15締切2日前の提出。2本早い電車。結局、「前倒し」がすべて 少し早めに締切を設定するだけで良い
◆最後に帳尻を合わせようとするからバタバタする
もし、いつも締切直前にバタバタしてしまうとしたら、どこかでこう思っていませんか?「最後に帳尻が合えば良い」と。昔、私もそう思っていました。でも、この考え方は危険です。知らないところで「配慮がない人だな」と思われても仕方がありません。
あるケースで考えてみましょう。あなたが緊急のクレーム対応に追われていたとします。メールの受信箱を見ると、社内のAさんから1通のメール。
そのメールを読むと、「修正点があれば、明日までに返事をもらってもよろしいですか?」とある。内容は、顧客リストの住所、社名が間違えていないかのチェック。
エクセルの添付を開けてみると、ザッと300件。さて、その時、あなたはどう思いますか。
「それどころじゃないのに……。もっと早く言ってよ」と思いますよね。こういうこと。自分勝手だと思われても仕方ないのです。
時間に疎い人は、お金の貸し借りに疎い人と同じくらいに、確実に信用を失っていると思ったほうが良いでしょう。
いわゆる段取りの良い人は、この怖さを知っているのです。だから、あえて余裕を持った「マイ締切」を必ず設けています。
ちなみに、この余裕のことをビジネス用語では「バッファ(緩衝)」と呼び、この「バッファ」を設けることで、想定外のアクシデントに対応します。
実際の締切よりも前に、マイ締切を設定することで、約束日よりも早く提出できるようになります。これはすべてのことに対し、約束した締切よりも早く締切を設定する方法です。
イメージとしては、1~2割程度の前倒しをすると良いでしょう。次の図をご覧ください。このように、木曜日の16時が締切なら、水曜の朝には提出するよう予定を組んでおきます。こうするだけで、言ってみれば相手に1~2日の余裕をプレゼントできる、というわけです。

◆「マイ締切」を設けるだけで評価もアップ
「マイ締切」を活用するシーンは、他にもあります。電車で出かける際は、2本早い電車に乗る(電車遅延でも相手を待たせない配慮)。アポイントの15分前には先方に到着しておく(受付で行列ができていることもあるので、遅刻しない配慮)。
たった、これだけのことですが、「マイ締切」を設けるだけで、時間にゆとりができるばかりか、あなたの評価も高まります。なぜ、評価されるのか。相手にとって時間はとても貴重だからです。
締切に遅れがちな人は、今日も、明日も、その次の日も、できる限り頑張っていたら、きっと成果が出せると信じて働いているところがあります。
しかし、なりゆきでとにかく頑張る働き方は、一生懸命にやったとしても、途中で時間切れになってしまう危険があります。
一方、段取りの良い人は、「終わり」から逆算してスケジュールを立てています。
彼らは、達成するために必要なタスクを月、週、日単位に割り振って、いつまでに何をどこまで到達しておかなければならないかを明確にしています。
さらに「マイ締切」を設定しているので、時間切れになることはほとんどありません。「マイ締切」を設定するのに能力は関係ありません。誰もがすぐにできること。ぜひ、オススメしたいノウハウです。
16予定は「入ってくる」ものではない。「入れる」もの 早い段階で、いかにスケジュールを確定させるかが、余裕を作るコツ
◆2週間前には手帳を8割埋めている
スケジュールをどのように立てると良いのか、という質問をいただきます。というのも、私の予定はいつもビッシリなのに、なぜか余裕があることを不思議に思われることが多いからです。
たしかに、「研修、講演、コーチング」で年の200回は埋まっており、研修のテキストは全部、自前で作成し、また、紹介やインターネットからのお問い合わせをいただくと、自らが打合せに出向き、お客様に定期的に訪問することも心がけているので、ほとんど外出。
連載は3本。本は年に3~4冊。いかなるメールも即レスを基本とし、一方で、息抜きがてら、ジムに週2回、英会話に週2回。結婚20年。
派手さはないですが家庭も円満です。旅行にも必ず行くようにしています。でも、バタつくこともないですし、ストレスもそれほどありません。
