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レストラン
84「苦手な食材はありますか?」と聞かれたときの答え方
レストランでの注文時や、ご招待いただいた席で「何か苦手なものはございますか?」と尋ねられた際、アレルギーがある方は必ず伝えましょう。
せっかくの会食で体調が悪くなってしまっては同行の方にもお店にも迷惑をかけてしまいます。
昨今、食物アレルギーを持つ方も多く、お店側もとても神経を使っていますから、きちんと伝えたほうが親切です。
嫌いなもの、苦手なものについては程度問題ですが、召し上がるのがつらいと感じる食材はお伝えしておいたほうがよいでしょう。
私の場合、フレンチ等であれば「内臓系が苦手なんです。
ソースに使われたり大きなものでなければフォワグラは問題ありません」と伝えますし、和食の際は「白子と生きている白魚はちょっと苦手です」というような伝え方をしています。
会食のそもそもの目的は、食事と会話を愉しむこと。
みなさんと心置きなく過ごすためにも正直にお伝えすることも大切です。
85ワインの選び方
格式あるレストランでは、お料理に合わせるワインは、オーダーするコース料理と同等からその半額くらいが適当といわれています。
ですから、お料理のコースが3万円以上に対して、ワインボトルが5千円以下では、バランスがいいとはいえませんね。
ただし、あくまで目安ですから、予算に応じてお好きなものを選ぶことも大切です。
マナーや知識をふまえ、バランスよく注文したいものです。
86「お水ください」はあり?
誕生日祝いなど奮発したディナーで「お飲み物はいかがなさいますか?」と尋ねられたら、食前酒やワイン、ノンアルコールドリンクを頼むのが通常です。
格式あるレストランでは、お料理に見合った金額のお酒をオーダーするのが礼儀とされますから、たとえお酒が飲めなくても、飲み物を頼まないのはスマートではありません。
もちろん、ガス入り、ガスなしなど好みのミネラルウォーターを頼んでもよいでしょう。
とはいえ、すべてのレストランで必ず飲み物を注文しないと格好がつかないわけではありません。
カジュアルなお店での「お水で結構です」は問題なし。
和食店で、お酒もソフトドリンク類もいただきたくない場合は、「温かいお茶をいただけますか」でも。
配慮が必要なのは、焼き鳥屋さんや居酒屋さんのように、お酒を飲むことが前提とされているお店の場合。
お料理をおつまみに飲んでもらうことで経営が成り立つので、おつまみだけをいただくのはルール違反と捉えられます。
中華料理店での中国茶も有料、無料があります。
お店によって適したオーダーを考えましょう。
87レストランで食べ方を質問できますか?
食材や味だけでなく、盛りつけや器も日々進化しているお料理の世界。
そのため「これ、どうやっていただくの?」と迷うようなお料理が運ばれてくることもあります。
小さな器に入ったソースは直接つけるのか、かけるのか?カップで出されたスープは、口をつけて飲んでいいのか、スプーンを使うのか……など。
わからないときは、「聞くのが恥ずかしいから……」と躊躇せず、お店の方にお尋ねしましょう。
素直に聞くことができる方ほど育ちのよさを感じさせますし、不安なまま召し上がるより、おいしくいただけますよね。
ただし、それには基本のマナーに通じている必要があります。
それを心得ていれば、聞いたらおかしいこと、聞いても恥ずかしくないことの判断がつきます。
88「華はな席せき」に案内される人になりましょう
「華席」という言葉をご存じでしょうか?他のゲストからよく見える中央などの席。
飲食店の業界用語で、その日最も素敵なお客様にお座りいただきたい席のことを指します。
ここに通されることは、「装いもふるまいも、このお店にふさわしい最高のゲスト」というお店からの称賛を意味します。
四方から見られているようで落ち着かないかもしれませんが、「華席」でエレガントに堂々とふるまえる人になれたら素敵ですね。
89「こちらへどうぞ」と言われた席が気に入らなかったら?
案内された席が、入り口や通路近くの落ち着かない場所だったり、店内は空いているのにすでに座っている方のすぐ隣の席だったりと、「なぜ、こちらに!?」と思うようなことがまれにあります。
そんなとき、自分の好みや要求をしっかりと伝え、お願いや交渉ができるのも育ちがいい人だからこそ。
食事の時間を心地よく過ごすのはゲストだけでなく、お店にとっても喜ばしいこと。
予約の場合ならなおさら、堂々と「あちらでもいいですか?」とお聞きしましょう。
希望が叶ったら感謝の言葉を、もし叶わなければ「ではまた改めて参ります」とスマートにお伝えしても。
90お願いとクレーマーの違い
レストランで席を替えていただいたり、お祝いの席の演出、高齢者への配慮、また、ホテルや旅館でしたらお部屋の変更や備品の貸し出しなど、サービスを受ける際にさまざまなお願いをする場合があります。
ゲストとして節度ある要望なら、堂々と、ただし丁寧に伝えましょう。
しかし、それを逸脱してしまうとクレーマーとなってしまいます。
サービスを受けるには、ゲスト側もそれにふさわしいふるまいや言葉遣い、身なりが必要であることは言うまでもありません。
91食事中は頭頂部を見せない!
