MENU

第6章 実践5S 仕組みをつくって 清潔を 維持しよう

事後処理から 仕組みづくりに変えよう

5Sの基礎段階における具体的活動を振り返りま す。

整理では「赤札作戦」で要るモノと要らないモノを 分け、要らないモノを捨てました。

整頓では「看板作 戦」、「形跡整頓」、「色別整頓」などを行い、日で見てわ かるようにして、元に戻しやすくし、乱れが目で見て わかるようにしました。

そして清掃を日常業務に取り 込み、汚れたところの掃除を習慣にしました。

いずれ にしてもこの段階における整理・整頓。

清掃という3 Sの具体策は、事後処理的な具体策でしかないのです。

いくら「赤札作戦」を実行しても要らないモノは後か ら出てきます。

いくら「看板作戦」、「形跡整頓」、「色別 整頓」を行っても、根本的に乱れを発生させる、戻す という行為はなくなりません。

いくら「清掃」を日常活 動の中で習慣化しても、ゴミやホコリはなくならず、 清掃自体はなくならないのです。

そこで5Sにおける基礎段階ができれば、次のステ ップとして、「なぜ」要らないモノが発生するのか、「な ぜ」モノが乱れるのか、「なぜ」ゴミが発生するのか、発 生源の根本には何があるのかと問いかけ、それを絶つ ことをめざします。

3S(整理・整頓・清掃)で基礎段階が終わり、3S の習慣化までくると5S活動の停滞することが多いの は、「なぜ」という根本への問いかけをせず、「現場がき れいになったからこれで良い」という甘えもあります。

たしかに「なぜ」という問いかけを始めると、今まで の仕組みや作業のやり方を「革(あらた)に改める」と いう、今までにない「改革」を迫られます。

現場は今ま でのやり方、仕組みまでは変えたがらずミそこで次の ステップヘ進めないままに活動がマンネリ化し、5Sの ための5S活動になり、じわじわと崩れ始めるのです。

ここで、次のステップである3Sを維持するための 仕組みづくり=予防3S(「ヽΦく①ユく①ω∽=「ω∽)に、移 らなければいけないのです。

予防整理で捨てない 仕組みに変えよう

5Sの中で「整理」では、具体的活動として「赤札作 戦」という手法を用い、要らないモノと要るモノをはっ きり分け、要らないモノを捨てました。

しかし、「赤札 作戦」自体は事後対策でしかなく、いくら行っても、要 らないモノは出てくるものです。

そこで要らないモノが 発生する源を探してみましよう。

まず根底にあるのは、モノに対する人の意識や考え 方で、そこから不要物が発生します。

生産計画の組み方をみてみましょう。

月1回の「月 いち生産」で組まれているか、週1回の「週いち生産」 で組まれているか、毎日生産する「日当たり生産」で組 まれているかによって、必要とされる、すなわち要る モノの量が左右されるのです。

さらに生産計画に合わせ、まとめて発注を行う際 に、現場任せでその都度在庫を確認しながら発注を行 うと、読みの期間が長ければ長いほど、担当者の安心 在庫として、多めに発注されている場合が多くなりま す。

そのような場合、発注された材料はまとめて納入 されるケースが多く、倉庫では納入当初はあふれるほ どの材料で埋め尽くされ、生産計画の終わる頃にやっ と少なくなってきます。

そして当初予定していた計画が変更になり、来月使 うだろうとそのまま残しておいた材料が、最初は倉庫 の片隅にありますが、期間が長くなればなるほど、繁 殖して倉庫を占領するのです。

また、前後工程に関係なく個々の職場ごとに生産が 行われている場合、とにかく自職場の生産を多く進め ようと、後工程のことなど関係なしにどんどん生産し、 できてしまった半製品の山があちこちに現れます。

このようなことが、工場のあちこちで行われ、やが ては要るモノと要らないモノの判断がつかないくらいに 現場に、モノがあふれかえるのです。

要らないモノがこうして溜まるのであれば、その根 底の仕組みから変えていかなければなりません。

●人の意識や考え方 ●モノの管理の仕方 ●作業のやり方

予防整頓で乱れない 仕組みに変えよう

現場で乱れるモノに関しては、大きく2つに分けて 考えられます。

1つは材料や部品、仕掛品、製品とい ったモノと、もう1つは製品をつくるうえで必要とさ れる治具や工具、金型などです。

工場でモノには必ずと言ってよいほど移動が発生し ます。

業者から搬入され、倉庫に置かれ、倉庫から加 工職場に運ばれ、加工されたモノは組立工程へと運ば れ、完成すれば出荷場へと送られます。

このように移 動に伴い運ばれる時に、必要分より多く運んでしまう と、運搬先に置き場がないため、とりあえず脇に置い てしまうものです。

また、運搬先で置こうと思ったら置き場が決まって おらず、勝手に置いてしまったり、置き場がいっぱいで、 とりあえず適当な場所に置いてしまったりと、モノが 置かれる時に乱れが生じます。

