5Sはトツプダウンで推進
●5Sは全社一丸となって取り組まなければ進まない
工場の製造現場は、改善活動を行う風土がありますが、事務所においては、これまで改善活動はあまり行われてきませんでした。
もし、有志の人が5Sをやり始めても、周りの人は関心を持たないし、5Sをやるより仕事をやれと叱れてしまうこともあったかもしれません。
また、5Sをやってきれいになっても、5Sをやっていない人たちによって崩されてしまうこともあります。
事務所の5Sは、会社全員で取り組むことが必要です。
5Sは改善活動の一つです。
しかし、事務所には、5Sを十分に理解せずに5Sをやらない人、やりたくないと思っている人がいます。
また、出張や多忙を理由に5Sに取り組まない人も多いです。
自分の仕事だけを優先し、5Sは時間が空いたら実施しようなどと考えていたら、いつまでたっても進みません。
多忙な職場であればなおさらです。
●事務所の5S成功のポイントはリーダーシップ
事務所の5Sは、トツプダウンで推進しなければ成功しません。
5Sは、事務所で発生している多くのムダを削減し、仕事がしやすく快適な職場をつくることと、人財づくりが目的です。
社長、役員、部長が事務所の5Sをやろうと決断してキックオフし、業務の一つとして推進することが成功のポイントです。
5Sのスタート期は、社長や役員が5S推進委員長、部長や課長などの管理職が推進り―ダーとして、トツプの率先垂範で実施する推進体制をつくることをおすすめします。
半年もしくは1年経過したら、メンバーチェジもOKです。
5Sは誰でもできるように思われていますが、職場全体を取りまとめ、やりたくない人にやってもらうには、強い意志とパワーとリーダーシップが必要です。
新人や入社2〜3年目の若者の指示には、ベテランの人たちはなかなか従うことはないでしょう。
だからこそ、トップが率先垂範で5Sを行って、会社全体、職場全体を風通しよい活性化した職場にしていきましょう。
トップや管理職のやる気と強力なリーダーシップは、5S活動に表れるはずです。

推進事務局がキーマン
●5Sは楽しくやる環境づくりが大事
5Sを成功させるために、トツプが最初に行う一番重要なことは、推進事務局の設置と選任です。
推進事務局が、トップの意向を受け、中間管理者層と意思の疎通を図ること、そして、各職場内で5Sを進めるしかけをして成果に結びつけることが5S成功の鍵になります。
いくらトップが5Sをやろうと言っても、5Sなんてやりたくないと思っている社員は多いはずです。
クやらされ感″でいやいや5Sをやっても成功しません。
5Sは楽しくやることが一番です。
楽しくやるには、推進事務局の力が重要です。
誰が推進事務局になるかによって、明るく楽しい活動になるかどうかが決まります。
推進事務局は、明るく元気で、積極的で粘り強い人が適任だと思います。
5S活動で良好なチームづくりをしましよう。
推進事務局の役割は、5Sをやりやすい改善環境にするための縁の下の力持ちです。
不要品の置き場を設置したり、容器を準備したり、順調に推進されているかどうかを把握するために各職場を巡回したり、相談にのったり、コンクールや評価会などのイベントを企画。
開催したりするのも推進事務局の仕事です。
●抵抗勢力を味方にするのも推進事務局の任務
また、5Sを進める上での抵抗勢力は、どの会社でも必ずいます。
推進リーダーと連携し、抵抗を弱め、前向きな考えに変えていくのも推進事務局の仕事です。
当然、通常業務をこなしながらですので、物理的にも心理的にも大変です。
ただ、他の職場の事務局の人たちとの交流があれば、推進しやすくなります。
はじめは交流がなくても、やりがいを持って取り組むうちに徐々に交流が深まり、会社全体の5Sが加速されていきます。
事務局は非常にやりがいのある仕事です。
会社全体の業務の流れや特性を知ることができるチャンスです。
抵抗勢力を見方にする努力をすることで、人を動かし、組織を動かす力を身につけることもできます。

