はじめに
早起きは、「自分の時間軸」で生きるための第一歩。人よりも少しだけ早く起きることは、人生をも変える。
私は本気でそう信じています。
「自分の時間軸で生きる」とは「自分で自分の時間をコントロールして生きる」ことを指します。
突然ですが、あなたは以下に挙げる項目の中で、いくつ当てはまるものがありますか?
- □月曜の朝、憂鬱な気分で出社をする。
- □朝ギリギリに起きて、朝ご飯を食べる余裕がない。
- □午前中は寝不足で頭がスッキリせず、夕方にならないと本領が発揮できない。
- □飲み会では、なんとなく2次会まで顔を出して後悔することが多い。
- □仕事に忙殺される毎日で、このままでよいのか不安になる。
- □気が付くと家と会社の往復で平日が終わっている。
- □上司の顔色をうかがう雰囲気が職場にあり、終業時刻を過ぎても退社しづらい。
- □花金(金曜日の夜)は帰りが遅くなり、土曜日はお昼過ぎに起きて一日を無駄にしてしまうことが多い。
- □忙しくて読みたい本も読めていない。
仕事などに追われ、家族や趣味に向き合うための時間もうまく取れないという方は、多くの項目が当てはまったのではないでしょうか?ここに挙げた例は、気付かないうちに大切な「自分の時間軸」から外れて会社などの他者の時間に合わせる、すなわち「他人の時間軸」で生きている人の悩みです。
出来ることなら自分で時間をコントロールし、趣味や勉強など、自分がワクワクすることに費やせる時間を増やしたいものですよね。
とはいえ、「一部の経営者やフリーランスならともかく、会社員の自分にそんな自由はない」。そう思われた人もいるかもしれません。
しかし、組織で働いていても、「自分の時間軸」を取り戻すことは出来ます。その近道はズバリ、早起きです。まわりより2時間早く寝て2時間早く起きる。
これまでの生活リズムを2時間、前倒しにして生活することで、一日一日が「自分の時間軸」で回っていくようになります。
申し遅れましたが、井上皓史と申します。
毎日22時に寝て5時に起きる生活をしていることから「5時こーじ」という愛称で呼ばれています。
「早起きをきっかけに、自分で人生を選択できる人を増やす」を理念に掲げる、朝活コミュニティ「朝渋」を運営しています。
今でこそ早起きのプロを自負しているものの、私も社会人最初の半年間は、それこそ会社という「他人の時間軸」で生きる生活をしていました。
毎日遅くまで残業し、たまに早く帰れそうなときには上司や先輩と飲みに行くような日々の過ごし方です。
当然、ベッドに入るのは遅くなりますし、起きるのも出発ギリギリになります。
満員電車に揺られながら職場に着いても、常に眠気との戦い。頭はボーッとしていて、昨日の疲れが残っています。
やらなければならない仕事が山積みでも、どうにも頭が冴えず、はかどりません。こんな調子でしたから仕事でも成果は出せませんでした。見事に、悪循環のループにはまってしまいました。
「どうしたら、仕事で成果を出せるだろう」いろいろと試行錯誤をしました。改善策を模索するなかで、生活を朝型に変えてみることにしました。
私はもともと「早起きすぎる父」の影響で、家族全員が朝5時に起きるという家で育ちました。
朝5時に起きる生活を20年以上続けており、朝の時間がいかに生産性の高いものかを実感していたので、生活を朝型に戻してみたのです。
そしてまわりよりも早く帰る代わりに2時間早く寝て、2時間早く出社するようにしました。久しぶりに朝型に戻すと、生活は一変しました。
仕事の生産性が上がったのはもちろん、上司からの評価も上がり、信頼を得ました。
無駄な飲み会に参加することをやめたため、お金は貯まるし早く退社できるので趣味やプライベートも充実しました。
また後で述べますが、転職先のベンチャー企業では社長自身も早く出社するようになってその成果を実感し、会社の定時の出社時刻を早めたほどです。
やはり職業や年齢を問わず、誰でも朝型の生活を送れば「自分の時間軸」を取り戻すことが出来て、人間の本来もつ能力を最大限に引き出せるのだと改めて認識するようになりました。
このような経験を踏まえて、「ひとりでも多くの人に朝型生活の魅力を伝えたい!」、そんな思いをいだくようになり、本書を出版することにしました。