ご一緒にお食事をしているとき、ナイフやフォークの扱い方や食べ方はきれいなのに、どこか違和感を覚えた男性がいました。
その方はフォークを口に運ぶ瞬間、下を向き過ぎて召し上がっていたのです。
正面に座っている私には、彼が食べ物を口に運ぶたびに頭頂部が見えることに……。
食事中、お皿と顔が平行になるほど首を曲げてはいけません。
首から背中は一直線に。
その状態のまま、お皿の上に顔が来るように腰から前傾していただきましょう。
どこから見ても美しい姿になります。
92テーブルとの間はこぶし二つ
食事を口に運ぶときに手で受けるようなしぐさをする手皿はマナー違反。
手ではなく、小皿やお取り皿を使って受けましょう─ということは前作でもお伝えしました。
手皿が癖になっている方は、テーブルに置かれたお皿と口の距離が遠過ぎるため、こぼすことを気にしてついしてしまうようです。
これは、テーブルから離れて座っていることが原因。
体とテーブルの距離は「握りこぶし二つ分」が目安です。
93パンをちぎった面は自分に向ける
パンはひと口大にしてからいただきます。
ちぎるのは、パン皿の上が通常ですが、もしパン皿の位置が遠ければ、ご自身の前にあるオードブルやメインのプレートの上でも構いません。
ただし、食べかけのパンは、ちぎった部分を自分側に向けるように置きましょう。
噛み切ったのではないにせよ、同席者になるべく見えないよう配慮したいものです。
もちろん、パンだけでなく食べかけのお料理は、自分のほうに向けて置くようにするのが原則です。
94バターはいったんパン皿に取る
何名か分のバターがテーブルにまとめてサーブされた場合、そちらからバターナイフで取ったバターを直接パンに塗るのは、お行儀がよくありません。
いったん、適量のバターを自分のパン皿に取り、改めて一口大にちぎったパンに塗っていただきます。
95パン屑は集めない
とくにハード系のパンはちぎると必ずパン屑が出ますが、それを自分で集めてお皿に戻すのは、かえって見苦しい所作になります。
もちろん、テーブルの下に払い落とすのはもってのほか。
メインが終わった時点で、給仕の方がダストパンでさっと取ってくれますので、どうぞそのままで。
96サラダやつけ合わせの葉物野菜のいただき方
レタスなど、葉物野菜をフォークでいただくのは意外と難しいもの。
私のテーブルマナー講座でもうまく刺さらずに困っている姿が毎回見られます。
そんなときは、ナイフを使って何回か葉物を折り畳んでいき、厚みを出してあげるとフォークが刺さりやすくなりますよ。
97スープは飲むではなく、食べる
カップに入ったスープではなく、スープ皿からスプーンでいただく場合、英語では「eat(食べる)」と表現します。
ですから、スプーンの横側からすするように飲むのは当然よろしくありませんし、縦に持ってスプーン全体を口に入れるのも美しくありません。
スプーンは顔に対して斜めに持ち、1/3ほどを使うイメージで口へ運べば上品にいただけます。
98パスタにスプーンは使わない
イタリアでは、ロングパスタをいただくときに大人はスプーンは使いません。
私のスクールのイタリア人の生徒さんも、「スプーンを使うのは小さい子どもだけ。
大人が使うなんてプライドが許さない」とおっしゃっていました。
スプーンを添えたほうが確かにパスタは巻きやすくなりますが、元々の国の常識、文化を知ることも大切なマナーのひとつです。
99つけ合わせのとうもろこしの食べ方
ステーキのつけ合わせなどで出てくる芯つきのとうもろこし。
手で持ってかじるのではなく、ナイフとフォークを使って召し上がってみましょう。
とうもろこしを立てて、芯のところにフォークを刺し、しっかり安定させたら、上から粒の部分をナイフで削ぎ落とすようにカットしていきます。
これでしたら、食べ終わって残った芯も見苦しくありません。
100レストランでお料理を残してもいい?
食事にお招きいただいた際や、目上の方に心配や不快な思いをさせたくないと思う場合でなければ、苦手なお料理は口をつけなくても大丈夫です。
ひと口召し上がってから残してもかまいません。
苦手なものや好みでないものは、しかたのないことです。
サービススタッフから「お口に合いませんでしたでしょうか?」と尋ねられることもありますが、「申し訳ありません」とお答えするだけでも問題ないでしょう。
101ワイングラスはボウル部分を持つ?
シャンパングラスやワイングラスは、国際的に見るとボウル(上の丸い部分)を持つのが一般的ですが、よりエレガントに持ちたいときや、少しも温めたくないという場合は、ステム(脚)を持っても構いません。
ただし、かなり長めのものや細めのステムもありますので、上、中央、下などそのグラスに合った安定のよい所をつまむようにしましょう。
持ち方を周りの方に合わせるのもマナーのひとつです。
102グラスを持つとき、手は開かない
ワイングラスの持ち方を気にする方は多いのですが、コップ型のグラスの持ち方は、あまり気にされないようで、映画やドラマの所作指導の際にお伝えすることが多いのがこちらです。
ポイントは指を揃えて持つ、ということ。
人差し指、中指、薬指を近づけてグラスを取り上げます。
指全体をやや斜め下に向けると、なおほっそり美しく見えますよ。
小指をピンと伸ばすのは品がない印象となるので、癖になっている方は注意してくださいね。
103カップやグラスについた口紅はどうする?
「グラスやカップについてしまった口紅はどうしたらいいですか?」これは、テーブルマナー講座で必ずいただく質問です。
口紅を塗っていたら、飲み口についてしまうことは避けられません。
海外では気にしない方も多いですが、清潔好きで奥ゆかしい日本女性としては少しでも目立たせたくないですね。
最小限におさえるため、食事の席に着く前には洗面所などで軽く唇にティッシュを当てておきましょう。
また、グラスにいくつもの跡がつくのは美しくないので、同じ位置に口をつけるよう意識してみて。
104レディはバッグを離さない!