5S推進エリアは公平に分担し全員参加で
●まずは5Sの担当エリアを決めよう
個人机の5Sはするけれど、他の共有場所はやらないとなると、職場全体がきれいで快適な職場にはなりません。
個人机、共有のエリア、共有キャビネット、会議室、書庫など事務所の全ての場所が5Sの推進対象です。
全員で共有の場所の5Sを実施しようと決めても、誰かがやってくれるだろうと思っている人、指示待ちの人、やろうと思う意思はあっても周りの様子をうかがっている人などがいます。
もしかしたら、そういう人がほとんどかもしれません。
そこで、事務所のどの場所・箇所を、どの部署が担当するのかを決める必要があります。
共有の場所は、総務がやることなどと決めつけていないでしようかつ・共有の場所は、全員が使用しているはずです。
業務負担と配置人員を考慮して、公平に推進エリアの分担を決めることも5S成功のポイントです。
●お互いの担当箇所は褒め合おう
自分が分担する5Sの推進エリアが決まった部署は、コピー機の周辺は誰が担当、このキャビネットは誰が担当と主担当を決め、全員が分担できる態勢で5Sをスタートします。
5Sに取り組み始めたら、1週間あるいは2週間に1回程度、自部署全員で5Sの進み具合や成果をチェツクし、進んでいるところや遅れているところ、良い点や改善点などを指摘し合いましょう。
そのときに大切なことは、なるべくお互いの担当した箇所の良い点を見つけて、「すっきりしたね」「良くなったね」「すごい変化」「見やすいね」「使いやすそう」などと褒め合いましよう。
ちょっと照れてしまうかもしれませんが、社員同士のコミュニケーションが良好になり、チームワークも強くなります。
また、自分が担当した推進エリアは、責任感がありますので、崩さないように日頃から気にかけます。
また、他の人が担当した場所や箇所も5Sを崩さないように心がけて使用するようになります。
全員で分担して力を合わせた5Sは、達成感と自信がつき、高いレベルが維持できます。

あるべき姿を描こう
●事務所の問題点に気づいたら5Sで改善していこう
5Sの成功の秘訣は、一人ひとりが事務所で発生している具体的な問題点を認識し、その解決の手段の一つとして5Sを活用することです。
事務所には、たくさんの問題点が潜んでいます。
すぐにお客様に回答しなければならないのに、必要な書類を探せなくてイライラしたり、発送作業をするために事務所内を行ったり来たりしてムダな動作を繰り返したり、山積みの決裁書類をいつになったら承認してくれるか待ちぼうけになっていたりしませんかつ・これが当たり前と思っていたら、やりがいのある、快適な職場にはなりません。
この機会に、自分の席を含め、職場内を見渡しキ?しょう。
また、上司や同僚、後輩の動きや対応している姿を観察してみましょう。
さまざまなムダな動作や問題点に気づくはずです。
そして、もっとこういう事務所だったら仕事がやりやすいと思うはずです。
思っていても言い出す勇気もなく、言っても改善してもらえないなどと諦めないでください。
●5Sは誰のためでもなく自分のために行う活動
トツプダウンで推進する5Sは、今までできなかったこと、やりたかったことを解決できる絶好のチャンスです。
置き場所を入れ替えたらもっと仕事がしやすいし、こんな置き方にしたら探しやすく、取り出しやすいなど、気づいたアイデアを出し合い、事務所のあるべき姿を描き、5Sを推進する目的と目標をしっかり理解しま―)よう。
あるべき事務所の姿を目指し、自分たちの手で事務所を変えていってください。
5Sは、誰かのために行う活動ではありません。
自分の仕事をしやすくして、自分の仕事を価値の高い仕事にしていく活動です。
問題が多かったり、風通しが悪く停滞したムードの職場に身を置いていることは、自分の成長が阻害されているのだと認識‐ン)幸,しよう。
さらに、5Sは、自分の職場のチームワークをよくして、もっと儲かる会社にするための活動です。
あなたが描いたあるべき姿の事務所は、5Sで必ず実現します。

