検索時代のパソコン整理とは?「あれ、A社の〇〇さんに渡すはずの資料、どこに置いたんだっけ?」パソコンのなかを整理していないと、デスクトップ上にファイルがあふれ、このような探し物をすることが増えます。さらに、デスクトップ上にファイルが多くなると起動も遅くなり、メモリ不足などのエラーも起きやすくなります。パソコンのデスクトップはリアルな机と違い、電源を落としてしまえば散らかっているのが外から見えません。ですから〝罪悪感〟も少なく、日ごろから意識していないと、あなたのデスクトップはあっという間にフォルダやファイルで埋め尽くされることになります。こんな状態になってしまえば、いくら机上を片づけても仕事は速くなりません。「でも、散らかった状態のディスプレイを一から整理するのは大変そう……」。こう思った人も少なくないでしょう。よく整理術の本で紹介されている「項目ごとにフォルダを分け〝階層構造〟で管理する整理法」にしたがって一から整理していくのは、気が遠くなる作業です。しかし、どんなことでも検索できる時代に、すべてのファイルをこういった従来型の方法で整理する必要はありません。現在は、パソコン内のデータやファイルがどの階層に置かれていても検索すればすぐ見つけることができますから、これまでのように、きちんとルールを決めてフォルダ分けする必要はないのです。では、何を基準にして整理すればいいのでしょうか。その基準とは「使用頻度」です。よく使っているファイルは目に見える浅い階層に置き、使わなくなったら、深い階層に移動するというルールで整理するのです。この整理法であれば、整理そのものにかかる時間を大幅に削減することができますし、よく使うフォルダやファイルをより速く見つけることができるようになります。この整理法は、試合中のサッカー選手の動きに似ています。基本的には自分のポジションが割りあてられているけれど、チャンスのときはその制約にとらわれず誰が攻撃に参加してもいい、というのがサッカーです。イタリアで活躍している長友選手は、本来ディフェンダーですが、チャンスとあらばオーバーラップして攻撃にも参加しますよね。これと同じように、頻繁に開く進行中のプロジェクトに関するフォルダなどは、本来の定位置ではなく、すべて目に見える浅い階層、つまりゴールに近いところに動かしてしまうのです。逆に、あまり使うことはないけれど保存しておかなければいけないフォルダは、サッカーにおける基本的なポジショニングのように従来型の階層構造で管理します。とはいえ、これまでのように何階層にもわたる複雑なツリー構造にする必要はありません。検索で探すことを前提としていますので、関連ファイルをひとつのフォルダにガサッと入れておくだけです。とにかく、机上の整理と同じように「よく使うもの」と「あまり使わないもの」とに分けて管理するというシンプルなルールで管理すればいいのです。これが、検索時代のフォルダ整理の基本です。この方法でフォルダ整理を行えば、仕事の効率が驚くほど上がります。では、具体的な方法について解説していきましょう。
よく使うファイルは、目に見える所に置いておくまずは、よく使うファイルを収めたフォルダの整理法についてお伝えしていきましょう。たとえば、私のパソコンのなかには、はじめて書いた本である『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』の執筆に関係するフォルダが残っています。もちろん、現在執筆している本書、『超速片づけ仕事術』の関連ファイルを収めたフォルダもあります。これまで推奨されてきたフォルダ整理の考え方にもとづくと、たとえば、「執筆」というフォルダに収められている「書籍」というフォルダのなかに、過去に出版した『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』と、現在執筆中の『超速片づけ仕事術』のフォルダが並列に並ぶことになります。しかし、この2つのフォルダの使用頻度はまったく違います。1冊目の本のフォルダは、何か確認すべきことが出てこないかぎり、ほとんど見ることはありませんが、現在執筆中である本書のフォルダは毎日開くことになります。ですから、仕事のジャンルごとに階層構造でフォルダ整理をしてしまうと、操作が煩雑になり、今取りかかっている仕事のファイルにたどり着くのに時間がかかってしまいます。そこで私は、進行中のプロジェクトに関する資料など、よく使うファイルを収めたフォルダは、すべてDropboxのフォルダのなかに並列に並べて管理しています。Dropboxはオンラインストレージサービスの定番といっても過言ではないくらい一般的なサービスなので、詳しい説明は割愛しますが、簡単にいうと、パソコン上の専用フォルダにファイルを入れるだけで、ローカルのハードディスク上のファイルとオンライン上のファイルが自動的に同期され、ノートPCやデスクトップPCだけでなく、スマホやタブレットなど、あらゆる端末から同じファイルにアクセスできるサービスです。使い方は、通常のフォルダとまったく一緒なので、違和感なくファイルを保存することができます。私が今Dropboxに入れて管理しているファイルは、次ページの図のように、現在執筆中の書籍2冊分のフォルダ2つ、iPhoneからの写真を同期するための「カメラアップロード」、紙の書類をスキャナーで取り込んだPDFファイルを入れる「Scan_201703」、連載中の雑誌の原稿を入れるためのフォルダ、これから開催する講演に関するフォルダです。