女性の装いはバッグを持って完結します。
ですから、街中だけでなく、パーティや会食などフォーマルな席でも、パーティバッグやハンドバッグを持つのが原則です。
それなのに、レストランやカフェでお化粧室に立つときなど、手ぶらの女性の多いこと!トートバッグのように大きなバッグを持って立つのはスマートではありませんが、かといってメイクポーチだけ、ましてやハンカチだけというのもエレガントではありません。
「レディはバッグを離さない」と、覚えておいてくださいね。
105テーブルにバッグを置かない
レストランに到着し、椅子に座る際や、食事が終わって席を立つときの一瞬、テーブルにハンドバッグを置いてしまいませんか?お財布などを出す際に、ちょっとバッグをテーブルにのせて探す……ということはないでしょうか?テーブルはお料理を置く場所です。
真っ白いテーブルクロスが敷かれた所ならなおさら、お皿やカトラリー以外は置かないのがマナー。
クラッチバッグ、ポーチ、お財布、携帯電話、手帳なども同じです。
大人の女性としてわきまえておきましょう。
106お会計
席でお会計するときに、「お会計をお願いします」という意味で両手の人差し指でバッテンを作るハンドサイン。
おじさまたちがよくなさっているこの所作を女性がするのはエレガントとは言えません。
遠くの店員さんに指で合図をするなら、ペンでサインをするジェスチャーの方がおすすめです。
和食
107箸袋での箸置き作りについて
箸置きがないとき、箸袋を折って箸置きを作る方を見かけます。
ですが、箸袋は業者の方をはじめ多くの人が手にし、さまざまな所に置かれることを考えると、決して衛生的とはいえません。
ではどうすればよいでしょう?箸袋があるのであれば、それを半分ほどに折って、お箸の先だけを入れておくのが最も簡単で衛生的でもあります。
そのとき、袋をちょっと斜めにずらして折ったり、軽くひと結びすると、シンプルで、かつ粋に見えますね。
折敷(おしき)がある場合は、折敷の左縁のところに箸先をかけても。
108食後のお箸の置き方
食事が終わったらお箸は箸袋に戻すようお伝えしています。
これは使用した部分が見えないようにという、下げてくださる方への気遣いです。
その際、箸袋は長いままでも、折ってもどちらでも構いません。
あえて、使用済みということを知らせたい場合は少し折っておいてもよいですね。
109お箸の帯が取りづらいとき
お祝いの席や和食店では、幅1㎝ほどの紙の帯で留められた割り箸が出されることがあります。
これが上手く取れないからと、お箸をねじりながら破いてしまうのは、お行儀がよいとは言えません。
きつく巻いてあったり、糊でくっついてしまっている場合は、破くのではなく、落ち着いてそっとはがすようにしてください。
110お椀の蓋の取り方・置き方
蓋付きのお椀の中が密閉状態になって蓋が開かない……しばしば起こる現象ですね。
でも、まったく焦らなくても大丈夫。
親指を手前に、あとの4本の指をお椀の向こう側に添え、少々力を入れてギュッと押してみると、お椀の中に空気が入り、簡単に開けることができます。
開けたら蓋を逆さにし、そのお椀が右側にあれば右に、左でしたら左側に置きます。
111貝の汁物のいただき方
貝が入ったおすましやお味噌汁。
身を食べ終わった貝の殻はどこに置くのが正解でしょう?お椀の蓋の上に出される方がいらっしゃいますが、これはマナー違反です。
とくに格式ある和食店などでは、自慢の器の塗りを傷つけることにもなりかねません。
また、食べ終わった殻が同席の方の目に入り、美しいとはいえませんね。
食べ終わって空になった他の器に入れるのも同様にNG。
貝の殻は取り出さず、そのままお椀の中に入れておいてください。
112飲み終わった汁物の蓋はどうする?
蓋を逆さにした状態でお椀に戻すのはマナーに反します。
「飲み終わりました」「ごちそうさま」という印で、給仕の方への親切心からかと思いますが、塗を傷めてしまいますし、見た目もよくありません。
蓋は出されたときの状態に戻すようにしましょう。
113お料理は、出てきた形のままでいただく
たとえば、やきとりを全部串からはずして召し上がる姿は、粋ではありません。
とくに女性は「外すほうが上品」と思い込んでいる方も多く、少々残念に感じることも。
お料理は、出していただいたときの形状が最も美しく美味しいはず。
調理してくださった方の思いを考えれば、できるだけ形を崩さずにいただくのがベストです。
114蕎麦、寿司、天ぷらは出されたらすぐに食べる
天ぷらや握り寿司など、カウンターで小出しで出てくるお料理は、言うまでもなくできたて、握りたてがいちばん美味しいもの。
すぐにいただくのが作り手への礼儀です。
おしゃべりや撮影に夢中になり、一番美味しいタイミングを逃してしまっては大変残念ですし、失礼ですね。
また、麺類も早く召し上がっていただきたいお料理です。
お蕎麦やおうどん、そしてパスタ類も。
麺のコシを十分に愉しみつつお早めに!
