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第4章自宅で「察する力」を鍛える

第 4章 自宅で「察する力」を鍛える

SCENE 025 想像を働かせて鍛える自分の立場を否定すると相手の思いが見えてくる自分がいなくても相手は困らないか?休んでも意外に会社は困らない執事も存在価値を考えるセレブと隣近所のあいだに入るのも執事の仕事自分を過大評価してはいけない SCENE 026 食事のリクエストで鍛える 1今晩食べたいものについて多面的に聞くと背景がわかる食べたい理由をさまざまな角度から聞くできる執事は必ず質問をする質問が減る =「カン」がよくなる相手のことを思って質問していることを伝える反応を確認しながら思考パターンをつかむ SCENE 027 食事のリクエストで鍛える 2「なぜ」「なぜ」「なぜ」で食べたい理由の核心に迫る本当の意図に迫る「なぜ」のくりかえし聞き返すクセで得することもセレブが信頼するのは本心を理解する執事質問の意図をきっちりとらえるクセをつける思考パターンをつかんで鍛える SCENE 028 本で鍛える多くの本を読まないようにするたくさん読んでも身につかない仮説力は習慣化しないと身につかないマニュアルをくりかえし読ませるいろいろな本の大元になっている名著から探す本文イラスト/鈴木順幸本文デザイン/菊池 祐

自分がいなくても相手は困らないか? 自分の立場の否定というのは、「もしも自分がいなかったら」と仮説を立てることです。 たとえば、夫婦関係なら、「もしもこの家から自分がいなくなったら」と考えるのです。そして、「あれ? いなくなっても、パートナーは何も困らないぞ」というのが見えてきます。 いなくなっても相手が困らないのは、相手に対して何も貢献していないからです。 いつもそばにいるので麻痺しがちですが、じつは、いつ家族が自分のもとを去っていってもおかしくないほど貢献していなかったり、不遜な態度をとっていたりするかもしれません。「家にお金も入れないで、給料を飲み代に全部使っちゃってるな。奥さんからすれば、ほかの人を選んでもおかしくない状況じゃないか」などと客観的にわかってくるのです。 このように、自分の立場を否定してみると、相手から見た自分の貢献度や重要性がわかってきます。休んでも意外に会社は困らない 家庭だけでなく会社でも、自分を否定すると、自分の貢献度や存在価値がわかってきます。 会社なら、想像でなく実際に自分の存在価値が実感できるケースもあります。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事にとって、お客様の周囲に住むご近所さんとのつき合いは欠かせません。ただ、「執事です」と言うと、お客様をやっかむ人も。そこで、「遠い親戚で、しばらくここにお世話になるのでよろしくお願いします」と、身内を装うことが多いのです。 たとえば、「自分がいないと、この会社は立ちいかない」と思っていたのに、病気やケガで会社を休んでも、意外と会社はうまく回っていたなどというのはよく聞く話です。 ポジティブにとらえれば、職場の人たちがうまくサポートしてくれたとも考えられますが、普通は、自分の貢献度の低さを思いしらされるものでしょう。執事も存在価値を考える 私ども執事も、「私たちがいなかったら、お客様は困るだろうか」ということを常に考えるようにしています。それでお客様が別に困らないなら、私どもの存在価値がないと判断できるので、なんとか価値をつくろうとするわけです。 しかし逆に、「奥さんもお子さんも外出しにくくなる」「ご家族で祖国へ戻っているあいだ、私どもがいなければ屋敷と別荘、プレジャーボートを管理できる人がいない」などということになれば、お客様にとって執事の存在価値があるととらえることができます。 また、事前の打ち合わせで、価格を下げるように交渉されることがありますが、このときも、自分を否定するところから考えます。 つまり、「私どもがこの仕事を引き受けなかったら、お客様はどれほど困るだろう?」と想像するのです。 私どもが断ればほかの会社に頼むだろうと思えば、価格を下げることを考えます。しかし、私ども以外にこの仕事をできるところはないと思えば、お客様に今の価格を維持することを依頼しようと考えるわけです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiご近所関係がよくないセレブの話。どうにかならないかと悩んでいたそのセレブは、「ウチがご近所に貢献しているところを見せなきゃいけない」という結論に達し、執事が家族のフリをして、毎朝これ見よがしに近所中を掃除することになりました。 たとえば、掃除や洗濯、食事の支度など、家事だけをリクエストされているなら、家事代行業者がいくらでもいますから、価格を下げなければ受注できないということになります。 家事代行だけでなく、秘書兼ドライバー、さらにプレジャーボートの操船まで要求されるなら、これは私どもしかできないので価格を下げる必要はない、などと判断するのです。セレブと隣近所のあいだに入るのも執事の仕事 執事の必要性といえば、こんなことがありました。 執事サービスを解約したいと言われた、あるお客様のケースです。 そういうとき、私どもは「わかりました」と返事をするのですが、そのあとに「もしも私どもがいなくなったら」という仮説をご説明します。つまり、できなくなることを、引き継ぎもかねていろいろとお話しするわけです。 この方にも、通常通りいろいろと説明したところ、「ご近所との関係は、ゼロから築き上げることになります」という部分で悩み始め、私どもの必要性を感じて「やっぱり、続けてほしい」という結論になりました。 じつは、セレブのなかには、ご近所とのつき合いがまったくないことから、隣近所からの評判が悪いことがあるのです。 ただでさえ、お金持ちということでやっかまれやすいところを、「町内会の集まりに出てこない」「あそこの家だけ町内清掃をやらない」「ごみの出し方がちがう」などと細かなところに始まって、もめるケースが意外とあります。 そこを、執事が入って、日ごろから周囲と挨拶を交わし、町内会や町内清掃に参加したり、決まった日にきちんとゴミ出しをしたりすることで、隣近所との関係を改善していくのです。【仮説力】鍛え方・実践のポイント自分を過大評価してはいけない「もしも自分がいなかったら」という仮説は、家庭のなかだけでなく、職場や社外などいろいろなシーンで使えるので、どんどんトライしてみてください。 実践するときのポイントは、自己否定を恐れないということ。「まさか、本当にいらないなんていうことはないよね」という前提で考え始めると、客観的な仮説が立てられません。いらないという結論になったら、今までの自分の態度をあらためればいい話です。 また、自分に甘い評価をしたり、過大評価したりしてはダメ。俯瞰して自分を見ることが大切です。

