第6章自由時間を最大に生かす自己投資&リフレッシュ術「神・時間術」を駆使して、1日1時間の自由時間が生まれ、「その1時間で何をするのか?」で人生が決まります。
さて、時間術によって生まれた時間をどのように使いますか。
私がおすすめする自由時間の使い方は、「自己投資」「能動的娯楽」「楽しむ」の3つです。それらの自由時間の使い方について、詳しく説明していきましょう。
最高の自由時間その1自由時間に仕事はしない仕事の「量」ではなく「質」を高める
時間術を駆使して1時間の自由時間が生まれました。あなたは、その1時間を何に使いますか。多分、一番多いのが「仕事」です。
「もっと仕事をする時間がほしい!」「もっと仕事の時間を増やして、結果を出したい」「もっと仕事の時間を増やして、収入を増やしたい」という人が、本当に多いです。仕事熱心なのは悪いことではありません。
しかし、時間術で創出された「自由時間」を、仕事に振り向けるのは絶対にやめてください。あなたは、時間術で生まれた1時間を仕事に振り向けます。
さらに、時間術でもう1時間が生まれました。そして、その1時間を仕事に振り向けます。さらに、時間術で1時間が生まれました。そして、その1時間をまたまた仕事に振り向けます。
結果どうなるでしょうか?1日9時間の仕事時間が10時間になり、12時間になり、最後には14時間になります。
結果として、1日中ほとんど仕事をしていることになります。それでも、もし仕事で成果を出して、収入がアップするのならいいのですが、残念ながらそうはなりません。
緩急をつけた生活をしていないと、必ず病気になります。
休むべきときに休まず、十分な睡眠をとらず、運動不足の状態で、仕事をやり続けると、必ず病気になります。
身体の病気か、メンタルの病気です。実際に私の患者さんがそうだし、私の友人、知人でも病気になった人は、たくさんいます。
うつ病になって、自殺寸前までいった人もいますし、私の友人だけでここ1年で3人が「がん」になっています。そのうち2人は40代の人です。
「仕事人間」で「俺は、仕事が大好きだから、休みなんかなくても大丈夫」と言っている人は、たいてい病気になります。「自由時間」を「仕事」に振り向けると、際限なく仕事時間が増えていきます。
あなたが、「もっと、仕事をしたい」「仕事で結果を出したい」「もっと、収入を増やしたい」と思うのなら、仕事の効率を上げてください。
1日9時間という時間制限の中で、どれだけたくさんの仕事をこなせるのか。同じ時間の中で、どれだけ仕事の密度、質、精度を高められるのか。そこを目指すべきです。
仕事時間をまったく増やさなくても、あなたがこなす仕事の量を増やし、仕事の質を高めるのは、まったく可能です。私の経験では、仕事効率は3倍以上に増やせます。
仕事効率は3倍以上に増やせる
仕事効率を高めても、そんなに仕事の量は増えないと思っているかもしれませんが、私の経験では3倍以上に増やせています。
たとえば、私は精神科医として、作家として「病気の予防に役に立つ本を書く」ということをビジョンにしています。
2007年に作家として独立したときは、年に1冊出すのが精一杯でした。しかし、ここ5年間は年3冊のペースで出版しています。
年に1冊しか本を書けなかった私が、年に3冊も本を書けるようになった、ということです。「書く」ということに関して言えば、私の仕事効率は3倍にアップしているのです。
さらに2007年頃に出した本は、5千部から1万部しか売れていませんでしたが、最近出した本は最低で3万部。多いものでは15万部以上売れています。
それは、文章力がアップし、読者に伝わる本、より内容の濃い本が書けるようになったということです。
売上ベースでいうと、年1万部から年10万部にアップしたということ。つまり、収入ベースでは10倍に印税収入が増えているということです。
これだけたくさん本を書いて、印税が増えても、トータルの執筆時間は10年前と比べて減っているのです。
仕事効率が上がり、より短時間で、よりレベルの高い文章を書けるようになったということです。
私の場合、「作家業」に関して、ここ10年間で、実働ベースで3倍、収入ベースで10倍以上も仕事効率を高めることができた、という現実があります。
最高の自由時間その2自己投資をする自分のメインスキルに自己投資せよ