「いつも時間に追われていて忙しく余裕がない。しかし本当は、仕事やプライベートでより充実した日々を送りたい」というすべての方に、
本書を手に取っていただけたらと思います。もしかしたら、あなたは早起きは続かないと思っているかもしれません。
また、いろいろな方法を試したけれども挫折したことがあるかもしれません。しかし安心してください。どんな方でも早起きは出来ます。もちろんこれは精神論ではありません。早起きに意志の力は不要です。
この本では、「こうすれば早起きが出来る」、「早起きはこんなにもお得だ」、「早起きが出来ないときはこうすればいい」といったTips(コツ・裏ワザ)を余すことなく紹介していきます。
ただし本書は、巷にあふれる、早起きの習得を目的とした、朝型生活を解説するだけの本ではありません。
「早起きは三文の徳」ということわざがあるように、早起きがよいのは誰でも知っていることでしょう。
早起きそのものは目的ではありません。何かの目的を実現するための手段として、早起きがあると私は考えています。
では早起きの目的とはなんでしょうか?それは、「自分の人生を経営すること」です。
言い換えると、早起きで生み出した余白の時間を使って、「自分らしい生き方を実践し、自らの人生を加速させる」ことであると私は考えています。
早起きで手にした「自分のゴールデンタイム」に、やりたかったこと、やろうと決めたことをきっちりと実践する毎日を想像してみてください。
- 朝、まだ誰も来ていない静かな職場で、仕事の準備に集中して取り組む。
- 朝、カフェで資格の勉強をする。
- 朝、ランニングなど自分の趣味に没頭してみる。
あなたもそんな朝を過ごしたいと思いませんか?朝の時間を自分でデザインし、誰にも邪魔されない時間をもつと心に大きな余裕が生まれます。
そして「今日も朝早く起きられた!」という成功体験から一日が始まると、新しいチャレンジにも前向きになり、自己を高く評価できる気持ちへとつながるのです。
これが、早起きが「自分らしい生き方」に結び付くと考える理由です。早起きを始めた私のまわりの仲間には、大きな変化が起こるようになりました。
最初はとてもネガティブで「どうせ私なんか」といっていた人たちが、自分の本来もっている能力を引き出して高い目標にチャレンジするようになったのです。
中には職場での評価を大きく上げたり、起業したり、副業を始めたりする人も出てきました。
早起きを習慣化した人は成功体験が積み上がり、それが自信につながるので、結果として、みんな前向きで活力にあふれる人生を手にしています。
ただし、早起きは誰かに強制されたり、何かの義務として取り組んだりするものではありません。
自分自身で早起きのメリットを体感して、「ああ、これが早起きの生活というものか」とワクワクした気持ちをもつことで、はじめて朝型生活は毎日の習慣となります。
多くの人が「忙しいから」という理由で、自分のやりたいことを我慢して日々を過ごしています。しかし、「忙しい」といっているだけでは、何も前へ進みません。
「他人の時間軸」で生きることをやめないと、忙しい毎日はずっと続きます。ですから、モヤモヤとした悩みがある人に、私は次のような言葉を贈るようにしています。
「早く寝て早く起きてみるだけで、人生が変わりますよ」本書が、「もっと自分らしい生き方がしたい」「生活の習慣を変えたい」と考えている方々の参考になれば、著者としてこれ以上の喜びはありません。
「早寝早起きをするだけで人生は無敵モードに突入する」これを伝えることが、本書を執筆した目的であり、願いです。
多くの読者の方々にとって無事にその役目を果たすことが出来れば、うれしい限りです。ようこそ早起きの世界へ。
早起きは一生使える武器
早起きの一番のメリットは、なんといっても「時間が効率的に使えるようになること」にあります。
この点をよりわかりやすくお伝えするために、まずは私の生い立ちを少しだけ説明させてください。私の育った井上家では、子どもの頃から毎朝5時半に朝ご飯が出てきました。
会社員である父が朝の6時に家を出て、家の前にあるバス停から最寄り駅に向かうという生活を長い間送っているためです。
この時間に出ればバスに10分ほど揺られてから、まださほど混んでいない6時20分の電車に乗ることが出来ます。