もちろん、新しい案件が発生すれば、そのプロジェクトごとのフォルダを入れていくことになります。そして、ひとつのプロジェクトが終わったら、それに関するフォルダは、従来型の階層構造のフォルダに移動させます。つまり、今あなたに本書を読んでいただいているときには、本書の関連ファイルが収められた「KS_」というフォルダは、Dropbox内には置かれていないということになります。では、このような使用頻度の低くなったフォルダはどのように整理すべきなのでしょうか。次項ではその整理法について解説していきましょう。
検索できるのだから、細かいフォルダ管理に時間をかけるな!ここまで、日常的に使用するフォルダの整理についてお伝えしてきました。ここでは、終了したプロジェクトに関する資料など、めったに使うことのないフォルダの整理について解説していきます。今、〝整理〟という言葉を使いましたが、そのフォルダのなかに何に関連したファイルが収められているのかさえわかるようにしておけば、つまり1階層目だけを意識すれば、それ以下は細かく整理せず、その1階層目のフォルダにガサッと入れておくだけで問題ありません。今後使うかどうかわからない資料を一生懸命整理する必要はないのです。従来のフォルダ整理のようにキレイに階層化する時間があるのなら、ほかの仕事をしたほうがよほど生産性は上がります。フォルダのなかにファイルが散乱していたとしても、検索すれば目的のファイルをすぐに発見することができますから。ただ、ひとつだけ意識していただきたいことがあります。それは、フォルダ名のつけ方です。検索して見つけることを前提としてフォルダを管理するときは、フォルダ名のなかに、ご自身が検索するときに思い浮かべるであろうキーワードをいくつか入れておく必要があります。ひと昔前までと違い、現在は長いファイル名をつけることができますから、キーワードを複数入れておいたほうが見つけやすいのです。たとえば、私が執筆終了後にこの原稿にたどり着こうとすれば、これまで執筆した本に関するフォルダがすべて収められている「DOC書いた書籍の原稿」というフォルダ内の「35超速片づけ仕事術【かんき出版】」というフォルダのなかを探すことになります。冒頭の35という数字は時系列の通し番号です。これを入れておけば、何もしなくてもフォルダ内で時系列に並びます。必要なときには、ファイル名にキーワードとして書籍のタイトルと出版社名が入っていますから、容易に検索することができるはずです。ちなみに、このフォルダ内の状態は、執筆時にDropboxで管理していたときのままです。執筆完了時点でフォルダ名だけを変更し、「DOC書いた書籍の原稿」フォルダのなかに移動させただけ。この階層の下の整理は基本的にしません。フォルダ名を変更し、移動して終了。簡単ですよね。また、過去の講演やセミナー、研修に関する資料は、「セミナー・講演関連」というフォルダのなかに格納しています。そして、「20170224_YAMAHA_」「20170306_DENSO_」「20170416__」といったように、フォルダ名に日付や講演先、あるいはテーマ、場所といったキーワードを入れて整理しています。これだけのキーワードを入れておけば、よほどのことがないかぎり、見つからないということはなくなります。なお、セミナーや講演など日付のあるものは、その情報を付加しておけば、フォルダ内で自動的に時系列で並びますから、より見つけやすくなります。
ファイルの〝ゴミの日〟を決めるここまで、使用頻度を基準としたフォルダの整理術についてお伝えしてきましたが、この方法にしたがって整理をしても、パソコンのなかが少しずつ散らかってきます。人は完璧ではありませんから、どうしても気が緩んでしまうことがありますし、忘れてしまうこともあるからです。こういったことを防ぐためにはいわゆる〝ゴミの日〟を決めることがおすすめです。テレビでよく見る〝ゴミ屋敷〟は別として、自宅のゴミがあふれないのは〝ゴミの日〟が決まっているからです。たとえば、私の住んでいる地域の〝燃えるゴミの日〟は、月曜日と木曜日、〝資源ゴミ〟の日は火曜日と決まっていますから、月曜日と木曜日には燃えるゴミが片づき、火曜日には資源ゴミが片づきます。この原則をパソコン内にも適用すると、すっきりした状態を保つことができます。では、具体的にどうするのか?たとえば、作業効率を上げるためにデスクトップに置いたショートカットや、一時的に仮置きしたファイルなど、前日の仕事で出たデスクトップ上のファイルは放っておくと〝ゴミ〟的なファイルになりがちです。