115天ぷらの塩のつけ方
天ぷらとともに小皿に用意されたお塩に天ぷらを直接つけようとすると、1カ所に固まってついてしまうことも。
お塩は親指と人差し指でつまんで、天ぷらの上からふれば、ほどよく全体にいき渡ります。
116焼き魚の大根おろしの食べ方
秋刀魚など脂の乗った焼き魚には大根おろしが定番ですね。
口の中をさっぱりさせてくれますし、消化や殺菌という意味からも一緒に召し上がっていただきたいもの。
大根おろしの上にお好みでお醤油をかけたら、お箸で魚の身をほぐし、大根おろしと一緒にいただきましょう。
117くし切りレモンの搾り方
お料理に添えられたレモンは、くし切りでしたらお好みでお料理の上に搾っていただきます。
このときに注意したいのは、レモンの汁がお皿の外や周りの方に飛び散らないようにすること。
意外と遠くまで飛ぶこともあるので、搾る際は、利き手とは逆の手で覆いながら行ってください。
118輪切りレモンの使い方
では、添えられたレモンが輪切りだった場合は?お箸を2本、レモンに刺してねじりながら搾る方がいますが、見ていて美しい所作とは言いにくいもの。
輪切りのレモンは、飾りの場合もありますから、搾るというよりその香りを愉しむものと心得て。
お料理の上にのせ、フォークやお箸などで軽く押し当てるようにし、少々酸味が移れば十分です。
119魚の骨や種を口から出すとき
人前で一度口に入れたものを出すのはお行儀がよくないことですが、フルーツの種や魚の骨など出さざるを得ない場合もありますね。
そのときお箸やフォーク、スプーンを使って出しなさい、というマナー指導もありますが、実はそのほうがかえって目立ってしまうことに。
ナプキンで口元を覆いながら取り除き、さりげなくお皿に置くなどなさってもよいでしょう。
その際、口元を何気なく拭う……という所作から自然な流れで行えば、同席の方にも気づかれずスムーズです。
和食ならお懐紙を使ってもよいでしょう。
120薑を知っていますか?
和食で、焼き魚に寄りかかったかたちで出てくる半分が赤い茎のようなものの名前をご存じですか?これは薑と言い、生姜の新芽を酢漬けにしたもので、柔らかい部分だけをいただきます。
食べるタイミングとして「魚をいただきながら途中で」とおっしゃる方も多いのですが、薑は脂の乗った魚をいただいた後に口の中をさっぱりさせるものなので、最後に食べるのが正解です。
飾りだけではなく、栄養学的にも考えられたつけ合わせとなりますので、ぜひ召し上がってください。
121おかずをごはんにのせない
おかずをごはんの上にのせ、一緒に口に入れるのは家庭での食べ方。
改まった席やお店ではそれぞれ別に召し上がるようにしてください。
会席料理などで、お食事の最後に汁物と一緒にごはんと香のもの(漬物)が出てきたときも、ごはんの上にのせたくなりますが、別々にいただきます。
122小食の人はその旨を伝えておく
日本旅館では、とても豪華でボリュームたっぷりの食事が出てきますね。
小食の方にとっては「残したら失礼だし……」と無理をしてしまうこともあるのではないでしょうか?また、旅館側も、たくさん残してあるのは残念に思うでしょう。
こういった場合は、「小食なので少なめに」とあらかじめ伝え、調整していただくとよいですね。
双方にとって気持ちよい滞在のために必要なことです。
123抹茶のお茶碗の回し方
お茶室で点てたお抹茶以外でも、日本料理店では最後にお抹茶が出される場合があります。
お茶室では自分に向けられた絵柄を回転させてからいただきますが、和食店ではとくにその必要はありません。
ただし、ちょっとした気遣いとして絵柄の上に口をつけるのではなく、少しずらしていただくようにしましょう。
お寿司
124お寿司はひと口でいただく
お寿司は一貫そのもので完成品ですので、崩さず、必ずひと口でいただくようにしましょう。
それなりのお店では、お米の量は決して多くありませんが、どうしても一口で食べ切れない方は、「ご飯を少なめにお願いします」とお伝えしましょう。
125手とお箸、どちらが正解?
握り寿司を召し上がるとき、お箸を使いますか?直接手に取られますか?女性はお箸を使う方のほうが多いかもしれませんね。
何軒かの名門寿司店の大将にお尋ねしたところ、「どちらでもよい」というお答えでしたが、直接手に取ることで、職人さんがふわっと握った触感を愉しめるので、五感を総動員して味わいたいという方は、手で召し上がるのがおすすめだそうです。
126お醤油のつけ方
カウンターでいただくお寿司は、絶妙な量の煮切り醤油をつけて供されることがほとんどですので、そのまま召し上がれます。
では、小皿に入れたお醤油はどのようにつければよいでしょうか。
まず、気をつけていただきたいのは、お醤油をご飯の部分にはつけないということ。
水分でお米が崩れ、醤油皿の中に一粒二粒お米が残ってしまうのは見た目によくないものです。
お醤油をつけるべきところはネタですので、お箸でいただくのならお寿司をいったん90度横に倒し、その状態で横からお箸で挟み、小皿のお醤油につければ、ネタだけにお醤油をつけられます。
絶対に避けたいのは、ネタをはがしてお醤油をつけてからご飯の上に戻すこと。
握り手の方に大変失礼ですし、お行儀が悪い所作となります。
127軍艦巻きのお醤油のつけ方
ウニやいくらなどをたっぷり乗せた軍艦巻きは、握りのように横に傾けるとネタが崩れ落ちてしまいます。
いったんガリにお醤油をつけ、それを軍艦巻きの上からチョンと垂らしていただくといいと言われていますね。
もしくは、なるべくごはんに触れないよう海苔の底部分の角につけても。
128わさびのつけ方
お刺身の上に直接わさびをつける派と、お醤油に溶く派、二つに大きく分かれるようです。
私がおすすめしているのは前者です。
わさびの風味をより味わえますし、ネタによってわさびの適量を調整できるからです。
わさびを溶いてお醤油の色が見た目に美しくなくなってしまうことも避けられますね。
129隠語は使うのが粋?