私が自らの仕事効率を3倍から10倍にアップさせることができた理由。それは、自分のメインスキルに時間を自己投資したからです。
「作家」という仕事を考えた場合、そこで最も重要なスキルは何になりますか?言うまでもなく「書く」ということです。
たとえば私の場合、1日の文章執筆時間は、3~6時間です。平均して4時間くらいです。これを仮に、書くスピードを2倍にできたとしたらどうなるでしょう。
1日で2時間の時間を生み出したことになります。1年で730時間の時間創出です。730時間は、30日に匹敵します。
自分の仕事のメインのスキルを磨くことで、1年を「13ヶ月」にすることが可能になる、というわけです。文章を書くスピードを2倍にする。
そんなことは、無理だと思うかもしれませんが、正しい文章の書き方を学べば、誰にでも可能です。
たとえば、あなたは1時間で原稿用紙、何枚分書けますか。私は、5枚以上は書けます。集中力が高く、調子がよければ、7~8枚書くこともあります。
しかし、最初から、それだけのスピードで文章を書けたわけではありません。
文章の書き方を学んで、訓練をしたからこそ、ほぼ考えるのと同じスピードで、文章を書く、文章を入力することができるのです。
たとえば、文章を書く場合、最初に「構成」を決めて書く。これだけで、書くスピードが2倍に速まります。文章を書きながら、「次はどうしよう」と迷うことがなくなるからです。
本を書く場合は、20ページほどの詳細な「目次」を作ってから書き始めます。目次というのは、本の設計図です。
これがきちんとできあがっていれば、猛烈に本を書く速度がアップします。
「文章を書く」スキルを磨くことで、文章を書くスピードを2倍に速めることはまったく可能なのです。
そして、一度、早く文章が書けるようになると、それが遅くなるということはありません。一度身につけたスキルは永久ものです。
あなたのメインスキルは何ですか?
自分のメインスキルを磨くことに自己投資することで、圧倒的な仕事の効率化が可能になる。年間数百時間も時間を創り出せる。ありえない時間創出です。
あなたのメインスキルは、何でしょうか。文章を書く時間の長い人は、「文章を書く」スキルを磨く。パソコンに向かう時間が長い人は、パソコンのスキルを磨く。
会計や計算の仕事が多い人は、エクセルなどの表計算ソフトに習熟する。プログラマーであれば、ブログラミングの最新知識を勉強しておく。
営業職であれば、会話力、コミュニケーション力を磨きあげる。
このように、自分のメインとなるスキルを磨くことで、時間を効率化し、大幅な時間創出が可能となります。
自由時間ができたら、さらに自らのスキルアップのために時間を投資する。
それによって、メインの仕事の効率がアップして、あなたは自己成長して、同じ時間で今まで以上の仕事をこなせるようになる。結果として、さらに自由時間が生まれ、さらなる自己投資の時間が創れる。
といったように、自由時間を自分のスキルアップに自己投資するだけで、自己成長と時間創出のポジティブ・スパイラルに突入するのです。空いた時間を自己投資に向けて自己成長を加速しよう。
これは、本田直之さんの『レバレッジ時間術』(幻冬舎新書)や、「ワーク・ライフ・バランス」で有名な小室淑恵さんの本などにも書かれていることです。
ビジネスで成功している人、自己成長できている人は、きちんと「自己投資」に時間を使っている、ということです。
メインスキル以外の仕事力もアップさせよう
自由時間を勉強に充てる人は多いと思います。それは素晴らしいことなのですが、「何を勉強するか?」で、あなたの一生は大きく変わるはずです。たとえば、英語の勉強。
あなたが、「今、英語が話せないと困る」という状況にあるならば、それがあなたに必要な「メインスキル」になるでしょう。最優先で時間を投入すべきです。
ただ、英語を勉強している人の多くは、「今、特に緊急性はないが、将来に備えて、英語の勉強をしておく」という人が多いのです。
それは、素晴らしいことだと思いますが、「英語」以前に、あなたの「メインスキル」を伸ばす勉強を優先させたほうがいいと思います。
「メインスキル」への投資は、すぐに結果がでる短期投資であり、「英語の勉強」は、将来に向けての長期投資です。
