おつきあい
198親密度で紹介する順番が変わる
初対面の方同士を引き合わせる席でどちらから先に紹介すればいいかと迷ったら、「そのメンバーでキーパーソンになる方に、先に情報を伝える」と覚えておきましょう。
複数の方が集まる場では正解はひとつではありませんが、日頃からイメージトレーニングをしておくと、とっさのときでもスマートにご紹介ができるようになりますよ。
199目上の方に下座をすすめていいとき
レストランやカフェなどでは、一般的に壁側、窓側など、入り口から見て奥の席が上座となります。
しかし、桜が見事な春、新緑の美しいシーズン、紅葉がきれいな秋など、お庭や景色が素晴らしい場所でしたら、外がよく見える手前側、つまり本来の下座が上座となることもあります。
そんなとき、目上の方など本来上座をすすめるべき方には「こちらのお席のほうがお庭がよく見えますので」と、ひと言添えて誘導されるとよいでしょう。
または、「どちらがよろしいですか?」とご本人に委ねてみても。
200「お好きなものをどうぞ」と言われたときの選び方
「お好きなものをどうぞ」と何種類かのお菓子や飲み物などを出された場合、それぞれの数が少ないと、本当に好きなものを取っていいのかどうか迷ってしまいますね。
私の友人に、そんなときごく自然にほしいものを手にできる人がいます。
彼女は「わあ!抹茶おいしそう!あ、でもみなさんお好きなものを取って」と素直に口に出すので、周りに「〇〇ちゃん、抹茶味がいいでしょ?どうぞ」とすすめていただけるのです。
こういった自然なふるまいなら微笑ましく感じますね。
201お土産はその場にいるみんなに渡すべき?
周りに人がいらっしゃるなかで、おひとりだけにお土産を渡したいとき、少々気が引けますね。
ひとりになられたタイミングでお渡しできればよいですが、それが難しい場合は、「いつもお世話になっております。
先日はありがとうございました」など、感謝やお礼の言葉を伝えてから、「京都へ行ったので……」と添えてみてください。
単純なお土産というより、お世話になっているお礼という意味になり、周りの方にも違和感を感じさせずにお渡しできますよ。
202キャンディひとつでも育ちのよさはわかる
どなたかと一緒の場面で、持参のキャンディなどをひとりで口にしたら……たとえ相手の方はまったく欲しくなかったとしても、「あら、ひと言お聞きにならないのね」と気になるものです。
些細なことではありますが、「おひとついかが?」「召し上がる?」などといったお声がけをお忘れなく。
数がない場合や、理由があってお分けできない場合も、「ちょっと失礼します」「朝から喉の具合が悪いので、失礼してのど飴をいただきます」と、ひと言添えてから口にしましょう。
小さな心遣いが、育ちがいい人かどうかの分かれ目になるのです。
203うれしくない物をプレゼントされたとき
贈り物はとてもうれしいものですが、いただいた品物が好みに合わないということもあるものです。
しかし、相手の方のお気持ちや、品物を選び、購入し、お支払いしてくださった時間や手間に感謝し、ありがたく受け取りましょう。
ただ、多くの方が困ってしまうのは、アクセサリーやスカーフ、香水、服など身に着けるものをいただいた場合ではないでしょうか。
たとえ自分の趣味に合わなくても、やはり1〜2回は着用している姿をお見せしたいもの。
難しければ、「先日、いただいたストールを使わせていただきました。
ありがとうございました」と他の場所で着用した旨をきちんとお伝えしましょう。
204夫の職業や子どもの自慢をされたときは
昨今、「マウンティング」という言葉をしばしば耳にします。
住んでいる場所、夫の職業、子どもの成績など、あらゆることで「自分のほうが優れている」ということをアピールする行為だとか。
自分がしないのはもちろんのこと、もしされた場合も、「うちの主人はね……」と対抗してしまっては、同じレベルになってしまいます。
品よく受け流して、そういったおつきあいからは距離をとるのが賢明です。
とはいえ、「ママ友仲間から外れたくない」と思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、ママ友はあなたが選ぶもの。
大人として挨拶はしっかりし、心の中ではきちんと線引きを。
「あの手の関係が好きではないので、私はママ友づきあいは一切していません」と言う生徒さんは、余計なストレスのない、芯のある生き方をされているようにお見受けします。
訪問
205訪問時間は食事どきを避けて
友人、親戚、同僚、上司などのご自宅を訪問する際は、食事時を避けるのが基本です。
では、具体的に何時がいいのでしょうか?8時や9時など朝早い時間、また、夕食後の夜の時間も配慮に欠けます。
ベストは、午前なら10〜11時頃、午後なら2〜4時、遅くても5時頃まで。
また、たとえ話が盛り上がったとしても、長居しすぎないのが育ちがいい人。
2時間程度を目安にお暇したいですね。
206「近くまで来たので……」突然の訪問はあり?
