第9章時間は金よりケチって使え!
1なぜ時間をお金のように予算管理しないのか?2「」3労力を減らすと時間当たりの価値が上がる4「」「」5カレンダーに「できたこと」を記録し、振り返ると自信がつく6PDCAサイクルは「D」からはじめるおわりに
1なぜ時間をお金のように予算管理しないのか?「時は金なり」私たちは、「時間はお金と同じように貴重なものだからムダ遣いしないように」と学びました。
しかし、「時は金なり」の英語「TimeisMoney」の原文には別の意図があります。
これは、アメリカの政治家であったベンジャミン・フランクリンが若い商人にアドバイスした手紙の一節からです。
超訳すると、「時は金なり、ということを覚えておいてください。
1日働くと10円稼げるとしましょう。
もしあなたが半日サボって、どこかに出かけ、6円使ったとすれば、それは6円使っただけではなく、本来得られるはずの半日分の稼ぎ5円も失ったということです」ここでのポイントは、実際に使った費用だけではなく、他のことをすれば得られたであろう利益も失ったということです。
要するに、時間の使い方次第で生み出す価値は大きく変わります。
普段の仕事でも同じ考え方ができます。
やらなくてもいいことに時間を使えば、労力と時間を浪費しただけではありません。
本来やるべきことをやれば、得ることのできた成果も失ったということです。
つまり、一生懸命にやったとか努力をしたとか関係なく、単純に結果を出していないということです。
限られた時間を何に費やすかを考えることはとても重要です。
▼時間を予算管理する予算とは、入ってくるもの(収入)と出ていくもの(支出)を計画することです。
例えば、買い物中に欲しいものを見つけたとします。
しかし、予算がオーバーになれば買うのをやめます。
時間もお金のように予算管理することが重要です。
私たちは1日8時間と決まった勤務時間(収入)があります。
この持っている時間をどのように使うか(支出)を真剣に考えなければなりません。
勤務時間内に仕事が終わらなければ、時間負債です。
時間が経てば経つほど、やることが溜まっていきます。
すると仕事を切り替えする機会も増え、効率がさらに悪くなり、仕事を終わらせるのにどんどん時間がかかります。
仕事の利子がつくのです。
時間は平等です。
私の1分もあなたの1分も同じです。
この時間をどのように使うかを考えることが重要です。
もちろん使ってしまった時間は取り戻せません。
残っている時間に目を向けることが大切です。
ただ、お金を節約するのが難しいように、時間の使い方を自分の意思で変えるのは簡単ではありません。
金遣いが荒い友人が周りにいれば、ついつい、つられて一緒に使ってしまいますが、時間も同じです。
電話でダラダラと話し続けたり、目的がわからない打合せにずーっと参加させられたりします。
どこかで見切りをつけなければなりません。
そのため、カレンダーを活用し、スケジュールを組み、「何にどれくらい時間を使うか」を管理していくことが大事です。
時間はお金のように取り戻すことはできない
2「価値を生み出す仕事」で予定を埋める▼「時間」と「価値」で仕事を整理する限られた時間内で効率的に成果を上げるには、価値を生み出す仕事に専念することが重要です。
そこで「仕事にかける時間」と「仕事により生み出される価値」をもとに仕事を整理していきます。
理想は、あなたのスケジュールが「短時間で終わる、高い価値を生み出す仕事(図表の①に属する仕事)」のみで埋め尽くされることです。
そのためには、生産性の低い仕事をやめなくてはいけません。
つまり、生み出す価値が低い仕事(図表の③と④)を減らすことです。
結果的に、価値を生み出す仕事(図表の①と②)の比率が高くなります。
また、価値を生み出しているが時間をかけすぎている仕事(図表の②)を短時間で終わらせるように効率化することも大切です。
▼価値を生み出す仕事とは?価値を生み出す仕事は会社や人によって違います。
お客様のため、利益を上げるため、自分のためなど、観点によってさまざまです。