食べたい理由をさまざまな角度から聞く 夕方の家庭などでは、よくこんな質問が出ます。「今晩、何が食べたい?」 このとき、たとえば「焼き餃子」と相手が答えたとします。これで「そう、わかった」と流してしまっては、焼き餃子が食べたいということしかわかりません。 そこで、どうして焼き餃子が食べたいのかを聞くと、「テレビで餃子の CMを見て、食欲がわいたから」という具合に、理由までわかるようになります。 そこで今度は、「蒸し餃子や水餃子じゃなく、どうして焼き餃子なの?」と、またちがう角度から質問をすると、「昼があっさりめだったからこってりしたものが食べたくて」などと、答えが返ってきます。 このように、夕飯のおかず1つでも、さまざまな角度から質問することによって、相手の選択肢の選び方や価値観などがわかってくるのです。 さまざまな角度から質問するというのは、「焼き餃子が食べたい」という発言がどうして出たのか、どういう環境にいたから焼き餃子が食べたくなったのか、そのバックグラウンドを知るということです。 夕飯のおかずにかぎらず、1つのことについてさまざまな角度から質問することをくりかえせば、結果的に、どういう質問をするとその方の本質的な部分まで見えるのか、どういう聞き方をすれば本質に近い情報が得られるのか、といったことがわかってくるようになります。 これが、自分自身の分析力アップにつながります。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki日本では機会が少ないですが、握手すると、相手の心理状態がわかることがあります。強く握り返してくればエネルギッシュだったり、逆に、弱々しく握るなら、関係性を深めたくない、あるいは単に疲れているなどと予想がつきます。できる執事は必ず質問をする 私ども執事は、お仕えする方の指示をただ実行すればいいというわけではありません。「カン」を働かせて、お仕えする方の本当の意図をくむことが大切です。 たとえば、ご主人様から「お寿司が食べたい」と言われたとき、「おなかが空いているのですか?」「和食が食べたいのですか?」などと、さまざまな角度から質問するのが、できる執事です。 質問をした結果、「すごくおなかが空いているから、すぐ食べたい」という答えなら、遠い有名店よりも近くの回転ずしのほうがご主人様は喜ぶかもしれません。「海外が長かったから、久しぶりにゆっくり和食が味わいたいんだよ」と言うなら、個室の座敷でくつろげる和食のお店のほうがうれしい可能性もあります。 お仕えする方が、本当は何を考えているのか。そこを理解してから行動を起こしたほうが、より万全の執事サービスを提供できるのです。 実際、執事サービスをご利用いただいたお客様にアンケートをとってみると、サービスレベルが高いことよりも、うまくコミュニケーションをとってよく質問をしてくる執事のほうが高評価でした。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki一代で何かを築いてきたセレブは、握手もうまいもの。久しぶりに会った部下や普段は話すこともない新人に、「おう、元気か?」などと言って握手します。握手で、部下の心をつかむのですね。人の心をつかむと、成功もつかめるのだと実感します。質問が減る =「カン」がよくなる

