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第2章社外で「察する力」を鍛える

第 2章 社外で「察する力」を鍛える

SCENE 009 色で鍛えるネクタイを見れば相手の性格を想像できるようになる情熱的な人は赤いネクタイをつける執事のネクタイは黒が多いセレブは自分の色を決めることが多いネクタイの色と態度をセットで覚えておく色と態度のセットからパターン化する SCENE 010 席順で鍛える相手の座る位置で信頼をおく人が誰か判断する相手が誰の正面に座るかを見る執事は席をコントロールする真正面に座るのがいいとはかぎらないこちらが座ったときの反応も見るいろいろなパターンを試して検証してみる SCENE 011 喫茶店で鍛える相手が頼む飲み物で打ち合わせの成功度をはかる相手が同じ飲み物を頼んでいないか?同じものを頼むのは信頼関係を築きたいから?執事は同じ飲み物を出す少しひねったオーダーを入れる逆に、自分が相手に合わせて反応を見てみる SCENE 012 イメージづくりで鍛える具体的な例をあげて話を確認するようにする具体例がお互いのイメージのズレをなくす一般人とはかけ離れたセレブの価値観執事を雇うのは年収 5億円以上のセレブ具体的に聞かないと失敗することも訓練する対象は社外の方がベスト SCENE 013 究極のサービスで鍛える高級クラブで上司の気持ちを理解する高級クラブで上司を疑似体験

執事サービスは究極のサービス業どうやって満足させているか細かく見る上司の視点で考える SCENE 014 別れ際で鍛える見送りまでの数秒間で相手の本音を聞き出す商談や打ち合わせ後は本音が出やすい別れ際は緊張がゆるんで口を滑らせやすい相手が言いにくいことも聞き出しやすい事前に何を聞くか考えておく SCENE 015 相手の言葉で鍛える 1他人の意見の引用はその人が主張したいことのサイン同意しているからこそ引用する引用は他人のせいにしたいだけセレブの周囲は引用だらけ引用は「いい人」と「自信がない人」に多い引用イコール相手の意見という前提で話す SCENE 016 相手の言葉で鍛える 2明確に答えない部分から相手の真意がわかる相手が不利になる情報は隠したがる深入りされたくないときもあいまいになるあえて突っ込まないのができる執事突っ込んだからこそわかった真実漫然と話を聞いていてはいけないさまざまな手段で真実を見出す努力をごまかしと真実のパターンをつかむ SCENE 017 取引先で鍛える 3回足を運べば本音が出てくる 3回目で本音がわかる営業マンにとって 3回目が勝負の分かれ目 3回以上お会いして満足度アップセレブの本音も 3度で出る訪問の理由をつくる 1回、 2回で本音は出ないと考える

情熱的な人は赤いネクタイをつける ネクタイには、その方の性格がよく表われます。柄や結び方などにも個性が出ますが、性格が色濃く反映されるのはやはり色です。 地味な性格の方は、明るい色のネクタイをあまりつけません。逆に、明るい性格の方が、暗い色目のネクタイをつけることも少ないものです。 具体的に言えば、赤なら情熱的、青なら冷静沈着、ピンクならフレンドリー、黄色なら目立ちたがりなど、ネクタイの色とその方の性格はだいたいリンクしています。 また、会社のイメージカラーも、ネクタイの色に反映されることがあります。タクシー会社のネクタイは紺色が多いのですが、それはやはり、冷静に運転しますという会社の姿勢の表われでしょう。 ただ、ネクタイというのは、日によって替えられるものです。 じつはそこがポイントで、その方のその日の気分やモチベーションが、その日につけているネクタイの色に反映されるということなのです。 以上のことを応用すれば、逆にネクタイの色を選ぶことによって、自分のその日の気分を盛り立てる効果が期待できます。 たとえば、今日会う人に「自分は元気だ、情熱的だ」と見せたいなら赤を選ぶとか、「今日の相手にはロジカルに物事を伝えなければいけない」というときは、青いネクタイをしていくなどです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事の靴の色は、男性は黒と決まっています。女性は服装に合わせることもありますが、男性は黒。これは、ネクタイ

ネクタイと同じで、葬儀がいつあるかわからないため。そして、執事の役割はあくまでも後方支援なので、目立ってはいけないからです。執事のネクタイは黒が多い 私ども執事は、お仕えする方のサポートが仕事、いわば裏方です。その裏方である私たちが目立つわけにはいきませんから、ピンクや黄色など派手な色のネクタイはもちろん不適切。 お仕えする方のご友人などの急なご不幸で葬儀にお供する、などということも考慮して、だいたい黒っぽいネクタイをつけたり、予備で用意していたりします。 ちなみに、執事は蝶ネクタイを着けるものだと思っている方が、少なからずいるようです。 欧米の執事なら、蝶ネクタイやラインタイをつけることはよくあります。しかし、日本の執事は普通、蝶ネクタイはつけません。 ルールとか制約があるわけではないのですが、やはり冠婚葬祭などシチュエーションによってはふさわしくない場合があるからではないかと思います。セレブは自分の色を決めることが多い 一方、セレブな方々がつけるネクタイは、当然といえば当然ですが、人それぞれ。個性的なものではなく、だいたい普通の色・形ですが、何色をつけると決めている方は結構います。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki私の会社では、執事がクルマを運転するときは、基本的に白い手袋をつけてくださいと指示しています。なぜかというと、手袋をしないとクルマの取っ手などに傷がついてしまったり、磨いたボディに指紋がついたりしてしまうことがあるからです。 なかには、無意識に色を決めている方もいますが、私どものお客様で、営業力の強さで有名な会社の社長さんは、情熱的に仕事をするのだといって、ずっと赤いネクタイをつけていらっしゃいます。【観察力】鍛え方・実践のポイントネクタイの色と態度をセットで覚えておく 相手のネクタイの色を、常に意識して観察するというのは基本です。 そのうえで、何度も同じ方と会うのであれば、その日その日のネクタイの色と、相手の態度をセットで覚えておきましょう。 これは、そのときつけていたネクタイの色と相手の態度がどうリンクするのか、のちに分析しパターン化するために必要なことなのです。 ただ、職種によっては、直接人に会う機会が少ないということもあるでしょう。そこで使えるのが、テレビのニュース番組です。 たとえば、不祥事で会社の役員などがお詫びの会見をするときのネクタイの色や、新製品発表会での経営者のネクタイの色などを観察してみるのです。 だいたい、お詫びのときは冷静沈着に見えるように青系統、新製品発表では情熱的とか元気がいいことを表わす赤系統が多いと思います。【分析力】鍛え方・実践のポイント色と態度のセットからパターン化する 観察力の鍛え方のところで書いたように、ネクタイの色と相手の態度をセットで覚えたら、それをパターン化しておくと分析力の訓練になります。 たとえば、「赤いネクタイをしているときは、うちの商品購入に積極的」「きびしい質問をしてくるときは、青いネクタイをしている」「黄色のネクタイをしているときは、その人が注目されるような機会をつくりたがっている」「ピンクのネクタイであれば、親しげな態度である」という具合です。 テレビのニュース番組も同様で、お詫び会見では青系統のネクタイが、新製品発表など晴れやかな舞台では赤系統のネクタイが多いなどと、パターン化を意識して見るようにしてください。 以上のようにパターン化しておけば、次に相手に会ったとき、「あ、今日は赤いネクタイだから商品を売り込むチャンスだ」「おっと、青いネクタイをしているから、こちらも論理的に答えなければ」などというふうに、応用も利くようになります。