「メインスキル」へ投資し、さらに自由時間を生み出してから、将来へ向けての地道な勉強をしていく。
短期投資で資金を稼いで、それを長期で安定的な利回りを確保できる不動産に投資するイメージでしょうか。
まずは、あなたの「メインスキル」をしっかりと鍛え上げて、「自由時間」を生み出す基礎力を養っておく。
その上でその他のスキル、仕事力のアップのために「自由時間」を投入していくのが最も効率のよい勉強法であり、時間術であるのです。
最高の自由時間その3能動的に娯楽を楽しむ集中力を高める「読書」、集中力を下げる「テレビ」
仕事も大切です。勉強も大切です。でも、遊びも大切です。せっかく生まれた「自由時間」です。「遊び」にも使いたいですね。「自由時間」を遊びに使ったほうがいい。
でも、どんな「遊び」をするかによって、あなたの人生が変わると言っても過言ではありません。
同じ「遊ぶ」のなら、あなたの人生を圧倒的に後押ししてくれる、自己成長につながる「娯楽」に時間を使うことをおすすめします。
ドイツの大規模な調査で、本をよく読めば読むほどより多くのフローを体験する一方、テレビを見ることについては逆の傾向が観察されました。
最も多くのフロー体験は、多くの本を読みほとんどテレビを見ない人らによって報告され、最も少ないフローを報告したのは滅多に本を読まず、よくテレビを見る人でした。
フローというのは、我を忘れるような高い集中力が維持された時間です。
つまり、フロー体験する人は、集中力の高い時間を持っている人であり、フロー体験しない人は、常に集中力が低い状態と言えます。
この研究結果を言い換えるなら、本をより多く読むほど集中力が鍛えられ、テレビをたくさん見るほど集中力が低くなるということです。
集中しないと本は読めません。読書を習慣にする人は、「対象に意識を集中する」トレーニングをしているわけです。一方、テレビはボーッとしていても、何も考えなくても見られます。
テレビを見るということは、集中しない、注意を散漫にするトレーニングをしているようなものなのです。ハッキリ言えば、読書は、集中力を高めるトレーニング。
テレビは、集中力を下げるトレーニングです。あなたは、1時間の自由時間を得たときに読書をしますか、それともテレビを見ますか。
受動的娯楽と能動的娯楽
娯楽は、大きく二通りに分類できます。1つは、テレビ、テレビゲームのようなほとんど集中力を使わないしスキルも必要としない「受動的娯楽」。
もう1つが、読書、スポーツ、ボードゲーム(チェスや将棋)、楽器の演奏などの集中力や、目標設定とスキルの向上を要する「能動的娯楽」です。
フロー概念の提唱者で「集中力」に関する第一人者でもあるチクセントミハイ教授は言います。
「能力を発揮するフロー体験は人を成長させる。受動的な娯楽は何も生まない」。
能動的娯楽は、集中力を高めるトレーニングとなり、人を成長させる効果がある一方で、受動的娯楽は「何も生まない」のです。
それどころか、チクセントミハイ教授の研究によると、「無気力」を呈する割合は「スポーツ、ボードゲーム」の16%に対して、「テレビ鑑賞」は38%と、様々な娯楽分野の中で最も「無気力」を引き起こすのです。
高齢者の生活習慣と認知症の発生率について調べた研究で、「読書」と「ボードゲーム」をする人は、認知症のリスクが低いという結果が出ています。
認知症を予防するということは、脳を刺激している、脳のトレーニングになっているということです。
集中力とスキルアップを必要とする「能動的娯楽」は、娯楽でありながらも、集中力や脳のトレーニングになるということです。
それは、スキルのアップ、そして認知症の予防(病気にならない)という2つの意味で、時間に対する投資になるのです。
あなたが、1時間の自由時間を得たとき、受動的娯楽をするのか、能動的娯楽をするのか。どうせ同じ「娯楽」に自由時間を使うのなら、自己投資につながる時間の使い方を意識したいものです。
テレビ視聴時間を、今日から3分の1にする方法
私はテレビを見ること自体は、決して悪いことではないと思います。最新のニュースや有益な情報が得られます。ビジュアルでないと十分に伝わらないこともあるでしょう。
テレビ視聴における最大の時間の無駄は、「どうしても見たい番組」だけではなく、「見たくもないテレビ番組を漫然と見てしまう」ことです。
