僕は最悪の話し手だった僕はたくさんの方の前で話す機会に恵まれ、のべ200万人を超える人たちに向けて話してきました。また「話すこと」によって多くのパートナーの皆さんと心を1つにして、ともに仕事を進めさせてもらっています。僕にとって「話すこと」は、まさに、なくてはならない「生きるための技術」なのです。今回はその「ノウハウのすべて」をここに書き記したいと思います。そんな僕ですが、20代前半までは決して「話の達人」でも「コミュニケーション上手」でもありませんでした。いや、それどころか、相手を言葉でやり込めて論破しては自己満足に浸るという、とても「イタイ奴」だったのです。そんな僕が「話し方」を変えるきっかけになったのは、尊敬するある先輩からのアドバイスでした。先輩からいただいた具体的なアドバイスは本文にてお伝えしますが、この先輩からの愛ある助言によって、僕はその後「話し方」について学び、それを一変させたのです。そして、「話し方」を変えてみると、周りの人たちの反応が大きく変わり、すべてが好転し始めたのです。「話せること」は最大の武器この本には、「僕がこれまで約30年間にわたって培ってきた、人の心を動かす話し方の極意」を詰め込みました。こんな本を書くってことは、自分はそのことに優れていると鼻高々と思われたらどうしようと不安になります。しかし、それでは今までたくさんのことを教えてくださった方々の知恵が眠ってしまうと思い、勇気を持って書くことを受け入れました。この本を手に取ったということは、「話すこと」に興味を持っている方ですね。ありがとうございます!そして、おめでとうございます!現代において「話すこと」「書くこと」「表現すること」は過去と比べ物にならないほど価値があることです。・誰とでも、仲良く話せるようになりたい。・人から信頼され、深くつながれるようになりたい。・自分の思いを、上手に人に伝えたい。・大切な人のモチベーションをアップさせ、やる気になってもらいたい。・たくさんの人の前で話をして、聞いている人たちを魅了したい。「話し方の技術」を習得することで、これらができるようになり、人生の大きな武器を手に入れることができます。「上手に話せるようになろう」とすると「聞く技術」も断然、アップし始めます。コミュニケーションの達人として、仕事の場面でも、恋愛でも、家族間でも、遊びにおいてもアドバンテージを感じていただける指南書となるよう、展開していきたいと思います。インターネットが普及し、人と人の関係性は大きく変わりました。SNSによって、遠くの友だちの昨日のランチすら知るようになったのです。相手の顔を見ながら電話をし、自動車も無人で走り出しました。カメラが空を飛び、生活のスタイルも大きく変わりました。しかし、どんな時代も「会話する技術」を持つものは多くの注目を得るだけではなく、大きな力を得続けているのです。この本は……。新しい自分との出会いです。今までの自分との「さよなら」とも言い換えることができます。「スゴイ!話し方」は、実はとてもさりげない
コミュニケーション能力の高い人の話し方は、さりげないのです。なので、周りの人にとっては、なにがうまく働いて良い結果になっているのかがわかりにくいのです。この本ではその「さりげない技術」について、しっかりとメスを入れ、なにを実際、学んできたかを赤裸々に語ります。『スゴイ!話し方』というタイトルなので「スゴイこと」が書かれていると思われたと思いますが、「さりげなく見える〝スゴサ〟」に触れていただきます。「しゃべり方」は「歌い方」と似ていて、いろんな歌い方があっていいのです。個性を活かした、あなた独自の「話し方」でいいと思いますが、長けている人たちの「スゴイ話し方の技術」は共通しています。「さりげない達人のワザ」を学びましょう。決して、「話し方セミナー」に行ってきた翌朝の上司のような、「いかにも学んできました」ということにはなりません。人知れず、あなたは「話し方の極意」や「コミュニケーションの秘技」をここで学び、日常で実験してください。「話し方」や「コミュニケーション」や「伝える技術」が向上すればするほど……、あなたは「何を伝えるのか?」に興味が移行していくことと思います。愛を伝える。感謝を伝える。思いを伝える。この本が「話し方の技術書」ではおさまらず、みなさんにとっての「人生の書」になるならば、書き手としてこれ以上幸せなことはないと思っています。2017年4月山﨑拓巳
さりげなく人を動かすスゴイ!話し方目次はじめに……人知れず、スゴイ!話し方を手に入れる第1章さりげなく人を動かすスゴイ!話し方1言い負かしても決して心はつかめない2スーッと受け入れられる「ものの言い方」がある3相手が自ら動いてくれるように話すコツ4響く言葉をチョイスする5その言葉に「愛」はあるか?6「」7ヒエラルヒーより「球型」が面白い8相手の「自己肯定感」を高める方法9あなたが語ると時代が動く10ダメ出しをするのは自分じゃない第2章ナチュラルに相手とつながる話し方11タイプ別のつながり方12自分よりもスゴイ人とのつながり方13初対面の相手と打ち解ける方法14ある日、突然「他己紹介」15相手とつながるために、最初に覚えること16相手とつながる2つの質問17初対面で盛り上がる「あるある会話」18全力投球でしゃべるとつながれなくなる19「」20相手と壁を作らないために気をつけること21相手と本当に深くつながるには?第3章雰囲気を作って相手を引き込む話し方22先輩たちの「場」の作り方23しゃべるときの目の使い方24しゃべるときの声の出し方25プロ歌手からの2つのアドバイス26しゃべるときの表情の作り方27しゃべるときの間の取り方28話に相手を引き込むコツ29新しい話のネタを増やす方法30面白い話のネタの仕込み方第4章必ず「YES」と言ってもらう話し方31「」「」32話すテクニックを磨くための習慣33うまいプレゼンテーションの学び方34「」35商品価値を伝えて、買っていただくには?36タイプ別の売り込み方37口に出さないで「本音」を伝えるには?38針を打つ場所を考える39「」、第5章「やる気のスイッチ」を入れるキラーフレーズ集キラーフレーズ1相手に「夢を持ってもらいたい」ときのひと言キラーフレーズ2プレッシャーに弱い相手を頑張らせたいときのひと言
キラーフレーズ3諦めそうな人を励ますときのひと言キラーフレーズ4初対面の相手との距離を短時間で縮めたいときのひと言キラーフレーズ5相手のモチベーションを上げたいときのひと言キラーフレーズ6お客様から絶対に「YES」を引き出したいときのひと言キラーフレーズ7夢を叶える自信が持てない人の背中を押すときのひと言キラーフレーズ8会議で沈黙になったときのひと言キラーフレーズ9謝罪しなければならないときのひと言キラーフレーズ10仕事でどうしても協力を仰ぎたいときのひと言第6章「場」をまわす話し方40会議では何を目指すのか?41多数決は正しくない42チェアマンに必要な資質は?43会議の「場をまわす」ときの注意点44理想の組織とは?45異なる意見をどうするか?46会議前のコンセンサス47猛者たちへの対応は?第7章大勢の心をつかむ話し方48大勢の前で話すときの「入り方」49会場がカタイときは?50話すときのペース配分は?51笑いが大切52ハプニングはおいしい53講演はキャッチボール54大勢の前で話すときの注意点155大勢の前で話すときの注意点256講演の台本のまとめ方おわりに参考文献/参考にした講演・セミナー
言い負かしても決して心はつかめない20代前半の頃の僕は、人と議論することが多く、今思えば、議論が好きだったのだと思います。そして、相手を言い負かしては得意になっていました。「君の何が間違っているか、教えてあげようか」「ここが間違っている、だから君のやり方はダメだよ」そんな僕に対して、「はいはい。君は正しい、正しい。じゃあね」とみんなが去っていきました。つまり、理詰めで論破していたんです。今にして思えば、知っている知識を駆使し、自分が正しいと証明することが一番正しい方法と思っていたのです。言っていることが正しくても、これでは相手と心を通わせることなんて、できっこありません。その証拠に、僕にやり込められた相手は、確実に協力者ではなくなっていきました。納得するどころか敵対したり、怒り出す人もいました。怒り出した相手を見て、僕は、「よかれと思って、君の間違いを正してあげたのに、なんで怒っているの?」って、キョトンとしていたんです。「一緒に仕事をしたい」「面白い人生を共有できたらいいね」そんな仲間を増やしていくなら、論破する会話方法は何の役にも立たないのです。その頃の僕は人の間違いを見つけると、それをほじくり返し、徹底的に正していました。正論を振り回すことが役に立つと思っていたのです。そんなときにアドバイスを先輩からいただきます。このアドバイスが僕を劇的に変えていきます。21歳になったばかりの頃でした。「拓、ぶつかっちゃダメだよ。そして、打ちのめしちゃダメ」「え!?」っと驚きました。「じゃ、どうやって正しいことを相手に伝えるの?」と頭の中は「?」だらけ。「君の言っていることは正しい」と相手の考え方をまず認める。そして、その次に、「君の話に納得しました。僕の話も聞いてくれる?」と「自分の思う正しい話」を話してごらんとアドバイスを受けました。すると、今までとはまったく違う展開になりだしたのです。こういうアドバイスもいただきました。「器がダサい!料理は最高だけどね」と言われるのと……。「料理、最高ですね。あと器が少し気になります」と言われるのと、どっちがいいと思う!?「拓は先に否定から入る癖があるから、順番を逆にしてみたら?」という助言は今も肝に銘じております。先輩のアドバイスにハッとなり、僕は「論破好きな自分」と別れを告げることができたんです。スゴイ!話し方1「どっちが正しい?」よりも「仲間づくり」
スーッと受け入れられる「ものの言い方」がある高校生の頃、陸上部でした。3年生のときにはキャプテン。その頃の僕は、強いチームを作りたくて、同級生や後輩たちに強く負荷をかけていました。上下関係をキッチリし、ピラミッド状の組織を作り上げました。その結果、たしかにチームは強くなりましたが、僕が卒業したときに、部員の数名が辞めていきました。そのとき、「何か違う」と確信したのです。本当の意味の「陸上を頑張る」ではなく「リーダーにどう思われるか」で、彼らは陸上部に存在していたのではという疑問が湧き上がりました。反省した僕は、大学の部活では、後輩たちの自主性を重視し、優しく接しました。すると、今度はナメられるではありませんか?!彼らは強く接する怖い先輩たちの話しか聞かなくなっていったのです。厳しくしすぎてもダメ。優しくしすぎてもダメ。この2つの経験を経て、たどりついたのが「中庸」という考え方でした。この「中庸」とは、読んで字のごとく「中間的な考え方」です。厳しいわけでもなく、甘いわけでもない。人を茶化すわけでもなく、人を上げ奉るわけでもない。この「中庸」という接し方が、人を率いるときはベストなんだと薄っすら気づいたんです。たとえば、仕事で「今月、これを頑張ります」と無理して言い張る後輩がいたとき……。「難しいんじゃない」と言うべきか?「自分で宣言したんだからやってみろ」と言うべきか?「難しいんじゃない」と言ったなら、「自分には力がないんだ」と思うかも知れません。「自分で宣言したんだからやってみろ」と言ったら、ダメだったときに追い込んでしまい、後遺症が残りかねない。つまり、どっちの言葉にもデメリットがある。「中庸」という考え方で話すなら何と言うのが良いかというと……、「それってできたら、スゴイんじゃない〜!?」この言葉には、プラスはあるけどマイナスがありません。うまくいった場合はOK。できなくても「ナイスチャレンジ」となり、傷が残らない。この「中庸」という考え方。あなたも、ぜひ意識して使ってみてください。スゴイ!話し方2人を動かしたいなら、「中庸」で話すのがおススメ
