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第2章まずは身につけたい「会話」の気遣い

目次

7 挨拶ひとつで、あなたのイメージは大きく変わる

◆デキる人の挨拶には「3つの共通点」がある

憧れのポストに抜擢される人や表彰を受ける人はみなさん、もれなく「気遣いの達人」です。

たとえどんな人が相手でも、さわやかな気遣いをしてくれます。

そして、その方たちの「挨拶のしかた」には共通点があることを発見しました。

その共通点とは、 ・挨拶に「気」が入っている ・挨拶の後に「気遣いの言葉」が添えられている ・自分から「先に」挨拶をする この3つができている人なのです。

◆相手が心地よくなる挨拶をするには?

挨拶に「気」が入っているというのは、「あなたに向けて私は挨拶していますよ!」という魂が込められているのです。

一人ひとり目を見て、心に届くように挨拶をしてくれるので、その魂の込められた挨拶をされると、自然に背筋が伸びて「よし、私も頑張るぞ」と思えるのです。

そして、挨拶だけでは終わらない気遣いの言葉が、必ず添えられています。

でも、それは相手にとって負担にならない一言になるよう工夫されています。

たとえば、病欠明けで出勤したとき、「おはよう、昨日どうしたの?」と言われると、相手はその答えを一から話さなければなりません。

しかし「おはよう、もう大丈夫?」と言われれば、「はい、大丈夫です」で済みます。

このように、相手が考え込まず、すぐに答えられるような投げかけの一言は、ときに気遣いなのです。

「おはよう、今日は忙しそうだね?」「お疲れさま、今日の ○ ○イベント出席する?」 なども簡単に答えられるので、相手に負担をかけずに距離を一歩近づけることができます。

挨拶は「あって当たり前、ないと無礼」と言われるものだからこそ、挨拶にちょっと一言プラスするだけで、素敵な気遣いを感じることができるのです。

さらに気遣いの達人は、必ず自分から先に挨拶をします。

CAの訓練生時代、教官に教えられたことがあります。

「空港でライバル会社とすれ違うときは、必ず先に挨拶をしなさい。

挨拶は先にするほうが勝ちですよ」 挨拶は先にしてこそ価値があるもの。

相手の挨拶に対して返すのは、ただの「返事」。

気遣いができる人は、いつでも相手を心地よくさせるツボを知っているのです。

◆「話しかけやすい人」になる

挨拶を通じて距離が縮まると、人間関係にも好影響をもたらします。

「気さくな人」「明るい人」「話しかけやすい人」「相談しやすい人」 このような、イメージを持たれると、何かあったときにもまわりが協力してくれたり、助けてくれます。

ビジネスは、ごく身近な人たちの繋がりだけでは、なかなか発展していきません。

半径 2 ~ 3メートルの関係だけではなく、いろんな人と繋がることで、仕事が広がっていくことが少なくありません。

互いの繋がりが生まれるきっかけは、意外と「挨拶」という気遣いの言葉にあるのかもしれません。

気遣いの達人は、挨拶の意味やその重要性を深く感じて、実行している人なのです。

8 「ちょっとした一言」の積み重ねがまわりを動かす

◆感謝の言葉を惜しみなく

医療関係で働いている友人の話です。

日本の外科医でいわゆる「ゴッドハンド」と言われる名医と仕事をしたそうです。

その人は、明らかに他のドクターと違うところがあると言っていました。

それは、医師や看護師などチームスタッフの一つひとつの行動に対して、必ず一言声をかけているということでした。

「ありがとう」「そうそう」「いいね」「素晴らしい」「さすが」 短い言葉だけれど、そのおかげで、緊張しやすい手術室の中でもスタッフは自信を持って行動でき、スムーズに手術を進めることができるとのこと。

手術はチームプレー。

執刀医の腕はもちろん大事だけれど、チーム一人ひとりのパフォーマンスが上がらないと良い結果に結びつきづらいものです。

◆「もっと何かしてあげたい」に繋がる一言

ビジネスシーンにおいても、仕事がスムーズに進む人の行動の特徴として、「何かをしてもらったら気遣いの言葉をかける」ことが挙げられます。

相手に対する感謝の気持ちをしっかり言葉にして伝えられる人、と言い換えることができそうですね。

会社の受付の仕事をしている友人は、「信頼できる人は、とにかく受付の人にも感じが良い」と言っていました。

何かするたびに、「お手数をおかけします」「よろしくお願いします」「恐れいります」「助かります」「いつもありがとうございます」 など、必ず一言「気遣いの言葉」を言ってくれるそうです。