しかし、今のテレビ番組は本当に巧妙にできていて、番組が終わった瞬間に間髪いれずに次の番組が始まります。
いやその前に次の番組宣伝が何度も挿入されていて、「見たい」感を煽り、「見たくもない番組」を見せる仕組みになっているので、ついつい次の番組まで見てしまいます。
見たくもないテレビ番組を、一切、見ないで済む方法があります。それは、「テレビは録画して見る」ということです。これによって、テレビによる時間の無駄を大幅に減らすことができます。
スポーツやニュースは別として、それ以外のドキュメンタリー、ドラマ、バラエティ番組などは、すべて録画で見てください。
録画して見ることによって、「本当は見る予定のない番組をついつい見てしまう」ことを100%予防できます。
「見たい番組」しか録画されていないのですから、関係のない番組を見ることは不可能です。
番組を録画する前は「どうしても見たい!」と思っていたのに、不思議なことに録画した瞬間に、その「見たい」という気持ちが、なぜか嘘のように消えてしまいます。
録画した番組が10本くらいたまると、見たい順番に見ていくことになります。ですから、「本当に見たい番組」を優先して見ることができます。
それで、結果として録画した番組が見きれなくて、たくさんたまっていきます。結局見ないで消去します。私の場合は、録画した番組の3本に1本は、結局、見ないまま消去します。
つまり、「テレビは録画で見る」を徹底するだけで、今日からでも、テレビ視聴時間を3分の1に減らすことができるのです。
毎日3時間、月90時間テレビを見ている人は、この方法で毎日2時間、月60時間を創出することができます。
テレビ視聴を能動的娯楽に変換する方法
テレビに代表される受動的娯楽は自己成長につながらないので時間の無駄です。
同じ娯楽でも、自己成長につながる能動的娯楽に時間を使おうという話でしたが、テレビ視聴を能動的娯楽に変える方法があります。
それは、テレビを見たらアウトプットをするということです。テレビでわからないことが出たら調べるということです。
「集中力」と「目標設定とスキルの向上を要する」のが「能動的娯楽」の特徴です。
ですから、集中力を使い、目標を設定して、スキル向上に役立てることができるならば、テレビ視聴も「能動的娯楽」になります。
そのためには、アウトプットをすればいいのです。私は「情熱大陸」を見るときは、必ずその人物の名言を2、3書きとめるようにしています。
そして、番組終了後、その名言とともに、その番組からの気づきをまとめ記事にしてFacebookに投稿します。
漫然とテレビを見るのではなく、そこから積極的に「学び」を得るために、貪欲にテレビを見る。そして実際に、アウトプットすることによって、内容を整理し、記憶に残す。
場合によっては、その人物についてネットで調べたり、その人の書いた本を買って読んだりして学びを深めます。
このようにアウトプットを前提にテレビを見れば、集中力を使い、目標を設定して、スキル向上に役立つので、「能動的娯楽」に変換されるのです。
つまり、同じ時間、同じ番組を見ても、自己成長に役立つ。自己投資の時間として活用できるのです。これは、テレビに限らず、「映画」や「飲み会」も同じです。
漫然と映画を見れば受動的娯楽ですが、アウトプットを前提に集中して見て、たくさんの気づきが得られれば能動的娯楽になります。
友人との飲み会も、ただ馬鹿騒ぎするだけなら受動的娯楽ですが、そこから学びを得て、それをアウトプットするのなら能動的娯楽に変換されます。
グルメも旅行もすべてそうです。アウトプットを前提に集中力を高め、実際にアウトプットによってスキルを高める。
アウトプットを習慣にすれば、あなたの「受動的娯楽」時間のほとんどすべてを「能動的娯楽」時間、すなわち「自己投資時間」に変換することができます。
インプットをしたら、必ずアウトプットをしよう。アウトプットこそが勉強であり、自己成長である。
具体的なアウトプットの実践方法については、拙著『ムダにならない勉強法』(サンマーク出版)に丸ごと1冊使って詳しく解説していますので、本書とあわせてぜひお読みください。
受動的娯楽を減らし、能動的娯楽を増やしましょう。能動的娯楽によって、仕事への集中力も高まりやすくなるのです。「遊び」や「娯楽」は、単なる時間の「消費」ではありません。能動的娯楽は、時間を生み出す「自己投資」であるということです。