「5Sの心」を持とう
●全員が5Sの効果を実感できるようにしよう
事務所の5Sを成功させるポイントは、一人ひとりの意識が変わることです。
社長が5Sをやると宣言したので、しかたなく5Sを行っている、という人は必ずいます。
思っていることは、行動や表情にも、5Sの成果にも表れますから、熱心に取り組んでいる人は不快に思い、チームワークもコミュニケーションも悪くなってしまいます。
5Sを推進するには、時間と労力とお金が必要です。
せっかく5Sを推進するからには、前向きに取り組みましょう。
気持ちがラクになって、考え方も前向きになり、他のメンバーとの関係も良くなります。
結果として大きな成果にも結びついて、5Sをやってよかったと思うはずです。
●5Sができている会社は品性が高い
5Sに取り組むためには、次の行為や考え方を封印しましよう。
。
思いつき。
自分は特別・成りゆきo誰かがやつてくれる。
言われるがまま。
やってもムダ。
中途半端。
やりっぱなし。
やみくもそして、事務所の5Sの心を持つことです。
5Sの心とは、以下のような心を指します。
・思いやりの心……次に使う人のために元の場所にきちんと戻す、補充する心・気配りの心……工夫、アイデアの心・物を大切にする心……ワンストックの心・時間を大切にする心……ワンアクションの心・協調心………チームワークの心。
自律心……率先垂範の心。
道徳心……ルールを守る心5Sの心を持って推進すると、時間意識、原価意識、規律意識、問題意識、改善意識が身につき、意識改革が図られます。
5Sができている職場は、品性の高い職場と言えます。
あなたの職場も品性の高い職場にグレードアップしましよう。

ステツプバイステツプで成果を実感しよう
●5Sは6カ月単位で段階的に進める
事務所の5Sは、社長が宣言・実行しても、短期間であるべき姿を実現することは難しいものです。
特に、業務をやりながらの5Sは、思うように進みません。
焦らずに、日標を設定して計画的に、着実に推進することが5S成功への早道です。
5Sは、導入期、成長期、定着期と6カ月を単位として、段階的に推進すると進化が見えます。
①55導入期……60点レベルを目指すまずは、トップダウンの下、全員参加で5Sをスタートします。
5Sは、推進手順に従って進めます。
事前準備に約1カ月、整理に約2〜3カ月、整理完了後から整頓に約2〜3カ月をかけ、6カ月目頃から清掃基準を作成し、5Sの清掃に着手します。
60点レベルの5Sとは、職場に置かれた物は、徹底的に表示し、必要な物が、誰でもいつでも使え、所定の場所に戻せる職場です。
実際に5Sをやると、便利だと気づき始めるポイントです。
②5S成長期……70点レベルを目指す次の6カ月間は、成果が見られる職場を目指します。
ファイリングシステムはこの時期からスタートです。
5Sによって便利になりましたが、この置き方は使いにくい、こちらの場所の方が作業しやすいなど問題点や改善案が出始めます。
さらに最適な置き場所の見直し、スペースを有効に活用した置き方へ、事務用品、消耗品の種類や量のなども一部見直しをし、レベルアツプします。
70点レベルの5Sとは、作業効率、スペースの効率化、経費削減の成果が見え始めた段階です。
一人ひとりの意識の変化も見られます。
③5S定着期……80点レベルを目指す2年目からは、お客様に驚きと感動を与える5S職場を目指します。
突然、お客様が訪間されても、笑顔と丁寧な応対で、自信を持って事務所をご案内できるようであれば、5Sが維持。
定着できている職場です。
職場が明るく、一人ひとりが自信ある顔つきで、テキパキとした仕事をこなしている職場です。
全員が意識の変革ができ、5Sをブランドとした会社に変身します。

COL∪MN⑨5Sでできる社内コミュニケーション
5Sでできる社内コミュニケーション5Sは人づくりの場であり、社員のさまざまな潜在能力とキャラクターを引き出してくれます。
個人机のワンベスト姿絵置きでは、手先の器用の人、アイデアマンが続出します。
日頃の日曜大工の腕を発揮し、棚や容器製作の工務店役をかつて出てくれる人もいます。
廃棄物の処分やレイアウト変更時には、力持ちの人に助けられたことも多いはずです。
嫌な仕事も黙って率先して実行してくれている人もいます。
根気よく細かい表示をしてくれる人もいます。
普段目立たない人がリーダーシップを発揮してくれます。
褒め上手の人も次第に増えてきます。
挨拶の声も自然に大きくなってきます。
5Sで一人ひとりの良い面を発見しましょう。
そして仲間をたくさん増やしましょう。
5Sで真のコミュニケーシ∃ンの輪をつなげていつてください。
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