ギョク、ムラサキ、シャリ、ガリ、アガリ……お寿司の世界には独特の用語があります。
このような隠語を使うことが通、粋と、好んで口にする方……少なくありませんね。
現在ガリ、シャリは一般的に使われていますが、隠語は本来お店側が使うものなので、客側が使うのは、かえって品がない印象になることも。
「おあいそ」も、中高年男性がよく使われていますが、「お会計をお願いします」のほうが私は上品な印象を受けます。
130同じものを何度も頼んでいいの?
「私、中トロが好きでたくさん食べたいのですけど、何回も同じものを頼むのはマナー違反ですか?」という質問。
お好きなものは基本、複数回頼んでも問題はありませんし、「とても美味しいです。
もう1貫お願いします」とお伝えすれば、喜んで握ってくださるはずです。
ただし、お店側としては、より美味しさを感じられる順番で、いろいろなネタを味わってもらいたい思いもあるでしょうから、それも考慮したうえで、お好きなものをお願いしてくださいね。
131寿司店でのNGオーダーとは
「とりあえず、つまみを見つくろってもらおうかな」と、お酒とお刺身だけを召し上がって帰る……ありがちかもしれませんが、以前インタビューさせていただいたある名店の大将は、「うちは寿司屋ですから」と残念な気持ちを伝えてくださいました。
寿司店では、お寿司を味わうのが礼儀となるのです。
132気になる!楊枝問題
「テーブルに置いてあるから」という理由で、同席の方の目の前で楊枝を使うのは配慮が足りません。
手で覆って隠しながら使ったとしても、かえって「今、楊枝を使っています!」とばかりに目立ってしまいます。
あたりまえだと思っていた行為も、他人目線で見直すことが大切ですね。
いくら用意されていても、楊枝は洗面所で使うようにしましょう。
133淑女は洗面所へ
お食事の場で鼻をかみたくなったときは、できるだけ洗面所に向かいましょう。
これは国によって捉え方は異なりますが、日本では、食事の席や人前で鼻をか
むのはできるだけ避けるようにしてください。
カジュアルな外食
134お料理が運ばれるタイミングがずれてしまったら
レストランでお料理が運ばれてくるタイミングが同席の方とずれてしまうのは困りますね。
ビジネスや大切な席では、「お料理は同時に持ってきてください」とあらかじめお願いしておくと安心です。
もしも自分のお料理だけが先に来てしまった場合は、まずは相手の方のお料理が来るまで待つ姿勢を見せ、「どうぞ先に召し上がって」と促されたらいただきましょう。
ただし、メインゲストがいる場合や、目上の方とご一緒のときは、その方が食べ始めるのを待つのが原則です。
反対に自分のお料理が遅い場合は、「お気になさらず。
温かいうちにどうぞ」と、遠慮なく先に召し上がっていただくよう促しましょう。
135シェア料理は、きっちり人数分に分けるべき?
大皿のお料理をめいめいがお皿に取り分ける場合、唐揚げなどのように個数がわかるものなら人数で割れますが、サラダやパスタ、煮物などは、一巡で終わる量を取るのがよいのか、それとも、もう少し食べたい方が2回目を取れるようにするか、迷いますね。
メンバーや参加者の関係性にもよりますが、何でもキチッと人数分で割るよりも、「召し上がりたい方はまたどうぞ」というスタンスで多少余裕を持たせて取るほうが、大人の余裕を感じさせますね。
136フォーク(ナイフ)レストの使い方
カジュアルなイタリアンやフレンチなどのお店では、「フォーク(ナイフ)レスト」と呼ばれるバーのようなものが右側にセッティングされていることがあります。
前菜、メインを同じナイフとフォークでいただけるよう、一皿が終わったらそこに置いておくためのものです。
これは箸置きとは異なり、ひと口食べるごとに置く必要はありません。
食事中はお皿にハの字に置きましょう。
137乾杯はソフトドリンクでもいい?
現在はお酒を飲まない方に無理にすすめることはなくなりつつありますので、乾杯もその後もソフトドリンクでまったく問題ありません。
乾杯の写真を撮る時など、ひとりだけオレンジジュースだと浮いてしまいそうで気になる……という方は、形だけお酒のグラスを手にし、その後「口をつけていないのでどうぞ」と親しい方に飲んでいただいても。
138お酒をすすめられたら
以前、中国で会食にお誘いいただいた際、若い方たちのほとんどが初めからまったくお酒を飲まれないことに驚きました。
日本ではまだ「1杯くらいならいいでしょ?」「飲んでる?」とすすめられることもありますね。
いただいてしまうとその後もすすめられてしまうので、「アルコールのアレルギーで」「ドクターストップなんです」など、最初からお伝えしておくと、お互いに気をつかわなくて済みます。
人や空気に流されず、その場できちんとNOを言えることは、大切なスキルです。
ただし、すすめて下さったことへのお礼の言葉も忘れずに。
139お酒を飲まない人への会計時の配慮
会食では、お酒をたくさん召し上がる方もいれば、一切口にしない方もいます。
お酒好きな方の中には、「そんな細かいこと」「雰囲気を楽しんだでしょ」と全員で割り勘を、という意識の方もいらっしゃいます。
ただ、お酒を頼んだ方と飲まない方の金額がかなり異なるときに、一律に割り勘にしてしまうのは配慮が足りないかもしれません。
1円単位までキッチリ計算するのは大人の集まりにはふさわしくありませんが、幹事さんがそれぞれが召し上がった量をある程度計算し提示すると、違和感なく会計できますね。
各自が「私はこちらをいただいたのでお支払いします」とお伝えすることも必要でしょう。
140最後にひとつ残ったらどうする?