満員電車が嫌いな父は、いつも朝早くに家を出て会社の近くにあるカフェに行きます。そこで新聞を読んだり、会議の準備をしたりしてから職場に出勤します。このような生活を、もう30年以上も続けています。
父を早く送り出すために、母も以前から朝型の生活を送るようになっていました。また兄や私が学生だった頃には、弁当をつくるためという理由もありました。
こうして私の育った家は、家族そろって朝ご飯を食べるために、朝の5時に起きるようになりました。朝が早いと、必然的に夜も早く寝るようになります。父は21時前には帰宅して早々と就寝します。母も同様に早く寝ます。
私が高校や大学に通っていた頃でも22時前には、家の中はいつもシーンとして真っ暗になっていました。
夜、お笑い番組などを見たくても、家族が寝ているので見ることが出来ません。また私自身も毎朝5時に起きるので、夜は早く眠くなります。
私や兄は、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)などのバラエティ番組を録画しておいて、翌朝の5時過ぎから見るようにしていました。
こういう環境で育ちましたので、22時に寝て朝の5時に起きるのが子どもの頃からの生活習慣になりました。
自分が大人になってから、長年にわたって早寝早起きを実践している両親を見ていると、改めて気付くことがあります。
それは、「早く起きて時間に余裕があるので、焦ることがない」ということです。通常、朝の時間帯は多くの人にとって忙しいものです。
目覚まし時計が鳴っても、あと5分寝ていたいという気持ちから、つい布団の中でグズグズとしてしまいます。
目覚まし時計を設定していたのに二度寝してしまい、あわてて飛び起きるようなこともあるでしょう。
朝ご飯も食べずに、急いで身支度をして、満員電車に乗り込む。こんな風景は、決してめずらしいものではないはずです。ところが、父は違います。
毎朝5時には自然に起きて、淡々と出勤の準備を進めます。母も父を6時に送り出すために、すぐに朝ご飯の支度などをします。
父と母の動きは、すべてがあらかじめ決まっています。毎朝、ひとつひとつの動作が予定通りに進んでいきます。
焦って何かに動揺するということはなく、両親の振る舞いには、いつも余裕を感じます。時間に迫られて感情が乱れる様子はなく、落ち着いて行動しているように見えるのです。
両親の早寝早起きは、満員電車に乗りたくないという、父の気持ちから始まりました。今では、すっかりそれが当たり前の生活になっています。
父はまだ現役の会社員ですが、仕事を定年退職したあとでも早寝早起きを続けるといっています。それがもっとも精神的に安定し、心に余裕が生まれる方法なのでしょう。
このように、早起きは一度習慣になってしまえば、その人の人生に深く影響して、当たり前の生活リズムになります。
そしてそのリズムが時間的な正確さを生み、心のゆとりをもたらします。つまり早寝早起きは、一生使える強力な武器となり得るのです。
圧倒的な効率のよさ
子どもの頃から、22時に寝て朝の5時に起きるという生活を送っていたものの、私が社会人になると、この生活は崩れました。
大学を卒業後、あるIT企業に入り営業部門に配属になりました。社会人としてのいろはを教えてくれた先輩方には今でも感謝しています。
しかし、社会人一年目で、仕事の要領がまだよくわからなかったこともあって、その職場での生活は、どうしても夜型になっていきました。
そして、それまでの生活習慣との違いに大いに戸惑うことになりました。当時の一日の流れは、朝8時半起床。9時に出発。満員電車に乗りながら通勤し、10時始業。朝のミーティングや、メールの返信で気付けば12時。
ランチを終えて、一番集中して仕事に取り組むのは15時過ぎ。これでは定時で帰ることなど、出来るわけがありません。
夜遅くまで残業し、その後も上司や同期との付き合いで飲みに行くこともしばしば。24時前に帰宅して1時に就寝。
平日は疲労困憊で、週末は疲れが溜まり、昼まで寝溜めをするような過ごし方でした。これではダメだ、心身ともに調子がおかしくなってしまうと感じました。
22時に寝て朝5時に起きるのも、深夜1時に寝て朝8時に起きるのも、得られる睡眠時間は同じ7時間です。しかし、疲労の度合いは、まったく違います。