相手が自ら動いてくれるように話すコツ相手に頑張ってもらいたいとき。刺激的な言葉をかけてプッシュするのは簡単です。私たちは、相手のやる気を上げようとして、つい、短いスパンで考えて短絡的な言葉をかけてしまいがち。テンションは高まるかも知れません。しかし、テンションとは「興奮している状態」……。これはモチベーションではありません。モチベーションとは「動機付け」です。そして、相手は「自分の力」ではなく「僕の力」で動いたことになってしまいます。一時的なカンフル剤としては、それでもOKでしょう。しかし、カンフル剤は長い目で見るとマイナスになってしまうことが多い。本当に相手のことを思うなら、もっと長いスパンで見て、その人の人生をサポートしながら、その人の進みたい方向の中で大切なことを伝えてあげたほうがいい。そうやって、「やる気にさせる」というより、「本気になってもらう」のです。「やる気」と「本気」は違います。「やる気」というのは、一種の興奮状態です。ですから、あまり長続きはしません。一方、「本気」というのは、「やる気」よりも、もう少し静か。「それを頑張ることの意味」がはっきり人生と直結している状態です。そして、「いついつまでに、これをやる」という、「期限」と「数字」があるイメージです。組織を率いていくなら、やはり、メンバーには「本気」になってもらいたいところですよね。アメリカの作家、ダニエル・ピンク(DanielH.Pink、1964年~)が唱えたモチベーションの3段階をご存知ですか?○モチベーション1・0……生存(=サバイバル)するために行動する(生理的欲求)○モチベーション2・0……やればやるだけ報酬やメリットが増えるから行動する(社会的欲求・外的動機づけ)○モチベーション3・0……自分が好きなことだから行動する(自己実現欲求・内的動機づけ)このうち「モチベーション2・0」は、「アメとムチ」にたとえられます。仕事が「作業」のレベルだった時代には、この「アメとムチ」が有効でしたが、21世紀に入って仕事の中身が「クリエイティブ」になると機能しなくなりました。そして今、求められているのが、3つ目の「モチベーション3・0」を刺激する「動機づけ」です。現代では、その人の在り方、生き方に関わる価値観をちゃんと作ってあげないと、人は「本気」になってくれません。たとえば、飲食店のアルバイト大学生。将来、飲食業に就きたくて働いている店員もいれば、ただの腰掛けで働いている店員もいます。同じ「アドバイス」では、心に届きません。「飲食っていうのはな、コミュニケーションなんだよ!」というアドバイスが有効な場合もあれば、「君の年齢のときに体験すべきことが、3つある……」っていうアドバイスが有効な場合もあるのです。その人の「wants(欲求)」に紐づいた「努力をする意味」を提案できて初めて動機づけになるのです。「本気」になってもらう声がけをするには、相手の価値観を知り、それに合わせて声をかける必要があるのです。スゴイ!話し方3相手の価値観を知って声をかけ、その人の欲求と行動を結びつける
響く言葉をチョイスする「人生の大切」はたくさん、ありません。そしてそれらは、もう言い尽くされ、耳に馴染み過ぎています。ですから、よほど「言葉のチョイス」を考えないと、「そんなのもう知ってるよ」って思われるだけで、なかなか相手の心には響きません。言い古された内容を伝えるときは、いかに、まだ手垢がついていない表現を使って、相手の心に響かせるかが勝負です。たとえば、「守りに入るな」「保守的になるな」ということを伝えたいとき。「未来について考えるとき、過去の経験を踏まえると、しくじりは減るけど、万馬券は当たらなくなるんだよね」と伝えてみる。この、「万馬券は当たらなくなる」という部分が「手垢がついていない表現」というわけです。「前日に明日の準備をしておきなさい」も……、「今日の夜から明日を始めておきなさい」と言い換えることができます。こういう「言葉のストック」は表現者にとってとても重要です。ある60代の有名なミュージシャンと飲む機会がありました。コトあるごとにiPhoneを触る彼に質問してみました。「何を書いているんですか?」すると、「知らない言葉はこうやってメモって自分に送るんだよ。家帰って調べるために」という答えが返ってきました。言葉の意味を知ると物知りになります。言葉の概念を知ると世界が広がります。人生は学びの連続であり、学びの場なのですね。初めは説明するのに長々とかかる話も、何度も話すことで削がれていき、短い言葉になっていきます。コピーライターが、インパクト強く伝わる「コピー」を考えるみたいに、研ぎ澄まされた言葉に変わっていくのです。新しく知った言葉は3日以内に必ず出てくるものです。その言葉が持つ概念を理解するための大切な経験です。世界観が広がり、自分の宇宙をさらに大きく、深く、色濃く認識することが人生を素晴らしいものにしていく行為なのです。また、そんなあなたと人生で出会うことで、自分の持つ世界を広げる人が将来出てきます。これこそ、最大の社会貢献となっていくのではないでしょうか?スゴイ!話し方4相手の心に響くのは「手垢がついていない表現」
その言葉に「愛」はあるか?もしかしたら、相手にとってはツライ言葉かもしれないけれど、あえて言ってあげたほうがその人のためになりそうなとき。言うべきか?言わざるべきか?迷うことってありますよね。その苦言は、本当に100%、相手のことを考えてのものなのか?それとも、腹立たしさから嫌味を言おうとしているだけなのか?もし、後者なら「お前のためを思って言っているんだ」って言って、部下イジメをする最低な上司と同じです。そんなときは、その苦言が「正解」なのかどうか、どう判断したらいいのでしょうか?1つたしかなことは、どんな苦言でも、愛を持って伝えれば大丈夫ということ。では、伝えようとしている苦言が、本物なのかどうか、どうやってチェックすればよいのでしょう?そんなとき、僕はいつもこう考えるようにしています。もし、この場に相手の両親がいても、その苦言を相手に伝えることができるか?そう考えて、「ご両親がいても言える」と思えたら、愛を持って言おうとしているから伝えるようにします。「ちょっとご両親の前では……」と思えば、愛を持って言おうとしていないから、言わないほうがいいでしょう。スゴイ!話し方5苦言は「相手の両親の前でも言えるか?」が、言う、言わない、の基準
「自動詞」は魔法の言葉「栄養補給だ!!!」と言われるのと、「食べなさい!!」と言われるのは……。どっちの言葉を言われたほうが、より心に響きますか?いいトークができる人は、「動詞の使い方」がうまいといいます。最初の「栄養補給だ!!!」の「栄養補給」は名詞。「栄養補給って、食べることを言うんだよね?」と一度、頭の中で噛み砕きます。「食べなさい!!」のほうは動詞です。動詞は脳の深い部分、行動や感情を司る脳に響きます。実は、もっと心に響く魔法の言い方があるんです。それは「自動詞」を使うという方法。「私は食べる」「今日はダイエットを気にせずに食べるぞ!!!」となると聞いている周囲もソワソワ……。そうなんです!脳は主語認識をしないのです。「食べるぞ!」という「自動詞」は、誰かの言葉ではなく、自分の言葉として脳内に響き、認識されるのです。「上司が燃えていると、部下も燃える」というのは、これと同じロジックですね。誰かを動かそうとするより、自己成長が組織の成長に直結している理由は「自動詞」にあるのかも知れません。この「自動詞」をうまく使った名コピーがあります。「そうだ京都、行こう。」言うまでもなく、JR東海のコピーです。初めて目にしたとき、衝撃を受けました。そして感動しました。なんて素晴らしいんだと。これがもし、「京都、行きませんか?」だったら、「京都、いいな〜。でも、近場ですら最近、行けてないし……」ってなるのです。「そうだ京都、行こう。」という自動詞は脳に直接響き、行動へ導くのです。「響く」というよりは、もう、「同一化」です。この「自動詞の魔法」の力を知っていれば、いろいろな場面で応用できます。人はあなたの「言葉」ではなく、「意志」についてくるのです。スゴイ!話し方6賛同を得る話し方は「自動詞」の使い方だったんだ
ヒエラルヒーより「球型」が面白い時代の変化により、人々の重きを置く価値が変わっています。その変化に気づかないと、「あの頃はうまくいっていたのに」という結果になります。たとえば、現在の「うまく機能する組織」というのはどんな組織でしょう?上下で関係性を作り、上が下を支配していくカタチがうまく機能しなくなってきました。そのようなピラミッド型のヒエラルヒーは、高度成長期には適していたのですが、少し時代遅れな感があります。では、これから成功する「組織のカタチ」とは、いったいどんなものでしょう?上下の「縦型」より、横並びの「横型」が色濃くなって来ています。「実績・ポジション・熱い人」よりも「好き嫌い・人間性・温かい人」に人は反応します。また、「『球型の組織』が面白い」という話を聞いたことがあります。「球型の組織」とはつまり、「仕事の内容によって、組織自体がコロコロっと転がって、その仕事を一番得意にしている人がリーダーになって進める」という組織です。たとえば、あるイベントのときは、コロコロっとなって、そのイベントの取りまとめが得意な人がリーダーになるのです。場面、場面でリーダーが代わっていくような、多面的な組織形成。球型の組織にして任せると、声をかける内容も相手を尊重したものになりますよね。構成する人のつながりも緩やかで、アメーバ的な組織が良いと言われます。確固たるつながりよりも、よりなだらかなつながりが、今の時代、強いと評価されます。仕事もお祭りのようにワイワイやっていく、そんな素敵な組織を作ってみたいものです。スゴイ!話し方7場面、場面で、その分野が得意な人をリーダーにする