相手が誰の正面に座るかを見る 打ち合わせの場に、お客様が 1人で、こちらが 2人いた場合。お客様がどの席に座ったかで、こちらの 2人のうちどちらに信頼をおいているかがわかります。 当然、真正面に座った相手のほうが、お客様の信頼度は高いのです。 ですから、同じシチュエーションで私どもがお客様と打ち合わせをする際は、どちらの執事の真正面にお客様が座るかで、担当を決めます。 ただ、どちらの正面にもお客様が座らないケースも、もちろんあります。 お客様が、離れた席に座ったり、「斜にかまえる」という言葉がありますが斜め向かいに座ったりする場合は、こちらをあまり信用されていないかもしれません。 もしくは、相手がこちらとの信頼関係を築きたくないと思っている可能性もあります。執事は席をコントロールする 私ども執事は、座る場所の心理を逆手にとって、お仕えする方のメリットになるような席順をつくります。 たとえば、会食で、お客様とお仕えする方をもっと親しくしたい場合は、お仕えする方の真正面にお客様のテーブルセットをつくってしまいます。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事は、財布を持ちません。財布を洋服のポケットに入れると、ふくらんでしまってみっともないからです。しかし、お金を使う機会はたくさんありますから、数枚のお札とクレジットカードをポケットに忍ばせています。 先にお客様が座っているなら、お客様の向かいにあるテーブルセット以外はすべて片づけてしまい、お仕えする方がお客様の真正面に座るよう、誘導します。 このようにして、席順をコントロールするのも、私ども執事の役割です。 離れた席では自然と話も途切れがちになってしまいますが席が近ければ、会話しないわけにはいかなくなります。 しかも、食事の席は、一度座ったら 2時間は同じ場所に座っていますから、お仕えする方の近くの席にお客様のテーブルセットを用意することで、たっぷり会話をしていただけるようにできるわけです。真正面に座るのがいいとはかぎらない ここまで、真正面に座る意味について書いてきましたが、必ずしも相手の正面に座ると信頼関係が築きやすくなるともかぎりません。 たとえば、小売店でのレジというシチュエーション。レジで支払いをするときに、真正面にレジの人が迫ってきたら、ちょっと引きますよね? 立って相手に向かうときは、プレッシャーを与えないためにも、少し斜めの位置どりがベターなのです。 また、真正面よりも、もっと親密になれる席順があります。それは、右上の図のような机の角と角に座る位置関係です。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki 75ページ〔※こちらを参照〕の通り、執事は財布を持たないので、たとえば自販機でお茶を買ったりして小銭が出ると、ポケットでチャリチャリ音がしてしまわないように、非常に気を使います。執事の仕事には、こんな小さな苦労もあるのです。 机の角と角に座るのがなぜいいのかというと、お互いの距離が近くなるからです。 もっと相手に親近感を感じてほしいというときは、例外的ですが、相手の隣に座るというのも1つの手です。 しかし、いずれの場合もケースバイケースですし、あまり人数が多いような場合だと成立しないということを頭に入れておいてください。【観察力】鍛え方・実践のポイントこちらが座ったときの反応も見る 先ほども書きましたが、打ち合わせなどで先にこちらが座っているときは、相手がどの位置に座るかを観察しましょう。 逆に、相手が先に座っているシチュエーションであれば、こちらが真正面に座って、相手がどういう反応をするのかを見てみましょう。 出先でなくても、たとえば社内の会議や部署の仲間で食事にいくとき、上司の正面に座って反応を見る、などというのも観察力を鍛える練習になります。【分析力】鍛え方・実践のポイントいろいろなパターンを試して検証してみる 打ち合わせの席でこちらが先に座っているとき、相手が正面に座ったら、こちらが信用されている、もしくは信頼関係を築きたいのだと分析できます。 相手が、斜めの位置や離れた席に座るなら、こちらが信頼されていない、またはこちらと信頼関係を築きたくないのだと分析します。 それらの予想と、打ち合わせの成果を比べて、合っていたかどうかを常に見ていくことで、分析力が鍛えられます。 相手がすでに座っているときは、こちらが真正面に座って打ち合わせがうまくいったかどうかを検証します。 また、できれば、ほかのパターンでもやってみるといいでしょう。角と角に座ったり、場合によっては横に座るというのも試して、真正面のときと成果のちがいを比べてみると、席順と親密度の関係が、より正確に分析できるようになっていくと思います。

