された情報が、 5 W 1 Hのいくつかが抜けた不完全なものであることもあります。こういう場合、どうしたらよいのでしょうか? 正しい対処法は、手間を惜しまずに確認して、欠けている部分を補ってあげることです。具体的には、次の例のように対応します。

 

「報連相」の基本&実践力がイチから身につく本野口さとみ「報連相」の基本&実践力がイチから身につく本はじめに――「報連相」があなたの人との関わり方を変える!プロローグ なぜ今、報連相が求められるのか

Part 1「報連相」の前に知っておきたいこと

【01】言葉にしないと伝わらない! 【02】いろいろな人とつながるために、共通の言葉を話そう 【03】デキる人とデキない人の差は、メモを取るかどうかにある 【04】 「5 W 1 H」で情報の伝達ミスを防ぐ! 【05】報連相を徹底すれば「情報の共有化」が図れる

Part 2「報告」で上司と部下がわかりあえる

【00】「報告」とはどんなものか?〈指示の受命〉 【01】上司からの指示を、間違えずに受け取ることが第一歩! 【02】指示の裏には「目的」が隠れている〈結果の報告〉 【03】早め早めの「結果の報告」が、仕事の流れをスムーズにする 【04】大事な報告は上司の時間を奪ってでも行う 【05】上司のパターンを知ってソツなく報告をすませよう 【06】結論を先に伝え、事実と意見は明確に分ける 【07】判断に迷う「頭越し指示」への対応のポイント 【08】指示の「目的」を踏まえた報告をしよう〈問題の報告〉 【09】ミスしてしまったら、隠さずにすぐ報告する 【10】トラブルやクレームにも、落ち着いて対応する〈中間報告〉 【11】時間と労力の無駄を防いでくれる「中間報告」 【12】仕事の期間によって間隔が変わる 【13】上司の判断を仰げば、予定通りにいかない仕事も大丈夫 【14】「中間報告」で、状況の変化に素早く対応する〈気づきの報告〉 【15】周辺情報もこまめに報告しよう! 【16】報告の最終目標は「提案型の報告」

Part 3「連絡」で職場の風通しが格段によくなる

【00】「連絡」とはどんなものか?〈確実な情報の共有〉 【01】最大のポイントは、間違えて伝えないこと 【02】数字を確実に連絡する習慣を身につける 【03】「思い込み」に捕らわれていないか振り返ろう 【04】お客さまの視点に立てば、連絡忘れ・連絡モレが見えてくる〈内部連絡〉 【05】スタンドプレーは没コミュニケーションを招く 【06】電話の取り次ぎと連絡メモの取り方をマスターしよう 【07】目的のわからない連絡は無視されやすい 【08】「目的」がわからなければ、ためらわずに確認しよう!〈外部連絡〉 【09】誰にでもわかる言葉で伝えよう 【10】初めて会った人にはお礼の連絡をする

Part 4「相談」がミスを防いで、実力をアップさせる

【00】「相談」とはどんなものか?〈仕事を正しく行うための相談〉 【01】仕事を抱え込まず、わからなければすぐに教えてもらおう 【02】 10分間の準備があなたの相談をスムーズにする 【03】上司の前に、まずは先輩社員のフィルターを通す 【04】上司や先輩に丸投げせず、自分の考えを持とう 【05】あせらずに少しずつ、相談のレベルを上げていく〈仕事を変えるための相談〉 【06】何かを変えたいと思ったら、実行に移す前に相談する 【07】新しいアイデアも 1週間放置したら色あせ始める 【08】「相談メモ」で内容を整理する 【09】「オレオレ相談」にならないように気をつけよう! 【10】チームの一員として、一人ひとりが助け合う姿勢を持つ 【11】「相談結果の報告」が次につながる!