種明かしをすると、これは確実にスケジューリングのおかげです。私のスケジュールをお見せします。
研修と講演が2回しか入っていない、いわば「打合せウィーク」を抜粋したものです。見ていただきたいのは、3点。これをおさえておくと、バタつくことなく生産的なスケジュールを組むことができます。
- ●ほとんどが、2~4週前までには決まっている
- ●前週には、隙間時間を埋めるべく、アポイントを入れている
- ●突発の用事があったとしても、移動時間と隙間時間にしかやらない(やれない)
もちろん、ビジネスの特性にも左右はされますが、基本は、いかに早く予定を埋めていくかです。
旅行やセミナーに参加するなら、3カ月前には予定がわかるはずですし、美容院に行ったり、友人と会う予定なら、1カ月前には決められるはずです。商談もこちらから働きかけると、1カ月前には決められます。つまり、早い段階でスケジュールのあいまいさをなくすことが基本なのです。
そうすることで時間に振り回されることなく、自分が心地良いペースで仕事を進めていけます。

◆隙間時間を突発の用事にあてる
新人だったら、営業だったら、いわば相手の都合に合わせないといけない状況だったらどうするのか?との疑問もあると思います。違うのです。だからこそ、先に予定を埋めるのです。
可能な限り先を読み、こちらから予定をおさえにかかります。それでも突発で用事が入る場合は、隙間時間で対応するしかありません。
そう考えると、隙間時間を〈適正に空けておく〉ことも重要な作戦と言えるでしょう。段取りが良い人の手帳を見ると、びっしり予定が書き込まれています。
彼らは、「予定は向こうから入ってくるものではなく、自分で作るもの」だと思っているので、先々の予定までどんどん埋めているのです。
一方で、段取りが悪い人の手帳には所々にしか予定が書き込まれていません。やるべきことを詳細に把握できていないので、予定が埋まらないのです。そして結局、目の前の仕事に追われてしまいます。結論です。
スケジューリングは先手必勝がセオリー。ぜひ、3カ月先の予定を埋める勢いで先を見通してみてください。きっと、時間に翻弄されなくなりますよ。
17TODOリストのキモは「所要時間」にある ムリのないタスク量で、時間に余裕を持った計画を立てる
◆盛り込みすぎで4割のタスクが未完了に
TODOリストを作成しても、4割のタスクが未完了のままになってしまうと言われます。実は、TODOリストの作り方に問題がある場合が少なくないのです。ここでは、確実に完了に導くTODOリストを作成するコツを紹介します。
①タスクを分解する「営業会議の準備」とリストに書くだけではザックリしすぎです。
「会議室をおさえる」「出欠を確認する」「議事予定を送っておく」といったように、タスクを分解して具体的な実行リストにしましょう。
②ムリのない「タスク量」に抑える(所要時間も書いておき、総時間で管理をする)
未完了になる人のTODOリストを見ると、つい欲張って盛り込みすぎ、タイムアップになっていることも多いようです。
その期間内に終えられる量にすることが絶対の条件です。1つは、タスクごとに所要時間を記入してみてください。また、「書くほどではない生活のルーティーン」は書かないことです。
たとえば、「昼食」「日経新聞を買う」等は、書かなくても良いことに入ります。〈絶対にやらないといけないこと〉だけをリスト化しましょう。
③アクシデントに対応できる「タスク量」に抑える
タスクが未完了になる大きな原因は、予期せぬ「アクシデント」が起こることと言われています。たとえば、突然のお客様からの電話、依頼メールの対応に思った以上に時間がかかってしまった等です。
タスクは詰め込みすぎず、アクシデントが起きても対応できる量にしておきましょう。1日8時間勤務なら、1時間半位の余裕は見たほうが良いでしょう。
この①~③の流れに沿ってTODOリストを作成することで、タスクのやり残しをなくすことができます。

18朝、今日することを決めるのでは遅すぎる 始業と同時にスタートを切れないのは、もったいない!