後者のほうが、朝起きたときの疲れがはるかに残っているのです。
やはり人間は朝早くに起床して、まず日の光を浴びること、そして夜は骨や筋肉などの成長を促す成長ホルモンを出すためにもしっかりと睡眠を取ることが大切です。
心身の不調を感じた新入社員の私は、この点を、身をもって経験したわけです。
どうすればもとの生活習慣に近づけるのだろう。私は思い切って上司に相談することにしました。
当時の職場は、始業は10時と遅い代わりに、夜は定時を越えても多くの人が残業しているようなところです。そんな職場で、新入社員だった私は上司にこういいました。
「2時間早く出社するので、2時間早く帰っていいでしょうか」最初、上司は私の発言を信用していませんでした。
「まだ何も会社に貢献していない入社1年目の社員がいったい何をいっているのだ」という顔をしていたのを覚えています。
私は真剣に話しました。自分の育った環境について、そして、早寝早起きを実践することで自分の能力が発揮出来ることなどを説明しました。
上司は私が本気であることを感じて、ではいったんやってみるかと、こちらの申し出を受け入れてくれました。さっそく私は以前の生活習慣に近づけるようにしました。
朝の6時に起床して、8時前に出社、20時前には退社して23時より前に就寝するような過ごし方です。すると生活は激変しました。
朝型の生活にして得られた、もっとも大きな変化は、仕事に集中できる時間の量が圧倒的に増えて、効率的に時間を使えるようになったことです。
朝の8時前に出社しても、まだオフィスには人がいません。誰に話しかけられることもなく、静かな職場ですぐに集中して仕事をすることが出来ます。
起床して2時間後の頭はスッキリと冴えています。体も疲れていません。8時から10時までの2時間は、資料づくりなど優先順位の高いことに使います。
すると、他の社員が出勤してきてパソコンを立ち上げようとしている10時過ぎに、私のほうはその日のうちでもっとも重要な仕事が、ほぼ終わっているという状態になります。
そして昼頃には、もうだいたい仕事の目処はついており、午前中一杯でその日にやらねばならない重要な仕事は、ほぼ片付いているという状況になっています。こうなると、午後は余裕をもって、その他の仕事に引き続き集中することが出来ます。
すでにもっとも重い仕事は午前中に終わっているので、心の余裕を感じながら午後も仕事を進めることが出来るのです。
これが遅い時間に寝て遅く起き、10時に出社するようだったらどうでしょう。かつての私がそうであったように、10時に出社して業務を始めても人に話しかけられたり、電話が鳴ったり、仕事を振られたりと、なかなか集中して自分の仕事に取り組めません。
さらに寝る時刻が遅いために前日の疲れが残っていることもあるでしょう。これでは仕事をスムーズに進めることが出来ません。結局、集中して仕事に取り組めるのは、昼休みをだいぶ過ぎてからということになりかねません。
午後に外出や会議の用事が入っていると、まだやらなければならない大事な仕事を残したままなので、焦りや不安が生じてきます。誰かに話しかけられたり、相談を持ちかけられたりしても親身に対応することも難しくなります。
そして夜遅くまで残業しながら、疲れた頭と体でもっとも重い仕事をしなければならないことが頻繁に起きます。
これではひどい悪循環です。まず早く出社して、午前中の時間帯に重要な仕事を詰め込んでみることです。それだけで大きく生活が変わり出します。
上司からの評価・信頼度がアップする
先程の続きになりますが、私が2時間早く出社して、午前中に集中して仕事をするようになると、しばらくして上司からの評価が変わりました。
朝型の出勤を始めた当初は、おそらく上司も続けられるのか様子見だったと思います。ところが、当の私は毎日遅れることなく朝8時には出社して仕事を始めます。
他の社員が出社する頃には、業務にとても集中していて、バリバリとやっているように見えたのかもしれません。
申し入れを受け入れてくれた上司は私のことを、「とてもきちんとしていて、しっかりと仕事をする人物」と評価し褒めてくれるようになりました。
入社1年目の社員にとって、上司に褒められるのはうれしいことです。モチベーションが上がるので、午前中の仕事にさらに集中するようになり、結果を出すようになりました。