誰しも、お礼を言われると「もっと何かしてあげられることはないかな」という気持ちになるものです。

ほんの些細な一言かもしれませんが、あるかないかで印象は大きく変わります。

◆普段からの習慣にしよう

このような「ちょっとした一言」というのは、ビジネスシーンだけで発しようとしてもなかなかできるものではありません。

「一言加えるくらい、意識すれば簡単だろう」と頭では思っていても、意外と咄嗟には出てこないのです。

やはり、普段からの習慣が大切。

たとえば、カフェに行ったとき、お店の人に声を出してお礼を言う。

銀行などで対応してくれた人に感謝を伝えるなど、普段から意識して行うことで自然に言葉が出てくるようになります。

相手が自分のために動いてくれたことに対する感謝の気持ち。

そして、それを言葉で表現すること。

それは、普段の生活から意識することで身についていきます。

その積み重ねによって、相手は自分に好意を持ってくれる。

そして自分を慕い、また協力してくれる。

ビジネスの良いサイクルに繋がっていくのです。

9 「名前」を呼ぶと、心の距離がぐんと縮まる

◆「 ○ ○さん、どうぞ」と料理を出してくれるお店

CAをしていた頃、マイレージの上級会員の方に対し、お客様の名前をお呼びしてご搭乗のお礼を伝えていました。

名前を呼ばれると、特別扱いされているような感じがして嬉しくなるだけでなく、心理的にも近くなったような感覚が起こるというのを以前聞いたことがあります。

名古屋にあるお寿司屋さんは、美味しいことに加え、「お客様への気遣い」で人気があることでも有名です。

実際にお伺いすると、「三上さん、どうぞ」と言いながらお寿司を出してくれたり、「三上さんにお茶をお持ちしてください」と店員さん同士で指示を伝え合ったり、常に名前を呼んでくれるのです。

お店の方全員が、お客様の名前を憶えているのにも感激しました。

それだけで歓迎されているような気持ちになり、心地よい時間を過ごすことができました。

◆「売る営業マン」は顧客を必ず名前で呼ぶ

ホテルやお店などでは、「ネームコール」つまり「お客様を名前で呼ぶこと」に力を入れているところが多くあります。

でも、ビジネスシーンにおいては、意識して相手の名前を呼んでいる人は意外と少ない気がします。

以前、営業マンに同行し、オフィス機器の説明をする仕事をしていたときのこと。

私は「売る営業マン」に共通する法則を発見しました。

それは、お客様を「役職名」や「肩書き」だけで呼ばないということです。

必ず、「佐藤社長」とか「鈴木部長」など苗字を省略せず、会話の中で何度も繰り返しているのです。

このように、親近感が湧くコミュニケーションを取ることで、お客様の中にも、無意識のうちに、単なる営業担当者ではなくビジネスパートナーというイメージが刷り込まれていくのかもしれません。

お客様が、その営業マンとにこやかに話しているのがとても印象的でした。

「呼び方」を意識するだけで、相手との距離感はグッと縮まります。

◆下の名前で呼ぶときは「よろしいですか?」を添える

私は、プライベートでは、距離を近づけたくて知り合った人を極力〈下の名前〉で呼ぶようにしています。

ただ、これにはちょっとした気遣いが必要です。

あるとき、初対面の方を下の名前で呼んでいたら「私、下の名前で呼ばれるの、あまり好きじゃないんですよね……」と言われてしまったのです。

今までこちらの自己満足でやっていたことに気づき、恥ずかしいやら、悲しいやら、穴があったら入りたい気分になりました。

この経験をしてから、下の名前で呼ぶ前には必ず一言、ストレートにお聞きするようにしています。

「○ ○さんって呼んでもよろしいですか?」「お友達には何と呼ばれていらっしゃいますか?」 このように聞くのが気遣いです。

いきなり下の名前で呼んでしまうと、馴れ馴れしく感じることがあるので、相手もこの一言があると安心できますよね。

相手の反応をしっかり見ながら、距離を近づけたいという思いを伝えていきましょう。

間違っても「自己満足」にならないように注意したいですね。

いずれにしても、「名前で呼ぶ」というのは絶大な効果

効果があります。

相手への配慮や気遣いを忘れないようにしつつ、ぜひいろんな場面で相手の方を名前で呼んでみてください。

相手との距離が縮まっていくのがわかりますよ。

10 「すみません」は本当の気持ちが伝わりづらい

◆口癖になっていませんか?