相手が同じ飲み物を頼んでいないか? 喫茶店での打ち合わせで飲み物を頼むとき、こちらが先に飲むものを決めたら仕事相手が同じものを頼んできた、という経験はありませんか? もちろん、偶然飲みたいものが重なっただけかもしれません。とくに、コーヒーを頼んだ場合は、オーダーが重なることも珍しくはないでしょう。 偶然の可能性はあるのですが、もしかしたら、こちらに近づきたい、仲よくなりたいという相手からの無意識のサインかもしれません。同じものを頼むのは信頼関係を築きたいから? 心理学用語に、ミラーリング(またはミラーリング効果)という言葉があります。これは、かんたんに言うと、鏡のように相手の行動やしぐさなどをまねて共感を呼び、信頼関係を築こうとすること。同じ飲み物を頼むというのも、このミラーリングを無意識に相手が行なった結果とも考えられるのです。 接待では、相手と同じものを頼め(飲め)とよくいいますが、これは、ミラーリングの効果で人間関係をつくろうとしているのです。「同じ釜の飯を食う」という慣用句があるように、同じものを飲んだり食べたりする体験は、相手の共感を呼び、人間関係をつくるのに非常に効果があります。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiご主人様のお客様に、砂糖を扱う商社の社長がいました。その社長がご主人様の屋敷にやってきたとき、私はすかさず、お客様の会社で扱っている砂糖を出しました。お客様はいたく感動し、その効果なのか、数百億円もの取引が成立しました。執事は同じ飲み物を出す 私ども執事は、ミラーリング効果を狙って飲み物をお出ししています。 どういうことかと言うと、お仕えする方のご自宅にお客様がいらしたとき、お客様にも自分がお仕えしている方にも、同じものを出してしまう、ということです。 同じものを出すためにも、あえて何が飲みたいかは聞きません。 もしくは、お客様の好みに、お仕えする方のほうを合わせるということをやります。 たとえば、お客様にだけ「何にいたしますか?」と聞いて「紅茶を」と答えたら、お仕えしている方にはわざとリクエストを聞かず、 2人に同じ紅茶を出すのです。 このように、同じ飲み物を提供することで、お客様にシンパシーを感じてもらい、商談の成功率が上がればいい、もしくは交友関係の構築に少しでもお役に立てればいいと思ってやっているわけですね。【観察力】鍛え方・実践のポイント少しひねったオーダーを入れる 観察のポイントは、相手がこちらのオーダーに合わせてくるかどうかを見るためにも、自分が先にオーダーを入れなくてはいけないということ。先に頼まれてしまっては、こちらのまねをするかどうかが観察できません。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiお客様にシンパシーを感じてもらうため、否応なしに飲み物を出すことがありますが、宗教上の理由でカフェインが飲めないお客様もいるので、注意が必要です。大失敗しないためにも、事前のリサーチは欠かせません。 そしてもう1つは、少しひねったものを注文するということです。 先ほども書きましたが、コーヒーを注文してしまうと、オーダーが重なりやすくなってしまい、偶然なのかミラーリングなのかがわかりません。 そこで、オレンジジュースやカフェオレなど少しひねったオーダーを入れるわけです。それで、「私も」と相手が言うかどうかを観察します。 観察する対象は、仕事相手にかぎらず、友だちや恋人、パートナーなど誰でもかまいません。 また、喫茶店だけでなく、レストランで食事をオーダーするときなども、相手が合わせてくるかどうか観察してみましょう。 とくに、食べ物は、一般的に飲み物よりもバリエーションが多いお店が多く、好みも人それぞれ分かれることが多いもの。そのため、偶然同じものを頼むということはまれなので、ミラーリングなのかどうかがわかりやすくなります。【仮説力】鍛え方・実践のポイント逆に、自分が相手に合わせて反応を見てみる 先にオーダーして、「私も同じものを」と相手が合わせてきたら、こちらに近づきたい、仲よくなりたいと思っているという仮説が成り立ちます。 逆に、仲よくなりたい人と喫茶店にいったり、商談を成功させたい相手を接待したりするとき、先に相手にオーダーを入れてもらって、常に同じものを頼むようにしてみましょう。 そして、こちらが同じものを頼むことで、相手はフレンドリーになると仮説しながら、相手の態度がどう変わるかを見るのです。 このように、相手が何を頼むのかを見るだけではなく、逆に自分が相手に合わせてその効果を実感することが、1つの訓練になります。 相手に合わせるミラーリングについて、1つ補足して

おきます。 じつは、相手に合わせるミラーリングの効果は、のちのちまで残りやすいのです。なぜなら、合わせてもらった相手は、「何食べます?」「チキンカレー」「では、私も」などというやり取りまで含めて、意外と覚えているものだからです。 とくに、レストランなどは、数十種類あるメニューのなかから自分の食べたいものと相手の食べたいものが一致したわけですから、共感に加えて運命まで感じていただき、その後の人間関係も、さらにうまくいきやすくなります。具体例がお互いのイメージのズレをなくす 抽象的に話をすると、自分と相手とで思っていることがちがっていたりするケースがあります。 たとえば、高級なお店でお客様を接待したいと、同僚から相談を受けたとき。「高級なお店」といっても、幅は結構あるものです。高層ビルの最上階に入っているレストランもあれば、一見さんは入れてくれない、看板も出していないような料亭もあります。 ですから、高級なお店と聞いたとき、「それは、 ○ ○ビルにある × ×レストランのようなところ? それとも、料亭の △ △店みたいなところがいいの?」と、具体的な名前をあげます。そうすることによって、相互がイメージしているものが、合致するのです。 こちらが × ×レストランをイメージしていたのに、相手が △ △店をイメージしていたとわかれば、「この人の高級とはそういうお店か」と気づいて、分析力が鍛えられるのです。一般人とはかけ離れたセレブの価値観 執事サービスは、常に価値観のまったくちがう相手と接する仕事です。ですから、相手との価値観の差を埋めるため、常に具体的に聞くことが求められます。 セレブの価値観、とくに資産何兆円クラスの大金持ちの価値観は、私たち一般人とはかけ離れていて、ビックリすることもたびたびあります。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiよその規定はわかりませんが、私どもの会社で、海外のお客様を担当する執事には、 TOEICのスコア 900点以上を求めています。そのくらいの英語力がないと、お客様の細かい要望までうかがうことができないからです。 たとえば、お仕えする方が「ちょっと遊びにいく」とおっしゃったときのこと。私はせいぜい、「今いるのは東京だから、せいぜい箱根くらいだろう」と思っていました。ところが、そのご主人様は、中東のドバイを指していたのです。執事を雇うのは年収 5億円以上のセレブ 執事サービスを利用するのは、富裕層と呼ばれる方々です。しかし、富裕層といっても、そのイメージには幅があります。 年収 1千万円の方も、富裕層といえば富裕層でしょう。しかし、執事サービスを利用する方々はケタがちがいます。 そこで、私どもがよく言うのは、「年収が 5億円以上あるような方に執事サービスを提供しています」。具体的に年収の金額を出せば、そこそこの富裕層や無名の会社の社長あたりは利用しないのか、と理解してもらえるわけです。具体的に聞かないと失敗することも 例をあげて確認することで、相手の価値観がわかるだけでなく、お互いの思いちがいをなくすことができます。 私は、確認をしなかったことで苦い思いをしたことがあります。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiお客様の家には高価なものが無防備においてあったりするので、家族以外の人が毎日、出入りすることにお客様は不安を感じます。ですから、私の会社では、採用時に信用調査