また午後になっても気持ちの余裕があるので、お客様へのアポイント件数を増やしたり、会議に積極的に参加したりすることも出来ます。
そうなると売上の実績も徐々に上がるようになりました。またこれによって、さらに上司からの評価や信頼が高まるという好循環もつくることが出来ました。
1日のスタートを他の人よりも2~3時間早めることが、こんなにも人からの評価を上げることにつながるものなのかと実感しました。幼少の頃から実践していた早寝早起きは、ただの生活習慣です。
しかし、社会人になってからも早寝早起きを続けると、単なる習慣ではなくなります。人から信頼を得るための武器になるのです。
新卒で入社した会社はこうして私を評価してくれたわけですが、「ベンチャー企業で自分の力を試してみたい!」という気持ちが募り、1年ほどで転職しました。
転職した次の会社も前の職場同様に、10時が始業時刻でした。しかし新しい職場でも、私は引き続き朝型の出社を続けることにしました。
転職する際に、その会社の社長と話をして、早寝早起きの生活を実践したいという旨を打ち明けると、社長は快く了承してくれました。
さらにこの社長のありがたいところは、私の早寝早起きの生活に興味をもってくれたことです。新しい職場は社員5名のITベンチャー企業で、意欲の高いメンバーばかりでした。
睡眠以外はすべて仕事に注力をするような環境で、まさに私が求めていたものでした。しかし、よいことばかりではありません。この職場の社員は皆、終電などを気にせずに仕事に没頭します。
その代わり朝が遅く、10時始業といっても午前中は皆どんよりとしていて、エンジンがかかりません。
そういう職場の雰囲気にあって、私だけが朝の8時には出社して、てきぱきと仕事を進めています。
他の社員が仕事に取りかかろうとしているお昼くらいには、私は一日の仕事の山場をすでに越えていました。また、入社したばかりの社員ですから、自分の業務以外にもいろいろと頼まれる仕事があります。
「明日の夕方くらいまでにやっておいてくれ」といわれた仕事を、翌朝いちばんに取り組んで、完成した書類をその人が出社する前にデスクの上に置いておきます。
こうすることで、新しい職場でも周囲からの評価が上昇し、信頼されるようになりました。このような姿を社長は見ていました。
そして社長は、朝型の勤務が仕事の生産性を大きく上げることに気付いたのです。ついには、会社の始業時刻を変更するに至りました。
朝9時を始業とし、夜はなるべく遅くまで残業しないようにと社長自らがルールを変えました。
そしてそれまでは10時出社だった社長自身も、私と同様に朝の8時にはオフィスに出社するようになりました。
このようにひとりの経営者が会社の始業時刻を早め、また自らの生活習慣を改めることにつながったのも、私の振る舞いを評価してくれたからだと感じています。
平日にも自分の時間をつくれる
大学を卒業してから4年ほどの会社員生活を経て、結局私は独立の道を選ぶことにしました。会社員時代の後半には、7時に出社して19時に退社するという、さらに朝型の生活にシフトしていました。
7時に出社するようになると、より自由に時間を使えるようになります。普段は出社するとすぐに、もっとも重要である仕事に集中します。
このやり方で余裕をもって仕事が出来るようになると、私は1週間のうちのある1日の朝を、現在運営する朝活コミュニティの準備に使うようになりました。
それがもとになって、私は今に至る独立への道を開くことが出来ました。
英語の勉強がしたい、本が読みたい、資格を取りたい、趣味に取り組みたい、起業のための準備がしたいなどといった願望を多くの人が潜在的にもっています。
その一方で、ほとんどの人が「平日は仕事があって時間がない、せいぜい希望が叶うのは週末の数時間程度に過ぎない」といいます。
ところが、平日の朝を使うことで、仕事が効率よく進むのはもちろんのこと、それ以外の自分のやりたいことにも時間を配分することが出来るようになります。
例えば英語を習得したいと思うのであれば、オフィス近くのカフェで朝の7時から8時までの1時間を勉強にあてて、それから仕事に集中するやり方もあると思います。
通勤時間も英語の勉強に使えば、一日でかなりの時間を確保できるはずです。