相手の「自己肯定感」を高める方法企業のコンサルをする友だちがいます。「50分で100万円いただいている」と聞いてビックリしました。「どんな人にどんなアドバイスをするの?」と聞いてみました。「今日の社長さんは〝社員が自分についてこない〟という悩みの持ち主だった」と答えます。「で、どんなアドバイスをしたの?」と聞くと……。「社員さんを褒めないとダメですよ」と伝えたというのです。思わず「それで100万円、もらえるの?!」と言ってしまいました。この話には続きがありました。「有能で、褒める魅力がたくさんある社員さんは社長が褒めなくても、他の人に褒められている。大切なのは褒めるところがない人です。その方々の〝当たり前〟を褒めてください。『今日も会社、来ているね』『笑顔で仕事ができてるね』と。そんなところから褒めてあげてください」っていう内容でした。このアドバイスに社長さんは、とても感心されていったそうです。やはり、この社長さんの心のどこかに、「給料を払っているんだからやって当然だ。給料以上に働いて当たり前だ!」という怒りがあったようで、反省をされて帰ったようです。(たしかに、社長さんが変わったら、それ以上の利益は上がるな〜と思いました)当たり前のことを褒めるって、とても大切ですね。実践しようとすると気づくことがあります。褒めようと思ったら、その人に関心を持たなければ褒められません。「愛情の反対は憎しみではなく無関心」です(マザーテレサの言葉)。関心を持つってことは愛の実現となります。「あっ!髪切ったんだね」「昨日のネクタイもいいけど、今日の大好きです」「パーティーのあと、片づけをやってくれたんだね」私はあなたを見ていますよ!って伝えるだけで大きな変化が起き始めます。仕事でも効果的です。「この前のイベント、大成功だったんだって?」「あ、そうなんです」「それはスゴイ!ありがとうね」あなたをちゃんと見ていますよ!ということを伝えるだけで「自己肯定感」がアップします。「お金や名誉」を大切にする時代から、「誰かの役に立ちたい」を優先する時代になりました。今の時代のリーダーは「力持ち」でも「天才君」でも「情報通」でもなく、「思いを持った人」なのです。現代の会社では、「終身雇用」も「年功序列」もなくなったのに、「定年退職」だけは残っている。魂というアプリは毎日アップデートされるのに、大昔のOSで仕事をしているようなものです。毎日、頑張っていても、漠然とした違和感を覚えます。いつリストラされるかわからない。昇給も不透明。年金も健康保険も悲鳴をあげている。今、まさに……。「自己肯定感」をみんなが求めている時代と考えることができるかも知れません。スゴイ!話し方8「当たり前のこと」を見逃さないあなたは、それを言葉に変える
あなたが語ると時代が動く昭和生まれの昭和育ちの世代は「モノ・コト」の時代……。目新しいモノを所有し、目新しいコトを体験したいと日夜、踊りました。平成生まれや平成育ちの世代は「誰かの役に立ちたい」の時代……。モノやコトに興味がなく、「ボランティアに興味があるんっすよね〜」と。「モノ・コト」世代から「車とかには興味、ないの?」と聞かれても、「いまいち、興味ないんです」とスルーしちゃいますね(笑)。「モノ・コト」世代の前の世代は?僕の親とかおじいちゃん世代は「命」の時代……。「若い頃は芋ばっかり食べてた。白いご飯はご馳走だった」と言われても、「モノ・コト」世代は眉をひそめて、渋々、かっこんだものです。しかし、「モノ・コト」世代が平成組から、しっかりと影響を受けているように、「モノ・コト」世代の影響を僕の親世代も受けているのです。それはさておき、今の時代、「誰かの役に立ちたい」平成組よりも高次の何かがあるならば、多くの人に影響を及ぼすことになるのではないか?それは……「社会貢献」です。「社会貢献っていったい何をやればいいのでしょう?」と戸惑う人も。何かをやるのではないのです。あなたが今やっているチャレンジがいったいどんな社会貢献になっているのかを見つけ、語るのです。あなたの目標達成がどんな前向きなインパクトを社会に与えますか?あなたたちが頑張ることで誰に力を与えていますか?夢(欲)に公(みんなにとってのメリット)を足すと志に変わります。『欲+公=志』たくさんの人たちが「何の役に立ったらいいか?」を探している時代に、あなたがその旗を立てることでたくさんの人があなたの元に集います。「私が頑張ることで、女性でもそういうことをしていいんだって勇気を日本の女子に与えたい」「若くても、学歴とか関係なく、面白い生き方ができるんだとみんなに知って欲しい」「小さくても、たった1人の人生に役立つことが、実は大きなことなんだって伝えたい」あなたの「志」が世の中を変えていきます。これを「バタフライエフェクト」と呼ぶのです。スゴイ!話し方9目標達成の向こうにある、社会貢献を語ろう!
ダメ出しをするのは自分じゃない気が合わないとか、ノリが違う人っています。しかし、それを超えて、ただただ嫌悪を感じる人もいます。そんなとき、あなたはどうしていますか?僕はその人のいない世界に逃げ込みます。逃げるが勝ちです。ついつい、その人の存在の嫌さを確認したくて覗き見したくなるものですが、気をつけてください。巻き込まれます。逃げるが勝ちです。自分の所属するコミュニティに苦手な人や嫌な人が現れたら……。ついつい、愚痴や噂話をしてしまいがちですが、要注意!噂話は、誰が言っていたかの「タグ」が付いて次の人へ伝わるようになっています。腹が立ったり、嫌悪が積み重なったり、嫌味を言われたりすると、ついつい、成敗したくなるものです。ここでもストップ!!!あなたが成敗したら人間関係のカルマが発生し、次にあちらサイドが仕返しを始めます。手を出さない。あなたの手を汚さない。もし、本当に悪人であったら世の中が、神様が制裁を与えます。もしも、天罰がないなら、あなたのジャッジミスと受け入れましょう。腹立たしい人たちよりも、素敵で爽快な仲間との縁を深くしましょう。いただいた嫌味な言葉は「あの一言があったので、うまくいっています」と将来言えるように精進し、素敵な未来に向けて頑張り、キラキラと輝いたオーラで進みましょう!!!スゴイ!話し方10自分から相手にダメ出しをする必要はない
タイプ別のつながり方人とつながりたくて会話をするとき。相手が男性なのか女性なのか?自分よりも年上なのか年下なのか?そうした違いによって、自分の立ち位置を変えて話をすると、相手とつながりやすくなります。■相手が異性の場合基本的に「男性脳」と「女性脳」は別物だと心得ましょう。たとえば、女の子が何か悩みごとがあって男子に相談したとき。聞いた男子は、「悩みを解消してあげなくちゃ」と思って、「それはね、ああしてこうして……」って、一生懸命に解決策を提案し始めます。でも、実は女の子のほうは解決策が聞きたくて話しているわけじゃないんです。答えなんていらない。「自分の話を聞いてもらいたい」という気持ちが強いのです。ここがわかっていないと、彼女から、「いいから黙って聞いてよ」なんて言われかねません。女性と会話するときは、女性脳は「答えではなく同意を求めている」ことを忘れないようにしましょう。逆に女性から男性を見るときは「とにかく5歳児だと思え」と聞きました。相手がイイ歳のオジサンでも、何か自慢をしてきたら「スゴイです〜!よくできましたね(笑)」って。相手のオジサンは、口では「オマエ、俺のこと馬鹿にしてるだろう〜」って言うけれど、まんざらでもなく、内心は喜んでいます。男は永遠の5歳児。単純なんです。■相手が年上の場合たとえば、相手が「プライドの高い年上の人」の場合。僕がよくやっているのは、自分の立ち位置を「有能な秘書」だと考えてしゃべるという方法です。たとえば、何か提案したいとき、直球で「こういうふうにしたらどうかと思うんですが、どうでしょうか?」と言ってしまうと、相手のプライドを傷つけかねません。有能な秘書になって、「至らないと思いますけど、何でも言ってください。お力になれることがあればいいんですけど」と言うのがいいのです。「そうだなぁ、何をやってもらおうかな」「たとえば、こういうこともできますし、こういうこともできます」「おおっ、それイイな」「そうですか。もし、両方やるのでしたら、よろしければ最初にしゃべったほうを先にやらせてもらえませんか?そっちのほうがうまくいくような気がしますので」「じゃあ、それでやってくれ。なかなかデキるな、オマエ」こんな感じで、意見を取り入れてもらうのです。■相手が年下の場合逆に、心を通わせたい相手が自分よりもグンと若い世代の場合。よくやってしまう失敗は、相手の年齢を聞いて「おおっ、若っかーい!」。これをやったら、もうアウト。相手は「今から、違う星の人としゃべるのかな」って思ってしまいます。(みなさんも、若いとき、この手の経験をして来たはずなのに、歳を重ねるとちゃんとやってしまうのが不思議です)「18歳なんだ。今、何に専念してる?自分の中でいちばん大切なことって何?」と、相手を1人の人間として認めて、尊重していますっていう立ち位置がいいでしょう。「この人といると面白いけど、それだけではなくて成長できるな」と感じてもらえるようなあなたになれるといいですね。スゴイ!話し方11会話は、相手の性別、年代で自分の立ち位置を変える
自分よりもスゴイ人とのつながり方世の中にはスゴイ人がたくさんいます。そして、自分よりスゴイ人は、まったく把握できないものです。自分より知識や経験が少ない相手なら、すぐに「どんな価値観・どんな生活・どんな人生」って把握できますが、1ミリでも自分を超えた相手は、もう『未知との遭遇』で見えなくなってしまいます。だから、正直、怖い。でも、そういう「自分を超えた人」とお会いする時間は学びの場であり、成長の場となります。精一杯、集中し、良い印象でありたいなあ、といつも奔走します(笑)。スゴイ人たちにとっては、この「学ぶ」という姿勢がない相手は、ただの「foolonthehill(丘の上の馬鹿)」に見えると思うんです。向上心、好奇心、リスペクトが消えたら、「コイツはもう、これ以上は伸びないな」って思われて相手にしてもらえなくなってしまう。だからこそ、自分を超えている人とつながるためには、「attitude(姿勢・心構え)」が大切になってくると思います。スゴイ人たちは、最初の世間話で、さりげなく力量を測っています。話している内容は世間話なのに、実は人間関係の面接試験なのです。ちょっとした会話の中に出た単語を知っているか知らないかで、だいたいの知識量を読まれてしまいます。もちろん、知っているフリをしても、目が泳いでバレてしまうので、通用しません。知らない話や単語が出たときには……。「知らないということに対して、どういうリアクションをとるか?」という、あなたの姿勢で、好奇心や向学心、未来へ向かっていくチカラを査定されているのです。そこでアドバイス!!!!好奇心が、僕たちの弱い部分を救ってくれます。「今、○歳なんですが、その年齢のときに何をされていましたか?」「目の前に、私と同じ歳のご自分がいらっしゃったら、なにを入れ知恵されますか?」と聞き出してみるのはどうでしょうか?昔話から始まり、苦言に変わっていくこともあります。それらを透明な集中力で、ノートなどにメモを取りながら全力で聞き、吸収するのです。伝記を書く作家になったつもりで、その人の人生を取材するのもいいかも知れません。どんな人生を歩み、何を学び、どんな出会いや、どんなチャレンジをし、今のその人になったのかを知ろうとするときに、あなたに大きなチカラが宿ります。そこで仕入れたエピソードや体験談は、あなたの話すコンテンツのエネルギーの骨を太くしてくれます。「先日、お会いした〇〇さんにお聞きした話なのですが……」と話すと、その人のエネルギーがあなたに降りてくるんです。また、スゴイ人に可愛がられて、次のスゴイ人が世に現れるのです。この法則はどの時代でも繰り返されています。スゴイ人に可愛がられる自分でいること。そして、あなたが周りの人を可愛がり続けていくことが、チカラを次の時代に申し送りすることにつながります。スゴイ!話し方12スゴイ人たちは雑談で相手を査定している
