第4章「いつまでに」を癖にする「デッドライン」の守り方
1「遅れグセ」がつくと、あなたの評価は下がる2仕事の「優先度」は「緊急度」と「重要度」だけで決めない3「」「」4「」5難しそうな問題や仕事は、小分けにしてハードルを下げる6スキルが低くても、「作業の見積もり」がうまいと評価される!7あなたと上司の見積もり基準は違う8「」=「」÷「」9期限を守る人は会議も時間通りに終わる
1「遅れグセ」がつくと、あなたの評価は下がる「少し提出が遅れます」この「少し」の代償は少しではありません。
約束した期限である「デッドライン」を守れないと評価はマイナスです。
デッドラインに間に合わない人は、約束を守れない人です。
遅れグセがある人は、約束を破る常習犯です。
周りの人から信用されていません。
事実、約束を破られた人に話を聞くと、「あー、彼はいつもそうだから」とか「そのうちやるんじゃない」と完全に他人事です。
締め切りを守ってほしいという期待はなく、関心すら持たない状況になっています。
これは相手の期待を低くする戦略でも何でもありません。
単純に仕事したい相手として見なされていないのです。
むしろ、信頼がおけない理由で、拒否されている可能性もあります。
遅れグセのある人は、他人からの評価という前に、信用、信頼を失っていることを素直にかつ真剣に受け止めるべきです。
そして、計画通り予定を進め、自分との約束を守ること、タスクを締め切りまでに終わらせ、他人との約束を守ることが大切です。
ここで注意したい点は、約束を守るために、持っている時間とやるべき仕事量のバランスをとることです。
それを踏まえてスケジュールを組むことが重要です。
いつも遅れる人は信用されない
2仕事の「優先度」は「緊急度」と「重要度」だけで決めないよく言われている「仕事の優先順位は、緊急度と重要度をもとに決める」という考え方は、実は現場でがんばっている私たちには当てはまらないことがあります。
その理由は、緊急度や重要度自体、自分ですべてコントロールできないからです。
つまり、会社や上司が決めることが多いのです。
現実的かつ実践的な優先順位は、締め切りであるデッドラインをもとに逆算すると決まります。
その際、その仕事にかかる所要時間と他の人への依存(例えば、上司への確認、レビューの依頼)も考慮する必要があります。
仮に3つの仕事を受け持っているとします(次ページ上図参照)。
それぞれデッドラインは違います。
各作業にかかる所要時間を見積もり、逆算して着手する順番を決めるのです。
すると、3つの仕事の優先順位が見えてきます。
最初にデッドラインが迫っている仕事Bをやります。
次は仕事Cではなく、所要時間がかかる仕事Aを先にはじめる必要があることがわかります。
また、ひとつの仕事を細かく分割してデッドラインから逆算していくことで、他の人への依存も考慮しやすくなります。
仮に「企画書を提出する」という仕事のスケジュールを設定するとします。
(前ページ下図参照)まずは、「企画書の提出」をゴールとして、そこからすべきことを洗い出します。
また各作業の所要時間を見積もります。
ここで担当部門のチェックと上長のチェックの作業が自分ではコントロールできないため、作業期間の見積もりを3日間と少し長めにして、スケジュールを設定します。
すると、12営業日が必要になるため、最終締め切りから3週間ほど前にはじめる仕事だということがわかります。
ここまでわかれば1、2週間前からはじめようと漠然と思い、締め切り前にバタバタする、ということがなくなるのです。
デッドラインから逆算し優先順位を決める
3「やってみよう」を引き出す「デッドライン」デッドラインとは、必ず間に合わせなければいけない締め切りのことです。
私たちは「締め切り」や「期限」という言葉を聞くと、あまりいいイメージを持たないかもしれません。
しかし、実際には仕事で成果を効率的に出すためには必要です。
デッドラインがあることで、「そのうちやろう」という悪い先延ばしを避けることができ、「はじめないといけないよ」という心理的な後押しもしてくれます。
学生の頃、試験中にすべての問題を解かなければいけないと思うと、目の前のテストに集中しようという気になりましたよね。
あの感覚です。
デッドラインがあると、今まで以上に目の前の仕事に集中でき、仕事を早く終わらせることができます。
自分の中で本来のデッドラインより少し厳しめに時間を区切ると、仕事はうまくいくことが増えてきます。
前倒しを試みることは、自分を苦しめるのではなく、「とりあえず、はじめてみる」を促します。
仕事の失敗やギリギリになることも減らすことができるのです。
締め切りまで余裕があるからと先延ばししていると、何か突発的な仕事やトラブルが起きたとき、それらに追いかけられる状況になり、精神的に疲れます。