家庭でも職場でもいいのですが、何かにつけて質問をする習慣を身につけ、どんどん訓練されていくと、以前は、 10個質問してやっと核心が見えてきたのが、2つや3つの質問でわかってきたりします。 その方の思考パターンがだんだんわかってきて、少ない質問で核心に迫れるようになるわけです。逆に言えば、質問数が少なくなるイコール、察する技術が身についてきたということです。 長年連れ添った夫婦が、何も言わなくてもわかり合えているというのは、そういう「カン」が鍛えられているからです。【分析力】鍛え方・実践のポイント相手のことを思って質問していることを伝える 相手の核心を見抜くために、最初のうちは、 10個も 20個も質問をすることになってしまいます。すると、「こいつ、しつこいヤツだな」と思われがち。 ですから、相手に嫌われないようにしつこく聞かなくてはなりません。 嫌われないようにしつこく聞くポイントは、疑問に思ったことを正直に言うこと。それから、あくまでも相手のことを思って、さらに深く理解したいがゆえにこんなに聞くんだよ、ということを先方にきちんと伝えることが大切です。 また、慣れていないのに、いきなり知らない人を質問攻めするのはトラブルの元。まずは、家族やパートナー、気のおけない友だちなどで上手に質問できるように鍛えてみましょう。 もう1つのポイントは、立場を変えて質問していくこと。 たとえば、「焼き餃子が食べたい」と言われたとき、「大切な友人に焼き餃子をごちそうするのはどんなときですか?」などと、ほかの視点から質問していくということです。 他人の視点ということで、自然とちがった角度からの質問になり、核心はどこにあるのか分析しやすくなります。【仮説力】鍛え方・実践のポイント反応を確認しながら思考パターンをつかむ しつこく質問をして、核心に近いなと思う答えが得られたら、実際にその行動をとってみましょう。実行後は、相手の反応を必ず確認します。 このように、しつこく質問 →核心に近い回答を得る →実行 →相手の満足・不満足を確認、をくりかえすことで相手の思考パターンをつかめば、仮説力の訓練になります。本当の意図に迫る「なぜ」のくりかえし 174ページ〔※こちらを参照〕で、さまざまな角度から質問をして相手の思考パターンをつかむ、ということを書きました。 同様に、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と突き詰める質問方法も、分析力を鍛えるのに役立ちます。 たとえば、夕飯は焼き餃子が食べたいと言われた場合。 1回目の「なぜ」:「なぜ焼き餃子か?」 →「テレビで餃子の CMを見たから」 2回目の「なぜ」:「ほかの CMも見たのに、なぜ?」 →「昼があっさりめだったからこってりしたものが食べたい」 3回目の「なぜ」:「なぜ、こってりしたものイコール、焼き餃子なのか?」 →答え:「お金がなかった学生時代、こってりしたものは 1皿 200円の焼き餃子くらいしか食べられなかったから」──このように、「なぜ」をくりかえすと、相手の考えのかなり深い部分まで掘り下げられ、思考回路のようなものまでわかるようになります。 174ページ〔※こちらを参照〕の多角的に質問する方法は、相手の発言のバックグラウンドをつかんで核心に迫るやり方。一方、「なぜ」のくりかえしは、発言した理由を掘り下げていって本質的なものに迫るというやり方。何がその人の思考の中心になっているかがわかるということです。