Part 5 一歩先ゆく「報連相」のコツ

【01】「報連相 + PDCAサイクル」で日々の業務を改善しよう 【02】求められている役割を意識する 【03】通っても通らなくても、自分の意見や考えは常に持とう 【04】的確な手段を選べば効果が変わる装丁日下充典本文イラスト藤本いずみはじめに――報連相があなたの人との関わり方を変える! 社会で暮らす人は誰でも、コミュニケーションが重要であると知っています。人は周囲の人と関わることなしには、やっていけないことをわかっているからです。 さまざまな人が集まっている会社では、コミュニケーションはもっと切実な問題です。会社という組織の中では、個人で完結できる仕事は少ないので、コミュニケーション・スキルがないと何ごともスムーズに進みません。仕事とは、コミュニケーションを上手に取ることだと言い替えてもよいくらいです。 当然、コミュニケーションの上手・下手で仕事に差が出てきます。仕事の結果は、個人の評価として自分にはねかえってきますし、仕事を通して身につく能力や技術にも差が出てしまいます。 こうしたコミュニケーション・スキルを体系化したものが「報連相」です。報告・連絡・相談の頭文字をとって報連相ですね。 本書では、この報連相の基本を詳しく解説しています。会社に入ったばかりの新社会人や、もう一度基本を見直したい入社数年目の人にも役立つように書いたつもりです。 報連相は、人間関係の上に成り立つコミュニケーションですから、理屈では理解できても、いざ実践しようとするとなかなか難しいこともあります。でも、そこであきらめずに、挑戦し続けることが大切です。 たかが「報連相」ですが、されど「報連相」でもあります。職場でのコミュニケーション・スキルをレベルアップさせ、上司や同僚と円滑な人間関係を築くことができるようになれば、それはそのまま、仕事以外のコミュニケーションにもよい影響を与えます。大げさに言えば、あなたの人生や人との関わり方さえ、変える可能性を持っているのです。 本書が、少しでもそうした変化の一助になれば、筆者にとって

にとって望外の幸せです。知恵プラス株式会社 代表取締役 野口さとみプロローグ なぜ今、報連相が求められるのか ◆報連相が見直されている 報連相が、ビジネスシーンで再び求められる時代になっています。「今さら報連相?」という読者の声が聞こえてきそうですね。 確かに、新人研修で必ずと言っていいほど教えられているので、報連相について知らない社会人を探す方が難しいかもしれません。多くの会社や組織で、上司から、報連相を口を酸っぱくして言い聞かせられている人も少なくなさそうです。 でも、それにもかかわらず、ビジネススキルとしての報連相を求める声はますます大きくなっています。私の本業はビジネス研修の講師なのですが、実際に「報連相」をテーマにした研修の数が、ここ数年増えてきています。 また、しばらく店頭で見かけることのなかった報連相関連の本が、再びさまざまな出版社から発売されています。以前、報連相が広く話題になり、関連本が何冊も出版された時期は 10年以上も昔のことですから、一種のリバイバルと言えるでしょう。 本書もそういった本の 1冊なのですが、誰もが知っているはずの報連相に対する需要が、今ここまで高まっているのは一体なぜなのでしょうか? キーワードは、コミュニケーション能力です。 ◆コミュニケーション能力を求める企業が年々増えている 次のグラフを見てください。 これは、大卒採用者に対して企業側が求める能力を、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」という機関が調べたデータです。これによると、最も求められている人材は「エネルギッシュで行動力のある人」( 64%)、 2番目は「協調性やバランス感覚がある人」( 58%)、 3番目が「誠実で、堅実に仕事をする人」( 42%)です。 周囲の同僚や上司とうまくやっていくための、協調性やバランス感覚といった、いわゆるコミュニケーション能力が、誠実で堅実であること、つまり真面目であることよりも強く求められていることに、驚く人がいるかもしれませんね。 この順位は、実はここ 30年間ほとんど変わっていません。昔から、多くの企業がコミュニケーションが上手に取れる人材を求めていたということです。 でも、裏を返せば、それだけ多くの企業がコミュニケーションがうまく取れない人材に手を焼いてきた、というふうにも読み取れます。 しかも、 2番目の「協調性やバランス感覚がある人」を選ぶ企業の割合は年々増えていて、 30年前に比べると 8%も増加しています。企業側は働く人に、ますますコミュニケーション能力を求めているのです。 では逆に、働く人の側では、自分たちのコミュニケーション能力についてどう思っているのでしょうか? ちょうどよいデータが見つからなかったので、多くの企業で研修を行っている個人的な経験から言わせてもらいますと、恥ずかしがり屋な国民性のせいか、自身のコミュニケーション能力に不安を抱いている人の割合がとても多いです。 特に、若い人の中には、携帯電話やパソコンを通じてのやり取りはお手のものなのに、人と面と向かって話をするのがとても苦手、という人が少なくありません。 個人的には、企業が求めるようなコミュニケーション能力を備えている人は、むしろ減少しているのではないか、とすら感じています。 報連相が再び求められている理由は、この辺りにあります。

