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第6章超速で情報を集め、最大限活用できる!情報管理ワザ編

やり忘れやミスが激減するノートの活用

法私は〝ノート術〟に関する本を書いているので、よくノートの運用方法について聞かれます。なかでも多いのが「ノートの見返し方」についての質問です。せっかくメモしても見返すことがなければ意味はありません。しかし、すべてを見返していたら、時間がいくらあっても足りません。いったいどうすればいいのでしょうか。結論からお伝えすると、ノートにメモしたことをすべて見返す必要はありません。見返す必要があるのは、「やるべきこと」が書かれている部分だけです。ノートの欠点は、書いたことが外から見えないこと。そして、どこに何が書いてあるのかが検索しづらいことです。この2つの欠点を解決することができれば、ノートはとても見返しやすくなり、やるべきことを忘れたり、ミスをしたりすることが劇的に減ります。私がおすすめするノートの運用方法は簡単で、次の2つのルールを守ることです。ひとつ目は、時系列で管理すること。「ノートを整理する」と聞くと、つい「商談用」「社内会議用」「企画立案用」などと、シーンによって何冊かのノートを使い分けようとしてしまいがちですが、これではかえって非効率的です。持ち歩くのも大変ですし、たとえば「企画立案のための社内会議」など2つのシーンにまたがるような案件の場合、どのノートに書いたのかを忘れてしまう可能性があります。時系列で管理すれば、そのようなことはなくなりますし、前述した名刺の整理のように、日付から探せばいいので、検索しやすくなります。もうひとつのルールは、「やるべきこと」が書かれているページに付箋を貼ること。ノートの表紙の裏側に5~10枚くらい付箋を貼っておき、打ち合わせの最中に「やるべきこと」に関する話が出たら、その場で締め切りの日付を書いて開いているページに貼りつけます。そのページがやるべきことが書かれたページ、つまり見返すべきページということになります。そして、そのページに書かれているタスクをすべてやり終えたら、その記述に線を引いて付箋をとってしまえばいいのです。毎日付箋のついたページを確認するのを習慣づけるようにすれば、驚くほど仕事のやり忘れやミスが減っていきます。こう聞くとあたり前のことに思えますが、実際にやってみると効果を実感することができると思いますので、ぜひ試してみてください。

プロジェクトの情報を一元管理する最も簡単な方法花王で商品開発の仕事をしていたときによく悩んでいたことがあります。それは、複数のプロジェクトが同時に進行するので、相手の会社名や名前、連絡先などがわからなくなり、「うーむ?」とかたまってしまうことがよくあることでした。仕事が忙しくなればなるほどこの時間がストレスになりますし、「バラバラのファイルやメールに記載されている情報を、一覧できたほうが便利なのになぁ」という思いからつくるようになったのが「仕事の一覧表」です。これで自分の仕事に関する情報を整理するようになってから、頭がフリーズすることがなくなりました。一覧表といっても、時間をかけてこぎれいに整える必要はありません。プロジェクトのスケジュールや関係者の名前と連絡先、データの入っているフォルダの場所などをテキストファイルに一覧で入れておくだけでOKです。次ページの写真を見るとわかりますが、拍子抜けするくらいシンプルなものです。とはいえ、これをひとつつくるだけで頭がフリーズせず、無駄な時間をかなり減らすことができました。