また、もう1つの治工具や金型ですが、人は何かを 加工する際に、必要な治工具を見つけにいきます。

そして、加工に使い、使い終わったらまた元の場所に戻 します。

このような行為で運用されている治工具には、 元の置き場に必ず戻るという特徴があります。

その戻 す際に乱れるのです。

こうして考えると置いたり、戻したりという行為が 発生する際にモノは乱れることがわかります。

乱れの 発生源を絶つには、この置いたり、戻したりという行為 をなくせば乱れなくなるはずです。

とくに治工具においては、整頓で説明した「治工具 整頓の進化論」で、整頓の初期段階から予防整頓に至 るまでの整頓手法のステップを踏むことで、乱れをな くして欲しいものです。

予防整頓における着眼点では、やはり人の乱れに対 する意識レベルがどれほどであるかが、ポイントとな ります。

そして、モノの置き方の基本はあるか、すな わち搬入時と搬出時の作業はルール化されているか、 置き場は仕組み化されているか、などが大切です。

予防清掃で汚れない 仕組みに変えよう

工場内のゴミやチップ、ホコリなどを見ていると、「臭 いものにはフタをしろ」という音聞いたフレーズを思い 出します。

この言葉とともに思い浮かぶのが、テレビ のニュースでたまに見かける、タンカーの座礁事故です。

座礁しているタンカーの周りには、これ以上重油が広 がらないようにとオイルフェンスが引かれ、出てくる重 油を食い止めています。

オイルフェンスの外に流れ出し た重油は、広い海に瞬く間に広がり、海岸線には波に 打ち寄せられた重油が流れ着き、海鳥や魚が油まみれ でもがいています。

事故の後には、海岸線に打ち寄せられた重油を除去 する作業が、たくさんの人たちによって人力で行われ ます。

その光景が、その後のニュースとして流れている のも見かけます。

工場におけるゴミや切粉、ホコリなども同じことが 言えるのです。

発生源は小さいのですが、それが作業 者の靴の裏に付着して運ばれたり、フォークリフトの タイヤで運ばれたり、空調やドアの開け閉めによる風 で吹き飛ばされたりと、時間がたてばたつほど広がる のです。

そこで、誰しも行うのが清掃です。

床のゴミや切粉、 チップ、ホコリを見て掃除を始めます。

しかし、掃除を 終えるといつしかまたゴミやチップが飛散しているの です。

これでは、いつまでたっても掃除を続けなくては なりません。

なぜ掃除をするのか、なぜ切粉が飛散するのか、「な ぜ」、「なぜ」と問いただし、追及して欲しいのです。

す ると汚れの発生源にたどり着くはずです。

初めは、発 生源の飛散範囲を狭め、最後は発生の根幹を絶つ。

そ うすることで、掃除自体がなくなるのです。

清掃の初期段階からステップで見ると、汚れている から掃除をする「事後清掃」、何かをしながら掃除をす る「ながら清掃」、そして掃除自体をなくす「予防清掃」 という具合に、レベルが向上していきます。

●汚れているから掃除をする「事後清掃」 ●何かをしながら掃除をする「ながら清掃」 ●掃除自体をなくす「予防清掃」

3現3即3徹

従来、改善やムダを表面化さ せるのに分析手法を多く用いて きました。

時間分析や動作分析 などを使って、まずムダを表面 化させます。

そして次に、その 中から問題や改善点を探し出 し、それを確認する作業に入り ます、それから改善案をつくつ て、実際のムダ取りという行動 に移るのです。

ところが、このやり方ではと ても時間がかかります。

分析だ けして、改善を終えた気になっ てしまうこともあります。

変化 の時代の中で、改革や改善には スピードが求められています。

そこから改革。

改善の行動指 針となる「3現3即3徹」が生ま れました。

「3現」とは①現場、②現実、 ③現物、という言葉の「現」の頭 文字をとったもので「3ゲン」と 読みます。

管理者たるもの、コンピユータ から出力された管理資料をもと に問題に対処するのではなく、 「すべての問題は現場にありき、 すべて現場で対処せよ」を合言 葉に、何がなんでも現場に出ま す。

問題の多い現場に出て、じっ と立ち、不良やチョコ停の現実 を直視し、不良品や機械などの 現物を手にするのです。

そこでその真因が何なのか、 長年の経験をもとに、思い当た らないようでは管理者失格です。

「3現」は長い間かけて磨き上げ た「感性」が決め手となるので す。

「3即」とは①即時、②即座、 ③即応、という言葉の「即」の頭 文字をとったもので「3ツク」と 読みます。

「感性」によって「3現」から何 かを感じたら、それを事務所に 持ち帰ってはいけません。

その時 に、その場で、すぐに対応する ことが重要です。

その時とは「即 時」を意味し、その場は「即座」 となり、すぐに対応することは 「即応」となります。

ここでのポイントは「行動」で す。

紙の上で、いろいろこねくり 回さずに、手と身体を使い、ま ず「3即」で、何しろやってみる ことです。

「3徹」とは①徹頭、②徹尾、 ③徹底、という言葉の「徹」の頭 文字をとったもので「3テツ」と 読みます。

「3徹」とは最後はこだわりで す。

「1個置き」と言ったら、頭か ら尻尾まで「1」に徹底してこだ わり続けるのです。

そうするこ とでそこに初めて「1の精神」が 宿るのです。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次