また起業のための準備をしたいというのであれば、例えば月曜日から水曜日まではオフィスで朝の7時から仕事に集中します。
そして毎週木曜日と金曜日の朝は、カフェで出社前の2時間を使って起業のための構想を練ります。
そのまま週末に入っても引き続き起業の準備を進めれば、会社員でいながら、独立に向けてまとまった時間を捻出できるようになるのです。
私のまわりには、このような朝の時間の使い方で、大きく人生を変えていった人たちが大勢おり、とても数えきれません。
詳しくは第5章で触れますが、彼らに共通しているのは、自分で自分の時間をコントロールすることの大切さに気付いたということ。
たとえ平日であっても、会社の仕事をしながら、自分で時間をコントロールすることは充分に可能なのです。
自分で自分の時間を支配できるようになった人は視野が広くなり、さまざまなことに関心が向き行動範囲が広がります。
そういう例をたくさん見てきました。
私が知る限りでも、転職をした人、起業をした人、趣味の領域を広げた人、勉強をして資格を取った人など、多くの変化を遂げた人たちがいます。
また自分で自分の時間をコントロールして、平日でも仕事以外の行動をする人がほとんどですから、早起きをする人たちの多くはポジティブです。
しかし、最初から行動的だった人はごく少数。
大多数の人たちは早起きをして自信が付くことで前向きな性格となり、さまざまな行動を起こすようになったのです。
早起きを習慣にしていない人は、自分の自由になる時間は平日にはほとんどなく、あるのは週末のほんの数時間に過ぎないと思っていることでしょう。
そんな人が実際に早起きをしてみると、格段の時間的な余裕と心理的な優越感が得られることに驚くと思います。
お金が貯まる
朝型の生活を習慣にすると、夜の人付き合いをある程度、制限するようになります。ただし、完全にやめるというわけではありません。飲み会と早起きをうまく両立させるコツがあります。
その点は第4章で詳しく説明します。ここでは、夜の付き合いを減らすことで得られるメリットについて話したいと思います。端的にいって、お金が貯まるということです。
飲み会を開くお店にもよりますが、1回の飲み会にかかる費用はだいたい3時間で5千円程度ではないでしょうか。また、そのあと2次会に行けば、さらに2千円から3千円程度の費用がかかります。
もし時間が遅くなって電車がなくなれば、タクシーを使うこともあるでしょう。こうなると、ひと晩の付き合いで出費は1万円を超えるかもしれません。かつての私も、こういうお金の使い方をしていました。
夜型の生活をしてストレスが溜まってくると、どうしても飲み会の回数が増えてしまうものです。また上司や先輩に飲みに誘われると断りづらく、つい惰性で仕事帰りに居酒屋に行くこともありました。
夜の飲み会が常態化していた頃は、職場以外の人との週末の付き合いも含めると、1週間に4回程度の飲み会がありました。
1回に5千円として、週に2万円の出費です。月にすると8万円になります。一年間で96万円という金額です。
これに2次会に行った場合の出費を加えて、さらに終電を逃してタクシーを使った場合の金額を考えます。こう考えると、飲み会によって一年間で100万円を超えるお金を使っていたのかもしれません。
ここまで極端でなくても、私のまわりにいる人に聞くと、週末の付き合いも含めて飲み会は週に3回くらいというのが一般的なようです。
そうなると、1回に5千円としても月額で6万円となり、一年にすると72万円という金額になります。いずれにせよ、大金であることに変わりありません。
このようなまとまったお金を貯金しておくだけでも、数年間で相当な金額になります。私もかつては愚痴の多い飲み会に、惰性で参加していたことは既に述べました。
今は、飲み会によって大きなお金を使ってしまうよりも、その金額を貯めて将来に備えるほうがよほど建設的であると感じます。
「飲み会に行かないというけれど、人付き合いはどうしたらいいの?」と感じる人もいるでしょう。
人間関係の維持ということであれば、「1回3時間5千円」の飲み会をするのではなく、「1回1時間千円」で大切な人とモーニングを食べにいくのはどうでしょうか。朝のフレッシュな時間に、とても前向きな会話が交わせると思います。
「第3の場所」を確保できる