CA時代、フライトを終えたある日、先輩に「三上さん、今日自分が何回『すみません』って言ったかわかる?」と聞かれました。

どうしてそんなことを聞くのだろうと先輩の真意がわからず、しばらく固まっていました。

すると、先輩は「少なくとも 10回は言っていたわよ。

そんなに『すみません』って言わなくていいからね!」と私に言いました。

自分では「すみません」とそんなに言っている感覚がなかったので驚きました。

先輩の一言があった日から意識してカウントしてみると、確かに「すみません」と何度も言っている自分に気づきます。

これまで言っているつもりがなかったということはつまり、特に意識もせず、意味もそれほど考えず、口癖のように使っていたのだろうと思いました。

◆使いやすいからこそ危険な言葉

この「すみません」という言葉。

よくよく考えてみると、いろんな意味で使われていることに気づきます。

「ごめんなさい」「ありがとう」「ちょっとお願い」「申し訳ありません」「失礼します」「恐れいります」……など。

実にさまざまな場面において、「すみません」をとりあえず使っていたのです。

それだけ便利な言葉でもあるのですが、たくさんの意味がある分、感情がこもってないように聞こえるという面があります。

◆別の言葉で言い換えてみよう

ある素敵な女性と、少し豪華なランチをする機会がありました。

その女性は、店員さんを呼ぶ際に「すみません」ではなく「お願いします」と声をかけていたのです。

素敵な佇まいと言葉の調子が合っていて、思わず「さすが」と唸ってしまいました。

また、何気ない日常ではさほど問題にならなくとも、ここぞという場面で「すみません」の連発は非常に危険です。

たとえば、クレーム対応の場面で「すみません」を使ってしまうと、お客様は軽くあしらわれたという印象を受けます。

このような場合は、「ご心配をおかけして、誠に申し訳ありません」と丁寧に謝罪するのが正解です。

お客様に対して「申し訳ありません」と感情を込めて言うのと、「すみません」と言うのとでは印象がかなり違います。

便利な「すみません」という言葉、あなたも使いすぎていませんか? 言葉がただの口癖にならないよう、相手の気持ちに照準を合わせて、「すみません」を違う言葉に置き換えてみましょう。