私は、「simplenote」というテキスト管理サービスとアプリを使っていますが、Windowsに標準搭載されている「メモ帳」など、テキストが簡単に扱えるソフトであればどんなものでも大丈夫です。やり方は簡単。まず、プロジェクト名をつけたテキストファイルをつくります。そして、プロジェクト関係者の情報(名前や会社名、連絡先)を入力していきます。たったこれだけです。テキストを打ち込む際には、一から入力するのではなく、メールの署名欄をコピペすれば無駄な時間をかけずにすみます。スケジュールなども同様に、原本のファイルからコピペするだけで問題ありません。ただ、たんにコピペするだけだと徐々に見づらくなってきますから、そうなったら少し整理してください。たとえば、この本のプロジェクトであれば、前ページの写真のように、関連資料が収められているフォルダのリンクと簡単な進行スケジュール。そして、版元であるかんき出版の担当編集者、重村さん、ブックデザインをお願いしているデザイン事務所Krranの西垂水さん、坂川さん、本書のイラストを描いていただいているイラストレーターの越井さん、この4名の所属と名前、メールアドレスを一覧にしています。わずかな情報に思えますが、これをプロジェクトごとに作成しておくと本当に便利です。そしてスケジュールの変更や新たなタスク、また資料を郵送する際に毎回住所を調べているようなら、それもこのテキストにどんどん追記していきます。ある程度情報がまとまったら、サイズを縮小してプリントアウトし、簡単に剥がせるタイプの糊を使ってノートの表紙裏などに貼っておきます。こうすれば、わざわざパソコンを立ち上げなくても確認することができます。とくに電話番号や住所を確認する際に重宝すると思います。

くり返しになりますが、一覧表の作成に時間をかけるのは無駄です。自分しか見ることはないのですから、基本的にはメールの署名やスケジュール表からコピペするだけ、キレイに整える必要はありません。また、バラバラの情報を探す手間を省くためにひとつのテキストファイルに情報を集約するという前提を忘れないようにしてください。ただし、情報が更新された際は、ノートに貼った紙も更新してください。これを怠ると、トラブルのもとになりますので気をつけましょう。

ワンクリックでネット情報を整理できるエバーノートのすごい機能「このニュースは仕事に役立つかもしれないから、保存しておこう」「これ買おうかな、どうしようかなぁ……、あとでゆっくり考えよう」ウェブサイトで見た情報を保存しておきたいと思うことってよくありますが、ネットの場合その場ですぐに保存しておかないと、再び同じ情報にたどり着くのが難しい。とはいえ、「お気に入り」にブックマークすると整理するのが面倒です。そんなときに便利なのがエバーノートの「ウェブクリッパー」という機能です。これは、普段使用しているウェブブラウザの拡張機能として追加でき、必要な情報をボタンひとつでエバーノートに保存することができるようになる大変便利な機能です。情報をエバーノートに保存すれば、キーワードで検索できるようになりますので必要になったときにすぐその情報にたどり着くことができるというわけです。ウェブクリッパーをダウンロードして起動すると、ブラウザの右上にエバーノートのマークである象のアイコンが追加されます。あとは簡単。とっておきたいと思ったページがあれば、象のボタンを押せばいいだけです。たったワンクリックで情報をエバーノート上にアップロードすることができます。なお、ここでアップロードした情報は、同じノートブック(エバーノート上の保管場所)に入るよう設定しておくことをおすすめします。エバーノートには、「スマートファイリング」という自動振り分け機能もあるのですが、間違えて分類されてしまうとあとから修正するのが非常に面倒になってしまうからです。私の場合、ウェブクリッパーでアップロードした情報はすべて「INBOX」というノートブックに保存されるよう設定しています。そして、定期的に集めた情報をジャンルごとに分けています。たとえば、ニュースは「NEWS_CLIP」、「ほしいなぁ」と思ったモノや「いってみたいな」と思った場所に関する情報などは、「wants_・」という名前のノートブックに入れています。実際に購入したモノは、「buy_」というノートブックに移します。また、少し話はそれますが、ニュースを保存する「NEWS_CLIP」には、紙の雑誌や新聞の切り抜きの写真なども一緒に保存するようにしましょう。ウェブでも紙でも情報のジャンルは同じですので一元管理したほうが効率的に整理できるからです。この機能拡張が秀逸なのは、ブラウザでインターネット検索をしたとき、右側に自分が過去にクリップしたページや情報を表示することができることです。たとえば、この本の版元である「かんき出版」と検索すると、次ページの写真のように、この本の担当編集者、重村さんの名刺や、過去に読んだかんき出版の本の感想などが表示されるのです。