初対面の相手と打ち解ける方法初対面の相手と会話をするのって、トランプの「カード合わせ」に似ているなって思います。最初は相手の手持ちカードはまったくわかりません。相手がどんなカードを持っているのかを探りながら会話を進めるのです。まず、こっちから質問をして、相手に1枚カードを出してもらいましょう。そのカードに対して、こっちも同じカードを持っていたら「おおっ」ってなって、それを話題にして会話を深めていくことができます。コミュニケーションは、「カード合わせ」なんです。知り合いから、有名な講演家さんを紹介してもらったとき、「同じ三重県出身ですよね?」とまず、こちらから同じカードを出してみました。「どこの高校出身だったんですか?」と質問し、次のカード……。「あの高校だったら〇〇ちゃんって同級生が行っていたのですが、もしかしてご存知でしょうか?」このカードはマッチしませんでした。「拓巳さんはどこの高校だったんですか?」と向こうの一手がやってきました。「〇〇高校だったんです」と答えると……。「えっ?!何年生まれですか?」「○○年の4月生まれです」「えっ?!だったらうちの兄貴と同級生だ!」「え〜!!!!〇〇君の弟さんなんですか?」と、ビッグカードが合致して、一気に距離は縮まりました(笑)。出身地、やっていたスポーツ、職業、趣味、考えていること、好きなアーティスト、共通の友だち……。人間関係の「カード合わせ」は本当に、人と人を近い存在にしてくれます。スゴイ!話し方13初対面は「カード合わせ」
ある日、突然「他己紹介」僕を含めて10人くらいが集まった、ある夕食会での出来事です。スタート時点では、7人くらいだったのですが、「じゃあ、小さい乾杯で始めちゃいましょう」ってなって、まずは1人ずつ自己紹介を始めたんです。「20歳で、看護師で、えーっと、えーっと」「何科?」「個人病院なので、何でもやるんですけど」「何床あるの?」「30床くらいです」「趣味はなんですか〜?」「バスケット大好きです」と、そんな感じで進めているところに、遅れていた1人が到着したんですね。「じゃあ、1人増えたので、もう1回乾杯!」って。それで、そのときに突然思いついて、「じゃあ他己紹介をしましょう」と提案したんです。そのときのメンバーは、全員バラバラで知り合いではない状態です。「じゃあ、彼女の紹介を……隣の〇〇さん、お願いします」って指名します。そうすると、「えっと、看護師さんなんですけど、私より1つ下だからハタチで……、なんでしたっけ?」って、ぜんぜん記憶に残っていない。実際、他人の自己紹介って、意外と聞いていませんよね。「自分の番になったら何をしゃべろうか」なんて考えていたり、自分の番が終わったら安心してひと息ついていたり。そこで、「彼女は個人病院で働く看護師さん。30床だっけ?」と助け船。「あと、バスケットが好きなんだよね」って続けてみました。次から、全員の「聞くパワー」がアップしました。そこで、また遅れていた人が来たので、他己紹介が始まります。まるでクイズみたいにその夜は他己紹介で盛り上がってしまったんです。当然、10人目の人が到着する頃には、みんな、細部にわたる正確な他己紹介ができるようになっていたのです。その日の食事会が盛り上がったことは、ここに書く必要がありませんね(笑)。これは「愛の実現」だと思うんです。「その人に興味を持つ」ということが、「愛の実現」。誰かとつながりたいと思ったら、とにかくその相手に興味を持って知ろうとすることです。余談ですが、できるお医者さんのカルテには、患者さんとの会話で得た情報、たとえば、お孫さんの名前なんかがメモしてあって、診察のときに、「おばあちゃん、お孫さんの○○くん、今度、小学校に入学だね」なんて、声をかけると聞きます。僕は、それが最大の治療だと思います。記憶力に頼ると、記憶力の限界がコミュニケーションの限界となります。どうすれば、その記憶力の壁を越えることができるのでしょうか?たとえば、会った後に、会話の端々に出たその人に関する情報をメモ書きしておくって大切だなと思います。「イヌ好き」「3人兄弟。男ばかり」「テニスが好き」「お父様が和食店を経営」……。パソコンのメールソフトに入っているアドレス帳のメモ欄を使うのもいいし、ノートを機能的に使うことも未来への大きな投資となっていきます。スゴイ!話し方14相手に興味を持つことが、「愛してる」のサイン
相手とつながるために、最初に覚えること前の項で「その人に興味を持つ」ということが、「愛の実現」とお伝えしました。その人に興味を持ち、その人が興味を持つものに興味を持つと強い信頼関係が築けます。その人が一番、興味を持っていることとは、いったいなんなんでしょうか?人によって、釣りだったり、編み物だったり、料理を作ることだったり、アイドルだったり、スポーツだったり、旅行だったり、政治だったり、ビジネスだったりするでしょう。その中でも、その人が一番興味を持っているのは……「その人自身」なんです。集合写真で自分以外から探す人は稀です。みんな、自分自身に興味があるのです。なかでも一番重要度が高いのが「自分の名前」。コミュニケーションにおいて、その人の名前を覚えることが何よりも最優先事項となります。「名前なんていうの?」「珍しい苗字だよね、漢字でどうやって書くの?」「清楚な名前ですね。音がキレイ!」「誰がつけたの?」「お父さん、詩人だね」ところが、やっかいなことに、記憶術を教える先生に聞いたのですが、一番記憶しにくいのが「名前」なんだそうです。だからこそ、覚えることに価値があるわけです。「何度も名前聞いてごめんなさい。何さんだったっけ?」と申し訳ないことを僕もしょっちゅうやっています。会話の中でその人の名前を何度と出し、脳に刻むことが何よりも簡単にできる記憶法、とその先生に教えていただきました。そこで、「項目14ある日、突然「他己紹介」」で説明したように、僕は会った人の情報をパソコンのメールソフトのアドレス帳内にある名前の欄やメモ欄に入れるようにしています。名前の隣に「モデル大阪出身〇〇さんの友だち」とか「水産業社長東京出身広尾に住んでいる」とか。わからなくなったら「モデル」「広尾」で検索をすると、見つけることができるのです。スゴイ!話し方15相手とつながるためには、まず「名前」を覚える
相手とつながる2つの質問相手とつながりたいとき、名前の次に、何を覚えるのがよいでしょう?どんな人と出会ったとき、人は心を開くのでしょうか?経営コンサルタントの舩井幸雄先生が、初めて会う相手によく聞いた2つの質問というのがあるそうです。「あなたのご両親はどういうご両親ですか?」「あなたはどういう地域で生まれたのですか?」最初の質問で、相手が「父はこうで、母はこうで」って答えると、「それはさぞかし素晴らしいご家庭だったのでしょうね」と先生は応じる。次の質問で相手が「○○県の○○市というところで、こんな景色で、こんな食べ物がおいしくて。四季がはっきりしているんです」なんて答えると、「そんな素晴らしいご両親と地域から生まれたのは必ず何か意味があるはずです。あなたが生まれてきた役割を早く知って、全うするといいですね」と応じる。そういう話を必ずされたのだそうです。これは究極の褒め言葉ですよね。生んでくれた両親を褒められ、生まれた場所を褒められたら、俄然、褒めてくれた人の喜ぶ自分になりたいと思うものです。国を成すものが「血」と「言語」ならば、その人を成すものは「育てた親」と「育った土地」です。その根本的なところを認められたことにより、絶大なる信頼関係を作ることができると思います。この2つの質問は、もともと吉田松陰が用いていたのを知った舩井幸雄先生がアレンジしたと聞きました。僕たちもこの2つの質問を真似て、たくさんの人と太い人間関係を作っていきたいものです。スゴイ!話し方16相手とつながるために重要な2つの質問は、「両親」「育った土地」
初対面で盛り上がる「あるある会話」初対面の相手とすぐに打ち解けるには、どのように会話を進めればよいでしょう?ひと言で言えば、相手に質問をして、その回答に「素敵な合いの手」を入れることで、「わあっ、この人、わかってる~」と距離を縮めたいものです。前の項で、舩井幸雄先生がいつも初対面の相手に、「どこで生まれたの?」という質問をすると紹介しました。実は僕、とくにこの質問を重宝に使っています。僕は三重県の出身で現在は東京在住ですが、東京って「たくさんの地方人」の集まりなので、「出身地」を聞くと相手との距離を一気に縮められることが多いんです。「出身はどこなんですか?」「長野県なんです」「『信濃の国』、歌える?」「歌えますよ」「何番まで歌える?」「歌詞さえあったら最後まで歌えます!」「なんで、知っているんですか?」と驚いてくださいます。長野県の人は『信濃の国』っていう県歌が歌えるんです。これは「長野県あるある」なのです。群馬県の人は上毛かるたができるし、北九州の人は飲んだ後、おはぎを食べます。ちなみに沖縄の人は飲んだ後、ステーキです。北海道の人は唐揚げをザンギと呼びますが、ザンギと唐揚げは厳密には違うそうです。大分の中津の方は鳥の唐揚げを1キロ、2キロという単位で買います。関西の人はカバンに「飴ちゃん」を入れている人が多くいます。そして、「飴!」と呼び捨てせず、怖いオジさんも「飴ちゃん」と敬意を込めて呼ぶのです(笑)。その他、僕が知っている「出身地別あるある」をざっと紹介しておきましょう。○富山のシラエビの鮨は、釣りに飽きた鮨職人が撒き餌を塩水で洗って食べたのが始まり。○江戸前の腕っ節は煮ハマとヅケとコハダで試され、ジャパニーズ・ファーストフードなんだと江戸の民は言います。○フグは最近、三重や静岡がいい感じです。○高知の藁の焼き香りが付いた塩たたきが美味いのはみんな知っているが、高知の女子の酒の強さは思っている以上なのです。○博多のラーメンは久留米や小倉と違って薄味です。博多は実はうどん発祥の地で、うどん好きが多いのです。○高松の人は讃岐うどんを喉ごしで食べます。○焼うどんは北九州が発祥。ホルモン系は岡山。徳島や宮崎のうどんも実は絶品です。○餃子は宇都宮が有名ですが、浜松が最近優位で、京都が迫っています。○うなぎは浜松ってことですが、三重の津市もかなり捨てがたいのです。○伊勢神宮の正式名称は「神宮」で、名古屋の人は全国の冷蔵庫に「つけてかけてみそ」が入っていると信じています。あ!調子に乗ってしまいました(笑)。*語弊などがありましたらお許しください。「仕事あるある」も有効です。また、「血液型あるある」「星座あるある」「動物占いあるある」もかなり盛り上がります。「B型でペガサス。水瓶座の男子で鹿児島の鹿児島市出身だったら……」あなたはみんなの話題の占い師になってしまいます。スゴイ!話し方17「〇〇あるある」は人間関係を盛り上げる!