すると、相手に伝わる素敵な一言に変身するはずです。

11 雑談は、相手にとって「意味のある話」が大前提

◆お得になる情報をプレゼント

友人との雑談は盛り上がるのに、オフィシャルな場面だと何を話したらいいのかわからなくなる……という人は多いのではないでしょうか。

雑談は、目的を持って話をしなくても本来は良いものです。

いろんなところに話が飛んでも OKなはずです。

しかしビジネスシーンでは、相手との距離を縮め、良い雰囲気をつくる下地として使われることがよくありますので、気遣いのない雑談は嫌われます。

雑談の基本は、相手の話を聴くこと。

人は話をしっかり聴いてもらうと、「尊重されている」という感覚になり、その人に好感を持ちやすくなります。

まずは、相手に話をしてもらうことを意識しましょう。

とはいえ、相手の話を待っているだけでは、話が続かないことも多くあります。

自分から話を提供しなければならない場面もあるでしょう。

その際には、一方的な話で終わらないよう、雑談は「相手のお得になる情報をプレゼントする機会」と捉えます。

人は「意味のない話」を聞かされると疲れてしまいます。

ここで言う「意味」とは、 ・情報性 ・共感性 ・意外性

を指します。

情報性とは、相手にとってプラスになる情報であること。

共感性とは、相手が話に入ってこられるような共感部分があること。

意外性とは、相手が食いつくような面白い内容であること。

気遣いできる人は、相手に合わせて意味のある雑談のネタをいくつか用意しています。

雑談ネタは自己満足にならないよう、相手が受け取ったときの反応を想像しながら考えます。

それは、「お土産」を選ぶ感覚にもよく似ています。

何が好きだったかな、どんなものに興味があったかな、苦手なものは何だったかな、どんなものなら喜んでくれるかな……など相手のことを考えながら話題を探してみましょう。

◆ブログやサイトは貴重な情報源

そのためには、相手を知ることが肝心です。

第一線で活躍されている方々の気遣いは「さすがだな!」と唸ることが多々あります。

たとえば、大手生命保険会社で講演を依頼されたときのこと、直々に支店長が駅まで車で迎えに来てくださいました。

そのとき初めてお会いしたのですが、私は講演前ということもあり、やや緊張していました。

そんな私に気づいたのか、支店長は爽やかな笑顔で「三上さんのブログを読んでますよ」と話をふってくれたのです。

事前に見てくれていたことにまず驚いたのですが、「あのダイエットの記事、興味深いですね」と、具体的なお話もしてくれました。

相手のことを知るための事前準備を欠かさない姿勢。

いい講演にしたい、そのためには講師にまずリラックスしてもらおうという支店長の思いが伝わる気遣いです。

話が盛り上がる仕掛けは、ほんのちょっとの気遣いにあるのだと痛感しました。

今の時代、ブログやサイトなどで、いろいろな情報を気軽に手に入れることができます。

「相手のことを知りたい」という思いで、事前の情報収集をしてみましょう。

◆「あのときの話」が次の雑談に繋がる

また、「何気ない会話を覚えている」というのも気遣いの達人が為す技です。

銀行の役員秘書を長年していた講師仲間の Wさんの気遣いには、いつも驚かされます。

以前、 Wさんにお仕事を紹介した際、ぜひそのお礼をしたいということでランチに誘っていただきました。

Wさんがお店の候補を挙げてメールをくださったのですが、私が以前「暑さがとっても苦手」と言ったのを覚えてくれていて、「候補のお店はすべて地上に出ずに、駅直結の地下からたどり着くルートがあります」との一言。

ちょうどその時期は、外を歩くと暑さ厳しい真夏。

「すごいなあ、 Wさん」とパソコンに向かって思わずつぶやいてしまいました。

何気ない会話を覚えていてくれる気遣い。

雑談の中に、次に繋がる話の種が隠れていることは多くあります。

それを覚えておくことで、毎回の雑談に花が咲いていくのです。

プライベートでも、職場でも、相手との距離を縮めるために雑談は大きな力を発揮します。

距離が縮まると、ちょっとしたことも相談しやすく、また声をかけてもらいやすくなるので、ミスなどを事前に防ぐことにも繋がります。