このように関連データが表示されると情報同士がつながり、新たな発見やアイデアが生まれたりしますので、保存した情報の価値が上がっていきます。また、ただ検索するだけではなく、過去の自分のフィルターをとおして記録した情報も同時に検索結果に表示されるので、ネット検索がより有意義になります。なお、この機能を使うためには、オプション画面で、「WEBを検索した際に、Evernoteからも関連情報を表示」というチェックボックスをオンにしておく必要があります。とても便利な機能ですので、ぜひ活用してみてください。

情報はゴールから逆算して集める新規の仕事をはじめるときや、部署が異動になったりしたとき、これまで触れたことのなかった新しい分野の情報を集中的に集めたいことってありますよね。私が花王から独立し、講演やコンサルティングの仕事をはじめたころ、話のネタにするために「日本史」についての情報を集めたいと考えていたことがありました。各地で講演する際、その土地の話題に触れると話が盛り上がりますし、リーダー層の人たちは歴史好きの人が多かったからです。しかし、歴史に詳しくなろうにも、範囲が広いうえ、情報が多すぎてどこから手をつけていいのかわからないし、歴史が好きな人は大勢いるので、中途半端な知識では役に立たない……。そこで私は、ゴールから逆算して情報を収集することにしました。プロジェクトの現場では、このような考え方を「バックキャスティング」という専門用語で呼んだりしますが、簡単にいうと「ゴールから逆算して、やるべきことを絞って実行する」という考え方です。どんな情報でも、集めることが目的ではなく、その情報を〝活用する〟ことがゴールになるはずです。ですから、情報を収集する場合には、最初にその情報を活用している場面(ゴール)をイメージすることが肝心。そのうえで、情報収集の方向性やルールを決めます。世の中にはさまざまな情報があふれていますから、方向性やルールが決まらないといつまで経っても情報は整理されません。そして、整理されていない情報は活用することができないため価値を持ちません。つまり、整理された情報にしか価値はないということです。たとえば、リクルートが出版している『ゼクシィ』という結婚情報誌があります。この雑誌に広告を掲載するための広告費は、一般的な総合誌に比べ割高なのですが、業界関係者はこぞって『ゼクシィ』に広告を載せようとします。それは、結婚関係の情報のみが集約されているので、読者のほぼ全員が広告を出す企業にとって顧客になり得るからです。また、『ゼクシィ』に載せる記事をつくるための情報や、スポンサーを探すときは、「結婚」というキーワードにしたがって編集者や営業担当者が素材を集めます。ゴールになる雑誌のイメージがあり、そのイメージを実現するための方向性やルールにしたがって集める情報と誌面構成、スポンサーが決まるわけです。このように、情報を活用するゴール、情報収集のための方向性やルールを明確にしておくと、情報を集めれば自動的に整理される状態になります。こうすれば、情報整理に時間もかかりませんし、成果に結びつくまでの時間も短くなります。話を元に戻すと、私はこの考え方にしたがって各地の城郭に関係する情報を集めようと決めました。ゴールは講演や打ち合わせの場で話を盛り上げるネタとして使うことです。城は各地域の人の生活環境の一部になっているくらい誰もが知っている建造物ですし、同時に地域のランドマークとして愛されています。さらに、私は花王時代、さまざまな技術に触れる機会が多く、いわゆる「最新技術」に興味がありました。城というのは戦国時代当時の最新技術を駆使して築かれているため、自分の興味の方向性と合致したのです。たとえば、高知県は降雨量が多いため、現在高知城が建っている土地に築城するのは困難でした。雨が降るとすぐに石垣が崩れてしまうからです。そこで当時の建築技師たちは、石垣のスキマに「蛇口」をつけることでこの問題を解決しました。石垣と石垣との間に、蛇の口のような排水路をつくり、雨水を逃がすことで降雨によって石垣が崩れるのを防いだのです。ちなみに、これが〝蛇口〟という言葉の語源ともいわれています。また、城は当時最先端の〝高層建築〟でもありました。まわりに同じくらいの高さの建物がないわけですから、雷が落ちる確率も高かったわけです。それを防ぐために設置されたのが、〝シャチホコ〟でした。シャチホコのモチーフになっているのは想像上の動物である「鯱」です。鯱は「水を吐く」といわれているため、火事を防ぐための道具のイメージとしては最適だったわけです。しかし、シャチホコは実際に水を吐くわけではありません。そればかりか、有名な名古屋城の金のシャチホコのように導電性の素材でつくられたことで、むしろ雷が落ちる確率が高まってしまったようです。このように、城に関係する知識に絞って情報を集めていくと、徐々に一つひとつの情報の価値が上がりはじめます。同じ時代に建てられた城同士の情報がつながったり、その城にいた人やそこで起こった出来事など周辺情報も〝城〟というキーワードで自然と整理されますから、話のネタとして活用できるようになるわけです。城は日本各地に建てられていますから、高知県で講演があるときには高知城の話、名古屋の企業と打ち合わせをするときには名古屋城の話といったように、どこにいっても話のネタに事欠かなくなりました。もし、情報収集の方向性やルールを決めず、日本史を一から学び直していたら、いまだに話のネタとして活用することはできていないはずです。