「近くまで来たものですから」と突然訪れるのが珍しくなかった時代もありましたが、携帯がある現在では、身内やよほど親しい間柄でない限り「突然」は失礼となります。
携帯に電話をかけるのでさえ、「今、お電話していいかしら?」とあらかじめ尋ねるのも珍しくないほど、「いきなり電話する」「いきなり訪ねる」ことに抵抗を感じる方は増えています。
意識しておきましょう。
207むしろここがわからなかった!靴を脱ぐときの所作
訪問先の玄関では、「正面を向いたまま靴を脱いで上がり、振り返って腰を落とし、靴の向きを変える」と前作でお伝えしたところ、大きな反響がありました。
同時に、「靴から足を抜くときの正しい所作がわからない」と、新たに思わぬお問い合わせが!確かにこのような細かい所作を教わる機会は、なかなかないものですね。
パンプスでしたら、片方のかかとの側面をもう一方のかかとの側面にグッとつけてそのまま足を抜くことで、手を添えずにすっと脱げます。
注意していただきたいのはボタンつきのストラップなど、手を使わないと脱げない場合。
深く上体を折り曲げてストラップをはずす所作は美しくありません。
正しい所作は、上半身はまっすぐに保ったまま、スッと腰を落とし、ストラップを外すというもの。
なお、立ったまま片足を上げて外すのも、美しさの観点からNGです。
208人前でブーツを脱ぐときは
目上の方のお宅を訪問するときや靴を脱いで上がる和食店での会食では、できるだけブーツは避けて、とお伝えしています。
脱ぎ履きに時間がかかり、人をお待たせしてしまいますし、美しい所作での脱ぎ履きが難しいからです。
待たせている、見られている、と思うと緊張して焦ってしまうのも困るところ。
ロングブーツの美しい脱ぎ履きの所作は、私のレッスンでもお伝えしていますが、普段使っていない筋肉も使うので皆さん大変なご様子。
大切な場で視線を浴びながら「すみません……」と脱ぎ履きすることを思うと、ブーツは避けるのが無難です。
209脱いだロングブーツを置くとき
ロングブーツは、脱いだあとにも気遣いが必要です。
立てて置いたはずなのに、帰る頃にはクタッと折れ曲がり、左右に分かれて倒れてしまったり……。
これではあなたまでが「だらしがない人」のように映ってしまいます。
ロングブーツを脱いだら、すぐに左右とも一方向に折ってしまいましょう。
あらかじめ折っておけば、あとでバラバラに倒れることなく安心です。
やはり、訪問のときはブーツに限らず、玄関でできるだけスムーズに脱ぎ履きできる靴が理想です。
とくに彼のご実家への初訪問や会食など大切な場面では、たったひとつのボタンであっても、留め外しの際はとても緊張するもの。
余計な緊張を減らし、安心して美しい所作ができる靴を選んでくださいね。
210訪問先のスリッパは素足で履かない
まず、訪問先へ素足で上がることはマナー違反と覚えておきましょう。
ご用意いただいたスリッパを素足で履くことは失礼にあたります。
スリッパのご用意が
ないご家庭であっても、靴を脱いだばかりの足でペタペタと歩かれるのは心地よくないはずです。
親しい方のお宅なら、マイスリッパや携帯スリッパを持参するのもよいでしょう。
お子さん連れの場合は、玄関できれいな靴下に取り替えさせれば、双方が気持ちよく過ごせます。
211スリッパホルダーに戻すのはやりすぎ
訪問先をお暇する際に、脱いだスリッパはどうされていますか?スリッパホルダーに戻すことが親切で丁寧なふるまいとお考えになるかもしれませんが、スリッパホルダーに収めるのは〝収納〟であり、本来、家主が行うことです。
お客様としては、脱いだスリッパをくるっと回して揃えておくだけで十分です。
212手土産は床に置かない
訪問先の玄関で、ひと手間かかる靴を脱ぐとき、バッグや手土産をいったん床に置きたくなりますね。
ご自身のバッグはよしとしても、これから相手に差し上げる手土産を床に置くのは失礼な行為となります。
とくに、食べ物の場合は避けてください。
手土産はできるだけ手に持ったまま、もしくは、腕にかけたままで上がりましょう。
213訪問先でのほめポイントの見つけ方
初めてのお宅を訪問するときは、そのお宅の家具やインテリアなどの設え、お庭やその草花をはじめ、「素敵なおうちですね」と家そのものをほめることも多いでしょう。
また、物ではなくても、お掃除が行き届いていることや日当たりなど、何かしらよいところを見つけてほめることが、心地よい会話の糸口になります。
もしどうしても見つからない場合は、「居心地がいいわ」「落ち着きます」など、ここに来られてうれしい、という気持ちをお伝えして。