また、成果は職種によっても違います。
そこで、価値を判断するひとつの方法として、仕事の金銭的価値を考えてみることがあげられます。
この仕事を人にお願いするなら、いくら払うかで考えてみるのです。
前ページのワークシートを使って、あなたの仕事の価値を測ってみましょう。
まず、やるべきことをリストにします。
次に、他の人にその仕事をお願いしたら請求されると思われる料金と終わるのにかかる所要時間を入れます。
料金を所要時間で割れば、1時間当たりの料金がわかります。
この金額をもとに順位づけします。
順位が高いほどやる価値があります。
影響度も大きく、他の人にお願いするのが難しい仕事だとも言えます。
一方で順位が低いものは、誰でもできる定型業務になりえます。
本当に自分でやるべき仕事なのか、他の人にお願いできないかを検討することが重要です。
自分にしかできない仕事に集中して、あなただから生み出せるものの価値を高めていくことが大事です。
自分にしかできない価値の高い仕事に集中する
3労力を減らすと時間当たりの価値が上がる時間をうまく管理するには、効率を上げることが大切です。
つまり、ムダやロス、成果を得るための労力を減らすことです。
効率を上げるには、「ECRS」という考え方をもとに業務を改善することが重要です。
ECRSとは、次の4つの頭文字を並べたものです。
Eliminate:排除そもそも成果につながらない、やる意味がない仕事はやめるCombine:結合と分離似ている仕事は結合するか集約して、同じタイミングで行う関係ない仕事は別のタイミングで行うRearrange:入替と代替仕事の順序やタイミングを調整する作業する場所や担当者を変えるSimplify:簡易化仕事の自動化や標準化を進め、簡素化するあなたが抱えている仕事を振り返りましょう。
まず、必要のない作業をやめます。
繰り返しやっている作業の回数や手間も減らし、仕事の絶対量を減らすのです。
例えば、形骸化された報告会議をやめたり、似たような会議をバラバラにやらず、1回でまとめて行ったりします。
また、会議の配布資料を会議前にメールで配布して当日の資料説明の時間を短縮したり、発表資料や報告書などの資料のテンプレートを使用して、書類作成時間を短縮したりします。
その次に、効率を上げる仕事、現状を改善できる仕事を増やしていきます。
例えば、・段取りや計画を立てる・資料や報告書のひな形を作成する・標準化資料を作成する・チェックリストを作成する・振り返りで改善策を計画する・スキルアップに努めるなどです。
このようなことを行うと、作業をすぐにはじめられ、スピードが上がります。
さらに何をどこまでやればいいかもわかり、意思疎通が図れるのでムダや作業のミスが減り、やり直しも減らせます。
最小労力で最大効果を目指すことが重要です。
仕事の絶対量を減らしてから、効率を上げる仕事を増やす
4「時間予算カレンダー」は「なりたい自分」への最短ルート最初に立てた予定と実際のスケジュールが違うことはよくあります。
しかし、予定通りいかなくても悲観する必要はありません。
「うまくいくといいな」という理想のスケジュールを考えることが大事です。
理想と現実のギャップを知ることで、どのようにギャップを縮めることができるか具体的に考えられるからです。
▼「なりたい自分(理想)」と「実際の自分(現実)」のスケジュールを比較する①「なりたい自分」の予定を立てる通常使っているカレンダーとは別に、「時間予算カレンダー」というカレンダーを作ります。
このカレンダーには、時間の予算管理がうまくいっている状態、「こういう予定で仕事を進めることができたらいいな」という理想のスケジュールを組みます。
②「実際の自分」のスケジュールを用意する「時間予算カレンダー」の予定を普段使っているカレンダーにコピーします。
仕事を進めていく中で、急に入った打ち合わせ、トラブル対応、延長したミーティングなど、実際に起きた予定や活動をもとに、予定を変更し、カレンダーに反映させます。