取り分けていただく大皿料理やお菓子などが、最後にひとつだけ残ってしまうことがありますね。
「どうも手が出しづらい」ということで、みんな気になってはいるものの、どなたも召し上がらないまま時間が経過していく─。
私はこの場合、最後から2番目、つまり、ひとつだけ残してその直前に取った方が配慮すべきだと思います。
ご自身が取るときに「こちら、どなたか召し上がらない?」と最後のひとつをみなさんにすすめて差し上げればよいのです。
今後、このような場面ではぜひこのお声がけをしてみてくださいね。
141食べ終わったお皿で育ちがわかる
お食事後のお皿はキレイですか?たとえ食べているときの所作が美しくても、食後のお皿の上まで心配りができていない方は「育ちがいい人」とは言えません。
あなたのお皿は同席の方の目にももちろん入ります。
また、下げていただく給仕の方への思いやりとしても、できるだけ汚さず、美しい状態にしておきたいですね。
ソース類はなるべく広がり過ぎないよう召し上がってください。
骨や殻などの食べられないものや残したお料理はひとまとめにしておきましょう。
食べ終わったお皿の状態までが「テーブルマナー」です。
142スマートな割り勘の仕方
ママ同士の食事会など、グループでの食事の際、お会計時にもたつくのはスマートではありません。
お酒を飲まない人への配慮も必要であればなおさら、あらかじめ会計方法を考えておきましょう。
次のようにするのがおすすめです。
・会費制、または3000円、5000円など1人の金額を決めておき、その金額の中でオーダー・飲み物は別会計で各自が好きなものを注文し、各自で支払う。
そのことをお店にも伝えておくみなさんの意向にあった方法で、明朗会計に!
143経済力が異なる場合のお店選び
1回の食事に対して適当と感じる金額は、人それぞれ。
「せっかく久々に会うのにファミレス?」と感じる方もいれば、「ランチに3000円は高い!」と思う方も。
参加者のどなたかに負担がかかると2回目につながらなくなってしまいますので、二人で会うときも複数での会食も、みなさんが気持ちよく参加できるよう、お店選びは慎重にしたいもの。
お店を相談する際には、価格帯が異なるお店を提案しましょう。
ただし、同じフレンチで値段だけが3段階では、低価格のお店を希望しづらいもの。
「高価格帯のフレンチ」「カジュアルなイタリアン」「気楽なエスニック」など、お料理のジャンルもいくつか提案することで、「エスニックが食べたいわ」と伝えやすくなります。
こんなとき、不参加の言い訳をさせずに済む配慮ができる方が、育ちがいい人です。
食べ方に迷うもの
144カレーライス
カレーライスを食べ終えたとき、お皿にルーがたくさんついている状態は気になりますね。
ここではその心配を最小限に抑える食べ方をお伝えします。
一般的にカレーのルーをライスに移動させながら食べる方が多いようですが、ルーとライスの境目のところから食べ始めてみてください。
その後も、食べ終わった部分へライスを寄せていきながら、同様に境目のところから食べ進めていきます。
こうすると、都度寄せていったライスがルーの跡を拭ってくれるため、食後のお皿がきれいな状態となるのです。
カジュアルなカレーこそ美しく召し上がれるのは理想ですね。
145両手で食べるのがお行儀がよいとは限らない
おにぎり、サンドイッチ、ドーナツなど、手で持っていただくものは、両手で持ったほうがお行儀がよいと思ったことはありませんか?和のマナーとして両手使いが丁寧という思いがそうさせるのでしょう。
しかし、食べ続けて小さくなってきたものや、元々ミニサイズのものを両手で持って召し上がる姿は、実はあまりエレガントではないのです。
アフタヌーンティーのフィンガーフードなども同様です。
片手サイズのものは片手で。
わざわざ両手に持って食べると幼い子のような印象を与えてしまいますよ。
146サンドイッチに歯形を残さない!
サンドイッチやハンバーガー、マドレーヌ、どら焼きなどをかみ切るときは、必然的に歯形がはっきりと残ります。
上品にいただきたいレディとしてはちょっと避けたいですね。
そこでおすすめなのは、ひと口分を2回に分けるというもの。
かむ位置を少しずらして2回かむのです。
これは前作でもご紹介した、食べ物に歯形を残さないためのちょっとしたスキルです。
147サンドイッチは縦に食べる
歯形を残さない食べ方で、もうひとつおすすめの方法があります。
それは「縦にして食べる」!通常、サンドイッチは横に寝かせた状態に持って食べますが、それを90度回して縦にするのです。
アフタヌーンティーやパーティなどで出されるミニサイズのサンドイッチで試していただくと、歯形がつかないだけでなく、具が横からはみ出るストレスもなく、美しいまま食べることができます。
サンドイッチだけではなく、ハンバーガーなども残りが少なくなってきたらクルッと回して縦にしてみてください。
148ハンバーガーは〝諏内持ち〟で
ハンバーガーや具がたっぷり挟まれたクラブハウスサンドイッチなど、ボリュームのあるフィンガーフードでも、具がはみ出ないよう美しく食べる方法があります。
それは、私が学生時代から行っている〝諏内持ち〟!多くの方はバンズの下側を親指で支え、残り4本の指で上のバンズを押さえて食べていると思います。
それを、人差し指、中指の2本をバンズの上に、残り3本の指はバーガーの下側に回して挟み持ちます。
女性は両手で行ってくださいね。
こうすると、バンズのサイド部分も向こう側も、そして上下からもまんべんなく押さえることができ、具がはみ出にくく、バンズがずれることもなく、安定していただけます。
ぜひお試しになってみて。
149大きな口を開ける姿を見られたくない!