全力投球でしゃべるとつながれなくなる昔、仕事で韓国に何度も、何度も通っていました。そのお陰で今も素晴らしい友だちがたくさんいるのです。若かりし頃、そのなかの1人から忘れられないアドバイスをもらったことがあります。彼はアメリカ生まれの韓国人。おじい様が大きな、大きな企業を作り上げ、ハワイで養生をしているとき呼び寄せられるのです。ハワイでおじい様からあれこれを学び、亡くなられた後、韓国に戻り、跡を継ごうとしているときでした。「まだ、若いので東南アジアの会社でもう少し経験を積むね。なかなか会えなくなる」と言われたときに、もっと、彼から学んでおけばよかったと後悔したものです(当時はインターネットやメールがない時代だったんです)。「え!そうなの?!残念だ」と落胆しました。「もっと、君から学びたかった!」とストレートに伝えました。「拓ならコミュニケーション上手だからジャングルの中でもビジネスで成功できるよ」って言ってくれたのですが……(苦笑)。僕は彼に、「最後になにか1つ、教えてよ!」とおねだりしました。すると彼は、「そうだな〜拓はいつも100%全力だから、7〜8割に出力を抑えてごらん」と助言をくれたのです。そのときに彼がくれたアドバイスを僕は一生忘れません。「常に100%で力量が丸見え。150キロの球ばっかり投げるピッチャーじゃなくて、7〜8割の力で投げて内野ゴロを量産して、いつも完投するピッチャーになれば成功するよ」という意味合いでした。それからは、教えてもらったアドバイスを実験する3年間でした。なにしろ「このことを言っていたんだ」と実感できるまで3年かかったんです。仲間にも、「どうも7割ぐらいが一番、相手に届くみたいよ。次の講演、それでやってみて」とか、「7割でやるとサボっている気がして、自分を責めちゃうよね。でも、それが一番いいんだって。次のプレゼンで試してみて。感想をフィードバックできる?!」ってみんなで検証してみたのです。昔、ある有名なシェフの方からこんな話を聞いたことがあります。「私は、たとえばミシュランの星を判定するような人が来店しているなっていうときは、パーフェクトな料理を出します。でも、そういう料理は、『これ美味しいだろう、どうだ!』っていう私の押しつけでしかありません。よく『一番美味しいのはお母さんが作った料理』と言われるのは、毎日食べられる料理だからです。ですから、私は普段、店で出す料理は7割、8割でとめてるんです。お客様が『もうちょっと塩をきかせてくれたらよかったな』とか、『もうちょっとなにか強い食材と一緒に合わせたほうがいいのに』って思って、食べた後にその人の頭の中で完成していくような料理を出すようにしています。そうするとまた食べたくなるでしょ?あまりにも完璧な料理を出すと『あ~、満足した』ってなって、しばらく来ていただけませんからね」人とのコミュニケーションも同じようです。いきなり全部を見せて「底」をさらすのではなく、「コイツ、まだなんか持っているな」と思ってもらって、謎の部分を残すような接し方のほうが、お互いに物語が進行し続けるので、継続したお付き合いになっていくのです。スゴイ!話し方18すべてさらけ出さない。後でその人の頭の中で会話が整っていく
「濃い質問」で相手とつながる一方的に教えるやり方を「ティーチング」と呼びます。それに対して、相手に質問を投げかけ、相手の中から答えを導き出す方法は「コーチング」。僕は会話の中で「その人の核心を突く絶妙な質問」を投げかけたいなといつも思っています。僕たちは自分自身に質問を投げかけることで、自分の考え方に出会うようになっています。質問に対し、反射的に出てくる「自分の意見」を「自分の考え」と思っています。「考え方」を変えるのは難しいですが(なにしろ反射で出てきているので)、「自分に向ける質問」を変えることはコントロール下に置くことができます。余談になりますが、自分へ向ける質問が常に「暗い答えを探す質問」の人がいます。「なんでダメなんだろう?」「どうしていつもこうなっちゃうの?」「誰が悪いの?」思いつくたびに心がめげてしまいます。明るい人生のためには、明るい質問がいいのです。それを会話の中でできたならどうでしょうか?!建設的で、お互いに学びがある、素敵な時間を演出することができます。こんな質問をぜひ、試してみてください。「過去のどんな経験が、今の〇〇さんをこんなに素敵にしてくれているんでしょうか?」謙遜しながらも、その人は過去の素敵な経験を語ってくれます。「そのとき学んだ最大の法則があるとしたら、なんでしょうか?」と続けると……。「そうね〜」と思い浮かべながら「人生のヒント」を与えてくださいます。また……。「人生で一番頑張ったのはいつですか?そのとき、何を学びましたか?」と投げかけると、その人の人生を作り上げている基礎の部分が燻し出されてきます。「そのとき、やればできるんだって学んだ」と強力なメッセージが溢れてきます。ここに会話を深くする「深い質問」リストを並べてみますね。「制限がないならどんな人生になったらいいですか?」「人生で一番大切なものはなんでしょうか?今、何を一番大切にしていますか?」「人生で大切な10個、それはなんですか?」「今、不安なことはなんですか?なぜ、それが不安なのですか?それを解決するには何をするといいですか?」(一瞬、暗い質問に見えますが、やる気が出てきます)「旅に出るならどこに行きたいですか?なぜ、そこに行きたいのですか?」「生活の中で一個、変化を与えるとするならなんですか?」「今のチャレンジはどんな意味があるのですか?誰を喜ばせたいですか?なぜ、その人を喜ばせたいのですか?」「なぜ、働くのですか?なぜ、頑張るのですか?なぜ、生きるのですか?」深い質問は学びの宝庫です。そして、語り手も自分の言葉から学びを進行させていくのです。スゴイ!話し方19コーチングの手法で濃い会話をする
相手と壁を作らないために気をつけること20代の前半からたくさんの人にお話をする機会に恵まれ、知らない間に有頂天になっている自分がいたと思います。人は勘違いをして成功し、勘違いをして墓穴を掘るものだと思うのです。そんな自分がハッとした体験があります。講演することになり、尊敬する先輩と一緒にその会場に入ろうとしたときです。「お荷物、お持ちします」とスタッフの方が駆けつけてくれ、僕は荷物を渡しました。そのとき、尊敬する先輩の奥様が小さな声で先輩に耳元でこう言ったのです。「荷物、自分で持ってね。自分が偉い人になったって錯覚したらダメよ」……。ガ、ガ、ガガガ〜ン!!!その衝撃は心の中で鳴り響き、僕の心は1度、石膏漬けになり、その後、ピリピリとヒビが……。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」「実るほど頭を垂れる稲穂かな」「実るほど頭を垂れる稲穂かな」知っているけど、理解していない……この「実るほど頭を垂れる稲穂かな」が頭の中と、心の中をグルグルグルグル……。「スゴクなりたい」と思って頑張って……。「偉くなっちゃった」と思ったら、人間はそこで止まりますよね。スゴイ!話し方20「自分は偉くなった」と勘違いをしない
相手と本当に深くつながるには?ハリウッド俳優にも演技指導をする、著名な演技コーチの稽古風景を見学させてもらったことがあります。舞台で役者さんたちがアクトするのを見て、彼女が練習をつけていくんです。「はい、ストップ!あなた、この映画の目的は何だと思う?」「恋愛ロマンスです」「ロマンス?この映画の目的は、1人の人間の成長なのよね。愛される価値がないと思っていた女性が自分の価値を知る冒険の物語よ……。じゃあこのシーンの目的は?」「彼が彼女を愛しているけど、彼女は彼を愛していなくて……」「違うわ!両方とも好きなのよ。だけど彼女は愛される価値がないと思っている……。あなた、自分が愛される価値がないって思った経験が幼少期に、ない?」「はい、あります。それは母です。母は忙しくて、私にかまってられなくて……今はわかるんですが、女手1つで……」「はい!彼をお母さんだと思って、その思いを伝えて!あの頃の自分にもどって……」「ママ、私はそばにいて欲しいだけだったの……(号泣)。ママ、私を見て欲しいっ!」「ストップ!!!アクトッ!」とその感情が噴出したところで、彼女は演技をやらせる。すると、以前とはまったく違うシーンになります。彼女の演出は、過去に体験した同じ感情を、体験したシーンから感情だけを抜き出し、演じようとしているシーンに注入する。ある瞬間の過去の自分を今、ここに憑依させているような状態。現場では、ラブシーンが展開されている……。「ストップ!!!誰もそんな茶番、見たくないの!!!演技をしないで!お客さんは、本来見ることのできない人のプライベートを覗き見したいのよっ!」じゃ、2人で「痛みの共有」をして!!!と、彼女。目を見つめ合い、お互いの心の痛みを共有する2人の役者。言語化するのではなく、目と目を見つめ合いながら……。「私のこの心の痛み……誰にも言えなかったこの痛みをあなたはわかってくれるわよね」「私はあなたの痛みを共有する。その痛みから逃げない。誰が理解できなくても世界で1人、私はそれを理解する」そのとき、僕は知ったんです。愛とはセクシャルが溢れることでも、ロマンスでもなく……。心の痛みを共有することなんだって。これが強い信頼関係を作るってことなんだと確信しました。今の問題が問題なのではなく、それを問題と感じる過去の感情体験がある。目の前の現実を使って僕たちはその過去を呼び覚まし、怯えたり、怒りに心を占領されている。そばにいる者は、問題の解決を施すのではなく、一番に、その心の痛みを共有することが「最大の愛」なんだ。愛を伴ったコミュニケーションをとるには、どうしたらいいのでしょうか?それは「話し方」ではなく、「話す姿勢」と考えることができます。「慈悲の心」を真ん中に置いて話す。それが人を癒し、愛に変わっていくのです。まだまだこの気づきを自分のものにするには道筋が長いと思いますが……。素晴らしい心の旅を始めたなという確信があるのです。スゴイ!話し方21「痛みの共有」が真のラポールを築く
先輩たちの「場」の作り方その人が部屋に入ってくるだけで部屋の空気が変わる。その人が話し始めるだけで素敵な物語が始まる。そんな人になりたくて、先輩たちを分析し、真似をし、学んできました。その人の周りだけ空気が濃く、色彩が鮮やかで、少し時間がゆっくり進んでいるような……。言葉が詩のように心に届き、胸を温かくさせたり、刺さったり、要は魅了されるわけです。その人、独特の「場」ができあがります。まず、先輩たちの「話」をコピーし、その次に「話し方」「言葉の使い方」を真似してみました。セミナーに参加し、録音したりメモを取ったり。家に帰ると、メモや録音したものをもう1度、おさらいします。「世間話や近況でまず、始まる。……世間話1、世間話2、世間話3……」どんな話の流れで展開していくか?!先輩たちの講演を聴き込んでは、元々の設計図を炙り出します。「世間話が終わって、しっかり会場の空気がつかめると、本題が始まる……」「いい話だな〜。そして、その話がこっちへつながる。そこから横へ話がそれて……」「おっ!ここで本筋に、もどるんだ〜(笑)」「この話はイマイチ、わからない。参加した他の人に明日、聞いてみよう」「わっ!この終わり方がカッコイイ!」「守破離」で言えば、まず「守」を徹底的にやったんです。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」なのだそうです。小説家を目指す人が、お気に入りの作家の文章を書き写して文章を学ぶという話を聞いたことがあります。僕も、この「そのまま真似る」というのは「学ぶこと」の最短距離だと思います。絵も、有名な画家の作品を模写するのが有効な勉強法です。真似ると達人の意図がわかるようになるのです。今度はそれを友だちに話してみるのですが……。「なんで僕が話すと感動的じゃないんだろう。面白くないんだろう。心に刺さらないんだろう」その人が使った「独特な言葉」(普通の言葉なのに、その話の流れで使うと特別な香りを漂わす言葉があるのです)、その人が話した「順番」でないと人に届かないんだってことがわかるようになりました。スゴイ!話し方22先輩たちの「話の流れ」「使う言葉」「『場』の作り方」をコピーする
しゃべるときの目の使い方「目は口ほどにものを言う」ということわざがあります。目の動き、目の輝き、目の表情で「物語を作り、動かす」ことができるのです。スーパーリーダーに会いにいくときに、「拓、俺の目を見てくれ」と先輩に言われました。「ちゃんと目にチカラが入り、輝いてるか?」のチェックだったんです。21歳の僕は「そんなことが大事なんだ!!!」と驚きました。それ以降、常に「イイ目」でいることを心がけてきました。また、その先輩に、「拓、この眉間のシワはやめなさい」と二本指で眉間の縦線をギュッと伸ばされたことがあります。その頃の僕は「苦労する。我慢する。ど根性で努力する」ことが『善』なのだと信じ、苦しい気持ちになっていなかったら「サボっている」と思っていました。驚きとともに、僕が間違っていたことを学びました。「笑顔の大切さ」はたくさんの方が語っていますが、「目の玉」が笑ってなかったら何も届きません。「目の玉」が笑っていると笑顔が伝染し始めます。ミラー現象と呼ばれる、特別な効果があることを後々、知りました。達人たちは素晴らしい法則を誰かに教えられるわけではなく、自然に使っているのです。「目の玉」が笑い始めると、ジェスチャーも変わってきます。仕草も言葉以上の情報を聞き手に伝えます。それは「目の玉笑顔」が起点になっていると思います。誰かと話をするとき、「腕組み」なんてもってのほか。眉間を開いて、身も心も開いて、目の玉が笑い……そんな自分で話をしてみましょう。スゴイ!話し方23「目の玉」は笑っているか?