ここでは城の情報を例に挙げましたが、映画の情報を収集する場合でも、「特定の監督や俳優の作品はすべて観る」と決めると、やみくもに観たときと比べ、得られる情報の深さが違ってきますし、ただ「家電業界」というくくりで情報収集するよりも「2000年以降に立ち上がった新興企業の売れ筋商品」というように集める情報を絞ると情報の価値が上がります。くり返しになりますが、新しい分野の情報を集めるためには、必ず目的となるゴールと方向性、ルールを決めてから収集を開始してください。こうやって集めた情報は自動的にそのルールで整理されていますから、〝ティッピングポイント〟を超えると、その分野の権威になることができるのです。

発想力・企画力が上がる!情報収集の着眼点企画やマーケティングのお仕事をされている人のなかには、「アイデアを生むための情報をどうやって集めたらいいのだろう」と悩んでいる人も多いことでしょう。世の中の情報は増える一方ですから、自分なりの着眼点が見つからないと情報を整理することができず、なかなかいいアイデアは生まれません。また、情報はある程度蓄積しないと使い物になりませんから、そういった意味でも着眼点を決めることが大切になってくるのです。花王で仕事をしていたとき、同じ部署に〝定点観測〟によってトレンド情報をデータ化する仕事をしている人がいました。毎年同じ時期に銀座や表参道などの流行発信地で、髪型や化粧の方法、使っている化粧品、ファッションなどの流行をチェックするのです。その情報を蓄積したデータはとても価値がありました。その資料を見ると、髪型や服の色、化粧品の流行の推移が手に取るようにわかったのです。私はこの人から、同じポイントを見続けて情報を集め、整理することの大切さを学び、それ以来実践するようになりました。私は現在、商品開発コンサルティングの仕事をしているので、お店を訪れたときに必ず決まった棚をチェックしています。たとえばコンビニにいくと、まず〝ローカル色〟の強い棚をチェックします。わかりやすいところでいえば、展示会場として使われることが多い東京ビッグサイトにあるコンビニには、乾電池やガムテープ、軍手などが充実しています。ガムテープは梱包用、軍手は展示ブースの設営作業などに必要ですよね。「では、乾電池は……」と考えながら展示会場をまわると、「リモコンやスピーカーなど小型の電器製品の電池が切れたときに必要なんだな」ということがわかります。また、暖かい地域のコンビニには冬でも防虫スプレーが置かれていますから、「ここではまだ蚊が飛んでいるんだな」と推測できます。次にチェックするのは〝企画棚〟です。たとえば、バレンタインデーの直前に訪れれば、限定商品やそのコンビニが会社として力を入れている商品からトレンドがわかりますし、「コンビニで購入した」ということがわからないよう、特別に包装紙が用意されているなど、サービスについての工夫を知ることもできます。最後にキャラクターとのコラボ商品が置かれているような〝特集棚〟をチェックします。コンビニはきちんとした勝算がなければ大々的に商品を展開しませんから、「このキャラクターを起用すると売れるんだな」とか「この商品はこのキャラクターとの相性がいいんだな」ということが確認できるわけです。この作業をコンビニに入るたびにやっていると、しだいに商品やサービスのトレンドなどの情報が自分のなかに蓄積、整理され、新しい企画やアイデアのヒントになります。もちろん、これは私にかぎったことですので、ご自身のお仕事に関連する場所を定点観測することを心がけてみてください。このように、場所やチェックするポイントを固定して、くり返し観察していると自分なりの着眼点が磨かれていきます。それが新たな発見やアイデアにつながっていくのです。