デートなどで大きな口を開けて食べている姿は見られたくない!——それでしたら、ハンバーガーを包んであるペーパーやナプキンで口元を隠せばいいので
す。
包み紙にせよナプキンにせよ、食べる部分の上側にきている紙だけを軽く上に持ち上げます。
たったこれだけでごく自然に口元が隠せ、心配なく召し上がっていただけます。
150お饅頭や中華まんはどう食べる?
あんまんや肉まんに代表される中華まんはもちろん、黒文字(和菓子などをいただくための菓子楊枝)などが添えられていないお饅頭は、手でいただいて構いません。
いずれも手で割ってから口に運ぶほうが上品ですが、うまくひと口分に割れない場合もありますね。
レストランでいただくパンとは異なりますので、必ずひと口分にちぎって……というマナーはありません。
割りやすいふた口分ほどにしてからかんでも大丈夫。
その際、サンドイッチと同様に、縦にして食べるとあんがはみ出しにくく、また、歯形も残りません。
151スープをこぼさず小籠包をいただく
熱々のスープが醍醐味の小籠包は、中のスープごとひと口でいただくのがいちばん美味しいもの。
しかし、「ひと口では無理」「途中で皮が破れてスープが飛び散ってしまう」など上手に食べるのは難しいものです。
小籠包は、皮の横側をお箸で挟むと皮が破れてしまいますので、先端部分をそっと摘んでレンゲの上にのせます。
いったんレンゲに乗せるのは、失敗してもレンゲでスープを受け止めるため。
大きいものは、レンゲごと口元に運び、ひと口で半分ほどいただきましょう。
また、かなり熱い場合は、皮部分をほんの少しだけかじって穴を開け、中身を少し冷ましてから召し上がってもよいでしょう。
152ピザは「3点持ち」で
本場イタリアではナイフとフォークを使いますが、個人的には手でいただいたほうが美味しいように感じます。
ただ、三角にカットされたピザを手で持つと、先端部分が下に垂れ下がってしまい、食べづらいこともありますね。
そんなときは、ピザの左右両方の角を、それぞれ親指と中指で持ち、ピンと伸ばした薬指でピザの中程を底から支えます。
これが、私が推奨する「ピザの3点持ち」!それでも先端が下がってしまう大きなピザや、ナポリピザのように薄い生地の場合は、先端だけ折りたたんで召し上がってください。
153ひとりでも「いただきます」が言える
「女性が社食でひとりランチを食べるときに、小さな声で『いただきます』と言ってきちんとお辞儀をしている姿を見て、とても素敵だと思った」という男性の話を聞いたことがあります。
誰も見ていないときにこそ、その方の本質が表れます。
たまたま遠くから目にされたこの男性の気持ち、わかりますね。
和菓子・スイーツ
154大福、桜餅、草餅など伸びる和菓子の食べ方
大福のように生地が伸びるタイプの和菓子も、歯形がつくのを避けたい場合は、ひと口分をずらして2回かみます。
また、かみ切った部分の上下の生地がくっついてしまい、横からあんがはみ出るのが気になる方は、ほどよいところで縦に持ち替えてください。
下の歯だけが生地に当たるので歯形もつきませんし、かみ切りやすくもなります。
155和菓子のきれいな食べ方
ここでは、「うぐいす餅」を「黒文字」でいただく例でご説明します。
「うぐいす餅」とは、あんを求肥で包み、周りに青大豆を挽いて粉にしたうぐいす粉をまぶした和菓子です。
「黒文字」はクスノキ科のクロモジの枝から作った、和菓子を召し上がる際によく使われる楊枝のこと。
放射状などにカットしていく際、いっぺんに切ろうとするとお餅の上下がくっついてしまいますので手前から奥側へ2〜3回続けて楊枝を入れていくのがおすすめです。
ひと口大になったものに横から楊枝を刺せば、真上から刺すよりもあんがはみ出にくくなります。
また、お皿に落ちたうぐいす粉はすべて食べる必要はありませんが、お餅で軽く滑らせて付着させていけば、食べ終わったあとのお皿も美しいですね。
156シュークリーム
シュークリームは、手でいただくパターンと、ナイフとフォークでいただくパターンの二つがありますので、それぞれご説明します。
・手でいただくときシューが上下に分かれている蓋付きの形状のシュークリームは、蓋をはずしてひと口大にちぎり、そちらでクリームをすくっていただきます。
一体型の場合は、上部分のシューを手でちぎり、同じようにクリームをつけていきます。
クリームを注入した穴があれば、そこからちぎっていくと簡単です。
・ナイフとフォークでいただく場合蓋付きの場合は、ナイフとフォークで蓋の部分をはずし、お皿に仰向けに置きます。
それをひと口大にカットし、ナイフでクリームをのせて食べ進めましょう。
蓋部分を食べ終わったら、次は下のシューとクリームもひと口大にカットしていただきます。
シューに切れ目がないタイプは、横からナイフを少しずつ入れて一周カットし、その後は同様に召し上がってください。
ちなみに、シュークリームという呼び方は日本独自のもの。
英語では「CreamPuff」、フランスでは「choualacrème」といいます。
海外で「シュークリーム」と言うと靴クリームと勘違いされるのでご注意を。
157食べにくいケーキNo.1のミルフィーユ
フォークを刺しても、ナイフで切ろうとしても、クリームがはみ出してしまうミルフィーユは、食べにくいお菓子の代表格。
サーブされたままではうまくカットできないので、思い切って倒します。
こうすると、フォークも刺しやすくなりますし、ナイフを当ててもサクッとカットができます。
何より、パイが上から押されないので、クリームがはみでるストレスもなくなりますね。
アフタヌーンティー
158ティーカップのソーサーは手に持つべき?