しゃべるときの声の出し方「声の色」って大切だと思うんです。よく落語家さんが「〝声色〟を変えながら語る」わけですが、「声の色」により、登場人物のキャラクターが区別され表現されています。普通の「声の色」で発する「会えて良かったです」と……、つっけんどんな「会えて良かったです」。後者は「さよなら」を感じるかも知れません。違う「声の色」なら、恥じらいを表現することもできそうです。色っぽい「会えて良かったです」もあれば、懐疑的な「会えて良かったです」も。言葉に乗っていく「思い」が、「言葉以外の情報」を伝えるわけです。口先で発する声と、喉の奥から発する声……。口の中のどの位置に重きを置くかで、趣きが変わって相手に伝わります。吐き出す息の量と、音になる割合を調整すると、さまざまな「声の色」を作ることができます。また、左上に向かって話す、天に向かって届くように話す、相手の30センチ後ろに届くように話す……のように声の着地点を変えて話すことで「声の色」を変えることもできます。乾いた声、濡れた声、毛羽立っている声、艶のある声、細い声、太い声、白い声、赤い声……。自由な声、不自由な声、休みの日の声、仕事の声、朝の声、夜の声、泣いた声、笑った声……。イメージを変えてみると、ドンドン新しい「声の色」が作り出せます。あなたの好きなしゃべり手さんはどんな「声の色」で話す方ですか?どんな息遣いですか?どんな間を好む人ですか?「声の色」に着眼して、ぜひ、聞いてみてください。そんな声の中で「倍音」と呼ばれる魔法の音があるのです。ある音が鳴っていると聞こえるとき、僕たちの耳には、最も強く鳴っている音(基音といいます)のほかに、その音の整数倍の周波数の音も聞こえています。この基音以外の音を倍音といいます。基音だけでなく、倍音が混ざっている状態のほうが、耳には心地いいのだそうです。歌い手さんの中にも、この倍音の使い方が優れている有名な人がたくさんいます。たとえば、宇多田ヒカルさんとか。「倍音」には、癒し効果があるんですね。耳触りが良く、心に気持ち良く響く音は、聞く者を遠い世界に連れて行きます。『あっ』ていう単音じゃなくて、『~』ていうふうに、ちょっと息が多い感じ……。どうやって声を発したときに、それに近づいていくのかを試してみてください。スゴイ!話し方24「声の色」を意識して話す
プロ歌手からの2つのアドバイス人前で話すことは、もう長くやってきたことなので慣れているのですが、歌を歌うとなると、勝手が違ってきます。人前で歌う機会があり、プロの歌手の方に教えてもらうことになりました。その「歌い方レッスン」から、「話し方の秘技」に共通する学びを得たので紹介したいと思います。■独りで歌ってはいけない!まず、先生からのアドバイスで印象的だったのは次の言葉です。「独りで歌うのではなく、お客さんとの関係性で歌ってください」つまり、そこにいるお客さんとセッションしているつもりで歌いなさいと。これ、意識すると、歌がまったく変わります。■顔だけで歌わない!次に印象的だったのは、こんな言葉です。「みぞおちから上が顔だと思ってください」上手に歌おうとすると、ついつい猫背になって、マイクにしがみついてしまう人が多いというのです。顔だけではなくて、みぞおちから上を顔と思い歌うことで、よりプロフェッショナルな空気感が伝わり始めます。意識すると、歌を聞いている人たちへの「伝わる度合い」が俄然違ってきます。両方とも、プレゼンテーションやセミナーでしゃべるときに、そのまま使える「秘技」だと思います。教えていただいた秘技もスゴイのですが、このような秘技が実はたくさんあることにも驚きました。その道の人たちだけが共有している「技術」がある……好奇心は尽きませんね。スゴイ!話し方25話すとき、「相手とセッション」「みぞおちから上が顔」を意識!
しゃべるときの間の取り方素敵なしゃべり手が語り出すと、一気に聞く者たちの心を鷲づかみにします。しゃべり上手と、そうではない人の違いはどこにあるのでしょうか?その1つに「間の取り方」をあげることができます。あの「絶妙な間」が、話に聞き手をのめり込ませていくのです。あの「間」を学ぶ、簡単な方法があります。実は皆さんも上手にできているときがあるのです。それは……、「怪談話をしているときのあなた」なのです。「そのとき、なんか……冷たいものが手に……触れた、気がしたの……」「なんか、この先に、進んでいいのか……帰ったほうが……いいのか」「ギギギギギ……い、いま……なにか、キコエタ……よねっ」と、知らず知らず、臨場感を作り上げるために「絶妙な間」を使いこなしています。強いていうならば、「強弱と間」なんですね。伝わる話し方のコツは「怪談を話しているつもりで話す」です!怖い話をするときって、誰でも、相手の反応を見ながら、たっぷり間をとってしゃべりますよね。あの「怪談話のときに普通にできていること」を、普段の会話に応用すればいいのです。ただし、間が長すぎると人はウザく感じたり、飽きてしまいます。「間」には適切な長さがある。その微妙なところは、相手を変えて、同じ話を3、4回しゃべって、「あっ、ここはこれぐらいの長さで、こういう感じでしゃべるといいんだ」と、トライ&エラーの経験を積み重ねてベストな「間」をつかんで最適化していくのが一番の方法です。スゴイ!話し方27話の「間」の取り方は、「怪談話」に学ぶ
話に相手を引き込むコツ優れた話し手は、「聞いてる端から映像になっていく」と表現されます。それにはどんなコツがあるのでしょうか?イタリアのカプリ島にある「青の洞窟」。船から小舟に乗っていくんですけど、入口が思っていたよりもずっと狭いんです。波がふーって、上がって、下がって。洞窟への入り口が呼吸しているみたいに狭くなったり、開いたり。波が、下がったときに小舟をスルリとトンネルへ。小舟に寝そべり、めいっぱい姿勢を低くし、ドキドキしながら船頭の技にすべてを託すんです。波が下がったっ。スッと小舟を走らせ、ふわーっと中に入る。中に入った瞬間にボーンと天井の空間が広がって、静かな世界へ。海がエメラルドグリーンで、キラキラキラキラ。エコーたっぷりの洞窟空間で船頭がカンツォーネを歌い出す……。「ふーっ」「呼吸しているみたいに」「スルリ」「ボーンと」……。この辺の擬音語、擬態語が案外、カギなのでしょうか?!相手を話に引き込むコツは、「話の世界」の中に、相手を一緒に連れて行くことです。「自分の頭の中の映像を実況中継で伝えるように話す」と、手をつないだように聞く人をお連れすることができます。スゴイ!話し方28頭の中の映像を相手に実況中継する
新しい話のネタを増やす方法目の前で起きていることはすべてに意味があるのです。そして、絶妙なタイミングでベストなことが、わざわざ起きているとしたら、どうでしょうか?知人から紹介を受け、ある飲み会に参加しました。すると、その場にいたのは日本の卓球界の重鎮たち。世界で活躍する彼らとお酒を飲む機会がありました。卓球ファンが聞いたらヨダレが出そうなメンツ。五輪や世界選手権のメダリスト、飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びている若者……。彼らが尊敬する先人、卓球音痴の僕でも知っている方とダブルスを組む人……。「これはどんな意味があるんだろう〜?」数日後、ある人とのランチのときに……。「学生時代は何をやっていたの?」と聞くと、「卓球を大学までやっていました」となっちゃうのです。そのランチ会は「がっつり卓球トーク」となりました。目の前で起きていることはすべて未来への予告編、「COMINGSOON」なのです。今日、覚えた新しい言葉は、数日以内に目の前に現れるのです。今日、知った新しい話は、数日以内にあなたをスゴイ未来へと結びつけるのです。今日、出会ったその人は、数日以内に共通の友だちとして誰かと深くつながるキューピットなのです。知らなかったこと……、興味がなかったこと……を放置せず、心の中に新たなる情報の「引き出し」を作りましょう!その引き出しを作った瞬間から、あなためがけて次なる情報が集まり始めます。それらの点が線になる頃には「詳しいんですね〜」と呼ばれるあなたになっています。スゴイ!話し方29絶妙なタイミングでベストなことが、わざわざ起きている
面白い話のネタの仕込み方昔、上岡龍太郎さんと笑福亭鶴瓶さんが出演する『鶴瓶・上岡パペポTV』というトーク番組がありました。その番組、シナリオなしのぶっつけ本番で、2人が1時間しゃべるのです。これが本当に面白かった。2人に起きた事件にツッコミを入れたり、分析したり……。「どうして、2人には、いつもこんなに面白い事件が起こるんだろう」と思ったものです。あるとき、こんな結論に至りました!!!2人の身近に「面白い事件が起こっている」のではなく、2人が何気ない身近な出来事を「事件にしている」んだ!!!と。何気ない出来事を、いかに事件化するか?誰でも知っている時事問題を、いかに他人と違う見方をして面白く斬っていくか?事件は現場で起きている!!!そうです!現実は事件の連続なのです!健康セミナーを聞き、僕は「水をちゃんと飲もう!」と決断しました。それはもう事件なのですが……、普段から荷物が多い僕ですが、日々、水筒を持ち歩くこの重さたるや。また、トイレに行く回数がスゴイわけです。所要する時間も……。隣の人が2人、入れ替わります(笑)。ほら、事件でしょ?!あなたの日常を事件に変えてください。なにしろ、あなたが楽しくなります。苦手な上司も、ランチの行列も、干し忘れた洗濯物も……。出張先でのポカミスも、焦がした昨夜の肉じゃがも、ジムでいつも会うオジさんも……。あなたは事件に囲まれているのです。とくに旅行先では、事件が起きやすいものです。その理由は、非日常に身を置くから。「荷物がなかなか出てこなかった。ドキドキ……」「2人ははぐれてしまって、もう会えないんじゃないかと……」「偶然、友だちに教えてもらっていたレストランに行き着いたんです!!!」逆に、非日常のモードになると目の前の出来事を事件に変えることができるとも言い換えることができます。今日という1日を非日常モードで生きてみてください。あなたは事件の真っ只中で生きる主人公になるのです。スゴイ!話し方30事件は現場で起きている!!!