信用調査を入れ、保証人を 2人つけてもらいます。 弊社のあるお客様から、「大切な友人が 3日後にくるので、その友人にゆっくりくつろいでもらえるようにもてなす準備をしてほしい」と依頼を受けました。 友人というからには、お客様と懇意にしており、あまりかしこまったおもてなしよりは、友人の家に遊びにきたような、カジュアルで気の張らないような対応がベストではないかと思い、食事も有名ホテルのケータリングを頼むことにしました。 そして、お客様の友人がいらっしゃる前日、準備状況をお客様に報告すると、とんでもないことがわかりました。 その友人というのは、ある国の国家元首ということがわかったのです。お客様の「友人」という言葉をそっくり鵜呑みにして、自分なりの「友人」の解釈でおもてなしの準備をしてしまったのです。 それを知ってからは、今まで用意したことが覆りました。まず、警備のために警備会社とボディガード派遣会社の手配を行ない、食事はケータリングをやめ、その国家元首の方の好みを知りつくした有名料亭の料理人に出張してもらい好みにあった料理をそろえました。 また、国家元首の方に随行する秘書や SP、運転手の方々の控え室、料理、接待などを、残された短い時間で、いろいろな方に頭を下げて死に物狂いで準備をやりとげました。 このように、きちんと「どのような友人なのか?」と、具体的に例をあげて確認しなかったばかりに、大失敗してしまう事態に追い込まれました。それ以来、必ず例をあげて確認するようにしています。【分析力】鍛え方・実践のポイント訓練する対象は社外の方がベスト 具体的な例を出すことによって、相手の価値観、レベル感を探るクセをつけましょう。 対象にする相手ですが、家族では、価値観が自分とごく近いので、あまり訓練になりません。また、社内の同僚なども、近い価値観をもっているので、訓練の対象にはあまり適していないと思います。 そこで、取引先やお客様など、社外の方を対象にするといいでしょう。 それから、これは注意点なのですが、言葉の定義やものの名称は、人によってとらえ方がぜんぜんちがうことがあるので確認すべきです。 たとえば、「遊園地にいこう」と言うと、普通は、ジェットコースターなどのアトラクションが設置されている施設を想像する方が多いと思います。 ところが、ある地域の方、とくにご高齢の方にとっての「遊園地」は、近所の公園を指します。そこにあるのは、せいぜいブランコとか滑り台くらい。 こうしたことは、地域だけでなく国や年代のちがいによっても起こり得るので、必ず確認をしてください。高級クラブで上司を疑似体験「高級クラブで上司の気持ちを理解する」とは、高級クラブにいくと、部下をもつ上司や経営者の気持ちになれるということです。 高級クラブでは、女性が楽しく会話してくれたり、もてなしてくれたりします。しかし、結構なお金を払うので、おもしろくない思いをすると、腹が立ってくるもの。 この、期待と苛立ちのパターンが、職場での上司や経営者の心の動きと非常に似ているのです。 もちろん、上司が部下に直接お金を支払うわけではありませんが、上司の査定で給料や賞与の額が変わってくるという意味では経営者と立場は似ています。 そして、上司は部下に対して、自分が喜ぶような仕事をしてもらうことや思った通りの成果を出すことを期待しています。 ところが、部下が自分の思う通りに働いてくれない、成果を上げてくれないと、腹が立ってきます。 要するに、高級クラブにいくことで、会社の上司や経営者の気持ちが疑似体験できるということ。人を雇うというのはこういうことなんだな、いつもこういう気持ちを上司は味わっているのだな、とわかるようになるのです。 一般的な会社員は、上司の期待する仕事をしなくても、解雇されるわけではありません。しかし、高級クラブなら、次回そのお客様にきてもらえないと給料にひびくし、それが続くと解雇される可能性もあります。だから、がんばって仕事をするのです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki執事は、いくら暑い季節でも、上着を脱ぐことはできませ