最高の自由時間その4人生を変えるリラックス時間一流の「仕事人」は、一流の「趣味人」である
日本人は、「楽しむ」のが下手です。仕事をする人は尊敬され、遊ぶ人は軽蔑される傾向が、依然として社会に存在するように思えます。
結局、「仕事最高」の同調圧力が、無給の時間外労働を強制したり、長時間労働のブラック企業を容認したりする社会を作っているのです。
昼はバリバリ働き、夜は人生を楽しむ、リフレッシュ時間に充てる。これが、本書でおすすめする最強の時間術です。昼も夜もバリバリ働き睡眠時間まで削ってしまう。
そんなワークスタイルは、短期では通じても、10年、20年続ければ、必ず病気になります。私たち日本人は、もっと遊んでいいのです。というか、全然、遊び足りないので、もっともっと遊ぶべきなのです。
私はテレビをほとんど見ませんが、「情熱大陸」や「ソロモン流」などの人物ドキュメントは見ることがあります。
こうした人物ドキュメントは、「人生の成功の秘訣」「ビジネスの成功の秘訣」を、生の実例から学ぶことができるからです。
人物ドキュメントに登場する「一流の仕事人」には、ある共通点があります。
それは、「一流の仕事人」は、何か圧倒的に熱中できる「趣味」を持っていて、それに膨大なエネルギー、時間、お金を注いで、場合によってはプロに近い水準まで到達している、ということです。
集中力には、「遊び」も「仕事」も関係ありません。「遊び」や「趣味」に100%の集中力を発揮する人は、仕事でも100%の集中力を発揮できるのです。
「遊び」や「趣味」に集中できない人が、「仕事」をやっているときだけ集中力を発揮する、というのは無理な話です。
同じ人間で、同じ脳を使っているのですから。「趣味に夢中になる」というのは、実は最高の集中力トレーニングなのです。好きだから没入する。時間を忘れる。
何の苦労も努力もなく、高い集中力を発揮できるようになっていくのです。
「集中力」×「時間」=「集中時間」です。
趣味でも仕事でも、高い集中力を発揮できる人は、「集中時間」が多いのです。仕事効率が高い。同じ時間に、多くの仕事を高品質にこなすことができる。ですから、一流の「趣味人」は、一流の「仕事人」になれるのです。
今を楽しむ人が、幸せになる
あなたにとって、心の底から「楽しい」と思えるのは、何をしている時間でしょうか。私は、映画です。
映画を見ている間は、それ以外のことをすべて忘れて映画の世界に没入することができます。興奮し、ワクワクし、ドキドキし、共感し、感動し、涙を流す。ありとあらゆる感情の体験。極上の時間、至福の時間。
映画を見終わると、「ああ楽しかった」と心から思います。「映画を見ている瞬間って、本当に楽しいな」と思います。
映画を月に3本見れば、その「楽しい」時間は3倍に膨れ上がり、月に10本見れば10倍になります。
それを一生続けられたとしたら、どれほど楽しい人生になるでしょうか。というか、私はそれをずっと続けています。
自分の「楽しい」瞬間がわかれば、その時間を増やせるように努力すればいいのです。
グルメとか、旅行とか、パートナーと過ごす時間とかペットと過ごす時間とか、人によっていろいろ「楽しい」瞬間は異なると思いますが、純粋にその時間を増やせば、あなたの「楽しい」「幸せ」な時間が増えていき、あなたの人生の中で「楽しい時間」の占める割合は増えていきます。
それが、「楽しい人生」であり「幸せな人生」ということではないでしょうか。今のあなたの必死な努力の末に、10年後に「幸せな未来」が待っているかというと、そんなものは存在しないのです。
「未来」という時制はイメージの中にしかなく、存在するのは「今」という時間だけです。未来は、ただ「今」の連続の先にあるだけです。
つまり、「今」、小さな幸せを感じられない人は、永久に幸せになれないのです。幸福感「0」の人がある日突然、幸福感「100」になるということはありえないのです。
小さな幸せでいいので、その「幸福感」を、今、感じられるのか。今日、感じられるのか。それが大切です。つまり、「楽しむ」ことこそが人生です。今、「我慢する」人は、一生我慢が続くだけです。
ですから、あなたが「自由な時間」を少しでも持つことができたのなら、その時間を「楽しむ」ために、優先的に割り振ってほしいのです。