214手土産を紙袋のまま渡していいとき
手土産をお渡しするときは、紙袋ごとではなく、袋から出してお渡しするのが正式なマナー。
お祝い、お中元、お歳暮をお渡しするときや、目上の方のお宅に伺ったときなどは、マナーに則ってふるまいたいですね。
ですが、例外もあります。
お渡しする場所がお店や廊下、屋外であったり、近くに従業員がいるビジネスシーン、また、相手がお急ぎの場合は、紙袋ごとお渡しするほうが適しています。
まずは、基本のマナーを知ったうえで、その場に合わせたふるまいに適切にシフトできることが、育ちがいいと感じさせる条件です。
215早めに帰りたいときは相手を気遣う言葉で
訪問で会話が盛り上がり、お暇するタイミングを失い長居をしてしまった……ということはよくあるものですね。
それを避けるには、「今日、3時には出なくちゃならないけど、お宅は何時頃まで大丈夫?」と最初にお声がけしておくこと。
自分の都合だけでなく、相手の都合も気遣っている言葉となり、ソフトな印象に伝わります。
216「いいのよ、あなたは座ってて」と言われたら?
ご主人の実家で、「あらいいのよ、あなたは座っててちょうだい」とお義母様に言われたら、「ありがとうございます」と座ってしまっていいのでしょうか?遠方なら、到着した日は移動の疲れもあるので、ある程度甘えてもいいかもしれません。
ただし、その際にも「いえ、何か手伝わせてください」「いえいえ、洗い物をしますので」など、2回は申し出たいもの。
それでも「大丈夫よ」と言われたら「じゃあお言葉に甘えて……。
何かあったらおっしゃってください」とつけ加えましょう。
しかし、お客様ではなく家族ですので、滞在が長くなるのであれば、若いお嫁さんのほうがたくさん動く、と心得て。
217テーブルに出されたお菓子を取るタイミング
「どうぞ召し上がって」と、大皿に盛られたお菓子がテーブルに出されたまま、誰も取ろうとしない——遠慮がちな日本人によくある光景ですね。
こんなときはホスト側の配慮が必要です。
「これ美味しいのよ。
どうぞどうぞ!」と器を寄せたり差し出したり、「○○さん、いかが?」とお名前をおっしゃってすすめれば取りやすい雰囲気になります。
ホストからそんな言葉がない場合は、「おいしそう!〇〇さんどれになさる?」「お先にどうぞ」と、近くの方を促して差し上げることで、みなさんが遠慮することなく手を出せるきっかけになりますね。
お招き
218手土産がかぶってしまったら
お客様のためにおもてなしのお菓子を用意していたところ、お客様の手土産とかぶってしまった─同じお店のものではなくとも、このようなことはたまに起こります。
旬のものや季節の限定品など「これぞ!」というものも重なることがありますね。
でも困ることはありません。
手土産はお客様も一緒に食べようと思ってお持ちくださっている場合が多いので、「実は、私も似たようなものを用意していたの。
奇遇ね!」と、どちらもお出しすれば「気が合うわね」と笑い話になるでしょう。
もしくは、「こちらはどうぞお持ちになって、ご家族で召し上がってね」と、用意していたものはお持ち帰りいただくのもおすすめです。
219ママ友の子どもに、家のものに触れてほしくないときの伝え方
幼いお子さん連れのお客様がいらした場合、お子さんに家の中のものを勝手に触られるのでは、と内心ハラハラしても、なかなか言い出しづらいもの。
そんなとき、「それ、触らないで」と直接注意するときつく聞こえてしまいます。
「それ、お戻ししてくれる?」「見たいものがあったら言ってね」と言い換えることで柔らかく伝わり、ぎくしゃくするのを避けられます。
逆に、訪問する側のマナーはどう考えたらよいでしょう?「おうちを一歩出たら、すべて人のもの」と教え、「これ触ってもいいですか?」と許可をいただく癖をつけておくとよいですね。
220目下の人への気遣い
ある生徒さんのお話です。
「夫の実家に帰省したとき、お寿司の出前をとってくれたんです。
義理の母が『直箸で好きなものを取ってね』と言ってくれたのですが、ウニやトロなどの高価なものには手を出しづらくて……」確かに、「遠慮しないで好きなものを召し上がって」と言われても、立場上なかなか手を伸ばせないということもあるでしょう。
こんなときは目上の方やホストから「〇〇さん、ウニはお好き?」「ここのトロは美味しいのよ。
食べてみて」と、さりげなくおすすめしていただけるとありがたいですね。
自分がお招きする側になった際のご参考に!