すると最初に依頼された余裕があったはずの仕事に対応できなくなることがあります。
一方で、自分で決めたデッドラインであれば、自分からその仕事を追いかけている感じになり、気分的にラクになります。
むしろ、「限られた時間で、どうやろう」と前向きかつ仕事のできる人の考え方にもなります。
前倒しできればしめたものです。
時間に余裕ができ、何か急ぎの案件が来ても落ち着いて対応できますし、残業を減らすこともできます。
さらに自分自身、期限より早くやれているという体験を通じて、自信にもなります。
他人からの評価も上がるかもしれません。
この成功体験を増やすことは、自分の中での習慣化につながります。
より短い時間で成果を出す自分の仕事のスタイルが確立できるのです。
期限より早く終わるように試みる
4「合格ライン」をハッキリさせるもしあなたが運転免許証をとるなら、自動車教習所に2カ月間通うと決めて、その期間、合格するためにひたすら勉強したいと思いますか?それよりは、できるだけ短い期間で試験に合格して、早く終わらせたいと思いませんか?合格ラインを明確にするというのは、この考え方に関係しています。
要するに、決まった期間をずっと努力するのではなく、合格するためには最低限、何を達成しなければならないのかを明確にし、短期間でそれを実現するのです。
限られた時間内で成果を出さなければいけない仕事において、求められている合格ラインを見極めることは重要です。
スケジュールを立てるときに、この合格ライン、つまり完成基準が明確でないと、どこまでできたら、この仕事を完了できるのかがわかりません。
仕事によって、スピード重視なのか品質重視なのかは変わってきます。
例えば、新規事業のサービスであれば、スピードを求められます。
安全に関わるサービスであれば時間をかけても品質を求められます。
どのような仕事でも合格ラインは設定できます。
「努力の量」や「納得いくレベル」という主観的な基準だと合格ラインが曖昧になるので、誰でもわかるように数値化することが重要です。
数値化のポイントは3つです。
①「なぜ?」「何?」「いつ?」の3つの問いで具体化する数値化できない理由のひとつは、目標や合格ラインが曖昧な状態で明確ではないからです。
次の3つの問いで、少しずつ具体化していくことが重要です。
・なぜ成し遂げたいのか?その理由は何ですか?・獲得したい成果は何ですか?・いつまでに成し遂げたいですか?仮に「痩せたい」という目標があったします。
3つの質問をすることで合格ラインを明確にしていきます。
「なぜ?」:昨年着れていた冬用のスーツが着られなくなったから。
「何?」:そのスーツが着られる体型を手に入れる。
「いつ?」:1月の新年会までに着られるようになりたい。
これらをまとめると、「痩せたい」という曖昧な表現が、「今年の12月末までに、昨年着られていた冬用のスーツを着られるような体型に戻したい」のように具体化できます。
さらにスーツのサイズや体型、体重などの数字を入れることで、「今年の12月末までに、3キロ痩せて、昨年着ていた冬用のスーツを着られるようになる」のように、合格ラインをより明確にすることができます。
曖昧な表現を避けることも大事です。
「上げる」「下げる」「いい」「悪い」などの表現ではなく、「実数はいくつなのか?」「何%なのか?」と問いながら具体的にしていきます。
②現状と合格ラインのギャップに目を向ける目標や合格ライン同様に、現時点での状況や能力も具体的に把握する必要があります。
つまり、現段階で、「何があって、何がないのか」「何ができていて、何ができていないのか」を把握します。
この足りないところや、できてないところが合格までのギャップであり、課題です。
例えば、「データ登録をスピードアップさせたい」ではなく、「1時間に60件データ登録したい」という目標があったとします。
しかし、現状は40件しか入れられないということが把握できれば、ギャップは20件だとわかります。
すると、この20件増やす具体的な方法を考えていけるようになります。
要するに、ギャップを数字化することで、課題を解決するために必要な取り組みを整理し、具体化し、計画していくことができるようになるのです。
③目標の達成度を測るための要素に分解する何をしたら最終目標が達成されるのかという切り口で、目標を成果やプロセスに小さく分解すると数値化できるようになります。
例えば、「品質向上を目指す」を目標にすると、目標自体を数値化するのは難しいです。
しかし、品質に関わる成果やプロセスに分解することで数値化できるようになります。
例えば、「故障によるクレーム件数を3カ月以内に半減させる」「修理に関する問い合わせ件数を1年以内に4割減らす」のように具体的にします。