ん。両手がふさがってしまうし、見た目も悪いからです。ですから、夏はこまめな水分補給が必須ですが、飲み物を持って歩けないので、その場で飲み切れなければ捨ててしまうんです。 そこまで考えると、高級クラブのオーナーよりも、よほど自分の上司のほうがストレスは大きいだろうと想像できるのではないでしょうか。執事サービスは究極のサービス業 執事の仕事も、ある程度高額なサービスで、結果を出さないと次回はないという意味では、高級クラブに似ています。 とくに、パーティーなど特別な 1日だけの執事サービス契約というケースでは、依頼されたことが円滑かつ期待以上でないと次回の契約はありません。 さらに、私どもの会社の場合、満足しなかったらお金を返しますと宣言しています。損をするわけにはいかないので、必死で仕事をする毎日です。 話が少し脱線しましたが、高級クラブと執事サービスは、お客様一人ひとりに応じた快適な時間を提供し続けなければ次はありません。しかも、相手は、上質なサービスに日々触れている、見る目が非常にきびしいお客様ばかり。そういう意味で、どちらも究極のサービス業といえるでしょう。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiセレブは、時間にきびしいもの。たとえば、空港から自宅までクルマで送るとき、渋滞につかまると「これなら、近くまでヘリコプターで飛べばよかったじゃないか!」と怒ったりします。やはり、一般人とは感覚がちがいますよね。【観察力】鍛え方・実践のポイントどうやって満足させているか細かく見る「お金を支払い」「サービスを受け」「上司の気持ちを知る」が、ここでのポイント。ですから、ムリに高級クラブにいかなくても、たとえば、 30分マッサージのお店でお金を支払ってサービスを受けるといったことでも察する力を鍛えることは可能です。 また、ここでの訓練では、自腹を切る必要もありません。接待などで会社の交際費を使う機会があったら、そのときについでに鍛えてもいいわけです。 観察するポイントは、お店で働く人がどんな対応をしてくれるかです。 従業員の方が、どうやってお客様に満足を与えようとしているか、どうやって形のないものをお金に換えようとしているか、細かいところまで見てみましょう。 ただ、手軽な金額のお店よりも、「ちょっと痛いな」と思う金額を支払うお店で観察するほうが、いろいろと疑問が出てきて訓練にはいいはずです。 たとえば、高級クラブなら「座っただけで 5万円というけど、何かもらえるわけではないし、どこに価値があるんだろう?」「 1杯何万円もするお酒を飲んでまで通うなんて、何がそんなに楽しいんだろう?」と、疑問が次々とわいてくると思います。【分析力】鍛え方・実践のポイント上司の視点で考える お店に入ったら、上司や経営者の視点で考えましょう。「自分が経営者なら、このサービスレベルでこの金額はとれないよな」「自分が上司だったら、こういうところでもう少し気を使ってもらいたい」といった具合。 このシチュエーションでは、上司の気持ちのほかにも見えてくるものがあります。 1つは、仕事場での自分の働きぶりです。「自分は、給料に見合った成果をあげているだろうか?」「もらっている年収分、会社に貢献できていないかもしれない」など、意外に働いていない自分の姿が見えてくるはずです。 もう1つは、会社の縮図です。 たとえば、高級クラブでは、売上上位 10パーセントの女性に指名が集中しますが、これは、会社のトップ 10パーセントの人がダントツの成績を上げるのに似ています。 また、高級クラブでは、全員が洗練された接客をするわけではなく、場を盛り上げられない人が 2割ほどいます。会社でも、仕事ができない人がやはり 2割くらいいたりするものです。 せっかくの機会ですから、こういったところも観察・分析してみましょう。

商談や打ち合わせ後は本音が出やすい これは、お客様や取引先の会社に出向いて、商談や打ち合わせをするシーンで使えます。 商談や打ち合わせが終わって会議室や打ち合わせ部屋から出てきたら、歩きながらエレベーターや玄関ロビーまで相手がついてきてくれることがあります。 このときに、商談や打ち合わせの場では話せなかったこと、言いにくかったことをズバリ聞いてみると、相手が本音を言ってくれることが多いのです。 たとえば、商談で商品を説明しているときは、その商品についてよいとも悪いとも言わず「検討する時間をください」と相手に言われただけで終了した場合。 エレベーターに向かうときに、「先ほど提案した商品、どう思いました?」などと聞いてみるのです。そうすると、「ちょうどこういうのを探していたんです」、あるいは「どうかなぁ。他社さんとのつき合いもあるし」などと意外に本音を言ってくれます。別れ際は緊張がゆるんで口を滑らせやすい 別れ際に本音が出るのは、相手が自分の立場を忘れるからです。 商談や打ち合わせの席では、お互いに会社を代表する立場とわきまえています。そのため、「自分は ○ ○社を代表する購買部の部長。相手は、うちからお金をもらおうとしている営業マン」と身構えているのです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 1。長期休暇をとらないこと。長いあいだサボってしまうと、「カン」を取り戻すのに 2倍も 3倍も時間がかかってしまいます。休暇はとっても完全なオフにはしないことをオススメします。 それが、商談や打ち合わせが終わったとたん、緊張がパッとほぐれるので、つい立場を忘れてしまい、ポロッと本音が出てくるわけです。公的な立場から私的な立場に関係性が変わる、といえばいいのでしょうか。 これを利用しているのが、新聞記者。たとえば、国会議員の担当記者なら、自宅で待ち構えて緊張がゆるんだところを直撃し、裏情報などを聞き出そうとしたりします。 身近なところで言えば、法事の帰りを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。 法事の場では、周りの雰囲気にも服装にも縛られるところがありますから、その帰りはまさに解放されたような気分になります。 すると、「あのおばさん、相変わらず口うるさかったな」「お清めで出されたお寿司、イマイチじゃなかった?」などと、つい本音が出てしまうのです。 また、別れ際、エレベーターまで歩くというシチュエーションも、本音が出やすい環境といえます。 歩くと少しリラックスする効果があること。そして、エレベーターまではだいたい 2人きりになることが多いため、ほかに聞かれる相手がいないというのも、本音が出やすい1つの要因でしょう。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 2。すべてを疑うことから始める。なんでも疑ってみることで、考える習慣がつき、ある程度の信ぴょう性が見えてきて、観察力の幅が広がります。口に出すとまずい場面もあるので、頭のなかで疑いましょう。相手が言いにくいことも聞き出しやすい 私どもは商談の際、この方法を使って、執事サービスの契約がとれそうかどうか判断することがあります。 私どものお客様になる方は、秘書などおつきの方を雇っていることが多いものですから、商談のあとはだいたいおつきの方が玄関までお見送りしてくれます。 お見送りでおつきの方と 2人になったときに、「ご主人様は、どうお考えだと思いますか?」と、おつきの方に聞いてみるのです。 すると、人によっては「否定しなかったので、お願いすることになると思います」とか、「腕を組んで考えていたので、ムリでしょうね」などと教えてもらえるのです。 また、お客様ご本人に尋ねるケースもあります。 たとえば、契約を打ち切りたいという場合、多くは「必要なくなった」という理由が告げられます。 しかし、別れ際に「実際のところ、どうなんでしょう?」と聞いてみると、「じつは、経済的に難しくなってしまってね」「似たようなサービスを提供しているほかの会社でやってもらうことになった」など、言いにくかった本当の理由が出てくることがあります。 別れ際は、こうした、言いにくいことが言えるタイミングでもあるのです。【観察力】鍛え方・実践のポイント事前に何を聞くか考えておく 観察するポイントは、お見送りタイムでの自分と相手との距離です。 別れるときまで近い距離にいるなら、本音が出やすい相手ということになります。歩調を合わせて一緒に出ていこうとする人、隣り合わせていくような人なら、本音が出る可能性は非常に高いでしょう。 逆に、先導してとっとと先にいってしまう相手なら、本音を言わない人と思ってください。よく見ると、「早く帰ってくれ」オーラが出ているのがわかるかもしれません。こういう場合は、話しかけてもムダです。 商談や打ち合わせのあとのお見送りタイムに、「ありがとうございました」だけではいけません。必ず、会話する、質問をするという習慣をつけましょう。 別れ際に話す習慣をつければ、仕事にも、察する力を鍛えるのにも役立ちます。 その習慣をつけやすくするためのコツは、お見送りタイムに話すことや質問を、事前に決めておくということ。 商談や打ち合わせは、会議室を出るときまでではなく、相手と別れるときまでだと考え、有効活用してください。別れ際は、最後のチャンスタイムなのですから。