221苦手な食べ物を上手に残すには
友人や彼のご実家、レストランなどにお呼ばれしたとき、苦手な食べ物が出ると残してよいか悩みますね。
相手の方との関係性により、好みでなくてもいただくのもマナーのひとつ。
ただし、「美味しい!」という言葉は、その後もふるまってくださるかもしれないと考えると控えたいもの。
苦手ということを暗にお伝えしたいのであれば、少しだけ召し上がり、「いつもは苦手なのですが、お義母様のはいただけました」などにとどめるのがよいでしょう。
222苦手なお料理の残し方
お料理に手をつけずに残される場合は、「私、これちょっと苦手なのでよろしければ」とどなたかに召し上がっていただくのもよいでしょう。
たとえご自分はいただかなくても、お料理を作ってくださった方、ごちそうしてくださる方に感謝と敬意を表せるのが育ちがいい人です。
アレルギーや、どうしても苦手なものがある方は、前もって招いてくださった友人や彼に伝えておくのが一番安心です。
223人の手料理に調味料を足すのは失礼?
ご自宅にお招きいただいた際は、レストランとは異なります。
出された手料理をひと口も召し上がらないうちに、塩コショウやお醤油、ソース類などをかけてしまっては、「せっかくの素材の味を愉しんでほしかったのに」「味が薄かったかしら?」と思わせてしまい、失礼にあたります。
また、品のない行動とも言えますね。
まずは「お出汁がきいていてとても美味しいです」など、お料理そのものの味をほめた後で、「こちらを足したらまた違った美味しさになるかしら」ともっと愉しみたいというニュアンスのひと言を添えるなど、作ってくださった方に配慮しながら足すようにしましょう。
224スイーツの袋のオシャレなまとめ方
個包装になった焼き菓子や、おせんべいなどの袋やセロファンは、簡単にまとめておくのが、育ちがいい人です。
折っただけでは開いて戻ってしまうこともあるので、細長く折った後、ひと結びしておきます。
ここでは、ちょっと粋な結び方をご紹介します。
細長く折ったものを次の図のようにさらに3回折っていくと、最後に端と端を交差させるだけで、素敵に簡単にまとめることができますよ。
225早く帰ってほしいときは
訪問やお招きの際に、「早く帰ってほしい」または「早く帰りたい」と感じた経験のある方は多いのではないでしょうか。
とはいえ、もちろんストレートにお伝えするわけにはいかないので悩むところですね。
上手に伝えるポイントをふたつご紹介しましょう。
ひとつは、〝早めに予定を伝えておく〟こと。
話が盛り上がると、誰しもお暇を言い出しにくくなるものですが、最初に「このあと、ちょっと銀行に行かなければならなくて。
3時ぐらいまで居ていいかしら?」と言っておくと帰りやすくなります。
逆に相手にお帰りいただきたい場合は、「いらっしゃい。
どうぞ上がって。
今日は私、4時くらいまで大丈夫だから、それまでゆっくりしていってね」と、歓迎ムードと併せて時間を限定しておけば、悪い印象は与えません。
もうひとつは、「あら、もうこんな時間!私、夕飯のお買い物でスーパーに行くから、駅まで一緒に行かない?」など、〝まだあなたと一緒にいたい〟といったニュアンスで促すと、〝そろそろ帰ってほしい〟とは感じさせない、スムーズなお暇につながります。
226ガチャッという鍵の音が気になる