ぜひ雑談で、コミュニケーションの幅を広げてみましょう。

12 質問は、「私が知りたい」より「あなたを知りたい」

◆会話が盛り上がる質問の極意

相手に質問することで、会話はどんどん広がっていきます。

質問は「あなたに興味があります」というメッセージになりますので、質問されたほうは、質問してくれた人に対して好感を持ちます。

ただ、質問があまり好感を持たれない場合もあります。

それは「あなたを知りたい」という視点ではなく、「自分が知りたい」という視点での質問になってしまっている場合です。

たとえば、次の Aと Bの質問をされたとき、どんな気持ちになるでしょうか。

A「その靴、どこのブランド?」「それ日本製?」「どこで買ったの?」 B「靴を選ぶポイントってどんなとこ?」「いつも靴にこだわりを感じるけど、どんなブランドが好き?」「ずっと欲しかった靴なんだね。

手に入れることができてどんな感じ?」 Aの質問は「クローズドクエスチョン( closed question)」と言われるもので YESか NO、もしくは一言で答えられる質問です。

情報を絞り込むのには良いと言われますが、これが続くと聞かれるほうはちょっと尋問されているような気分になります。

それに対し、 Bの質問は「オープンクエスチョン( open question)」と言って、感情や経過などを自由に話せるものです。

こちらは「あなたを知りたいから聞いている」という視点での質問になります。

Aは、自分が質問したことに対して〈 YESか、 NOか〉しか知ることができませんが、 Bは、相手が思っていること、感じていること、大事にしていることなどを幅広く知ることができます。

どちらの質問が「自分のことを知ろうとしてくれている」と相手が感じるか、一目瞭然ですよね。

質問の入口はクローズドクエスチョンであっても、どこかにオープンクエスチョンを入れることで、会話がさらに弾んだり、相手の意外な一面を知ることができます。

◆「ぜひ教えてください!」で心を開いてくれる

フライト中、お客様との会話を弾ませるのがとても上手な CAがいました。

私はその秘訣を知りたくて、どんな風に会話をするのか尋ねてみると、「お客様のほうが絶対詳しいことを質問するの」と教えてくれました。

たとえば、 ・お客様の住んでいらっしゃる土地の自慢を聞いてみる ・飛行機に乗った目的が登山であれば、登山の醍醐味を聞く ・お仕事の話をお客様がしてくだされば、苦労話を聞く……など。

このときのポイントは、「よろしければ」とは言わず、あえて「ぜひ教えてください!」と言いきること。

真似をしてみると、ほとんどのお客様が喜んでお話をしてくださいました。

私も今までたくさんの貴重な話を知ることができました。

ぜひオープンクエスチョンを使って、「あなたを知りたい」というメッセージを伝えてみてください。

相手のあなたに対する見方が少し変わってきますよ。

13 「聴いていますサイン」は相手にわかるように出す

◆理解しているか不安になるもの

自分では聴いているつもりなのに「ちょっと、ちゃんと聴いてる?」と家族や友人に言われたことはないでしょうか。

こちらとしては聴いているつもりでも、そう言われたことがある人は、ビジネスシーンでも少なからず同じことをやっている可能性があるので注意が必要です。

相手が自分の話を聴いていないように見えると、話しているほうは腹が立ちます。

それは、話を聴くのに値しないと軽く見られたかのように感じるからです。

また、「聴いていますよ」というメッセージがないと、「話を理解してくれただろうか」「伝えたとおりにちゃんとやってくれるだろうか」と相手は不安になるものです。

そうならないために、聴いているということを伝える必要があるのです。

◆「3つのポイント」を押さえておこう

ポイントは、大きく3つあります。

・顔を見て ・うなずきながら ・相づちを打つ「話を聴くときは、相手の目をしっかり見て」と言われたことはありませんか? 確かに目をしっかり見ることは「あなたの話に集中しています」というメッセージになります。