紙の新聞・雑誌が溜まらない情報整理の2つのルール新聞や雑誌などの紙媒体は、油断するとどんどん溜まっていきます。ここまで何度かお伝えしてきましたが、モノが溜まってしまうのは、INとOUTが釣り合っていないからです。紙の新聞や雑誌の処分が難しいのは、紙そのものに価値があるのではなく、掲載されている情報に価値があるからです。それが必要なものなのか、処分していいものなのかを判断するためには、すべて読まなければならないわけです。つまり、新聞や雑誌における〝IN〟とは、紙そのものが溜まることではなく、読んでいない状態の情報が溜まることです。裏を返せば、必要な情報を抜き出すことができれば、すぐに捨ててしまっていいわけです。私の場合、電子版が発行されている新聞はすべてそちらに切り替えていますが、電子版のない業界紙も購読しているので、どうしても紙の情報を整理しなければなりません。これが溜まらないようにするためには、次に新聞が届く前に、今あるものをIN(読んでいない状態)から、OUT(読み終わって必要な情報が保存された状態)にしておく必要があります。これを実現するために、私は2つのルールを設けています。ひとつ目は、「1紙あたり15分で読む」ということ。業界新聞は週刊のものが多いので、4紙であれば読むのにかかる時間は、週に1時間程度しかかかりませんし、こうやって時間を決めておくと15分程度のスキマ時間ができたときに、「新聞を読もう」と意識することができます。私は新聞を読むときは必ずiPhoneのアラームを15分にセットして、それ以上の時間を使わないようにしています。こうすれば、INとOUTが釣り合いますから、次に新聞が届くときまでには前の号が廃棄されている状態になります。私は1紙15分と決めていますが、これはご自身の仕事の状況に合わせて変えてもらって大丈夫。5分でも1時間でもOKです。とにかく、INとOUTが釣り合い、一定期間内に溜まっている情報がゼロになるように時間を設定してください。とはいえ、ただ読むだけでは情報を整理して活用することはできません。そこで2つ目のルールとして情報を保存するためのフローを決めています。それは、保存しておきたい記事があったら、その都度iPhoneで写真を撮り、読み終えたら撮った写真を第6章37でお伝えしたエバーノートの「NEWS_CLIP」というノートブックに送信することです。この時点で新聞に書かれていた必要な情報はすべて保存されているはずなので、新聞そのものは廃棄します。ここまで、新聞についてお伝えしてきましたが、雑誌の場合は少しやり方が違います。雑誌はひとつの記事が1ページ単位で区切られているものも多いですし、複数ページにわたる長い記事もあります。ですから、写真を撮るよりそのままページごと切り取ってしまったほうが時間がかかりません。手で破ってもいいですし、気になる人は金属製の定規をあてて切り離すのが速くて便利です。こうやって切り離した記事はステープラーでとめて、クリアファイルに入れ、棚に保管しておけばかさばることはありません。私は、出張の移動中など出先で読むことも多いので、ある程度の分量がある特集記事に関しては、ドキュメントスキャナで読み取り、エバーノートにアップロードしていますが、自宅や職場でしか読まないということであれば、わざわざデジタル化する必要はありません。くり返しになりますが、新聞や雑誌の情報は情報のほかに、「紙」という物理的なモノがついてきますから、ウェブの情報以上にINとOUTのバランスを意識するようにしてください。