訪問先の玄関を出た際、歩き出した途端に「ガチャッ」と鍵をかける音が聞こえたら?昔ながらの日本人のおもてなしの文化からすると、大変無礼な行動となりますね。
失礼で冷たい人という印象も与えてしまいますし、相手の方は「やっと帰ったわ!」と思われているような気分にもなってしまいます。
鍵をかける音はマンションの廊下や庭に意外と響いてしまいます。
お客様を不快な気分にさせないために、ひと呼吸置いてから、もしくは音が聞こえない場所まで離れた頃、静かに鍵をかけるようにしましょう。
これは宅配便や郵便などの配達員さんに対しても同様にすべき気配りだと思います。
業者の方への対応
227自宅で作業してくれる方への応対
修理やお掃除など、自宅へ来て作業してもらうとき、数十分以上かかるような場合は「お茶が入りました。
一服どうぞ」と、ある程度切りのよさそうなところでお声がけするのが理想です。
なお、作業中、ずっとそばに居続けては監視をしているようで息がつまりますので、「何かあったら声をかけてくださいね」とお伝えし、つかず離れずの場にいらっしゃるのも気配りでしょう。
228宅配の方への心遣い
真夏の炎天下や、凍えるような寒さの下でも気持ちよく荷物を運んでくれる宅配便の配達員の方には本当に頭が下がりますね。
私も毎回感謝の気持ちを伝えています。
私が親しくさせていただいている断捨離(R)提唱者・やましたひでこさんは、「いつもありがとうございます」とよく菓子折りやドリンクセットなどをお渡ししているそうです。
いただきものが多いご家庭でしたら、食べ切れないときなどに、このようなかたちでおすそ分けして感謝と労いの気持ちを伝えられると、お互いにうれしいですね。
229引越し業者さんへ感謝を伝える
これまで何回か経験した引越しでは、ありがたいことに作業員さんの働きぶりはもちろんのこと、言葉遣い、心遣いなど総合的に大満足な仕事をしてくださる方ばかりに恵まれました。
予定になかった作業を遠慮がちにお願いしても「いいですよ!」と快く引き受けてくださり本当に心強く感じました。
私は、荷物を積み込み終え、新居に向かわれるタイミングで「この後もよろしくお願いします。
少しですが、お昼ごはんや飲み物でも召し上がってください」と、人数分の心づけをお渡しするようにしています。
また、すべて終了した時点で何種類かのペットボトルをお持ち帰りいただくことも。
感謝の気持ちは状況に応じ、言葉で、品物で、チップで……とさまざまな方法で伝えたいものです。
引越し・お祝い
230引越しの挨拶
以前は、引越しをしたらご近所に挨拶に伺うのはごく当たり前のマナーでした。
現在は、「女性の一人暮らしだと知られたくない」「同じフロアの方とほとんど顔を合わせない」など、危険回避やプライバシーを重視する考えから、必ずしもすべきものではなくなっています。
とはいえ、幼いお子さんのいるファミリーの場合は、いつ子どもがお世話なったりご迷惑をおかけするかわからないので、両隣と下の階の方にはご挨拶しておくことをおすすめします。
ぜひお子さんも一緒に「ご迷惑をおかけするかもしれませんが……」とちょっとした品を添えてご挨拶を。
知らない子だと単に不愉快に感じられてしまう騒音であっても、ひと言挨拶があるだけで好意的に見てくれるようになるものです。
231進学祝い・就職祝いはどこまであげる?