同意しているからこそ引用する 何かを断るときに、「社長は、こういうことを言っている」「上司からはこう言われています」などと他人の言葉を引用する人がいます。 しかし、じつはその意見、本当は社長や上司の意見ではなく、相手自身が思っていることなのです。 もちろん、意見そのものは、実際に社長や上司が言ったことかもしれません。しかし、その意見に賛成しているからこそ、引用するわけです。 そもそも、自分が合意していないこと、納得していないことを引用するはずがありません。 もし、自分が社長や上司の意見に反対なのであれば、「 ~と言っています」のあと、「でも、私はこう思うので上司に食い下がったのですが、聞き入れてもらえませんでした」と言い訳が続くはずなのです。 言い訳が入らないなら、その相手自身の意見と思って、まずまちがいありません。引用は他人のせいにしたいだけ この場合、なぜわざわざ他人の意見を引用するかというと、要するに「買わない」とか「取引しない」など、自分の意見として目の前の相手に伝えるのが気まずいことを、言葉を引用することで、社長や上司のせいにしているわけです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 3。事柄を時系列にまとめて整理する。もめごとやトラブルは事情が複雑だったりしますが、時系列にまとめて整理すると、解決できることも。これを習慣化すれば、分析力や仮説力がアップします。 ですから、何かを断るときに、「役員に相談したんだけど、却下されちゃって」などという言葉が出てくるのですが、本当は、役員の人が反対イコール、自分も反対なのです。 これは、職場でもよくあることではないでしょうか。 たとえば、課長が部下を注意するとき、「向こうの部署では、ああ言っているぞ」とか「部長がこう言っているんだから、しっかりやらないと」などと、他人の権威を借りて意見を言うことがあります。 これも、部下に嫌われたくないので、部長の権威を借りて意見を言っているだけの話。実際は、課長本人の意見だと思ったほうがいいでしょう。セレブの周囲は引用だらけ 私ども執事は、ほかの職業よりも、他人の言葉をよく引用する人に会う機会が多いと思います。 なぜなら、私どものお客様は、権威のある方、一定以上の地位のある方ばかりなので、虎の威を借りたがる人が周囲にたくさんいるからです。 お客様のご家族が、「主人はこう言っていたから」「父がこう言っているよ」と引用することは多々あります。 さらによくあるのは、お客様の代理人が引用するケースです。 この仕事をしていると、お客様の秘書など代理人の方と話す機会が多いのですが、そういう方は「うちのボス(私どものお客様のこと)は、このサービス料だと高いと言っている。このくらいまで値下げしてくれ」などと言うことがよくあります。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 4。徹底してマニュアル化する。生活習慣でもなんでもいいのですが、マニュアル化するときは、どうしても観察・分析・仮説を立てることになります。ですから、自然と「カン」の訓練になるのです。 ところが、実際に「料金はいくらまで下げればよろしいのでしょうか?」とお客様に聞いてみると、「え? そんなこと言っていないけど」と返されて、唖然とすることが結構あります。引用は「いい人」と「自信がない人」に多い じつは、他人の言葉を引用するタイプは、だいたい決まっています。 タイプ 1は、周りのみんなからいい人と思われている人、あるいは、いい人ぶっている人。誰にも嫌われたくないから、他人の意見を借りて他人のせいにするということですね。 タイプ 2は、名言好きの人。よく「松下幸之助はこう言っている」「スティーブ・ジョブズが言うには……」「かのドラッカーの名言に、こういうのがある」などと言う人がいます。 これは、自分の意見に自信がない、説得力がないと思っていることの裏返し。意見を言いたいのに、自信がなくて自分の言葉では言えない、だから著名人の言葉を借りてくる、ということです。【分析力】鍛え方・実践のポイント引用イコール相手の意見という前提で話す まず、他人の言葉を引用しているからといって、相手がちがう意見をもっているとはかぎらない、という前提で話をすることがポイント。 逆に、引用したら、その相手も同じ意見だと思ったほうがいいでしょう。引用と相手の意見がちがうケースも