それも、テレビやゲームとかの表面的な刹那的な「楽しみ」ではなく、心から楽しいと思える活動に、あなたの本当に貴重な時間を費やすべきです。
楽しいアンテナを立てよう
あなたにとって、心の底から「楽しい」と思えるのは、何をしている時間でしょうか。この質問をたくさんの人にしているのですが、なんと「わからない」という人が意外に多いのです。
自分の本当の「楽しい」がわからない人は、「自分だけの最強リフレッシュ時間」を持つことができません。何をしても「楽しい」と思えないわけですから。
自分の「楽しい」がわからない人は、「楽しいアンテナ」が立っていません。
「毎日、楽しいことがない」と思っている人でも、日々の自分の心の動きを観察していれば、「ワクワクする」ことや「楽しい」と感じる瞬間が必ずあります。そうした瞬間を見逃してはいけません。
「自分は、〇〇している瞬間が本当に楽しい」と、自分で意識することが大切です。そういう意識を常に持ち続けることを、私は「楽しいアンテナを立てる」といいます。
楽しいアンテナが立っている人は、自分から「楽しい」ことに足を踏み入れて、楽しそうな場所に顔を出し、楽しむチャンスを引き寄せることができます。
自分の「楽しい」がよくわからない人は、本当は楽しいかもしれない誘いがあっても、断ってしまうかもしれません。
自分の「楽しい」を知っている人は、自由時間に「楽しい」を割り振るだけで、「楽しい」が無限に増殖していきます。毎日、楽しくてしょうがない人生を送ることができます。
自分の「楽しい」を知らない人は、たまたま偶発的に起きる「楽しい」を待ち続けるしかありません。
それは週に1回かもしれませんし、月に1回かもしれません。逆を言えば、人生の大部分が、「楽しくない」出来事で埋め尽くされていくのです。
人生は楽しむためにあります。もっと「楽しい」アンテナを立てましょう。日々の生活の中に、「楽しい」と思える瞬間が、必ずあります。
そんな瞬間に出会ったときに、忘れる前に、きちんと「記録」することです。寝る前15分の習慣。
「今日あった、一番楽しかった出来事をSNSに投稿する」をしていれば、自然と「楽しい」アンテナが立ち、自分の「楽しい」がわかるようになっていきます。
遊びの「ToDoリスト」を書く
自分の「楽しい」がわかっている人は、その「楽しい」時間を増やすように工夫することです。偶発的にできた自由時間に、自分が最も「楽しい」と思うことをする。
それを繰り返すと、あなたの「楽しい」は無限に増殖していき、あなたの人生は間違いなく楽しいものになります。
そのために必要なのは、遊びの「ToDoリスト」です。
仕事の「ToDoリスト」を書いている人は多いと思いますが、遊びの「ToDoリスト」を書いている人はほとんどいないでしょう。
遊びの「ToDoリスト」を書くようにすると、空き時間が猛烈に濃くなります。空き時間、自由時間ができても、多くの人はなんとなくだらだら過ごしてしまいます。
しかし、遊びの「ToDoリスト」を書くと、自分にとって「優先してやりたい遊び」「優先してやりたい楽しいこと」を、行動に移せるようになります。
結果として、自由時間、余暇時間の濃度が猛烈に濃くなります。先ほども述べたように、私にとっての最も楽しい遊びの時間は、「映画」です。
たとえば、私の月間スケジュールには、今月見たい映画のリストとその公開日が書かれています。
それによって、見たい映画を見る確率が飛躍的に増えて、見たい映画を見逃す率が劇的に減ります。たまたま、夕方の5時までに仕事が終わり、突然、フリーな時間ができた。
その場合、「あっ、見たい映画リストの映画が、今日公開だから見に行こう」ということになるのです。
これが、「見たい映画リスト」を作っていなかったとしたら、なんとなくそのまま家に帰って、なんとなくだらだら過ごすだけで、時間が過ぎてしまいます。
あるいは、私は食べ歩きが大好きなので、地域ごとに「行きたい店リスト」を作っています。
六本木、渋谷、神保町など、地域ごとに、行ってみたいレストラン、居酒屋、寿司屋、カレー屋などをリスト化しています。
たまたま神保町で打ち合わせがある場合、「神保町で行きたいカレー屋があったから、打ち合わせが終わったら行ってみよう」ということになります。