進学祝い・就職祝いは、「毎年お年玉をあげているお子さん」まで差し上げるというのが目安。
受け取る側は、本人はまだ学生なのでやはりご両親が何かしらのお礼をなさるべきかと思います。
またご本人も、成長して初めてのお給料でちょっとしたお礼をすれば、お祝いを差し上げた方もうれしいですね。
この年代からこのような意識をもって自分を育てていけば、どんどん育ちがいい人に成長していけるはずです。
お見舞い
232お見舞いのマナー
入院されている方へのお見舞いにはいくつか気をつけるべきポイントがあります。
大人としてしっかり確認しておきましょう。
・>滞在時間15〜20分程度を目安に失礼します。
ご本人は疲れてしまっても「帰って」とは言い出しにくいもの。
訪問する側の気遣いが必要です。
大部屋の場合は周りの方への配慮も忘れず、声の大きさや笑い声には注意を。
談話室や面会室でも同様です。
・服装病院には深刻な症状の方もいらっしゃいます。
常識として華美な装いは避けましょう。
また、香りも患者さんは普段より敏感に感じ、体調を悪くされる可能性も。
香水類をつけていくのはNGとなります。
・お見舞いの品古くから定番の生花は、花瓶の用意や毎日の水の交換など手間をかけてしまいますので現在は避ける傾向に。
衛生面から禁止している病院も増えてきました。
食べ物は、治療上の制限の有無を確認してからお持ちするように。
その際、皮をむかないと食べられない果物や、冷やす必要があるスイーツは避けたほうがよいでしょう。
おすすめは、病院内で手に入る種類が限られている本や雑誌。
気晴らしになるので喜ばれる方が多いようです。
・院内での会話に注意病室のドアを出た後すぐに、同行の方と楽しげに雑談していませんか?笑い声などが相手の方に聞こえると、置いてきぼりになった気がして寂しさを感じてしまうかもしれません。
何気ないことであっても相手の立場に立って考えることが大切です。
233とにかく駆けつけたほうがいい?
入院中の方はノーメイクで寝巻き姿。
シャンプーもままならない状態かもしれません。
とくに女性の方のお見舞いは、ご迷惑ではないか確認してからが賢明です。
心配で駆けつけたくなるかもしれませんが、まずはご家族の方などに連絡を取り、ご様子を伺って判断してください。
234「来ないで」と言われたら
お見舞いに行きたい旨を伝えた際、「たいしたことはないから、わざわざ来ていただかなくても大丈夫よ」と言われる場合があります。
理由があり、本当に会いたくないこともあれば、来てもらいたいけれど遠慮されていることもあります。
判断がつかないときは、「もし伺ってもいい日があったら教えてね」とお聞きしてみてください。
日程を挙げてくださらなかったら伺わないほうがよいと判断できますし、「○日なら」とおっしゃったら遠慮なく伺えますね。
お中元・お歳暮
235お中元・お歳暮は送るべき?
お中元やお歳暮は、上司、取引先企業や個人、お仲人さん(お仲人さんには通常5年間、少なくとも3年間はお贈りするのがマナーといわれています)、義理のお父さまとお母さま、おじ、おばなど、お世話になった方へお贈りします。
意外とご存じない方が多いのですが、お中元もお歳暮も「お礼」ですから、お返しは必要ありません。
相手に余計な負担や時間をおかけすることもないので、感謝の気持ちをお伝えするのにぴったりです。
236習い事の先生などへもお歳暮を贈るべき?
子どもの習い事や塾の先生にもお贈りすべきか迷うという声をお聞きします。
複数の生徒で習っている場合は皆さんと相談して共同で差し上げても。
個別レッスンの場合は贈られる方が多いようです。
それとは別に、初回のレッスン時に「これからよろしくお願い致します」とお品を持参したり、塾の先生へ合格のご報告の際に「御礼」を差し上げることもあります。
それがお中元やお歳暮の時期に重なれば、どちらかでもよいでしょう。
237熨斗紙の名前は必須?
あまりオーバーにしたくない場合など、熨斗紙を無記名にする場合も多いですが、正式にきちんとお贈りしたい場合は書かれたほうがよいでしょう。
いろいろな方からたくさん届く方にとっては判別しやすくもなりますね。
またその場合、同姓の方がいらっしゃるかもしれないので、フルネームのほうが親切です。
238お贈りしていないのに、いただいてしまったら?
