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第21章 成長促進の法則

成功するマーケティング計画は、―時的流行現象(ファッド) の上に築かれるのではない。トレンドの上に築かれるのだ。

ファッドは大洋の中の波浪であり、トレンドは潮流である。ファッドはしばしばパ ブリシティの対象となるが、トレンドはほとんどならない。 波浪と同じようにファッドも視党に捉えることは容易だが、大急ぎで激しい上下運 動を繰り返している。トレンドは潮流と同じく目にはほとんど見えないが、長期的に は極めて強力な力を発揮する。 ファッドは短期的現象であり、それなりに利益をもたらしてはくれる。しかし、会 社に大きく貢献するほど長続きはしない。また悪いことに、会社はファッドをトレン ドと取り間違えて、ギアを高速に入れる場合が多い。この結果、会社は過剰なスタッ フと多額な生産設備、それに流通ネットワークを抱えて立ち往生することが少なくな 一方、ファッションとは、繰り返し現われるファッドである。例えば、女性のミニ スカート、男性のダブルのスーツがこれに当たる。ハレー彗星は、七五年毎に現われ るという点で、ファッションである。 ファッドが消滅したとき、会社はしばしば財務的に大打撃を受ける。アタリ社に発

生した事態が、その典型的事例である。コンコ。イングストリーズが「キャベツ畑人 形」をどのように扱ったかに注目して欲しい。この素朴な人形は一九八三年にヒット し、上昇気流に乗った。コレコの戦略は子供たちから絞れるだけ絞り取ることであっ た。 何百もの「キャベツ畑人形」のノベルティが玩具店にあふれた。ボールペン、鉛筆、 クレヨン、ゲーム商品、衣服などに利用されて二年後コレコは七億七六〇〇万ドルを 売上げ、八三〇〇万ドルの利益を得た。しかしやがて、「キャベツ畑人形」の足が抜 け、 一九八八年、 ついにコンコは倒産した。 コンコは消滅したが、子供たちは健在である。 一九八九年にハスブロに買収された 後、「キャベツ畑人形」は目下のところ着実に売れている。業績はかなり好調のよう である。 ここに一つの逆説が存在する。もしあなたが疑いもなくファッドの恩恵に浴して、 急成長しているビジネスに携わっているとすれば、 一番いいのはそのファッドに水を 差すことぞある。水を差すことによって、ファッドを長持ちさせるのだ。そうすれば、ファッドがトレンドにより近いものとなる。 この実例を私たちは玩具ビジネスに見ることができる。流行玩具のオーナーの中に は、自社の流行玩具の名前を何にでもつけたがる人がいる。結果として、その玩具は とてつもないファッド商品となるが、反面そのことによって破滅の道をたどらざるを えなくなる。流行玩具の「忍者タートル」だってみんなにゆきわたれば、もう、だれ もそれを欲しいとは思わないのである。 「忍者タートル」はあっという間に消滅したファッドの格好の事例である。というの も、このコンセプトのオーナーが余りにも貪欲だったからだ。オーナーは、ファッド に水を差すかわりに逆に傷りたてたのである。 これに対して、バービー人形は一つのトレンドとなった。ずいぶん前、バービー人 形がお目見えしたとき、この人形は他の分野で大々的に商品化されることはなかった。 そのため、バービー人形は、玩具業界で長期に及ぶトレンドになったのである。 成功を遂げた一流のエンターテイナーというのは出演を控えるものだ。決して背伸 びしたりはしない。ところかまわず出演することもない。自分たちの人気を食いつぶ

すことのないよう、心がけるのである。 エルビス・プレスリーのマネジャーだったコロネル・パーカーは、出演の回数やキ ングが制作するレコード枚数を制限するため慎重な手立てを講じていた。この結果、 エルビスが登場する度に、それは途方もないインパクトを持ったイベントとなった (エルビス自身は、早くからのドラッグのやり過ぎから、以後の出演を極端に控える ことによって、この戦略に貢献した。マリリン。モンローや、ジェイムズ。ディーン も同様である)。 ファッドのことは無視したほうがいい。ファッドが現われたら、水を差すことを心 がけよう。あなたの商品への需要を長く維持する方法の一つは、その需要を完全には 満足させないことだ。 しかし一方、 マーケティングにおいて利用すべきベストにして、最高に利益をもた らしてくれるものは、長期にわたるトレンドなのである。

 

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