このようにして求められている成果や現状、ギャップを数値化し、明確にすることで、何をすべきかがはっきりし、仕事は確実に進みます。
求められる成果を認識してからスケジュールを組む
5難しそうな問題や仕事は、小分けにしてハードルを下げる厄介なトラブルや問題を急遽対応することになったが、どこから手をつけていいかわからない。
プロジェクトや大きな仕事を任せられ、「がんばろう」と思う一方で、なかなかはじめることができない。
実際に取りかかろうと思うと、なんとなく大変そうと感じ、面倒になったり、やりたくない気持ちになってしまう。
皆さんもこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか?難しそうな問題や仕事が大きすぎてよくわからないときは、小さく分けることがポイントです。
「これくらいならわかる」「これくらいであれば、できる」と思えるところまで、小さく分けるのです。
例えば、「新製品発表セミナーを企画する」ではなく、「参加対象者を決める」「開催場所を決める」「集客方法を決める」など、仕事の流れや段階、やるべきことは何かを意識すると分けやすくなります。
一言で行動が記載できるレベルまで落とすと、最初の一歩が踏み出しやすくなります。
そして、各作業に具体的な成果目標とデッドラインを設けることが重要です。
曖昧だったものを見える化することで、作業に取りかかるハードルを下げることができるのです。
また、締め切りに余裕がある場合は、日付だけではなく、「あと何週間」「あと何日」のように残り時間を考えると、スケジュールを実感することができます。
まずはひとつトライしてみてください。
最初の一歩を踏み出すことが大切です。
実際にはじめることで、何をやるべきなのか、他の人からの支援が必要なのかなどがわかってきます。
自分から積極的に動くことで、締め切り寸前でバタバタ慌てるのではなく、事前に対策を講じることができるのです。
「これくらいならできる」まで、小さく分ける
6スキルが低くても、「作業の見積もり」がうまいと評価される!あなたは上司や先輩から「その仕事、どれくらいで終わりそう?」と聞かれたときに、早めの時間を言ってしまうことはありませんか?さらに、その時間までに終わらず、相手を待たせてしまったことはありませんか?見積もりはシンプルな作業です。
しかし、見積もりが甘いと締め切りに追われ、不安になります。
周りの人を待たせ、関連する仕事の遅延を引き起こすこともあります。
見積もりを失敗すると、周りからの評価は落ち、信用を失います。
ですから、仕事を確実に終わらせることができる少し余裕のある見積もりを作ることが大事です。
見積もりが甘い多くの人は、「うまくいったら、これくらいで終わるかな?」という期待をもとに作業期間を考えます。
人から良く思われたいという意識も強く、相手の期待に応えたいという思いから、短めの時間を答えがちです。
しかし、作業見積もりのズレは全体の流れに影響します。
このため、希望的観測をやめて、確実に仕事を完了できるのはいつかを考えることが重要です。
作業を終わらせるのに必要な時間を考えるだけではなく、同じ時期にやらなければいけない仕事の量や土日祝日などの予定も考慮する必要があります。
見積もりする際は、余裕を持たせることも大事です。
特にはじめての仕事や、不確定要素が多いプロジェクトの初期段階では、最初に見積もった作業期間の1・5倍や2倍にするなど多めに持つことも有効な手段です。
見積もりの精度を改善することで、仕事の失敗や不安を減らすことができます。
周囲からの評価も上がり、信頼獲得にもつながります。
よりいい見積もりを作り、仕事をスムーズに進めていきましょう。
希望や願望を排除し、少し余裕を持った見積もりをする
7あなたと上司の見積もり基準は違うよりいい見積もりを作ろうとしても、仕事の依頼者である上司が考える見積もりと、あなたの見積もりが違うことはよくあります。
「まだ、やってるの?」「どうして、そんなに時間がかかるの?」と言われることもあります。
そこで、依頼者とのギャップが起きて問題になる前に対策をとることが大切です。
▼依頼者とのギャップをなくす方法①先輩や同僚に相談するあなたよりもその仕事をする上での知識や経験、あるいは技術的なスキルや能力を持っている先輩や同僚に相談します。
まずは、やるべきことをできるだけ細かく洗い出し、作業の漏れがないかを確認します。
次にあなたが見積もった各作業にかかる所要時間と、先輩や同僚が考える作業時間との違いを特定します。
②ギャップの原因特定から改善策を検討するなぜ見積もりに差異が出てくるのか?その原因を具体的にしていきます。
仮に、その作業をするために必要な専門的知識を持っておらず、やり方を調べるのに多くの時間を費やすのなら、上司と相談して効率的にその知識を学ぶ計画を立てます。