「こちらは差し上げていないのにいただいてしまった場合、お返しをすべき?」と迷うこともあります。
お中元、お歳暮はあくまでお世話になった側が贈るものですから、基本的には双方で贈り合う必要はありません。
お返しも不要です。
気持ちをお返ししたいのであれば「暑中御見舞い」「御年賀」「寒中御見舞い」または「クリスマスギフト」として贈ってもよいでしょう。
いただいた場合、お返しよりも大切なのは、すぐにお礼の気持ちをお伝えすること。
贈り手は無事に届いたか、気に入っていただけたかなど気になるものですから、受け取ったらできるだけ早く、電話などでお礼をお伝えしましょう。
また、大切な作法として、お中元をお贈りした相手には、必ずその年はお歳暮も贈るのが礼儀となります。
お歳暮とは、その年にお世話になった方へ、というものです。
前半にお世話になったからお中元だけで済ませる……ということではありませんのでご注意ください。
SNS
239LINEのユーザーネームのつけ方
これは私の周りで実際にお聞きする困り事です。
お子さんの幼稚園や学校、習い事の保護者や、ママ友同士の連絡にはグループラインが使われることがほとんどでしょう。
そのとき、アイコンがペットの写真だったり、ユーザーネームが知らないニックネームだったりすると、誰だかまったくわからなくなってしまうということ。
ご家族や親しいご友人とプライベートだけで利用されるならどんなものでも構いませんが、親として参加するグループでは、皆さんの苦労も考えて本名にし、できれば顔が認識できる写真を使いましょう。
表示名は受け手で変えることができても、手間をかけさせない心遣いが必要です。
240SNSで失礼なことを書かれたら?
SNSが普及し、あまり公にしてほしくないことや、失礼なコメント、言いがかりのようなことを書かれたりといったケースも増えてきました。
それに対してオープンな場で異議を唱えると、こじれてしまうことがありますから、個人メッセージで伝えるほうがいいかもしれません。
SNS上では、スルーやブロックなどの方法もあります。
「参考になります」「ご丁寧にご指摘ありがとうございます」など、大人としてサラッと返しておくのもよいでしょう。
「品」や「育ち」とは、自分をコントロールできるか、我慢できるか、という要素が大きいと思っています。
私たちは常に「自分を育てる」ことが大切ですね。
241「それ投稿してほしくなかった」SNSでの気遣い
ツイッター、フェイスブックなど、今やおそらくほとんどの方が何かしらのSNSを利用していると思います。
サイトを開くだけで、誰がいつ、どのようなことをしているかを知ることができますし、「いいね」を押したり、コメントを気軽に書けたりと、メールよりも遥かにコミュニケーションが取りやすくなりました。
しかし、手軽にできるぶん、気づかぬうちにマナー違反をしているおそれも。
本人に断りなく、名前や写真を投稿してしまう問題も多発しています。
たとえば、「〇〇さんのお招きで素敵なカフェに行きました!」という何気ない投稿であっても、「あの人のことは誘ったのに私は声をかけてもらえなかった……」と思う方がいらっしゃるかもしれません。
〇〇さん本人も「このことは知られたくなかった」と困惑するかもしれません。
また、「お友達が落ち込んでいたから励ます会をしました」なども要注意。
ひょっとしたら、フォロワーの中にその方の知り合いや仕事の関係者がいらっしゃるかもしれません。
公の場にさらされる影響に敏感になり、大人の品のある言動を心がけていたいものです。
columnお受験の合否でわかる「良家」のご両親
毎年、10月、11月になると、私のスクールの電話が鳴り続けます。
そう、「親子・お受験作法教室」へ通ってくださっているご両親さまから、続々と合格発表のご連絡があるのです。
私が1年で最もドキドキして落ち着かない時期です。
「先生、〇〇幼稚園、無事合格いただきました」「〇〇小学校にご縁をいただけました」と合格通知を手にしたらすぐにお電話が入り、私にとっても飛び上がりたくなるほどうれしい瞬間です。
そして、さらに有難いことに、発表当日や翌日に、改めてお礼のご挨拶にいらしてくださり、喜びを分かち合える幸せもいただいています。
「やはり、難関幼稚園や名門小学校に合格されるご両親さまは違う」と実感いたします。
私がさらに感激するのは、残念ながらご希望が叶わなかったご家族さまです。
1年も2年もお受験に向けてご家族で頑張っていらしたのですから、大きくお力を落とされているでしょう。
にもかかわらず、結果が分かった時点でほとんどのお父さま、お母さまがすぐにご報告くださいます。
そのうえ、「我が家の教育方針を夫婦で考え、親子で取り組めた時間は宝です」「1年間、大変お世話になりました。
おかげさまで息子は本当に成長いたしました」と、わざわざご挨拶に来てくださるのです。
人は幸せなとき、うまくいっているときには周りに優しくなれますし、礼を尽くすことができます。
しかし、その逆の状態のときにこそ、その方の「育ち」や「品格」など、本質がにじみ出るものです。
ご家族にとって大きな出来事であるお受験。
その結果にかかわらず、真摯な姿勢を保たれるお父さまとお母さまに、私は敬意を表すとともに、誇りを覚えます。
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