求められるコミュニケーション能力と、働く人の実際のコミュニケーション能力との間のギャップ。このギャップを埋めるためのツールとして、「報連相」が求められているのです。 ◆報連相のパワーがチームプレーを生み出す! 近年、仕事が原因で鬱病になってしまう人が急増していますが、こうしたメンタルヘルスの問題が増えた背景にも、コミュニケーション能力の不足があります。 コミュニケーション能力、つまりは人づき合いの能力が低下しているために、かつては存在していた職場での濃密なコミュニケーションが薄れ、職場が没コミュニケーション化している現状があるのです。 没コミュニケーション化した職場では、働く人がそれぞれ孤立してしまい、自分の仕事の殻に閉じこもってスタンドプレーに走りがちです。上司や同僚によるチェック機能が働きにくく、ミスや勘違いによる損失も発生しやすくなります。 コミュニケーションが充分に行われないので、人づき合いの能力はますます落ち、聞きたいことや相談したいことがあっても、うまく話しかけることもできなくなります。マイナスがマイナスを呼ぶ、スパイラルになってしまうのです。 連絡ミスや報告忘れがどんどん増え、カリカリして責任をお互いに押しつけ合うようになったら末期症状。大きな失敗によって、巨額の損失を出すのも時間の問題です。 そこまではいかなくても、次のような会話の応酬が、あなたの職場でも起こっていませんか? 「A君、 ○ ○の件、今日、打ち合わせだよね?」「えっ、今日!? 聞いてないよ! 今日は無理だよ」 「Bさんから聞いてないの? 今日打ち合わせをしないと、私、困るんだけど……」「そんなこと言ったって、僕だって今日はお客さんとのアポイントメントがあるんだよ。なんであらかじめ連絡してくれなかったの!? 困るよ!」「そんな言い方ないんじゃない!?」 ――ちょっとした連絡ミスが、働く人同士の信頼関係まで傷つけてしまっていますね。こうした会話は、職場が没コミュニケーション状態になりかけているときの危険信号です。 こういう会話が応酬されている状態では、会社という組織の強みであるはずの「チームプレー」が、なかなかできない状態になってしまっています。チームプレーもろくにできない会社が、この厳しい競争社会の中で利益を上げていくことなど、できるはずはありません。 こういう状態から、どうしたら脱出できるのか? もしくは、こうした状態に陥らないためにはどうしたらいいのか? この本を手にしているあなたは、既に答えも手にしています。 もちろん「報連相」です。報連相を徹底すれば、こうした職場にもチームプレーが戻ってくるのです。 報連相とは、私たちの先輩・大先輩たちが、長い年月を通して練り上げ、システム化してきた、職場のチームプレーを維持するためのコミュニケーション・ツールです。大部分は簡単な決まりごとに単純化されているので、それさえ守っていれば、職場での最低限のコミュニケーションを維持できるようになっています。 たとえ、コミュニケーション能力に自信がないという人がほとんどの職場でも、報連相を徹底してさえいれば、それほど風通しの悪い職場環境にはなりようがありません。 あなたを中心に、職場で報連相がどのように行われているのかを示したのが、次ページの図です。さまざまな立場の人をつないでいる矢印が、報連相によるコミュニケーションを表しています。 報連相が徹底され、チームプレーのできている会社では、この矢印で表されたコミュニケーションの経路がしっかりと確保されています。その経路を通じてさまざまな情報が行き来し、必要な人に共有されます。 そうして、職場の風通しがよくなれば、仕事の効率もよくなり、チェック機能が働いてミスも減ります。職場での連係プレイ、すなわちチームプレーが仕事を支えるようになり、結果として、チーム全体でよりよい仕事を行い、成果を上げることができるようになります。 実際に、仕事柄いろいろな会社にお邪魔するのですが、業績のよい伸び盛りの会社ほど、報連相が徹底されていて、チームプレーがしっかりできていることを実感しています。