③「なりたい自分」と「実際の自分」のスケジュールを比較し、振り返る「実際の自分」を表している普段使っているカレンダーと「時間予算カレンダー」を重ねて表示し、どのようなギャップがあるかを特定します。
④ギャップが起きた原因と対策を考えるなぜ、それぞれの予定で差異が出たのかを追求します。
何が時間をかけさせたのか?なぜ早く終わったのか?時間の見積もり自体に問題があったのかなど、原因を突きとめます。
次に、どうしたらギャップを縮められるかの具体的な対策を考えます。
急に入る予定に対応できる空き時間を増やす必要があるかの検討もします。
このように「時間予算カレンダー」と比較することで、時間を予算内で収められるように、具体的な改善策を計画できます。
また本当に自分がやりたいことに取り組んでいるかの確認もできます。
「時間予算カレンダー」は、効率的に仕事を達成するための道しるべとして活用することができます。
理想と現実のカレンダーとのギャップを分析し改善する
5カレンダーに「できたこと」を記録し、振り返ると自信がつく自分のスケジュールを振り返ることはとても大切です。
すでに述べた通り、「時間予算カレンダー」と比較し、理想とのギャップを知ることで、具体的な改善策を計画し、実行していくことができるからです。
しかし、メリットはそれだけではありません。
仕事をしていると、「大丈夫かな」「本当にできるかな」と不安な気持ちになることは誰にでもあります。
新しい仕事に尻込みする人も多いです。
そこで、自分に自信を持つためのおすすめな対策を教えます。
それは自分の「できたこと」、つまり仕事の成果をスケジュールに記録することです。
大きな仕事である必要はありません。
小さな仕事でも達成は達成です。
この達成する体験を積み重ねることが大事です。
そして、スケジュールを振り返り、この成功体験を確認するのです。
すると、「自分は思ったよりもできている」という肯定的な見方ができるようになり、自分に自信が持てるようになります。
つまり、「私ならできそう」と意欲を持って仕事に取り組めるようになるのです。
また、「できたこと」だけでなく、どのように課題を解決したのか、どのように改善したのかを整理して、カレンダーに記録することも重要です。
この過程で、新たな気づきや学びを得ることができます。
さらに、似たような課題に直面したときに、迅速に対応できます。
カレンダー活用は、学びや成長を早める日報的な利点もあるのです。
カレンダーをうまく使うことで学びや成長を早められる
6PDCAサイクルは「D」からはじめる仕事のスケジュール管理において、スケジュールを立てることは目的ではありません。
時間を効率良く使い、慌てたり遅れたりすることなく、限られた時間内で成果を出すことが重要です。
スケジュールの計画よりも「実行」が大事なのです。
そして変化の早い今、スケジュール管理も高速にPDCAを回し、改善していくことが重要です。
PDCAとは、次の4つの単語の頭文字を並べたものです。
Plan:計画を立てるDo:実行するCheck:評価するAction:改善する例えば、詳細なスケジュールを立てても、割り込みの仕事が突然入ります。
つまり、PDCAサイクルの計画(P)に時間をかけても、実行(D)に移れない状況になってしまいます。
そのため、詳細なスケジュールを組むために多くの時間を割くのではなく、大まかなスケジュールを立てて、すぐにやってみる。
そして振り返り(C)、そこで得た教訓や学びをもとにスケジュールの組み方を改善する(A)。
その結果として、今までよりも時間を有効活用できるようになり、成果を出していく、この流れが大事です。
まずは、本書で紹介しているやり方を試してみてください。
実際に行動してみると、頭だけで考えたこととは異なる結果や実感を得ることができます。
そしてそれを評価し、改善し、このサイクルを繰り返すことで、あなたのスケジュールが最適化されていきます。
最後に、目まぐるしく変わる状況や環境に柔軟に対応できる考え方「OODA」ループを紹介します。
OODAとは、次の4つの単語の頭文字を並べたものです。