ありますが、言い訳が入らない場合は、同意見である確率が高いと思います。 さらに、意見を引用した相手に、「本当にそんなこと言いました?」と確認をとることができれば、分析力アップに効果的。 社外はもちろん、社内でも難しいかもしれませんが、勇気のある方はぜひチャレンジしてみてください。 意外と、その引用した人が、自分に都合がいいように勝手な解釈をしたり、前後の文脈を無視してその言葉だけを引用し、都合のよい誤解を与えるように仕向けたりしている場合もあります。 政治家の失言騒動なども、このような場合が多いですね。 ですから、間接的な情報は鵜呑みにせずに、目の前の相手の意見ととらえるか、もしくは、引用した言葉を発したとされる情報源に確認することも、ときには必要です。相手が不利になる情報は隠したがる 相手と話していて、答えがあいまいになったときは、必ずそこに何かが隠されています。 たとえば、営業マンが、お客様の会社で商談を進めているとします。商品の説明がひと通り終わってから、「ほかにも検討されている会社はございますか?」と聞いたとき、「まあ、ないことはないですけどね」などとあいまいな答えがお客様から返ってきたら、こちらの商品は本気で検討されていないと思うべきです。 なぜそう言えるかというと、もし本気で検討しているのなら、「いや、 A社と B社も検討しているんだけど」と正直に言ってくれるはずだからです。 なぜ、こういうときにあいまいな答えが返ってくるかというと、真剣に検討していないのがバレてしまうと相手から嫌われる、と思っているからです。嫌われたくない気持ちがどこかにあるので、相手が不利になる情報は、あいまいにしてごまかそうとするのです。深入りされたくないときもあいまいになる 自分があいまいな返事をする立場になってみたら、もっとわかりやすいでしょう。 たとえば、新車の購入を考えているとします。 C社のディーラーにいって、お店の営業マンに「ほかのメーカーさんも検討されていますか?」と聞かれたとき、本気でその C社のクルマを検討しているなら「じつは、 D社と E社も検討している」と正直に答えるでしょう。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 5。公式な場と非公式な場を使い分ける。あえて非公式な場をつくると、相手の本音が出やすいもの。公式・非公式で集めた情報による総合的な判断で、信ぴょう性が出てくるし、分析力アップにもなります。 しかし、 C社ではなく、 D社のクルマを買うと心に決めている場合は、「まあ、外車なんかも含めていろいろ、ですね」などとあいまいに答えるのではないでしょうか。 この場合、なぜあいまいな答えになるかというと、自分のなかで買うと決めている D社のクルマについて C社の営業マンが深入りし、悪い情報を言ってきたりするのが嫌だからです。 もうおわかりだと思いますが、このように、あいまいな答えの裏には、本心や真実が隠されているということです。あえて突っ込まないのができる執事 執事の仕事をしていても、ご主人様からあやふやな答えが返ってくることがあります。 よくあるのはスケジュールでのやり取りのなかです。 たとえば、「午後に ○ ○様のお店にうかがう」という予定が入っていたとします。ここで問題なのは、「午後」という表記。あまりにも漠然とした時間設定です。 執事たるもの、ご主人様のスケジュールはしっかり把握しておかなければ職務が果たせません。ですから、「午後と言われても、 12時から 0時まで 12時間ございます。だいたい何時くらいのことを指しているのでしょうか?」と、当然尋ねます。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 6。些細なことでも計画・行動・評価・改善を意識する。いわゆる、 PDCAを回すということです。これがうまくいくとゴールデンパターン

パターンになり、仮説力がどんどんついていきます。 ところが、「午後は午後だよ!」と言い返されてしまうことが、ときどきあるのです。 そこでさらに、「なんで明確な時間が言えないのですか? 何か都合の悪いことでもあるんじゃないですか?」などとストレートに聞いてしまうと、ご主人様の機嫌を損ねるだけ。 こういうとき、あえて突っ込んで聞かないようにするのが、できる執事なのです。突っ込んだからこそわかった真実 私ども執事は、ご主人様が家を建てたり改築したり、庭を整備するようなとき、不備がないようにと、建築会社などと打ち合わせをすることがよくあります。 あるセレブなお客様が、ビルのような自宅を建てるときのこと。建築会社の担当の人と打ち合わせをしていたとき、「今日から、騒音が出る工事が始まりますので、よろしくお願いします」と言われたので、「ご近所さんには、騒音が出ることをきちんとあいさつ回りしてもらえましたか?」と聞いたのです。 すると「いや、まあ、一部いきました」と言うので、「一部とはどこですか?」と突っ込むと「……じつは、まだいっていません」とのこと。あやふやな答えのときは、別の真実が隠されているという、典型的な例でした。【観察力】鍛え方・実践のポイント漫然と話を聞いていてはいけない まず、相手が何かごまかすようなこと、明確でない言葉などを聞き逃さないということ。漫然と話を聞いていてはいけません。【分析力】鍛え方・実践のポイントさまざまな手段で真実を見出す努力を 相手のあいまいな言葉に対して、ときに突っ込んだり、ときに別の角度からもう 1回話を聞いたり、時間をおいて話を聞いてみたり、それから、別の人に同じ話を聞いてみたりする習慣を身につけることで、「そういうことだったのか」と真実がわかり、分析力が上がっていきます。【仮説力】鍛え方・実践のポイントごまかしと真実のパターンをつかむ あいまいな言葉の裏に隠された真実をつかむことで、「あのときに明確に答えなかったのは、そういうことだったのか」と、学習効果が得られます。 それをくりかえすよう常に努力すれば、「こういうときにごまかすのは、こういう本心を隠すため」というパターンが理解できるようになるので、仮説力もアップするのです。