◆「報連相」を徹底してデキる人になる! 報連相を徹底するメリットは、何も組織の側にだけあるわけではありません。 報連相の数々の決まりごとは、あらゆるビジネス上のコミュニケーションに共通する本質的なものばかりですから、これらを実行していると、知らず知らずのうちにあなた自身のコミュニケーション能力も磨かれていきます。 多くの企業が、働く人に高いコミュニケーション能力を求めていることを思い出してください。コミュニケーション能力、つまりは人づき合いの能力が磨かれていけば、職場での評価もその分高くなるということです。 コツコツと、真面目に堅実に自分の仕事を進めていく人と、多少仕事の能力は劣っていても、同僚や上司とのコミュニケーションを密に取り、人の力を上手に借りながら仕事を進めていける人では、後者の方がより求められていることも思い出しましょう( →冒頭の図参照)。 デキる人とは、行動力があって、コミュニケーション能力が高い人のことなのです。行動力については本書では述べませんが、コミュニケーション能力については、報連相を徹底するだけである程度は身につきます。 本書で報連相を身につけて、あなたもデキる人の仲間入りをしてください!

PART 1「報連相」の前に知っておきたいこと

01 言葉にしないと伝わらない! ◆職場で働く人の考え方は全員違う 職場で働く人には、いろいろな人がいます。春に入社したばかりの新人から、勤続 40年で定年間近なベテラン社員、自分のスキルを頼りに多くの会社を渡り歩いてきた人など、そのバックグランドは 1人として同じではありません。 性別も違いますし、年齢や性格、知識の量や能力も千差万別でしょう。こうしたさまざまな人たちが、異なった環境で育ち、それぞれの人生の中で異なった経験をしながら、今は偶然にあなたと同じ職場で働いているのです。 また、組織の中での地位の違いも見逃すことはできません。会社という組織の中では、上司と部下という上下関係がありますから、お互いの立場は異なりますし、責任の重さも変わってきます。 こうしたさまざまな違いによって、あなたを含めて職場に働く人全員は、それぞれ考え方や物ごとの捉え方、いわゆる「価値観」が異なります。 物ごとの判断基準となる「常識」が、個人個人でまったく異なるのだと言い替えることもできるでしょう。同じ情報や物ごとに接しても、ほかの人があなたと同じ反応をするとは限らないのです。

◆言葉にしたことしか伝わらない ところが、多くの人はこの点を完全に忘れています。 各個人の価値観や常識が違うことは何となくわかっているのに、「自分が考えていることは、詳しく説明しなくてもわかってもらえるだろう」とみんなが考えています。ときには、「伝わらないなんてあり得ない」とさえ思っています。 でも、これらは単なる願望にすぎません。 ビジネスにおけるコミュニケーションでは、相手にしてほしいことや、考えたこと、伝えなければいけないことなどは、すべて口から出したり、メールに書いたりして、言葉にしなければ相手には伝わりません。 相手の気持ちや考えを察するということも、ないわけではありません。でも、家族や友人など、部分的にでも同じバックグランドを共有している人との間ならともかく、さまざまな人々が働く職場でそれを期待するのは無謀です。 あなたの頭の中にある情報を言葉にして、ほかの人と共有すること。 報連相のみならず、すべてのコミュニケーションの基本はここにあります。 今、多くの企業で職場が没コミュニケーション化しているのは、この基本を忘れている人がものすごく多いからです。「こんなことを言ったら嫌われてしまうんじゃないか」とか、「これを書いたら図々しく思われるかな」とか、いろいろと考えることは決して悪いことではありません。でも、頭の中でどれだけ考えていても、相手に伝わるのは言葉にしたことだけです。 言葉にすることが、コミュニケーションの大前提です。これから報連相について学んでいくために、まずはこの前提を覚えておいてください。 02 いろいろな人とつながるために、共通の言葉を話そう ◆価値観が異なると言葉遣いも異なる 価値観や常識が異なる者同士が情報を共有するときには、話し方や言葉遣いに注意が必要です。 個人個人のさまざまな違いは、言葉遣いや話し方にも現れるため、そうした違いをうまく埋めていかなければ情報が正しくやり取りできないからです。 まず、同じ世代やグループだけで通じる略語や、いわゆる若者言葉などを、ビジネスの場では使わないようにしましょう。 特に、社会人になって間もない若い人は、プライベートで使っている言葉がつい仕事でも出てきてしまうことがよくあり、注意が必要です。 前述したように、職場にはいろいろな価値観や常識を持った人がいます。自分の常識( =話し方や言葉遣い)を相手に押しつけても、それを受け取る側の上司や先輩は(ときには同年代の同僚でさえ)、そもそも別の常識で生きているので、あなたが何を言っているのかまったくわからないということにもなりかねません。 ◆ビジネス用語や敬語を身につける では、どういう言葉遣いで話せばよいのかというと、いわゆるビジネス用語を使って話すようにする、ということになります。上司や立場が上の人に対しては、敬語を使うことも必要になります。 ビジネス用語や敬語は、いわば共通語です。価値観や常識、知識や立場などが異なる人々の間で、情報を正しく伝えるためのツールなのです。 ほんの少しですが、主な言い替えの例を次図に載せました。体に染みついた話し方ですから、すぐに変えることは難しいでしょうが、ほかの敬語の本なども参考にして、少しずつ言い替えるようにしていきましょう。 少しずつであっても、意識して使っていくことで次第に身についていくはずです。