しかし、ジーッと凝視しすぎると相手も疲れてしまいます。

目を見続けるのは 5秒くらいに留め、鼻やのどのあたりを見ると、相手も安心して話すことができます。

「うなずき」は、動作で気持ちを伝えます。

しかし、これもただすればいいというわけではなく、相手の話の内容によってスピードを変える必要があります。

たとえば、苦情応対をする場面で細かく早くうなずいてしまうと、「ちゃんと聴いてるの?」「バカにしてるの?」と、さらにお客様の怒りに油を注いでしまうことがあります。

相手の思いを受け止める深刻な話には「深く、ゆっくり」うなずくことで、〈きちんと理解しようと思っています〉という気持ちが伝わります。

「相づち」は、「聴いています」というサインを言葉でしっかり伝えることが大事です。

「はい」「そうなんですか」「ええ」「なるほど」などを合間に挟むことで、相手が話しやすいリズムをつくってあげるのです。

相づちのポイントは、「 3回以上連続して同じ言葉を使わない」こと。

それは、機械的に言っているように聞こえてしまうからです。

また、声のトーンやスピードをその都度変えることで、会話に自然な流れを出すのがコツです。

◆会議の席でも同じように「サイン」を出す

一対一では気をつけていても、相手が複数になると、「聴いていますサイン」を出し忘れる人は多くいます。

会議などで誰かが発言しているときに、無表情で怒っているように見える人っていませんか? 話す側は、誰がどんな態度で聴いているのかをはっきり見ています。

無表情な人が目に入ると、「あの人は私の言ったことをおかしいと思っているのかな」と不安がよぎります。

意見に反対だと安易にうなずけない、と考える人もいますが、基本的に「うなずき」は「聴いています」というサインです。

賛成、反対にかかわらず、「うなずく」ことで、まずは「聴いている」ことを話している人に伝えましょう。

そうするだけで、会議の場での発言がより円滑に、活発になっていくでしょう。

CAも同じです。

乗務前に「ブリーフィング」といって、その便の保安やサービス業務の確認事項の打合せを行います。

チーフパーサーが中心になり進行しますが、 CAは話をしている人を見てうなずき、相づちを返し、メモをしっかり取りながら参加します。

それらの動作がないと真剣に聴いているように見えないため、チーフパーサーはもちろん、まわりが不安になります。

安全を守る仕事をする上で、メンバーを不安にさせる態度は御法度です。

まわりが反応することで、その場に一体感が生まれ、良い雰囲気がつくり出されます。

その結果、一番大事な安全性も確保できるのだと思います。

「聴いていますサイン」は、メッセージを受け取っていることを伝えると同時に、相手を大事に思っていることを伝える一つの気遣いです。

「無反応」で終わらせないよう、一対一でも、大勢の場合でも気をつけたいものです。

14 「同感」と「共感」を混同しない

◆「それはひどい奥さんですね」で上司を怒らせる

同感と共感は違う。

この2つの違いを理解し使い分けると、話を聞くときに、話し手の気持ちに寄り添った反応ができるようになります。

あるとき、 A課長は飲み会の席で、自分の奥さんに対しての不満を愚痴っていました。

「家に帰ると奥さんがいろいろ文句を言ってくるから、ストレスがたまるんだよ」そんなことをさんざん部下たちに話していました。

すると、部下の Bさんは、「それはひどい奥さんですね ~」と A課長の愚痴に呼応するように返しました。

しかし、 A課長は、その Bさんの一言にムッとしたそうです。

さんざん自分では奥さんの悪口を言っておきながら、 Bさんに言われたとたん、なんか急にムッときてしまった。

きっと A課長は、「他人に身内の悪口は言われたくはない」、こんな気持ちになったのではないでしょうか。

Bさんも、上司の意見に調子を合わせていたはずなのに怒らせてしまうこととなり、さぞ焦ったことでしょう。

◆同感しない。

否定しない。

共感する

Bさんはどんな言葉を返せばよかったのでしょうか? Bさんが言った「それはひどい奥さんですね ~」は「同感」です。

相手の話に対して、「私も同じように思います」と言うことです。

同感していい場面はもちろんありますが、「身内の悪口に賛同する」ようなこの状況では好ましくありません。

また、なんでもかんでも同感ばかりしていると自分の意見がない人と映ることもあります。

では、 A課長の愚痴に対して、「でも奥さんも大変なんじゃないですか?」と返したらどうでしょう。

これは、 A課長が自分の意見を「否定」されたと感じてしまう可能性が高いですね。

「なんだ、お前は俺が悪いとでも言うのか!」なんて怒らせてしまいかねません。

同感はしない。

否定もしない。

ではどうすればいいのでしょう? そこで出てくるのが「共感」です。

共感とは、肯定も否定もせず「ただ相手の気持ちを受け取ること」。

この場合、「 A課長はお家でだいぶストレスを感じていらっしゃるんですね」と返します。

これは、 A課長の気持ちをそのまま言葉にしただけです。

A課長は奥さんがひどいという事実よりも、「自分が大変なんだ」「ストレスがたまっているんだ」という気持ちを誰かにわかってほしいから話をしたのです。

それに対し、「その気持ちわかりますよ」と伝えるのが共感です。

◆「相手の気持ち」をそのまま言葉にするだけ

ビジネスシーンでも「共感」を使うと、上手にコミュニケーションを図ることができます。

たとえば、クライアントが「うちの社員、なんだか元気がないんだよね」と言ったとします。

同感だと「そうですね。

ちょっと元気がないですね」、否定だと「そんなことはないですよ」となります。

これらの言葉だと、相手は受けとめてもらったという感覚にはなりづらいのです。

一方、共感であれば「元気がないと感じていらっしゃるのですね」となります。

これであれば、クライアントは自分が感じていることをしっかり受けとめてくれたと思い、信頼して相談してくれるようになるでしょう。

以前私も、共感してもらうことで、癒され、やさしい気持ちになれた経験があります。

それは、近所の和菓子屋さんでお菓子を買ったときのこと。

家に帰って袋を開けると、買ったはずのお菓子が一部入っていませんでした。

慌てて電話でお店に問い合わせると、お店のおばあちゃんが、「本当にごめんなさいね。

お家に帰ってとてもがっかりされましたよね」 と言ってくれたのです。