フランス料理のテーブルマナーでも、アフタヌーンティーマナー講座でも必ずいただく質問が、「ソーサーも持って飲むのが正式なマナーですよね?」というもの。
ソーサーを手にする姿はどことなく上品に見えるのでしょう。
通常の高さのテーブルで座って飲む場合は、ソーサーを持つ必要はありません。
持ったほうがよいのはカップが置かれた場所が口元から遠い位置にあるとき。
ソファに座ってローテーブルに置かれたコーヒーや紅茶を飲む場合、口元までに距離がありますのでソーサーごと持ち上げます。
立食の場でも同様です。
159美しく見えるソーサー&カップの使い方
ソーサーごとカップを持って飲むときは、まず胸元からウエストの辺りへ引き寄せ、いったん動作を止めてから飲むようにすると上品です。
また、ティーカップは、ハンドル(持ち手)部分に指を通さず、つまむように持つとエレガント。
人差し指、中指、親指の3本でハンドルをつまみ、残りの2本の指で支えるように持ちましょう。
160もっと上品にスプーンを使う
コーヒーや紅茶をスプーンで混ぜる所作を美しく優雅に見せるには、クルクルと混ぜるのではなく、縦に線を描くようにしてみてください。
前後にゆっくりとスプーンを往復させるイメージです。
この混ぜ方は所作が美しく見えるだけではなく、逆流を適度に繰り返すことで早く混ざり合うようです。
美しい所作は、見た目だけでなく、理にかなっているものも多いのです。
161使ったもの、使わないものは奥へ
コーヒーカップやティーカップでいただく際、スプーンをはじめ、スティックシュガーやポーションミルクなども、使った後はカップの向こう側へ置きましょう。
手前に置いたままでは、カップを持ち上げるたびにぶつかります。
未使用のものでも同様にしましょう。
162レモンティーのレモンはいつまで入れておく?
レモンティーに添えられた輪切りレモンは、カップの中に入れたままにしておくと苦味が出てしまいます。
紅茶の色が変わった頃を目安に、スプーンで取り出し、ほかのものと同様、カップの向こう側に置くようにしましょう。
163アフタヌーンティーのTIPS
・スコーンを縦に割らないアフタヌーンティーに欠かせない温かいスコーン。
横に割れ目ができていますので、まずは手、もしくはバターナイフなどで横方向に半分に割りましょう。
必要に応じてさらに割り、ジャムやクロテッドクリームをつけていただきます。
・スコーンをナイフで切るのはNGスコーンは、もともとスコットランド王の載冠式の際の玉座とした石を模したものといわれます。
この神聖なる石に敬意を表し、英国ではスコーンにナイフやフォークを入れることは無礼と考えられていたそう。
現在では、さまざまな国でナイフが添えられますが、覚えておくと、もしものときに失礼になりませんね。
・クロテッドクリームとジャムはどちらが先?スコーンには、クロテッドクリームとジャムが定番。
どちらを先につけるのがマナーということはありませんが、こだわり派は「ジャムから」とも言われています。
理由は、「温かいスコーンにクロテッドクリームを先につけてしまうと溶けて流れてしまうから」。
先にジャムを塗り、その上にクロテッドクリームを重ねるということで一理あるといえます。
私もこちら派です!・紅茶は、まずストレートで味わうアフタヌーンティーという優雅なお時間にゆっくりいただく紅茶は、まずは何も足さず、茶葉そのものの味と香りを愉しみましょう。
その後は、お好みでミルクを入れて召し上がれ。
イギリス発祥のアフタヌーンティーは、通常レモンが出されることはありませんが、ご用意があれば頼んでみてもよいでしょう。
column「お好きなものから」を、そのまま受け取っていいか
、寿司店で「何から頼んだらよいか?」を気にされる方へ、参考になれば。
「今、ハワイで最も予約が取れないレストラン」といわれるリッツ・カールトンの名店「すし匠」さん。
以前、大将の中澤圭二さんと対談した際にお尋ねしたところ、「コハダ」というお答えでした。
中澤さんいわく、「玉子は専門店に外注するお店もあるが、コハダを外注しているお店はほとんどないので、お店の力量が表れる」とのこと。
お料理は基本的に、淡白なものから味の濃いものへ進んでいくのが理想です。
ですから、お寿司であればさっぱりしたコハダから始めるというのもお勧め理由のひとつなのですね。
おそらく多くのお店では、「お好きなものから召し上がっていただくのがいちばんですよ」「マナーなんて気にしなくてよろしいですよ」とおっしゃるでしょう。
しかし、サービス業としての言葉をそのまま受け取り、どのお店でも通じると考えてしまうのは、大人としていかがでしょうか。
「この順番だともっと美味しく召し上がっていただけるのに」「他のお客様が不快に思われるからやめていただきたい」との本音を口に出せないことも想像できるとよいですね。
注文する順序ひとつとっても、「職人の技術やセンスを存分に味わう」という気持ちは、職人の方への敬意であり、周りのお客様への配慮でもあり、また私たちが最も美味しくいただくための気遣いでもあるのです。
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