03 デキる人とデキない人の差は、メモを取るかどうかにある ◆メモを取るのは基本の「き」 メモする習慣を身につけることは、報連相に限らずビジネス・コミュニケーションの基本中の基本です。 人間は忘れっぽい生き物です。絶対に忘れないだろうと思っているようなことでも、いざやろうと思ったときには、すっかり忘れていて思い出せないという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか? しかも、会社は大変忙しい場所です。日々の多くのやり取りや、次々にやってくる納期に追われているうちに、私たちは思っているより多くのことを、思っているより速いスピードで忘れてしまいます。 あとになって、忘れてしまったことを問い合わせようと思っても、さまざまな事情で不可能な場合も少なくありません。そういうとき、メモを取っていれば、過去にさかのぼって自分で調べることが可能になります。 ◆デキる人ほどメモを取る ビジネスでは、常にメモ帳を携行して、片っ端からメモを取りましょう。 実際、私がこれまでに出会った各企業のデキる人は、大抵が〈超〉がつくくらいの「メモ魔」の方ばかりでした。 逆に、仕事のできが悪い人ほど、「これくらいメモを取らなくても大丈夫ですよ」と、根拠のないことを言う場合が多かった気がします。どうも仕事のデキる・デキないは、メモを取る頻度に現れるようです。 また、メモの取り方は、いろいろと工夫することもできます。 3色ボールペンで色分けしたり、ポストイットを活用したりと、さまざまなノウハウが書籍やネットで紹介されています。各自で調べてみて、気に入った方法を取り入れるとよいでしょう。 でも、一番大切なのは、メモの取り方ではなくて、とにかくメモを取ることを習慣づけてしまうことですから、そのことは忘れないでくださいね。