Observe:観察するOrient:状況判断して、方向づけするDecide:行動プランを決めるAct:行動するPDCAとの違いは、PDCAは、計画して実行して、状況を管理・監視することを重視していますが、OODAは最初に観察し、状況判断に重きを置いているため、柔軟な判断や実行を優先しています。
まずはやってみることをおすすめしますが、いきなり行動するのは不安で慎重に進めたい人もいると思います。
そのような人は、OODAを活用し、自分のスケジュール管理の状況を観察してください。
何が課題で、何がうまくいっているのかを把握し、それを踏まえた上で、進めていくこともひとつの手です。
参考にしてみてください。
とりあえずやってみる
第9章まとめ・時間もお金のように予算管理する・金銭的価値をもとに自分がやるべき仕事を決める・仕事の絶対量を減らしてから、業務改善に入る・時間の予算管理がうまくいっている理想のカレンダーとのギャップを埋める・スケジュールに記録した成果を振り返ることで自信がつく・スケジュールの計画よりも「実行」が大事
おわりに「ヤバい……。
スケジュール本なのに締め切りを守れないかもしれない」執筆中は、マーケティングの仕事がここ10年で一番大変な時期と重なったこともあり、正直、間に合うのか不安でした。
しかし、この本の中で繰り返し言っていますが、「事実をもとに合理的に考え、やるべきことをやるしかない!」と自分に言い続けました。
「がんばろう!」だけでは、なんともならない。
どんな状況であれ、成果を出す。
これがプロだと。
そこで、自分は何をすべきかを考えましたが、イマイチしっくりこないのでググってみたら、答えは簡単に見つかりました。
それは、新たなテクノロジーの力を借りて自分をアップデートし続けることです。
この本を書いていくにつれて、私はスマホのフリック入力だけではなく、音声入力も多用していきました。
限られた時間内でアウトプットを増やすために。
やっていることは至ってシンプルです。
変なこだわりで感情的に判断せずに、合理的に短時間で成果を出す方法を考えて実行しただけです。
新しいテクノロジーを活用することで、今までできなかったことができるようになります。
本書に書いてあることで共感できるところがあれば、実践してみてください。
特にデジタルカレンダーを活用することは、昭和的な働き方をアップデートしていく、いいキッカケになると信じています。
書いてあることすべてに同意する必要はありません。
むしろ「これは違うな。
私ならこうする」と自分流のやり方を生み出していくからこそ、さらに進化できます。
この本を最後まで読んでくれたあなたは、すでに知識がアップデートされているはずです。
アップデートには「これで終わり」がありません。
重要なことはアップデートを続けることです。
アップデートを続けるかやめるかは、あなた次第です。
さぁ、やってみよう。
あなたならできるはずです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
飯田剛弘
謝辞いろいろな方からの支援や協力があるからこそ、本書を完成させることができました。
本書の出版するにあたり、たくさんの方々に支援、協力していだだきました。
明日香出版社の皆さま、そして執筆する機会を与えてくださり、本の企画時から読者目線で助言をくださった編集担当の久松圭祐さんには大変感謝申し上げます。
それぞれ忙しい中、草稿の段階から、さまざまな視点でアドバイスやフィードバックをくれた丸山哲也さん、村中嘉代子さん、渡辺友莉さんにも心より感謝申し上げます。
ありがとう。
特に、親友のマル(丸山)からの鋭い指摘には僕自身考えさせられた。
本当にありがとう。
現在、FAROで刺激や学びをくれるアジアのチームのみんなにもお礼を申し上げます。
最後に、本の執筆は孤独な作業だと思う。
本来なら、家族で過ごす天気のいい週末やのんびりしたい金曜日の夜に、僕が執筆に集中できるように温かく支援してくれた妻の麻衣と息子の煌志に感謝したい。
本当にありがとう。
コメント