◆前日までにリスト化しておくのが鉄則
出勤してから、「朝の忙しい時に、TODOリストを作る」なんて、時間のムダ。これは私の持論です。
マラソンで例えるなら、スターターが「パーン」と鳴らした時に、準備でモタモタしているイメージ。始業と同時に、走り出したいところです。
TODOリスト作りは、前日までにサクッと済ませておきましょう。ルールは3つ。
- ●作成は「前日の退社前」まで(当日の朝は確認するだけに)
- ●長くても「5分程度で」終える
- ●忙しい人は「隙間時間」に作っておく
でも、どうでしょう。
前日に作成するのって面倒だと思いませんか?1分でも早く帰りたいですよね。だから「隙間時間」の活用なのです。
デスクに座ってやらず、帰り道、もしくは日中の移動等の隙間時間でやってしまうのがコツ。手書きのメモでも良いでしょうし、スマホ、タブレットで作成しても良いでしょう。面倒なことは、隙間時間を使ってサクッと終えるのが、正解です。
一方、第23項でご紹介する長期スパンのスケジュールは、5分と言わず、10~20分程度時間をかけ、書き出したタスクをTODOリストに書いておくと良いでしょう。
長期をしっかり考え、短期はサクッと。これがTODOリストを考えるポイントです。

19戦略的に、後回しをあえてする 今やらなくても良いことはやらない
◆すべてのタスクが緊急案件に見えたら
突然ですが、「トリアージ」って、聞いたことありますか?災害時において、「救急搬送の順位付け」で用いられるものです。
たとえば、大きな災害があった場合、目の前の人から助けるのではなく、「緊急度」の高い人から搬送する、というもの。そうすることで、より多くの命を救えるという方法です。
これは、「緊急度の高い人」を見立てる「基準」が明確だからこそできるわけです。さて、話はタイムマネジメント。
電話やメール、気が付けばバタバタして、思った以上の成果を得られずに1日が終わってしまうことはないですか。
タイムマネジメントのノウハウに、「緊急度」と「重要度」で考えよ、というものがありますが、それができないから悩むわけです。
実は、よくいただく質問があります。
「全部が緊急案件に見えてしまう。どうすれば良いか?」といった質問です。この場合、緊急度を見立てる具体的な「基準」が必要だということ。
では、さっそくオススメの「基準」を紹介しましょう。それが、この基準。
【緊急度を見立てる基準】
- ●「後回しにしても成果に影響しない」ものは、後回しにする
- ●残ったものが「緊急案件」
「何、それ?」と思われたかもしれません。でも、これがとても実践的なのです。まず、先々のタスクを見通せる「タスク表」を用意します。
そして、後回しにしても成果に影響しないものは、後に回す。すると、残ったものが今やるべきこと、というわけです。
それが次図の例。
図の締切は「余裕を持ったマイ締切」。所要時間は「余裕を持った時間」です。いかがでしょう。恐らく、こう思われたと思います。
「後回しにすると言っても、相手を待たせることになるのでは……」と。そうならないために、納期を明確にしておきます。
「再来週の月曜まででも問題ないですか?」と。これで、待たせることはなくなります。まず、納期を設定することも重要となります。
この法則で考えると、後に回したほうが良いものはたくさんあることに気付けます。書類作成、手配等、今週やらなくても大丈夫なことは意外にたくさんあるのです。

◆今日のノルマをできるだけ減らす発想
そして、追加。後に回したタスクについては、余裕ができれば隙間時間に少しずつ処理しましょう。そうすることで、先々のタスクも軽減されます。
私の場合は、今日やることをできるだけ減らしたいので、ずらせるものは積極的に後回しにしています。