04「 5 W 1 H」で情報の伝達ミスを防ぐ! ◆ヌケやモレを防ぐための約束ごと 報連相で共有する情報は、 5 W 1 Hをすべて網羅するように心がけます。 これは、報連相に限らず、ビジネス・コミュニケーションすべての基本となるルールです。仕事でやり取りされる情報は、可能な限りこの6つの要素を押さえていなければならないのです。 5 W 1 Hの内容は、次の図の通りです。これに、 H o w much?(いくらで?【価格】)と H o w many?(いくつ?【数量】)を加えて 5 W 3 Hとしたり、さらに Who?(誰が?【自社担当者】)と Whom?(誰に?【お客さま】)を分けて 6 W 3 Hとしたりと、さまざまな派生形がありますが、本書では基本形の 5 W 1 Hで説明していきます。 5 W 1 Hをおろそかにして、6つの要素のいくつかが欠けた情報をやり取りするとどうなるのか、次のケースを見てください。 ×悪い例 当社では、ゴミ削減の一環で、自分が持ち込んだゴミは社内では捨てずに自宅に持って帰る、ということが決まりました。 私が担当者でしたから、早速上司に、「今度から、持ち込んだ個人のゴミは、会社で捨てることはできなくなりましたのでよろしくお願いします」と、メールで簡単に報告しました。上司は、そのメールを部内に一斉転送して連絡しました。 ところが、途端に「なぜですか?」「今度っていつですか?」「会議で出す弁当はどういう扱いですか?」などと質問メール攻めにあい、メールの返信に苦労しました。 5 W 1 Hで表される6つの要素は、物ごとを言葉で表すときに外すことができないものばかりなのです。悪い例のメール報告のように、このうちのどれか1つでも欠けてしまうとその情報は不完全になってしまい、上司が正しい判断をすることができなくなったり、業務に支障をきたしたりします。 逆に言うと、 5 W 1 Hの 6項目をカバーしていれば、その情報は一応、モレもヌケもなく、必要な情報をすべてカバーしていると仮定する約束ごとでもあります。 報連相で情報を共有する際には、 5 W 1 Hのすべてを網羅しているかどうかを必ず確認する、と肝に銘じておきましょう。 ◆不完全な情報は完全な情報に変えてあげる とは言え、仕事でやり取りする情報が、いつも 5 W 1 Hをカバーしているわけではありません。連絡されたり指示された情報が、 5 W 1 Hのいくつかが抜けた不完全なものであることもあります。こういう場合、どうしたらよいのでしょうか? 正しい対処法は、手間を惜しまずに確認して、欠けている部分を補ってあげることです。具体的には、次の例のように対応します。

あとから確認するより、不完全な情報に接したその場で、自分からすぐに確認する方がずっとラクですから、躊躇せずに確認できるように習慣づけましょう。 なお、このときやってはいけないのは、欠けている部分を思い込みや憶測で埋めてしまうことです。これだと、事実の部分と、憶測や希望の部分が混ざってしまって、ただでさえ不完全な情報がさらに扱いにくい情報となってしまいます。すぐに確認をして完全な情報にしてあげることを習慣にしていれば、こうした事態は防げます。 ◆不完全なまま伝えるときは、そのことをハッキリ伝える ただ、さまざま事情で、完全な情報に変えてあげることができないこともあります。責任者が不在であったり、時間の余裕がない場合などです。 こうしたケースでは、情報の一部が欠けていることをハッキリ断ったうえで、そのまま情報を伝えます。「正確な納入時期は未定ですが」とか、「場所については追って確認します」などと、情報の一部が欠けていることを最初に断ったうえで情報を伝えるのです。 こうすれば、その情報を伝えられた人は情報の不完全さに注意を払うので、業務の混乱を少なくできるのです。 ◆メモを取っておくことが予防になる また、人は忘れやすい生き物ですから、完全な情報が時間の経過と共に不完全な情報になってしまうこともあります。 常にメモを取ることを習慣づけていれば( → Part 1の 03参照)、そうした事態も防げます。 05 報連相を徹底すれば「情報の共有化」が図れる ◆モレもヌケもなく、すべての人に必要なときに共有させる 報連相とは、単に「報告と連絡と相談のこと」ではありません。その本質をひと言で言えば、「情報の共有化」です。 職場に流れるさまざまな情報を、必要とするすべての人が、モレもヌケもなく共有し、それによってよりよい仕事をして成果を上げることを一番の目的とします。 当然、それらの情報は、実際に必要とされるときよりも前に、あらかじめ共有されていなければなりません。必要とされるタイミングよりもあとに共有されても、仕方がないですからね。 ◆共有される情報は、数字や進捗状況ばかりとは限らない 報連相によって共有されたさまざまな情報は、職場のチームプレーを促し、仕事の流れをスムーズにして結果を出すことにつながっていきます。 また、共有される情報は、仕事に関する数字や進捗状況ばかりとは限らず、「ここはこうした方がいいんじゃないのかな?」といった問題意識や、「こうしたい」「ああしたい」と感じる、働く人の意思や想いのようなものも含まれてきます。 たとえば、創業者や経営者の経営理念などは、職場で働く人全員に必ず共有されるべき情報でしょう。 そうして共有化された情報は、職場の全員に共通の知識となり、仕事を効率的に進め、より大きな利益を追求するための土台となります。 報連相の本質は「情報の共有化」である。まずはこれを頭に入れて、次章からの報告・連絡・相談それぞれの考え方やノウハウを身につけていってください。

 

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