「とてもがっかりされましたよね」という言葉になんだか癒され、怒る気持ちは全くなくなりました。

私は自分の気持ちを言葉で伝えたわけではありませんでしたが、それを読み取って言葉にしてくれたことが嬉しかったのです。

気持ちに焦点を当て、それを受けとめ、言葉にして返してあげることが「共感する」ということです。

共感とは、相手の心に寄り添う大事な気遣いなのです。

15 相手に「求める」のも気遣いのひとつ

◆求められると言いやすい

ある人気講師のセミナーのお手伝いをしたときの話です。

「三上さん、私のセミナーを見ておかしいと思ったこと、気になったことがあったら、後でぜひ教えてくれないかな?」と言われました。

講師歴 20年以上のベテランの方に、私なんかがコメントしていいのだろうか……。

変な指摘をして機嫌を損ねないだろうか……。

私は、そんなことを心配していました。

セミナー終了後、「本当に小さいことなんですけど、あえて言うならば……」と気になる部分をお伝えしたところ、その講師の方は、こう言ったのです。

「わあ、ありがとう。

全然気づかなかったよ、助かるなあ。

他にもあったら言って、言って!」と、さらにコメントを求めてくれました。

私は、「お伝えしても大丈夫なんだ!」と思い、安心して気づいたことをいくつかお伝えしました。

講師の方が私にコメントを求めなければ、またこのような反応を返してくれなければ、どんなに気づいたことがあっても、私は絶対に本人に伝えていなかったでしょう。

それは、言った後の相手の反応が怖いからです。

「怒らせてしまうんじゃないか?」「こいつ、何もわかってないって思われるんじゃないか?」「見限られるんじゃないか?」 そんな思いがあるからです。

◆「ぜひアドバイスをお願いします」が成長を促す

裏を返すと、私自身も積極的にまわりにコメントを求めないと、指摘してもらえないことがたくさんあるのではないかとハッとしました。

仕事に慣れてくると、知らないうちに自己流になっていることが多くあります。

指摘をされるのは恥ずかしいし、気持ち的にもしんどいことかもしれません。

今までのことが、すべて否定されているかのような気分になってしまうこともあります。

でも、それを避けていたら更なる成長はのぞめません。

CA時代、人気がある先輩と一緒に仕事をしたときのことです。

私に指導した後、こんなことを言ってくれたのが今でも忘れられません。

「私のことで何か気になることなかった? 言いにくいかもしれないけど、ぜひ教えてくれる?」 常に磨きをかけて輝いている先輩の秘密を垣間見たような気がしました。

「ぜひ」と言われると背中を押されるようで不思議と言葉も出てきます。

このように、勇気を出して、「ぜひアドバイスをお願いします!」と言ってみると、大抵の人は何かしらの助言をしてくれます。

そして、それは自分では気づかないようなこと、言ってもらってよかったなと思うことばかりです。

「指摘する」というのは、よっぽどじゃない限りしてくれないもの。

だからこそ、こちらから求めて初めて言ってくれる場合がほとんどです。

でも、この一言が言えるか言えないかで、先の成長の度合いが変わってきます。

私は、新人研修を担当するときには、後輩にこんな風に伝えています。

「みなさん、職場に配属になったら、『小さなことでもいいので、ぜひアドバイスをください』と言ってまわってみましょう。

自分からそう伝えることで、素敵なアドバイスをたくさんもらえますよ!」と。

「ぜひアドバイスをお願いします」という一言は、相手にも、自分にも、大いに恩恵のある気遣いの言葉なのです。

16 上司への気遣いの基本は、こまめな報告

◆報告の有無は、信頼の有無

上司が部下に対してイライラすることの一つに「報告してくれない」ことが挙げられます。

ここには2つの意味が含まれています。

・聞かないと報告してくれない ・結果を先に報告してくれない 報告に対してナーバスになる上司の思いは、「期限に間に合わないとまずいのに、大丈夫なのかなあ」「軌道修正が必要であれば、早めに指示を出したいのに」「ギリギリになって手が打てなくなったら、最終責任は自分なんだよなあ」 上司には、部下の状況を把握する役割と責任があるのです。

仕事をしていく上で、報告の有無は、そのまま信頼の有無に繋がります。

「上司は忙しそうだし、そこまで言わなくてもいいか」と迷う内容でも、ないよりはあったほうが上司も安心です。

私は、報告をしすぎて叱られている人を見たことがありません。

タイミングを見計らい、小さなすきま時間を狙ってでも報告をするのが気遣いです。

◆「細かさ」よりも「結論」を最優先

とはいえ、忙しい上司が多いのも事実。

どんな内容を、どのような順番で言うかはとても大切です。

たとえば、こんな報告をしている人が意外と多くいます。

私が CAの頃に、よくあった事例です。

「チーフ、報告してもよろしいでしょうか。

15 Aの席のお客様ですが、お子様をひざに乗せた状態で前のテーブルを出していたので、テーブルが斜めに傾いていて、テーブルに乗せていたお茶入りの紙コップがあったのですが、お渡ししたときは蓋をしてお子様にお気をつけくださいと言いお渡ししていたのですが、蓋を外したままにしていまして、そのときに急にお子様が脚をバタバタしはじめて……」 このような報告をしていると、「結果から言ってください! 飛行機が着陸してしまいますよ」と言われます。

「お客様がお茶をこぼされた」という報告なのですが、最後まで聞かないとどんな状況なのか全くわかりません。

報告を受けているチーフは、スピーディに判断をして指示を出したいのです。

「報告は細かく言わないと伝わらないのではないか」という、報告する側の思い込みがありますが、忙しい上司にとっては「細かさ」よりも「結論」が優先されます。

◆相手が安心する「報告の形」とは?

報告の基本は、「相手の知りたいこと(結果)から先に、簡潔に伝える」こと。

この場合なら、 ①お客様がお茶をこぼされましたが、やけどはありません ②黒い洋服なのでシミもわかりません。

隣の人にもかかっていません ③原因はお子様をひざに乗せた状態でテーブルを出し、お子様が脚をバタバタさせたことです ④サービス時には「お気をつけて」という言葉とともに蓋をしてお渡ししました つまり、 ①結果 ②それに伴う影響 ③原因 ④事前に対処していたこと このような順番で伝えていくことが妥当です。