執事は、台風や大地震などの災害時は、自分の家のことはさておいて、お客様先に向かいます。有事のときこそ、執事の真価が問われるときでもあり、そういうときこそ、お客様を第一に考える習慣が身についてしまっているのです。聞き返すクセで得することも 家庭では、こんな会話がよくあると思います。「週末、空いてる?」「仕事」 これでは、相手の質問の意図は一切わかりません。 このとき、「仕事だけど、どうしてスケジュールを聞いたの?」と聞き返せば「空いているなら、デパートにつき合ってもらいたいんだけど」などと答えが返ってきます。 さらに、なぜデパートにいきたいのかを聞くと、「月末に結婚式があって、そこに着ていく服を見たい」などと、本当の目的がわかってきます。 余談ですが、「なぜ」と聞き返すクセを身につければ、得をすることもあります。 たとえば、銀行で定期預金をくずすと、行員の方から「何にお使いですか?」と聞かれるときがあります。「なぜ、そんなことを聞くのですか?」とやんわり聞いてみましょう。もしかすると、お得な情報が得られるチャンスかもしれません。「じつは、有利な金利の定期預金ができたので、そちらに預け直したほうがいいのです」という具合です。 それなのに、「家の頭金に使うから」「自動車ローンの頭金です」と答えて「そうですか」で終わってしまえば、せっかくのチャンスも逃しかねません。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事は、必ずしもスーツを着ているとはかぎりません。場合によっては執事だとわかると不都合なことも多くありますので、お客様からのリクエストでTシャツやジャージ、ときにはアロハシャツで、業務にあたることもあります。セレブが信頼するのは本心を理解する執事 私ども執事サービスの仕事でも、お仕えする方から何かご依頼があった場合は、必ず 3回は「なぜ」と聞くようにスタッフに言っています。それでこそ、お客様が本当にのぞんでいることがわかるからです。 たとえば、シャベルを持ってきてくれと言われたとします。言われたとおり、ただシャベルを持っていくのが普通の執事ですが、できる執事はここで「なぜ、シャベルが必要なのですか?」と聞きます。 すると、ご主人様は、「庭に埋めた財宝を掘り起こしたいから」と言うかもしれません。もしそうであれば、「シャベルではなく、ショベルカーのほうがいいのではありませんか?」、もしくは「掘り返すための人員を 10人ほどご用意いたしましょうか?」と提案できるのです。 私どものお客様は、言われたままシャベルを持ってくる執事よりも、本心を理解してショベルカーを手配してくれる執事のほうに信頼をおきます。「君、よくわかっているじゃないか」と。【分析力】鍛え方・実践のポイント質問の意図をきっちりとらえるクセをつける 相手の質問には、必ず意図があります。 ですから、その意図をきっちりとらえようとするクセをつけることが、分析力を上げることにつながります。 また、あまり「なぜ」「なぜ」「なぜ」をやりすぎると、しつこくなってしまうので、遠回しに聞くのがポイント。「なるほど、おっしゃることはわかりますが、どうして……」などとやんわり聞いていくということですね。【仮説力】鍛え方・実践のポイント思考パターンをつかんで鍛える 178ページ〔※こちらを参照〕の多角的に質問する方法と同様に、「なぜ」「なぜ」「なぜ」をくりかえす →核心に近い回答を得る →実行 →相手の満足・不満足などを確認ということをくりかえすことで、相手の思考パターンをつかみとると、仮説力の訓練になります。