おわりに最後まで読んでいただき、ありがとうございました。「はじめに」でもお伝えしましたが、私は月100時間の残業と決別するために熟考と工夫を重ねるうち「私の仕事が終わらないのは、入ってくる仕事(IN)と処理できる仕事(OUT)のバランスが崩れているから。このバランスを整えるには仕事を進める仕組みを見直さなければいけないんだ」と気づきました。私の好きなバンドbacknumberの「青い春」という歌の歌詞に、こんな一節があります。教えられたものだけじゃいまいち完成しないんだ計算は合ってるはずなのに必死で生きているんだ理想の未来なんて用意されていないでもその中で願ってるのさ光に包まれるその日々をこの歌詞と同じように、本当に自分に合った仕事のスタイルは、誰かが用意してくれているわけではありません。これを完成させるためには、人から教わったことをそのまま取り入れるのではなく、それをヒントにしながら自分自身で工夫を重ねていくしかないのです。また、仕事も自分自身も、ステージが上がると、つい「わかったつもり」「できているつもり」になってしまいます。しかし、ステージが上がればこれまで以上にINが増えますから、それに合わせてOUTのスピードを上げていかなくてはならなくなります。するとまた、INとOUTのバランスが崩れ机の上が散らかりはじめます。だから、また工夫を重ねる。仕事の効率化とはそのくり返しなのです。同時に、テクノロジーも日々進化を続けています。そして、それによって仕事の生産性が上がるのに比例して、ひとりあたりの仕事量も増えていきます。ですから、その進化に合わせて、仕事を片づける仕組みもつねに新しくしていかなければいけません。第3章では、従来の階層構造でのフォルダ整理ではなく、「検索時代」に合わせた整理のしかたに変えていかなくてはならない、とお伝えしましたが、これと同じように、時代とともにこれまでのスタイルを見直し、それに合わせて自分の仕事のスタイルも進化させていかなければならないのです。ですから、仕事における「片づけ」とは、私たちビジネスパーソンにとって、終わりのない永遠のテーマであるといえます。ぜひ、本書をヒントにあなた自身のスタイルを確立し、つねに工夫を重ねながら、それをブラッシュアップさせていってください。本書で紹介したさまざまな整理のノウハウが、読者のみなさんがそれぞれの理想の姿に少しでも近づくためのヒントになれば幸いです。最後になりましたが、本書を企画提案いただいた、担当編集の重村啓太さんをはじめ、すべてのプロジェクトメンバーに感謝します。本書を執筆することで、自分の仕事のやり方を、再整理するきっかけをいただきました。ありがとうございました。美崎栄一郎

【著者紹介】美崎栄一郎(みさき・えいいちろう)──1971年生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科を修了後、花王に入社。商品開発部門に配属される。衣料用洗剤「アタック」などの日用品から、化粧品ブランド「ソフィーナ」など幅広い商品を担当。また、ニコンと共同で「多視点画像解析システム」を開発するなど、プロジェクトリーダーとして活躍する。──入社後数年間は、残業が月100時間を超えるほどのワーカホリックだったが、中堅社員時代に受けた業務改善研修がきっかけで、自身の働き方を見直すようになる。業務フローの改善、身のまわりの整理、情報管理の見直しなどさまざまなことを片づけ、本書のもととなった業務効率化のための片づけメソッドを確立し、残業をゼロに。その後、社内で裁量労働制が導入されたことで、さらに業務を効率化し「12時出社・5時退社」の働き方を実現する。──2011年に商品開発コンサルタントとして独立。大手から中小企業まで数多くの商品開発を支援している。一方で、企業や団体での講演や、「整理術」「ノート術」「仕事効率化」「デジタル端末などの使い方」など、個人向けのセミナーも行っている。──ベストセラー『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)をはじめ、『「結果を出す人」の仕事のすすめ方』『iPhoneバカ』『iPadバカ』(すべてアスコム)など著書多数。NHKをはじめ、テレビやラジオなどメディア出演多数。

仕事が速い人ほど無駄な時間を使わない!超速片づけ仕事術発行日2017年4月17日第1刷発行著者美崎栄一郎発行者齊藤龍男発行所株式会社かんき出版〒102‐0083東京都千代田区麴町4‐1‐4西脇ビル電話営業部:03(3262)8011㈹編集部:03(3262)8012㈹FAX03(3234)4421振替00100‐2‐62304http://www.kankipub.co.jp©EiichiroMisaki2017

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