その結果、今週やるべきことは確実に終わらせることができ、気持ちにも余裕ができます。中途半端に抱えているタスクがいくつもあると、つい気になってしまうもの。
そんなよけいな心配をしなくても良いように、やるべきことを絞り確実に終わらせて、早くに手離れしてしまうのです。
そして、翌週以降に回したタスクを隙間時間に片づけていきます。さらに余裕がある時は、1カ月以内にやるべきタスクにも、できる範囲で手をつけます。
そうすることで、抱えているタスクがますますなくなり、晴れ晴れとした気持ちになれるのです。さて、まとめましょう。
まずは先々まで見通せるタスク表を用意し、成果に影響しないものは、戦略的に後に回しましょう。
そうすることで、誰にも迷惑をかけることなく、それでいて時間内に成果をしっかりと残せるようになります。

20そのメール、その資料、本当に必要ですか? 「価値を生むか生まないか」が重要度を見分ける基準
◆「主作業」「付随作業」「ムダ作業」に仕分ける
よく「何を捨てるかが重要だ」と言われます。しかし、そんなことを言われても、わかったような、わからないような、どことなく悟りの境地の「難解な名言」のようにも聞こえてしまうものです。
この本では、しつこいくらいに「成果に影響しないことは、やめることだ」と出てきます。ムダな作業への頑張りほど、ムダなことはありません。
ここでは、〈重要度〉の観点から、優先順位の見立て方、ムダの見つけ方について詳しく紹介していきます。まず、結論から。
【ムダを見つける方法】
作業を「主作業」「付随作業」「ムダ作業」の3つに分ける解説します。作業には3つの種類があります。次の図をご覧ください。
これはトヨタの管理手法として有名になった分け方ですが、今では多くの製造現場で徹底的に言われ続けている分類です。
ホワイトカラーはもちろん、あらゆる職種にも適用できます。仕分けた後、「主作業」を増やし、「付随作業」は減らし、「ムダ作業」はなくすことを考えます。
1つ1つの作業をする際、これは〈どの作業〉なのかを考えることで、ムダに対する視力(判断力)は高まります。
まずは、先週1週間分にやったタスクを振り返ってみませんか?仕分けてみると、意外とムダな作業が多いことがわかりますよ。

21仕事のスピードは「悲観値」と「更新」の繰り返しで上がる なりゆきで仕事をすると、いつまでたっても遅いまま
◆「30分で終えよう」と見立ててスタート
この本には、何度も「1つ1つのタスクの所要時間」のことが出てきます。それだけ、ムリなくタスクを遂行する上では、極めて重要な要素だからですが、1つ1つのタスクに対して所要時間を決めずに作業に取りかかる人も少なくありません。
所要時間を決めないと、ズルズルと仕事をしてしまい、他の人はすでに終えているのに、気が付けば「え!もう夕方?」なんてことにもなりかねません。
それが「仕事の遅い人」というレッテルを貼られる一因になっていたりします。しかし、一方で、所要時間の決め方がわからないという声もあります。でも、難しく考えなくて大丈夫です。
【所要時間を決める方法】
- STEP1:初期設定は「精緻」でなくてOK。ただし、「悲観値」で考える
- STEP2:2回目以降は、常に「更新」を狙う
所要時間は最初から決まっているものではなく、人によっても異なります。経験の繰り返しの中でつかんでいくものです。
まずは「初期設定」。頭の中で作業の所要時間を想像し、「速い」「ふつう」「遅い」の3つのうち「遅い」を選びます。
想像でOKです。ここからスタートします。その後、実際にやってみると、その通りに行かないこともあるでしょう。速くなることもありますし、もっと遅くなるかもしれません。
ただ、それが〈今〉の所要時間です。そして、「更新」。〈今〉と言っているのは、常に更新することを狙うからです。
◆次は15分、10分……と目指す