「NO」を「YES」に変えるには?こんな漫画がありました。好きな人に……、「好きだ!好きだ!と伝えすぎると相手には重いのですよ」と示唆する4コマ漫画です。大きな、大きなハートを渡そうとする女子から逃げようとする男子が描かれていました(笑)。若かりし頃、好きな人ができて、恋にのぼせいていると、ある先輩からこんな助言をいただきました。「そうなんだ、その人には好きな人がいるのね……。好きだ!好きだ!って言い過ぎちゃダメよ」と始まります。「3日おきでも、1週間おきでもいいから、たわいもないハガキを書き続けてごらん」と言われました。当時はメールやSNSがない時代です。「今日は晴れている」とか「中華を食べた」とか……。「こんな本を読んで面白かった」とか「シンガポールに行ってみたい」とか「新作の映画、どれが面白いかな?」とか。たわいもないハガキを書き続けると「若い人だから必ず何かが起きる。そのときに『あっ!あの人がいた!』となるから」というものでした。それを聞いたとき、自分の仕事のやり方を反省しました。暑苦しく「好きだ!好きだ!」系の勧め方をやっていた自分に気づいたのです。実に熱く、重いアプローチをしていた自分がいました。それこそ、これが「熱心で素晴らしいやり方」だと思っていたのです。気になる女の子に「爽やかなハガキ」を送り始めただけではなく、「爽やかなアプローチ」で仕事を進めるように心がけました。素早くその人に自分の情熱が伝わってほしい。だからこそ、〝急がば回れ〟なんですね。「たわいもないあれこれ」を伝え続け、その人の心の風向きが変わるのを待つ。その人の人生に寄り添い、そのタイミングがやってくるのを待ち続ける。リアル世界の「サブリミナル効果」です。今はハガキではなく、メールやSNSの時代。ハガキとは違うスピードで脳が情報を咀嚼していると思います。世界中の人の脳のスピードが変化している。咀嚼しない時代と捉えることもできます。僕たちのおじいさんが一生の間に浴びる量の情報を、数年で浴びているとも言われています。その中でどうアプローチし、どう心に残すようにするのか?!また、次々とコミュニケーションを取るためのツールが生まれ続けています。相手にYESと言ってもらいたいとき……。ときには果敢に、素早く、強く出ることも必要かもしれません。しかし、人生はトーナメント戦ではなくリーグ戦です。一撃では倒せない相手も、小さなパンチを1000発……。あせらずに長期戦でいくことが、実は意外と近道だったりするのです。スゴイ!話し方31細くて長いアプローチが、やがて相手のYESを引き出す
話すテクニックを磨くための習慣「人の心を動かすスピーチはテクニックじゃない。心だ!」という人がいます。その意見に僕も賛成です。心のこもったお話は、心に届き、刺さり、温かくさせる素晴らしいものです。しかし、心だけに頼った話し方に問題が生まれることもあります。ちぎっては投げ、ちぎっては投げと説明をされたら、話がわかりにくかったり、理解するのに時間がかかるケースもあります。テクニックは最低限の礼儀なのかも知れません。「もっとこう描いたら素敵な絵なのに」とか「もっとこう味付けしたら素晴らしい料理になるのに」とか……、そう感じることはありませんか?そう感じる人は「絵描き」であり「料理人」なのです。僕は小学校の頃から先生の授業に関して「もっとこう話したらみんながわかるのに」と思う子どもでした。「説明のテクニック」になぜか敏感な子だったようです。「今の説明だったら、クラスの半分しか理解してないな〜」「本当は話す順番が逆のほうが、この話って面白いのにな〜」なんて考えたりしていました。また、先生の説明を聞きながら、どこがテストに出るかがわかりました。先生のしゃべり方で、「わざわざあんな言い方をするのは、テストに出すからだな」と勘づいては、ヤマを張ったものです。誰かの話を聞くときに「自分ならこう話すのに」と考えたり、「この人はココを伝えたいんだな」と考えたりするのを習慣にすれば、相手の話の要点をつかんで、それをまとめて再編集する能力は、確実にアップします。話すテクニックを磨く練習として、ぜひ、意識してみてください。スゴイ!話し方32誰かの話は、あとで自分が誰かに話すつもりで聞く
うまいプレゼンテーションの学び方上手なプレゼンテーションと、そうでないプレゼンテーションの違いはどこにあるのでしょうか?話し出すとたちまちそのプレゼンテーションに惹き込まれ、「なるほど!すぐこれを手に入れたい」と感じさせる人がいます。「絶対的に成功するプレゼンテーションの方程式」とはどんなものなのでしょうか?「プレゼンテーションがうまい人の話し方」を参考にすることで、「YES」と言ってもらえる話術を会得することができます。第3章で、「あっという間に『場』を作れる先輩たちの話し方を完全コピーした」とお話ししました。そのアプローチはプレゼンテーションについても有効だと思います。製品プレゼンテーションがうまい人の講演に行っては、その場でメモを取り、家に帰ってすべてをまとめ直し、分析しました。そうやって分析してみると、この人の話の組み立ては、「最初、近況から話し出し……」「途中から、自分がなぜこの会社を気に入っているかを話し……」「製品の説明は、知らない間に自然と切り出している……」など、会場で聞いていたときにはわからなかったプレゼンテーションの流れが、見えるようになったのです。たくさんの方のプレゼンテーションを聞くことで、それらをフォーマット化し、「全体の説明の流れは〇〇さんのモノを完全コピーしよう」「この部分は自分の話と入れ替えよう」「ここの製品説明の部分は〇〇さんの説明した流れと差し替えよう」とアレンジを加え、パターン化していきました。こうやって説明をしていくと、ものすごく伝わるんです。ただ、1つだけ注意しなくてはいけないのは、あまりにも人間力が高く、自分とかけ離れた人のコピーは危険です。ヘタに真似すると大やけどをします。身のほどを知り、上手に展開していきたいものです。動画やパワーポイントを使った説明方法も素晴らしいと思いますが、会場を暗くしてプレゼンテーションを展開することになり、しゃべり手の表情が見えづらいという難点があります。とはいえ、「映像を流し、感動的に伝えたい」「伝えたいことが理論的なことなので、じっくり理解をして欲しい」「ここに至るまでの経緯について、時間軸を使って説明したい」など、逆に動画やパワーポイントのほうが的確にインパクトをもって伝えられるケースもあるので、みなさんが経験を積み重ねるなかで選択していってください。スゴイ!話し方33多数の上手なプレゼンテーションを分析し、フォーマット化してみる
「相手の心を揺らすひと言」の作り方「作詞用ノート」をロック歌手の友だちに見せてもらったことがあります。ノートにダーッと言葉や文章が書いてあって、ところどころに赤い線が引かれている。「この赤い部分は何なの?」と聞くと、彼から、こんな答えが返ってきました。「そこだけを歌詞に使ったんです」思いのたけを綴った長い文章の中の、ほんの「ごく一部」をつまんで歌詞を作っていたんです。出来上がった歌詞はとても短いフレーズでも、その中には捨てられていった膨大な部分が乗せられている。だから、歌詞に力がある。それを旋律に乗せて歌うから、聴いている人たちの心に響く。人と会話をするときの「言葉」も同じです。長々と説明していたお話が、回数を増すごとに短いフレーズに変わっていきます。ズバッとひと言で、多くの情報が心めがけて届き、響くのです。僕は面白い話を聞いたり、新しい考え方に出会うと、四六時中そのことを考えています。新しいアイデアが、頭の中をグルグル回って、そのことについて、何度も、何人もの人に話をします。そうやって、考え続けて、人に何度もしゃべっているうちに、どんどんそれがギューッとなって凝縮され、あるとき、ポーンってはじけて、「あっ、こうですよね」っていう域に到達する。「それってこうじゃないですかね!」って答えのようなものが出るんです。そうなると、その話題を話すときも、凝縮されて尺が短くなります。数少ない単語に落とし込まれて、すごく短い言葉で全体を言えるようになる。キャッチコピー的な感じになるんです。この話の本質って何なんだろうと考え続けること。そう考えながら、何度もその話を人に話すこと。それを繰り返していると、その話がどんどんと伝わりやすくなり、どんどんと短くコピー化されて、相手の心を確実に揺らすいい話になっていくのです。相手の心に深く届けるには、「だよね!」とか、「そうなんだ!」「えっ!?」「わかる!」「なるほど!」と感嘆符がつくような感情をその人の心から反射的に導き出すように話すことが大切です。相手が「感動して泣いている」のは、あなたの話に泣くのではなく、自分の経験において同じ感情になったことがあり、その感情と対峙することで感動し、泣いているのです。「だよね」と共鳴するポイントがその人を導いているのです。相手の心を揺らすポイントは、感嘆符をいかに引き出すことができるか。この感嘆符を引き出すのに有効なのが、ひと言の短いコピーなのです。日頃から、自分の心が揺れた話題や、出来事に敏感でいたいものです。「今、なんで心が揺れたのかな?」「なんでしびれたんだろう?」「何に感動したんだろう?」と深掘りし、手垢がつき始めた頃に、結果として1つのコピーにたどりつくのです。これが人の心に残る言葉となっていく気がします。スゴイ!話し方34考え続けて、繰り返し話すことで、相手の心を揺らす短いコピーに到達できる