「行きたい店リスト」を作っておくと、「ついで」の時間、スキマ時間で、新店発掘が効果的にできるのです。
「一度は行ってみたかったカレー屋に行く」というのは、私にとっては「極上の時間」であり、「究極のリフレッシュ時間」です。
遊びの「ToDoリスト」を書くことで、あなたの自由時間、スキマ時間が、圧倒的に楽しいリフレッシュ時間でいっぱいになっていくのです。
毎日が楽しくなります。そして、人生の濃度が間違いなく濃くなります。
「リラックス」時間を楽しむ
自由時間の使い方は、先に挙げた受動的娯楽、能動的娯楽の他に、「交流」「音楽鑑賞」「考えごと・ボーッとする」という時間の過ごし方もあるでしょう。
特に集中力を使うわけではありませんが、非常にリラックスした時間の過ごし方です。夫婦の会話、子どもと遊ぶ時間、友人や恋人との食事、ペットと遊ぶことなど、「交流」する時間。
好きな音楽を聴きながらソファーでのんびりと過ごす。風呂に入って、ボーッとしたり、今日あった出来事を思い返したりする。こうした時間の過ごし方を「リラックス系娯楽」と呼びましょう。
言うなれば「弛緩した時間」です。この「弛緩した時間」がとても重要です。なぜならば、昼は緊張し、夜は弛緩して過ごすのが、最も健康的な時間の使い方だからです。
「リラックス系娯楽」は、言うなれば「集中力をゼロにする」と言い換えてもいいです。
日中の仕事術では、「集中力を高める」ことばかり書きましたが、夜の時間帯で集中力を緩める時間がなければ、翌日の集中力は高まらないのです。
「リラックス系娯楽」については、「寝る前2時間の過ごし方」(第4章)で詳しく書きましたが、ぜひ寝る前の時間帯に取り入れてほしい時間の使い方です。
能動的娯楽はとてもいいと書きましたが、仕事以外がすべて能動的娯楽になってしまうと、集中力をゼロにし、弛緩した時間帯がなくなってしまいます。
寝る前くらいは集中力をゼロにして、「緊張」と「弛緩」を交互に、バランスよく回していくことで、日々のパフォーマンスを最大化できるのです。
おわりに
精神科医の私が時間術について書いた本当の理由構想10年、製作2年。
10年以上温めてきた、私の中の重要なテーマ「時間術」がようやく形になりました。
精神科医の時間術ということで、「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す」ということにフォーカスし、最新研究に基づく脳科学的な根拠を盛り込み、「神・時間術」として体系化しました。
これは、私が毎日行っている時間の使い方そのものであり、私の生き方、生き様そのものでもあります。
私は精神科医として、一つのミッションを掲げています。それは、「日本人の自殺・うつ病」を減らすということです。
「そんな大それたこと、どうやってやるんだ?」と多くの方が思うでしょうが、その戦略は簡単です。
日本人の自殺や過労死が起きる理由は、日本人の労働生産性の低さ、効率の悪い働き方、仕事中心で「自分の健康」や「家族」を犠牲にしたワークススタイルが原因だ、と私は考えます。
つまり、日本人の「ワークスタイル」さえ変われば、自殺も過労死も今の半分以下へ激減すると思っています。
仕事を頑張るのはいいのですが、ただ根性だけで必死に頑張っても、集中力が下がっていき、効率の悪い長時間労働になってしまいます。
自分の趣味の時間、楽しむ時間、家族と過ごす時間を大切に、「リフレッシュ」を意識する。
完全回復して、睡眠をきちんととって、定期的に運動する。それによって、脳のパフォーマンスは最大まで高まります。
「神・時間術」のノウハウを実践すれば、「仕事の成功」「家族への愛情」「自分の趣味への熱中」「圧倒的に幸福な時間」、そして「健康」。
人生に必要なすべてが手に入ります。
それが広がることで、結果として、仕事のストレスで病気になったり、自殺する人がほとんどいなくなる社会が実現するのです。
これが、精神科医の私が「時間術」の本を書いた本当の理由です。「自分」と「家族」を大切にしたうえで、バリバリと仕事を頑張る。
そのように日本人が効率的な働き方ができるようになり、結果として病気になる人が一人でも減ることにこの本が役立てるのなら、精神科医としてこれ以上の幸せはありません。
そのためにも、まずあなたが、この「神・時間術」を実践して、自分の「自由な時間」と「心と身体の健康」「最高の脳パフォーマンス」を手に入れてほしいのです。