次の例を見てみましょう。最初は30分で見立てたものが15分内で済むようになる、というわけです。このように所要時間を更新できるのは、次の2つの力が働いているためです。
●学習効果:経験を積むことで、より効率的になる
●改善力:やりっぱなしにするのではなく、「何をすればもっと速くなるだろう」と考えることで、さらに速くなるそして、この2つの力をより効果的に得るためには、次の2つの努力をすることです。
●「成功要因」「失敗要因」を考える(結果だけで一喜一憂しない)
●「成功事例」に関心を寄せる(自社はもちろん他社での成功事例もチェック)このように、仕事の速い人の方法を参考にすることや、ビジネス雑誌で紹介されるような残業削減に成功している工夫を取り入れてみることで、タスク処理のスピードがさらに高まります。
さて、結論です。
「所要時間」を決める際、精緻である必要はありません。「悲観値」で考え、常に「更新」を目指すのが正解です。そして、繰り返しになりますが、劇的な「更新」を狙うためには、もう2つの努力も必要。
1つは、「結果」だけではなく「要因」を考えること(自分は人と比べて仕事が遅い。なぜ遅いんだろう。他の人はどうしているのかな?どうすれば自分も速くできるんだろう)。
もう1つは、他の「成功事例」にも目を向けることです(仕事が速い人がやっていることを知り、真似をする)。
この反復の中で、あなたにとっての「ベストな所要時間」は決まります。

22PDCAで一番大切なのは、実は「C=振り返り」 「また計画通りに進まなかった……」を防ぐ一番の方法
◆やりっぱなしだと、また同じミスをしてしまう
せっかく作ったTODOリストも、計画通りに進まないことがあります。もし、この時に〈なぜ、そうなったのか?〉を考えておかないと、また同じことを繰り返してしまいます。
何事もそうですが、すぐに上達する人と、なかなか上達しない人の差は、〈振り返る〉ことをしているかどうかの差だと言われます。
でも、悲観的になることもないですし、もちろんTODOリストなんて意味がない、と投げやりになる必要はありません。
大事なことは1つ。同じミスは避ける。これだけでOK。そのためには、計画通りに進まなかった時、必ずしていただきたいことがあります。
- STEP1:今日の予定を修正する(安易に「残業」で対応しようとしない)
- STEP2:計画通りにいかなかった要因を確認する
- STEP3:同じミスをしないよう、再発防止の対策を決める
では、STEP1~3について、例を用いて解説しましょう。まずは、STEP1「今日の予定を修正する」。退社時間を延ばす発想は、時代遅れです。
今の時代は、時間内に終えることで対応するのが正解。具体的には、次の流れで考えます。
- ①後ろの予定の所要時間を縮める方法を考える
- ②それでもあふれるなら、明日以降に回せるものは回す
- ③それでもあふれるなら、誰かにお願いできるものは相談する
ここまでやって、どうしてもムリなら、残業で対応しないといけませんが、それは最後の最後の手段であることを理解しておかねばなりません。
◆計画通りに進まない時は、検証して対策を立てる
次は、STEP2「計画通りにいかなかった要因を確認する」。同じミスは繰り返したくないものです。再発防止をしておきたいところ。
段取りの良い人が、同じミスを繰り返さないのは、この「要因を振り返って、対策を考える」プロセスを大事にするからです。
PDCAで言うところの「C」=Checkです。頭の中で考えるだけでかまいません。まず3つの切り口で、うまくいかなかった「要因」を考えます。
- 想定外のアクシデント(不慮の事故やミスが起きなかったか?)
- 見立ての誤り(時間的に余裕を持った計画を立てていたか?)
- 集中力の欠如(ダラダラと作業していなかったか?)