また、エクセル、ワードなど仕事の基本となるソフトウェアの使い方によって作業効率に差があるのであれば、本やネットで自習、あるいは講習に参加することで効率的な使用方法を学ぶことができます。
③依頼者とスケジュールをすり合わせる依頼者には、具体的に見積もった作業期間だけではなく、例えば、専門知識がない、仕様や要件が曖昧であり成果物がわからないなどの課題や、その対策を正確に伝えることが大事です。
お互いに現状をしっかりと認識し、協力して見積もりを修正し、作りあげていかなくてはなりません。
依頼者やできる人と自分の考えている進め方を比較し違いを認識する
8「仕事の成果の価値」=「作業の質」÷「時間」仕事や計画に完璧はありません。
多くの人がその事実を知っています。
でも、ついつい私たちは、「もう少しいいものを」と思ってしまいます。
言葉では「少し」だとしても、私たちは自分自身が納得いくまで、よりいいものを目指してしまいます。
「完璧」を求めがちです。
それが自分の思い込みであることを知っていてもです。
すると、どうしても時間が足りなくなります。
締め切りギリギリに無茶な働き方をしたり、締め切りを延ばそうとします。
自分で自分の首を絞めてしまうのです。
そんなときは、完成度7割を目指しましょう。
完成度を下げるとなると、頭ではわかっていても、手を抜くイメージが先行し、否定しがちです。
理由をつけて、自分のやり方を変えられない、そんな人は多いのではないでしょうか?そこで、仕事の成果の価値を「作業の質÷時間」で考えるのです。
つまり、優先度を「作業の質」ではなく、「スピード」に置くのです。
求められているものをなるべく早く、最低限のカタチにして依頼者に見せ、依頼者に完成とするのか、あるいは改善するのかを判断してもらうのです。
そうすることで、自分の思い込みや変な感情に足を引っ張られることはなくなります。
また、シンプルに当初の予定の7割の所要時間で終わらせることを目標に仕事を進めるのも有効な手段です。
つまり、完璧な理想像を目指すのではなく、期限内に完成させ、提出することが最重要だと心がけることが大切です。
最初の段階で計画や考えることに時間をかけたとしても、状況が変化し、当初の計画がムダになることもあります。
まずは、はじめてみることです。
実際に着手することで本当の状況や難しさがわかってきます。
そして必要に応じて、修正していけばいいのです。
仕事の優先度を質ではなく、スピードに置く
9期限を守る人は会議も時間通りに終わるなぜ多くの人がミーティングの内容について不満を言うのに、開始時間の遅れやミーティングの延長には寛容なのでしょうか?仕事をきちんと終わらせることができる人は、仕事を完了させる条件や基準をしっかりと設けています。
ミーティングや会議についても同様です。
ミーティングの前に目的やゴールは何かを決めること、つまりミーティングの終了条件を明確にすることが重要です。
目的を達成すれば、終了時間よりも前に終わらせることができます。
ミーティングの目的は、誰が、いつまでに、何をするかを決めることです。
ミーティングを有効に活用し、短時間で成果を出すことに集中しましょう。
次のチェックリストを使って、あなたはミーティング時間を減らすために、本当にやるべきことをやっているかを確認してみてください。
□ミーティングの目的は明確で、参加者と共有できていますか□「進捗確認」「企画会議」など曖昧なものではなく、具体的な目的になっていますか□ミーティングの前にアジェンダ(議題)やゴール、関係資料を配付していますか□何について意見やアイデアを用意してもらうのかを事前に伝えていますか□話し合うためのたたき台をしっかり準備していますか□課題や状況を整理し、解決策のアイデアや提案、かかる費用などを準備していますか□開始時間と終了時間を宣言していますか□ミーティングの時間や長さに神経質になっていますか□議題ごとに時間配分を確認していますか□タイマーを使ったり、時計を使って時間を頻繁に確認していますか□ミーティングに必要な人だけ参加していますか□参加理由を説明できますかミーティングの終了条件を決める
第4章まとめ・デッドラインに間に合わないということは、約束を破ることと同じ・デッドラインから逆算して、取りかかる作業を決める・デッドラインがあるから仕事になる・誰でもわかる完成基準を作る・どこから手をつけていいか迷ったら、わかるレベルまで小さくわける・仕事の所要時間を求められたら、経験者から学び成長できるチャンス・求められている基準とあなたのこだわりは違う・期限内に完成させることが最重要・ミーティングを早く終わらせたければ、全力で終了条件を満たしにいく
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