家庭でもない職場でもない居場所を「第3の場所(サードプレイス)」と呼ぶことがあります。スターバックスが、お店のコンセプトを「サードプレイス」としていることをご存じの方もいらっしゃるでしょう。
尚、当然ですが、第1の場所は家庭、第2の場所は職場です。
これは物理的な空間をいっているだけではなく、家族や会社の同僚とは違った、別の人間関係を含めることが多いようです。
そして、「第3の場所」をもっている人のほうが、趣味があったり、人との交流が広がったりして、いきいきしていると私自身感じています。
「第3の場所」はどうやったら確保できるか考えてみましょう。
まず、毎朝早くに出勤して、静かな環境で優先度の高い仕事をてきぱきと進めます。時には朝の7時から8時のあいだに人と会ってモーニングを楽しみます。
さらにひとりで朝型の生活を続けるだけではなく、同じ志をもっている人たちとグループをつくってもいいでしょう。
モーニングの会を定期的に開けば、いろいろな出会いが生まれる可能性が高まります。このような活動を続けていくと、自然に自分にとっての「第3の場所」が出来るようになります。
そこでは、いろいろな情報を仕入れることが出来るかもしれませんし、新たな趣味に出合うかもしれません。また、まったく新しい出会いによって、起業をするような運命が開けるかもしれません。
ちなみに私は会社員をしながら早起きをして、第3の場所を得るようになったことがきっかけで独立する道を進むことになりました。
もちろん会社員でいるよりも、独立したり起業したりするほうがよいといっているのではありません。
そうではなく、第3の場所を確保すると、それだけいろいろな機会が広がるという利点を自分の経験からお伝えしておきたいのです。
第2の場所である職場で朝早くに集まって、仕事以外のいろいろな活動、例えば語学の勉強やランニングなどをする人たちも最近増えているそうです。
これはこれで悪いことではありません。始業前の職場を「第3の場所」のように扱い、直接の業務からは離れた話や勉強、スポーツをする。
そして始業時刻になったら、職場を本来の「第2の場所」に戻すというのは、とても面白いやり方だと思います。
心身が健康になる
早寝早起きの習慣は、心身の健康も増進させます。「心身」ですから、体の健康のみならず、心の健康にも影響するということです。
最近、うつ病などの理由で会社を休む人が多いと聞きます。精神的な不調や心の病に悩む人も多いようです。
しかし、朝型の生活は、その予防になり、すでに不調になっている人にとっては改善する効果があることを知っていただきたいと思います。
睡眠を取っているあいだに、私たちの体には成長ホルモンと呼ばれる物質が分泌されています。成長ホルモンは体のさまざまな機能をコントロールし、骨や筋肉を強くするものです。
育ち盛りの子どものみならず、成人にも必要とされる物質です。それが睡眠中に体の中で分泌されるのです。
一般的に、成長ホルモンが多く分泌されるゴールデンタイムは22時から夜中の2時までとされてきましたが、最近では異なる見解もあるようです。私自身は、成長ホルモンの分泌される時間帯については詳しくありません。
しかし、同じ睡眠時間でも深夜の1時に寝て朝の8時に起きるのと、夜の10時に寝て朝の5時に起きるのとでは、まったく体調が異なり、後者のほうが体調がはるかにいいことは、読者の皆さんも経験があってご存じではないでしょうか。
また私たちの脳をリラックスさせて、安心感をもたらすものにセロトニンと呼ばれる物質があります。セロトニンは、ふだんの食事で増やすことが出来ます。魚や豆類、乳製品に多く含まれています。
ですから、朝ご飯に焼き魚や納豆、チーズやヨーグルトなどを食べるのは実に理にかなっていることです。
さらにセロトニンは午前中の日の光を浴びることでも、脳内に多く生成されることがわかっています。
朝の光をたくさん浴びて目をさまし、脳にセロトニンを生み出すことが心の安定をもたらしてやる気を引き出します。
早朝起きてから、庭やベランダもしくは窓辺で日の光を浴びながら数分間ストレッチをするだけでも、ずいぶんと心身の調子は上がると思います。
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