そして、STEP3。「同じミスをしないよう、再発防止の対策を決める」。たとえば、「①想定外のアクシデント」の場合、2つの方向で考えられます。
1つは「想定外のアクシデントが起こらないようにする」、もう1つは「想定外のアクシデントが起こった場合の余裕を持つ」です。
ここでクイズ。不慮のアクシデントへの再発予防として正しいのはどちら?答えは、「想定外のアクシデントが起こった場合の余裕を持つ」です。
想定外のアクシデントは、これ以外のケースにおいても必ず起こるからです。このケースでは「さらに30分の余裕を見込んでおく」が一般的な対応になります。
もちろん計画通りにいかない時もありますが、たとえ進捗が遅れても、バッファがあれば、なんとかなるものです。重要なことほど、早めに締切を設定し、バッファを持つことをオススメします。
「②見立ての誤り」「③集中力の欠如」の対策についても解説をしておきましょう。
「見立ての誤り」については、次回からの所要時間に反映することで対応し、「集中力の欠如」については、ノイズを断つ(メールチェック、おしゃべりをしない)ことや、休憩を1時間に1回は取る、などで対応します。
最後に。
計画通りに進まない時は、やりっぱなしにせず検証をすることです。1週間を振り返り、なぜそうなったのかを翌週頭の朝までに検証してみてください。
そして、今週は何曜日までに、どこまで終わらせるのかを決めておくと良いでしょう。これを繰り返していくうちに、時間管理の精度が高まっていくはずです。

23複数仕事の同時進行は山場さえずらせば大丈夫 抱えている仕事を細かくタスク分けして全体を俯瞰
◆1つ1つのタスクを細かく洗い出す
「どうすれば、複数仕事をうまく同時進行できるようになるのでしょうか?」といった相談をよくいただきます。仕事が重なった時は、どうするか。抱えている複数の仕事のさばき方を漠然と考える前に、まずは1つ1つの仕事を細かく見ることが大切です。
私は次の流れでタスク管理をしています。
たとえば、マニュアル作成の仕事をいただいた場合。
- STEP1:先方と交渉して「納期」を設定
- STEP2:納期の合意を得たら、手帳に「締切日」を記入
- STEP3:同時に、先方にマニュアルを提出する「マイ締切」の記入
- STEP4:タスクを洗い出して、必要なタスクを確認
- STEP5:手帳の予定を見ながら、先1カ月のタスクを整理
第17項でも言いましたが、スケジュールを立てる時は、作業を分解して、所要時間を設定し、余裕を持って進行できるように予定を組みます。
まず、STEP4のタスクの洗い出しは、次のようになります。
- ●先方への取材
- ●マニュアルの方向性を先方に確認
- ●問題がなければ作成へ
- ●全体の3割程度ができたら途中で確認
- ●問題がなければ完成に向けて作成さて。
先ほども言いましたが、タスクを出す時に注意することは何でしたっけ?そうです。ここで大切なのは、タスクを「マニュアル作成」とだけ漠然と書いてはいけない、ということです。
タスクを細かく分けて1つ1つ目に見える形にしておくことで、いつまでに、何をどこまで達成しておかなければならないのかを意識できます。
次は、STEP5のタスク管理です。各タスクに所要時間を決め、タスク表に書きます。タスク表に書く日付は、実際の納期より早めに設定した「マイ締切」です。
これも先ほど言いました。「マイ締切」に間に合わない時は、計画を組み替えます。締切日は絶対です。
もし何らかのアクシデントで作業期間が短くなった場合は、締切日を遅らせるのではなく、タスクの総量を小さくして間に合わせる方法(たとえば、なくす、くっつける、順番を変える、もっと単純にするなど)を考えます。
そして、1つの作業だけ進める予定だったところを2つ同時進行するなどのように、計画を組み替えて対処するのです。
◆ガントチャートで調整
さて。ここからが本題です。スケジュールを立てる時は、他の予定との兼ね合いも見ておかないといけません。できるだけ仕事の山場が重ならないように、ずらして予定を組むと良いでしょう。