たくさん読んでも身につかない たくさんの本を読めば、それだけ知識が備わると思っている方は多いと思います。 しかし、たくさん読めば読むほど、あまり身につかず、かえって時間もお金ももったいないということになってしまいがちです。 知識というのは、身についてこそはじめてその人のものになります。 わかりやすく言えば、九九の暗記のようなもの。九九を本当にマスターするには、何度も何度も暗唱しなくてはならないものです。 それと同じように、本に書かれた知識も、 1回読んだくらいでは、あらすじは理解できても、身につくほど理解はできないものです。 また、仮説力の訓練という視点からも、 1回読むだけというのでは効果がありません。 なぜなら、仮説力というのは、「パターン」を覚えてこそ鍛えられるものだからです。ここで言うパターンとは、「 Aなら B」「 Cのときは Dになる」などという規則性のこと。ストーリー展開のパターンのことです。 たとえば、「あの人が絶対にダメと言うときは、あと一押しで必ず OKの返事に変わる」「あのお客様が打ち合わせに遅刻してくるようになると、自分の重要性が下がっているということで、ひいては売上が下がるということだ」などというストーリー展開のことです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki現代の執事に不可欠なツールは、スマートフォン。さまざまな情報をいつでも、どこでも、どんなときでも入手できて、メール、電話、チャットで、執事の後方支援をする会社の同僚と連絡を取り合い、お客様にベストなサービスを提供します。 パターンを覚えれば覚えるほど、より正確な仮説を頭のなかで組み立てやすくなり、仮説力がついていくことになります。仮説力は習慣化しないと身につかない じつはパターンというのは、それほど多くはありません。多くても、せいぜい 20 ~ 30パターンくらいではないでしょうか。 わかりやすくいえば、英語の文法を覚えるようなものです。いくつかのパターンがあって、あとは単語の組み合わせが変わるだけということ。 ですから、せいぜい 20 ~ 30のパターンを覚えることが、仮説力では大切なのです。 しかし、それを覚える前に、次々とちがう本を読んでしまうと、まったく何も身につかないということになってしまうわけです。 ですから、何冊も読むのではなく 1冊の本のなかから仮説のパターンを見つけて、それが身につくまで何回も何回もくりかえし読むようにするといいのです。別の本を読むのは、その 1冊に書かれた仮説がマスターできてからにしましょう。 観察力や分析力も基本的には同じですが、とくに仮説力は訓練が大切。仮説力を鍛えることを習慣化しなければ、絶対に身につきません。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事に向いているのは、いろいろあると思いますが、人の喜ぶ姿を見るのが自分のモチベーションになるという人だと思います。執事は、自分のためではなく人のためにやる仕事。裏方として支えることを喜べなければ、続きませんから。マニュアルをくりかえし読ませる 話は変わりますが、会社に勤めていると、その会社ごとにいろいろな仕事のマニュアルやルールがあると思います。 なかには、たくさんのマニュアルを会社がつくったおかげで、仕事のやり方や行動を制限されてやりにくくてしかたがないというケースもあるでしょう。 私どもの会社では、 30項目弱くらいのかんたんなマニュアルしかつくっていません。 なぜかと言うと、私ども執事の仕事は、臨機応変な対応が求められます。それなのに、たくさんのマニュアルやルールをつくってしまうと、応用がきかなくなってお客様の要望にこたえられないことが出てきてしまうからです。 少ない項目ではありますが、これだけは絶対に守ってくださいと執事には徹底していて、マニュアルを何度もくりかえし読んでもらったり、項目それぞれの意味について考えてもらったりしています。 私どもの会社では、そのやり方でうまくいっていますし、より複雑な事柄に執事は臨機応変に対応できるようになっています。【仮説力】鍛え方・実践のポイントいろいろな本の大元になっている名著から探す「これは!」という本に出合ったら、最低でも 3 ~ 5回は読むようにしましょう。読むたびに、新しい発見が出てくるはずです。 では、どんな本を読めばいいのかというと、いろいろな本の基礎になっているようなものを読んでみるといいでしょう。 基礎になっている本というのは、いわゆる名著と呼ばれるものに多いのですが、要するにしっかり確立された理論を書いたような本のこと。 じつは、最近のビジネス書には、何年も年十年も前

確立された理論を、わかりやすい言葉に置き換えただけ、あるいは、現代風にアレンジしただけのものが結構あるのです。 パターンを覚えるのであれば、言葉を置き換えただけの枝葉のような本よりも、「大元」を読んだほうが、本当に必要なエッセンスを取り出しやすいのです。そういったもののなかから探すといいと思います。 参考までに、私どものお客様のうち、日本人の会社経営者の方がよく読み込んでいる本は、松下幸之助氏の著書です。本だけでなく、講演などを録音したテープ集や CDを何度も聞いているという方もいらっしゃいます。新井 直之(あらい なおゆき) 日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長。 大学卒業後、米国企業日本法人勤務を経て、日本バトラー&コンシェルジュに入社。自ら執事としてお客様を担当する傍ら、企業向けに富裕層ビジネスに関するコンサルティング、アドバイザリー業務、講演、研修を行なっている。 ドラマ版・映画版・舞台版『謎解きはディナーのあとで』、映画版『黒執事』では執事監修、主演の櫻井翔さん、北川景子さん、 DAIGOさん、西山茉希さん、水嶋ヒロさんの所作指導を担当。 著書に、『執事のダンドリ手帳』(クロスメディア・パブリッシング)、『執事の仕事術』( PHP研究所)、書籍監修『美しさと気品』『礼儀と作法』(ともに PHP研究所)がある。執事が教える 相手の気持ちを察する技術新井 直之 2014年 8月 22日デジタル版初版発行 (C) 2013 Naoyuki Arai本電子書籍は下記にもとづいて制作しました中経出版『執事が教える 相手の気持ちを察する技術』 2013年 11月 28日第 1刷発行発行者 川金正法発行所 株式会社 KADOKAWA 〒 102-8177 東京都千代田区富士見 2-13-3 03-3238-8745(営業)編集 中経出版 〒 102-0071 東京都千代田区富士見 1-8-19 03-3262-2121(編集部) http:// www. kadokawa. co. jp/

 

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