上司への気遣いの基本は、こまめな報告。

仕事が終了するまでの間の「経過報告」は、しっかりと行いましょう。

そして、何よりも伝える順番を押さえておくこと。

報告は「相手の知りたいこと(結果)から先に、簡潔に」。

これさえできていれば、相手が安心する報告ができるでしょう。

17 「力になろう」と思ってもらえる相談のしかた

◆「丸投げ」はやってはいけない

ビジネス上の相談は、友人に相談するように気軽になんとなくしてしまうと、「何も考えてない」と無作法に思われてしまうことがあります。

大切なのはまず自分の考えを用意した上で、何のアドバイスがほしいのかを絞って相談すること。

全く考えずに丸投げしたような相談は、ビジネスの場においては不向きです。

「どうしたらいいでしょうか?」 ではなく、「私はこのように考えています。

○ ○さんはどう思われますか?」 というように相談するのが基本です。

◆「結果報告」を忘れないで

そして何より相談で大事なのは「相談した後」です。

相談した側は、その後の報告をウッカリ忘れがちです。

しかし、相談された側は「あの話どうなったのかな?」と気になっているものです。

相談には「結果報告」がつきもの。

結果がわかり次第、伝えるようにしましょう。

このときには、ただ報告するのではなく、言い回しにも気をつけたいものです。

「おかげさまで」 「○ ○さんに相談にのっていただいたおかげで」 という切り出し方が、相手に好まれる言い方です。

最終的に良い結果が出なかった案件でも、もちろん報告しましょう。

そのときには、「今回は私の力不足でしたが、 ○ ○さんからいただいたアドバイスは貴重でした」「今回のことは、必ず今後に活かします」 など感謝の気持ちをプラスして伝えるといいでしょう。

相談や報告がしっかりしていると、相手も「何かあったときは、また助けてあげたい」という気持ちになります。

一方で、お礼の一言がないために、陰で「がっかりだな」と言われている人も多くいます。

気遣いの積み重ねで、まわりがあなたの強力な味方になり、心強いサポートが受けられるようになるのです。

相談と報告は、相手に対する尊敬と感謝の心の表れです。

それが、ビジネスマンとして、相談する相手への気遣いということを忘れないようにしましょう。

18 気持ちよく指示を受けるポイント

◆部下としてかわいがられる人の共通点

部下としてかわいがられる人の共通点として、「指示を受けるときの態度が良い」というのが挙げられます。

指示を出すたびに面倒くさそうに見えると、上司はその部下と接触すること自体がストレスになるからです。

指示を受けた内容を実行するのであれば、気持ちよく指示を受ける、そのように上司に見えることが気遣いとして必要になります。

指示を受ける態度が良いと思われるポイントは3つ。

・「返事」をする ・「メモ」を取る ・「復唱」をする 他にも細かく挙げればいろいろありますが、まずはこの3つができていると好感を持たれます。

「なんだ、そんなことなら知ってるよ」と思う方も多いかもしれませんね。

でも私の経験上、「知っている」けれど「やっている」人が少ないのがこの3つ。

シンプルだけど差がつくポイントかもしれません。

◆返事は明るく、復唱を忘れずに

「返事」をするというのは、指示を受けたときの第一声が肝心ということです。

相手に届くように、しっかり「はい」と返事をするのが基本です。

「返事」は長年の習慣が出やすいもの。

悪気なく返事を流している人は意外にも多いので注意しましょう。

どこの会社にも先輩のウケが良い後輩がいますが、共通して言えるのは「返事が爽やかである」ということ。

明るい返事はやる気、素直さを感じさせます。

「メモ」を取るというのは大事な行為です。

上司が指示を出すとき、最も不安になるのは、部下が「メモを取っていない姿」です。

いい加減に聞き流しているように見えるだけでなく、指示を忘れないか不安になるものです。

ただ、一から十まですべてをメモする必要はありません。

後で見たときにポイントがわかるよう、要約し手早くメモを取っていきましょう。

最後のポイントは、「復唱」すること。

「復唱」は指示を理解したことを伝えるだけでなく、上司の言葉を繰り返すことで無意識に好意を伝える効果もあります。

人は、自分に似た人を好む傾向があります。

自分と同じ言葉を使う人にもまた同じように好感を抱きます。

たとえば、「コピー 30部お願い」という上司の指示に対して「はい」とだけ言うのと、「はい、コピー 30部ですね」と復唱するのとでは印象がかなり違います。

このとき、復唱する言葉は同じ言葉を使うことがポイント。

「コピー 30部お願い」と上司が言ったのに対し、「はい、プリントアウト 30部ですね」と何気なく自分の言葉に言い換えると、上司は少し否定されたような気がするものです。

CA時代、お客様に「すいませ ーん! 飴ちゃんある?」と聞かれたことがありました。

「はい、飴ちゃんあります。

お持ちいたします」と私が言うと、お客様がニッコリ嬉しそうなお顔をされたのを思い出します。

このとき「はい、飴でございますね」と言うのは正しいかもしれませんが、距離を感じさせてしまいますよね。

これら3つのポイントは、相手が上司だけでなく、いろんな人に当てはまるものです。

相手が気持ちよくなる気遣いであり、また自分も「しっかりやろう!」と意識が高まる言動にもなるので、覚えておくといいでしょう。

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