私の場合は、毎朝仕事にとりかかる前に「2017年〇月×日デスクトップ」というフォルダをつくり、そのなかに、前日に出て今日は使わない〝ゴミ〟を入れ、フォルダごと下の階層に移動させています。こうすれば、毎朝デスクトップ上に何もない状態になります。そして、時間があるときに、納めるべきフォルダに納めたり、削除したりという作業をしています。とはいえ、ここに入るファイルはその場でしか使わないものが大半なので、整理せずそのままになっていることがほとんどです。もちろん、この毎日つくるフォルダも月に1回削除するようにしています。また、先ほど、私はよく使うフォルダを置くDropboxのなかに、紙の書類をスキャナーで取り込んだPDFファイルを入れる「Scan_201703」というフォルダを置いているとお伝えしました。このファイル名には、「2017年3月」という日付が書かれています。ここには、2017年3月にスキャンした書類だけを収めるようにしているからです。ですから4月1日になると、新しく「Scan_201704」というフォルダをつくり、これまでDropboxに置いていた「Scan_201703」のフォルダは、深い階層に移動させることになります。また私は、パソコンの動作をつねに快適な状態にしておくために、ディスクのクリーンアップや最適化の作業を定期的に行っています。動作が遅くなったり、エラーが出たりしてからこの作業を行うと、とても時間がかかりますが、定期的に行えば5分ほどですみますし、つねにパソコンの動作が軽い状態をキープすることができます。人によって処分するファイルの種類や頻度は変わってくると思いますが、ぜひあなたも、パソコン内の〝ゴミの日〟を決めてみてください。
使いたいアプリが一瞬で見つかるスマホ画面の整理術ここまでパソコンのデスクトップをキレイにするための方法についてお伝えしてきましたが、最近ではスマートフォンを仕事に活用している人も多いことでしょう。新規の取引先との商談の日、最寄り駅について会社の場所を地図アプリで調べようとしたら、アプリがどこにあるか見つからない。「あれ、昨日新しいゲームをダウンロードしたときにアプリの配置が変わっちゃったのかな……」電車での移動中、スマホを取り出し仕事のメールを確認しようとしたはずなのに、ついいつものパズルゲームをはじめてしまう……。こんなことが起こるのは、パソコンのデスクトップと同様に、スマートフォンの画面を整理していないからです。スマートフォンの画面を整理するためには、次の3つのポイントを押さえておくといいでしょう。・トップ画面には仕事でよく使うアプリだけを置く・2画面目以降はジャンルごとにアプリを置く・つい開いてしまうSNSやゲームのアプリはフォルダに収納し、いちばん上の階層から直接起動できないようにするスマートフォンのトップ画面はパソコンのデスクトップ同様、使用頻度の高いアプリを置いておくことがおすすめです。もし、2画面目以降によく使うアプリを置いているのなら、トップ画面に移動しておきましょう。使うたびに画面を移動してアプリを探していると、それだけで5秒くらいの時間をロスしてしまいます。たかが5秒でも、1日12回行えば1分、それを1カ月間くり返せば30分にもなるわけです。積み重なるとけっこうな時間をロスしていることに気づくはずです。私の場合は、トップ画面には、手帳アプリ、タスクを登録するアプリ、地図アプリ、ブラウザアプリ、食べたものを記録するアプリ、アラームを設定するアプリなど、毎日仕事中に使うアプリを置いています。また、私は左手だけでスマートフォンを操作するので、なかでもとくに使用頻度の高いものは、左下に配置しています。親指から近いほうが操作しやすく速いからです。2画面目以降は、ジャンル別で分けることがおすすめです。私は出張が多いので、2画面目には航空会社や鉄道会社のアプリ、宿泊予約アプリ、出張の予定を立てるときに使うアプリ、飲食店を探すアプリ、タクシーを呼ぶアプリなど、出張時に使うアプリが並んでいます。3画面目にはカフェや家電量販店、書店などのポイントカードやクーポンアプリを置いています。自宅のタンスのいちばん右上の引き出しには下着、3段目にはTシャツ、最下段にはズボンというふうに、スマートフォンの各画面に意味を持たせているのです。また、SNSやゲームなど、つい無駄な時間を消費してしまうアプリは、フォルダに入れて最後の画面に置き、簡単にアクセスできないようにしています。理由は後述しますが、私は仕事で電話をほとんどしないので、通知が見えないよう、電話のアプリもフォルダに入れてしまっています。整理のためにフォルダを使うのではなく、使う頻度を落としたいアプリを下の階層に配置するという考え方です。よく使うアプリをトップ画面に配置し、以降をジャンル別に分ける。そして仕事の集中力を途切れさせる可能性のあるアプリは目に触れないところに置く。こうやって、スマートフォンの画面
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