3回目で本音がわかる はじめて会った相手に、いきなり本音を言う方はあまりいません。本音が出てくるのは、私の経験上、だいたい 3回目以降です。 なぜ、 3回目なのかというと、 1回目に会ったときはお互い緊張状態で、相手に伝えることだけで頭がいっぱいになり、自分の言いたいことだけ言いつくして終わってしまいます。 2回目は、まだ相手の出方を見ている状態です。 そして、 3回目になってようやく少し打ち解けた関係になり、本音が出やすくなります。 2回目までで相手の出方がわかったおかげで「この人にはこう言えばいいんだ」と、本音の言い方がわかってくるのです。 逆に言えば、相手の本音を聞きたければ 3回会わないとダメということ。 たとえば、お客様を訪問する営業マンの場合、はじめての訪問では、売りたい商品・サービスの説明をします。 2回目に、前回説明した商品・サービスについての意見を、お客様からもらいます。 そして、 3回目ではじめて、「じつは、会社の取引先の関係で、 ○ ×社の商品しか買えないんです」「私はいいと思う。でも、上司が別のメーカーと懇意にしていて……」などと、お客様の本音を聞くことができます。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyaki「カン」がよくなる7つのコツ。その 7。多くの時間を費やす。会う時間、回数が多いほど、相手のことがわかってきます。すると、「 3回足を運べば……」と同様に、「カン」が鍛えられるわけです。 これは、何も営業先のシーンにかぎらず、社内でもプライベートでも結構当てはまるものです。営業マンにとって 3回目が勝負の分かれ目 3回目の本音、というのがピンとこなければ、自分がものを買う立場になって考えてみてください。 たとえば、新車を買いにいくケース。自動車ディーラーのスタッフに、「いかがです?」「試乗したご感想は?」などと詰め寄られたとき、最初から「ぜんぜん気に入らない」とズバリ言えるのは、よほど強い心臓の持ち主です。 普通は、 1回目、 2回目くらいまでは遠慮があるもの。 3回通って、ようやく自分の本音を言いたい欲求が強くなってくることが多いでしょう。 一方、営業マンの立場から言えば、 2回目までで買う決断をしてもらわないと、 3回目以降はいろいろと文句を言われて面倒になるケースが多くなります。 ただし、保険のように途中で解約されると困るような商品・サービスは、逆に 3回まで引っ張り、お客様にきちんと納得いただいたほうがいい場合もあります。 3回以上お会いして満足度アップ 私どもも、執事サービスの契約までに、 3回はお客様とお会いするようにしています。 そうなったきっかけは、お客様アンケートです。 執事のつぶやき @shitsuji_ tubuyakiセレブは、すごいことを気軽に指示します。ある大富豪が、ご自分の別荘で温泉に入りたいと言い出しました。温泉のお湯を買ってくるのではなく、かけ流しがいいとのこと。結局、土地を掘って温泉を出しましたが、別荘にくるのは年 3回ほど…。 私どもの会社では、サービスを提供したお客様に、後日アンケートをとっています。 お客様のご自宅で直接、話をうかがうのですが、そこで「じつは、もっとこういうことをしてほしかったんだ」と言われたことがありました。 お客様に満足してもらえなかったのは、執事個人の能力不足だと思っていました。しかし、アンケートをとっているうちに、打ち合わせの回数が少ないお客様が満足していないことが多いと気づいたのです。 1日だけ単発で頼まれるお客様や規模の小さい仕事の場合はとくにそうですが、会社を立ち上げたころは、 1回の事前打ち合わせだけでサービスをしていたのでした。 そこで、とにかく 3回はお会いしてから契約すると決めたところ、お客様の満足度が急激に上がりました。セレブの本音も 3度で出る セレブのお客様でも、やはり足繁く通わないと本音が出てこないのは同じです。 たとえば、ドライバーサービスとお子さんのご面倒をみる契約になっていた方の場合です。 契約前はもちろん、契約からサービスを開始するまでにも何度か機会をつくってその方のご自宅にお邪魔していました。 すると、そのうちこんな話が出てきたのです。「契約のときには言わなかったのだが、子どもだけでなく、高齢の父と母の送り迎えもやってほしい。それと、じつは隣近所とちょっともめていて、そちらの解決もお願いしたい」 最初は出てこなかった本音が、何度も通ううちに出てきたという典型例です。【分析力】鍛え方・実践のポイント訪問の理由をつくる 1つは、 1回や 2回では本音が出てこないという前提で人と会って話をしてみるということ。ですから、 1回目、 2回目で聞いたことは、本音ではないという前提で話を分析するのです。 鍛え方は、同じ取引先、同じお客様と、最低 3回以上打ち合わせしてみることです。 よく、 1回で契約がとれたと喜んで、会うのをやめてしまう人がいます。しかし、直接会えない場合でも電話するなど、とにかく 3回以上コンタクトをとることが重要です。 3回以上通って本音が出てくると、その成功体験が自分のなかに刷り込まれます。それをくりかえすことで、結果的に察する力がついていくのです。 ただ、相手によっては、何度も通われると迷惑という場合もあるかもしれません。 しつこいと思われないよう通うには、意味のない訪問はダメ。何かしらの理由づけが必要になります。 たとえば、年末年始のご挨拶とか、お中元を持参するなどなんでもいいのです。たとえ短時間でも、会ったときにふと本音が出てくることがあります。 営業マンなら、「今度、ノベルティグッズを作ったのでお持ちしたいのですが」など、相手が得をする口実をつくって訪問するという手もあります。 いちばんいいのは、 1回目でわざと宿題を残すこと。あえて言うべきことを言わないというのもいいのですが、もっといいのは、相手から宿題をもらうことです。 たとえば、「この保険、私が亡くなった場合、パートナーがいないと誰の受け取りになるの?」などと質問されたら、答えを知っていても「じゃあ、宿題にさせてください」と言えば、向こうが出した宿題なので、相手は会わざるを得なくなります。【仮説力】鍛え方・実践のポイント 1回、 2回で本音は出ないと考える 分析力と同様、打ち合わせでも商談でも、 1回目や 2

回目では相手が言うことは本音ではないという前提で仮説を組んでいくことが重要。このくりかえしで、だんだんと察する力が鍛えられていきます。

 

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