この本は、約2年間かけて作りました。私の執筆期間としては、過去最長です。
最後になりますが、長期間にわたり集中力を切らさず熱心に関わってくださった、編集者の種岡健さんに心より感謝を申し上げます。
2017年3月樺沢紫苑
参考図書
『フロー体験入門楽しみと創造の心理学』(Mチクセントミハイ著、世界思想社)『フロー体験喜びの現象学』(Mチクセントミハイ著、世界思想社)『脳を鍛えるには運動しかない!』(ジョン・J・レイティ著、NHK出版)『脳の力を100%活用するブレイン・ルール』(ジョン・メディナ著、NHK出版『ハーバード集中力革命』(エドワード・M・ハロウェル著、サンマーク出版)『自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo著、かんき出版)『ブレイン・バイブル』(ジョン・アーデン著、アルファポリス)『脳からストレスを消す技術』(有田秀穂著、サンマーク文庫)『朝の5分間脳内セロトニン・トレーニング』(有田秀穂著、かんき出版)『朝やる気になり夜ストレスを消す切替脳の活かし方』(有田秀穂著、ビジネス社)『受験脳の作り方脳科学で考える効率的学習法』(池谷裕二著、新潮文庫)『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(小林弘幸著、サンマーク出版)『この法則でゾーンに入れる!集中「脳」のつくり方』(茂木健一郎著、朝日出版社)『脳を最高に活かせる人の朝時間頭も心もポジティブに‼』(茂木健一郎著、すばる舎)『週刊ダイヤモンド2017年1/14号仕事・勉強に効く「集中力」&記憶術・速読術』(ダイヤモンド社)『大事なことに集中する気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』(カル・ニューポート著、ダイヤモンド社)『スタンフォード式最高の睡眠』(西野精治著、サンマーク出版)『人はなぜ眠れないのか』(岡田尊司著、幻冬舎新書)『基礎講座睡眠改善学』(堀忠雄、白川修一郎監修、ゆまに書房)『残業ゼロがすべてを解決するダラダラ社員がキビキビ動く9のコツ』(小山昇著、ダイヤモンド社)『労働生産性の国際比較2016年版』(日本生産性本部発表)http://www.jpcnet.jp/『脳を最適化すれば能力は2倍になる』(樺沢紫苑著、文響社)『頑張らなければ、病気は治る』(樺沢紫苑著、あさ出版)『精神科医が教えるぐっすり眠れる12の法則日本で一番わかりやすい睡眠マニュアル』(樺沢紫苑著、Kindle電子書籍)
[著者]樺沢紫苑(かばさわ・しおん)精神科医、作家1965年、札幌生まれ。
札幌医科大学医学部卒。
Facebookやメールマガジン、Twitter、YouTubeなどインターネット媒体を駆使し、累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識、情報をわかりやすく発信している。
月20冊以上の読書を大学生の頃から30年以上継続している読書家。
そのユニークな読書術を紹介した『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)は、年間ビジネス書ランキング第10位(オリコン)、15万部のベストセラーとなっている。
主な著書は『脳を最適化すれば能力が2倍になる』(文響社)、『ムダにならない勉強法』(サンマーク出版)、『「苦しい」が「楽しい」に変わる本』(あさ出版)など20冊以上。
公式メルマガ:https://biteex.com/rg/2334/7/公式ブログ:http://kabasawa3.com/blog/YouTube:https://www.youtube.com/webshinmasterDMMオンラインサロン「樺沢塾精神科医の仕事術」:https://lounge.dmm.com/detail/60/無料プレゼント「速読なしで15分で本を読む方法」(動画セミナー15分)https://canyonex.jp/fx2334/15min01など多数ある。
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