複数仕事を同時にこなす時にオススメなのが、ガントチャートでの進行管理です。
ガントチャートとは、タスク、納期を明確にするもので、プロジェクトやタスクが、どの時期に、いくつ重なっているのかを知る目安になります。
日付にタスク期間の矢印線を引くことで、それぞれのタスクがどのように動いているのかが、ひと目でわかります。
多忙期や余裕のある時期が一目瞭然になるので、仕事の山場をずらす時に、とても役立ちます。慣れないうちは、手書きでもかまわないのでザックリと書きながら整理すると良いでしょう。こうすることで、ヌケモレなく効率的に業務を完了できるようになります。
最後に、目の前の作業に追われないためのセルフ・クエスチョンを紹介します。
「今、いくつの作業を抱えている?」「今週中にやらないといけない作業は、いくつ?」「そのうち、今日の作業は?」「その所要時間は決めている?」
常に、この質問を自分に問いかけると良いでしょう。

24手帳を持ち歩く効果は、その重さを補って余りある デジタルにはない紙の利便性
◆実際は小さめのペットボトルと同じ重さ
最新型の薄型タブレットの軽さに驚いたことはないですか。ラップトップPCと比較すると、あまりの軽さに感動するばかりです。さて、ここで質問です。
その軽いと言われる「タブレット」と、重いとされる「ちょっと大きめの手帳(A5サイズ※)」、どちらが軽いと思いますか?変な質問だと思われたと思います。
でも、実はこういうこと。圧倒的に手帳のほうが軽いんです。たとえば、A5サイズの能率手帳は240グラム(ウィークリーリングA5)。ちなみに、タブレットの重さが450~700グラム。手帳は、タブレットの半分ほどの軽さ、というわけです。
だから、「手帳って持ち歩くのは重くないですか?」の質問に対しての回答は、こうなります。「小さなペットボトルと同じ」で、「タブレットの半分」くらいの軽さ。
これを重いと感じるかどうかは、あくまで主観ですので、断定はしにくいのですが、「小さなペットボトルでも、重くて困る」「この最新のタブレット、ちょっと重いな……」と思わないなら、手帳の重さは問題ではないでしょう。
※)A5サイズとは、14・8センチ×21センチ。カバンに入れて持ち運ぶ大きな手帳です。
◆何でも書き込み、安心して忘れられる
でも、なぜこれほどまでに手帳にこだわるのか?それは、書くことで得られる効果があまりに大きいからです。
1つは書くことで忘れなくなるということ。記憶を過信してはいけません。昨日打合せした内容なんて、25%しか覚えていないと言われます。書くと100%覚えている状態になります。
たとえば、5月にした打合せで「6月になったらセミナーの人数がわかるんだよね……」という話が出たら、6月の手帳の余白に「セミナー人数OK?」などとメモしておきます。そうすることで、うっかり忘れ防止のアラートになります。
もう1つは、頭がスッキリする効果。書くことでストレスが軽減されることは、心理療法でも実証されています(森田療法)。書くことで、頭の中を整理することができる効果は侮れません。私も、使ってみて思います。
アナログ手帳の利便性は、やはり一瞬で数週間分を俯瞰でき、しかも書き込む際は、〈一瞬〉で〈感覚的〉に、時には〈図〉を添えて書き込めることです。
では、まとめましょう。
本当のところ、別にアナログでもデジタルでもどっちでも良いんです。他のメンバーと予定を共有する必要がある人なら、デジタルのほうが便利でしょうし、共有する必要がなければ、アナログのほうが作業は速いでしょう。
大事なことは、「重いかどうか」ではない、ということ。
そして、加えるなら、「重さ」を理由に手帳を持たないという考え方は、「ミニペットボトルも重いので、のどが渇いていてもお茶を買いません」というくらいに、独特な理由に等しいと思ったほうが良いでしょう。

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