商品価値を伝えて、買っていただくには?どう説明すると、人は商品の良さに気づいてくれて、「買いたい」と思うのでしょうか?お客様はそう簡単に財布を開いてはくれません。どんな説明をすれば、相手は「YES」と言ってくれるのでしょう?初めてこの製品を見たとき、本当はどう思った自分がいたのでしょうか?すっかり初めから理解し、これは人に伝えたいと思う場合もあるでしょう。しかし、「そんなにいいかな?本当に必要なものかな?」と思うものもあります。しっかり知ることで、「なるほど!これはいい!」と思ったならば……、「初め、私も知ったとき、これは必要なものだ!とは思えませんでした」と話を始めてもいいと思います。また、聞いている人が「そんな高いものいらない」とか「本当にそんな効果があるの?」と疑っているのではないかと不安になることもあります。それもまた「そう思っていませんか?」と言葉にするのも方法の1つです。また聞く人によって「製品のスペックの高さ」に共感する人もいれば、「製品を使ったときの使用感」に興味を示す人もいます。また「その製品がどこどこで賞を取った」とか「〇〇博士から賞賛を得ている」ということが重要な方もいらっしゃいます。「製品以上に誰からこの話が来たのか?」が最優先事項の方も思った以上に多いものです。複数の方に話す場面があるなら、これらの受け取りサイドの感覚の違いを加味し、多方面の方が共感するよう配慮した話が大切になります。擬音語、擬態語を駆使し、「初めて使ったとき、ビビビッと来ました」「ドッカ〜ンと大笑いしたくなる使用感!」「クルクルが口の中でプルプル」……面白くも確実に何かを伝えられる表現にチャレンジしたいものです。たとえ話も有効です。「あのアイスコーヒーのガムシロップが手についたときのような不快感。それを一掃してくれるグッズがあったら、喉から手が出て、あなたと握手ですよね?!」「それって実際、初めて車の免許を取って運転をしているあなたぐらいのかなりの緊張感じゃないですか?」「知ったかぶりの後味の悪さ。目が泳いで、クロールにバタフライ。知らないことは知らないと言ったほうがいいって思い知ったその経験を活かして言いますが、実際、私は知りませんでした」……などなど。あるときは「お笑い調」で、あるときは「アカデミック」に……。製品の持つ魅力を「相手の気に入る表現」にして伝えることも、上手な人を真似ることで覚えていくものです。自分の心に浮かぶ違和感も、見逃さず……「同じように思う人がいるに違いない」を逆手にとって、「なぜ、自分はそのことについて違和感を覚えるのか?」を分析し、そんな方をも仲間にしていく。プレゼンテーションは「心理学」であり「文学」でもあり、「哲学」や「科学」のチカラもお借りし、よりドラマチックでより印象に残る話にしていきたいものです。こんな言葉があります。「MEME」と書いて「ミーム」と読みます。その情報自体に「伝承能力がある」ものをそう呼ぶようです。流行語、ファッション、メロディなど、人から人へコピーされて伝播していくものを意味します。あなたの話したプレゼンテーションがMEMEとなり、聞いた人から次の人に伝わっていくような命を吹き込めるなら……、プレゼンター冥利につきると言えます。スゴイ!話し方35知識と商品メリットを結びつけて、相手の期待を超える
タイプ別の売り込み方人がモノを買うとき、何を決め手にするかは、大きく3つのタイプに分かれるそうです。その3つとは、①人とのつながりを重視するタイプ②権威、権力、資格などを重視するタイプ③費用対効果を重視するタイプです。さて、この3タイプの人たちに、モノを買っていただきたいとき、それぞれ、どんなアプローチをすれば効果的なのでしょうか?■人とのつながりを重視するタイプへのアプローチこのタイプの方に買っていただくためには、とにかく自分を気に入ってもらうことです。信頼関係を築くのが最初の一歩。そのためには、まず、自分が相手のことを好きになることです。以前、僕のプレゼンテーションをずっと無表情で聞いている人がいたんです。説明のあとの懇親会にその人がいて、「あっ、あの人だ」と思ったんですが、思い切って「今日、僕の話、どうでした?」って聞いてみました。そうしたら、「面白かったですよ」って。実はその人、普段から無表情なだけの人だったんです。その後、会話がけっこう弾み、実は人とのつながりを重視するタイプだったことがわかりました。一見、苦手に思っても、勇気を持って接して、相手を好きになってみましょう。あと、このタイプの人は、「周りのみんなが買っている」というアプローチも有効ですね。■権威、権力、資格などを重視するタイプへのアプローチこのタイプの人には、「この商品は、特許を取っている」とか、「なんとか賞を受賞している」とか、「皇室御用達」とか、そういうお墨付きであるという点をアピールしてください。「この商品の開発には科学者が○人、関わっている」といった、商品のバックボーンや開発の秘話なども有効です。■費用対効果を重視するタイプへのアプローチこのタイプの人は、「値段」と「効果」を気にしますので、値段に見合った(あるいは超えた)効果があることを、データで示して説明してあげるとよいでしょう。また、メリットとデメリットを比較しながら説明することも必要です。気が短くて、結論を急ぐ人が多いので、ダラダラした説明はしない。「要点は3つです」と最初から言ったほうが興味を引くことができます。結論から先に言ったほうがよいのもこのタイプです。以上、3つのタイプ別に、どう売るのが効果的かを説明しました。相手のタイプは、「誰かと一緒にいるのが好きだから、人とのつながりを重視するタイプだな」とか、「すぐに『それで、いくらかかるの?』と聞いてくるから、費用対効果を重視するタイプだな」など、その人を観察していればだいたいの見当はつきます。ぜひ、相手のタイプを見抜いて、相手が喜ぶ効果的な伝え方を大切にしてください。スゴイ!話し方36相手のタイプを見極めて、伝え方を変える
口に出さないで「本音」を伝えるには?人には「うわべ」と「本音」があります。うわべでは賛成していても、本音では反対している。うわべは反対しているが、本音では、実は賛成だ。そんなことが多々、日常にはあるものです。でも、本音って、なかなか相手には伝えにくいものだったりもします。口に出すことなく、相手に本音を伝えるにはどうしたらよいでしょう?そんなときに、よい方法があります。「ダブルコミュニケーション」を利用するのです。人のコミュニケーションは、単純ではありません。ときには、言っていることとは反対の気持ちが、口調や態度に出てしまっています。たとえば、「やってみな」というひと言。「全面的に信頼しているし、応援するから、思い切ってやってみな!」という「やってみな」なのか?「そこまで意地を張るんなら、失敗しても、俺は一切責任を負わないから、好き勝手にやってみな」という「やってみな」なのか?それは、その人の態度にあらわれています。「みんなで旅行に行く計画があるんだけど、一緒に行かない?」と誘われたとき。本気で来て欲しいと思っていて、自分が行かないと言ったら、その人も行くのをやめてしまうか?それとも、それほど来てもらいたいとは思っていないけど、声をかけないとマズイからとりあえず声をかけているだけなのか?「一緒に行かない?」といううわべの言葉の他に、態度や声のトーンの中に、もう1つ意味を発信している。これが「ダブルコミュニケーション」です。そして、実は、多くの人は、このダブルコミュニケーションを見抜くエスパーなんです。なにより、感情と脳はつながっているのです。あなたの態度や声の調子などから、相手はあなたの本音を見抜きます。「本音はバレていないな」と思っていると失敗します。だから、僕は逆に、相手のダブルコミュニケーションを見抜く能力を利用するようにしています。つまり、「本音を口に出すことなく、伝えたいとき」に、相手のエスパー能力に働きかけます。たとえば、「あぁ〜」の「あ」に濁点をつけて発音する。「ぁ〜、いいと思うよ…」この「ぁ」の「」に、否定、疑念、皮肉、渋々の同意など、いろいろな情報を乗せる。少し高度なテクニックですが、必ず相手に伝わります。スゴイ!話し方37「ダブルコミュニケーション」を利用して、コミュニケーションを取る
針を打つ場所を考える僕の知り合いに、すごく面白い施術師がいます。彼の話を聞いていて、ユニークだなと思ったのが、「疾患は悪ではないんだ」という考え方でした。彼曰く、「人は、病気になることでバランスをとっている」要は、「たまたま自分がフォーカスをあてた疾患部分がマイナス要素になっているからといって、一生懸命にそこを治そうとしても、全体の調和を乱すだけ」だと言うんです。転じて、こう考えることもできます。仕事がうまくいかない人は、仕事ができないのではなく、そうなることで調和をとっているのではないか?その人に、「仕事ができるようになって欲しい」と思って、僕がそこを動かすことは、この人にとって不調和を呼ぶということになるのではないか?それでも、どうしてもその人に「仕事ができる」「仕事を頑張る」という選択をして欲しいんだったら、違う要素にアプローチすることが、重要になってくるのではないのか?鍼灸院に行き、肩のコリを取ってもらうときに、直接、肩に針を打つのではなく、手の甲のツボに打ったりする。そういう「悪い場所と意外な場所の関連性」みたいなものが「仕事をサポートする」「その人に助言する」ときなどにもあるのではないかと思ったのです。その人が「仕事を頑張るということ」は、もっと違うところに「攻めるべきポイント」があるのではないか?と考えると面白いですよね?!調和を考え、全体を見る癖を付ける。ダメなことだけにフォーカスするのではなく、全体を感じ、大きく構え、状況を変えていく。先ほど、「ダブルコミュニケーションを利用している」というお話をしましたが、ただただズバッと直球ど真ん中のコミュニケーションが、常に効果的なわけではありません。患部にドンと針を刺しているコミュニケーションは全体が見えてないのかも知れません。たとえば、突然に営業成績が悪くなった部下に対して、こんなふうに言ってしまう。「お前、なんで最近やる気がないんだ?」「いや、実はですね、母が病気で」「お前な、仕事なんだぞ。お母さんが病気だということは心配かもしれないが、だからといって仕事ができないということとはまったく別問題だ!」そこが患部なのに、よかれと思って傷に塩を塗りこんでしまっているんです。上司からそう言われて、「そうでしたね。目が覚めました」っていう人は、上司よりも上手な、できの良い部下です。上司のストレートな対応を受けて「そうだった、仕事は仕事、家族のことは家族のことと、区別しよう。いい話を聞いたな」って思えるような人は、上司がいなくても勝手に伸びていく人だと思います。しかし普通は、「上司はわかってくれないんだ」と腹を立てるか、余計にへこんでしまう部下がほとんどでしょう。だから、まずは、「そうなんだ、お母さんが病気なのか。それは心配だな。納得がいくようにちゃんと世話してあげなさい」と、相手の悩みを精一杯受け止めてあげる。その上で、「違うところに針を打つと患部が治る」ということを意識して、「ところでお前」って話を変える。あとは、「ここかな?ここかな?」ってやりながら、どんな話をすればモチベーションが上がるかを探って、営業成績とは違う話の中でスイッチを入れていくようにするということが必要ではないでしょうか。スゴイ!話し方38一部だけにフォーカスしないで、全体を見て、調和を考える癖をつける
「利他」の気持ちで、ひっくり返る「彼はとても細かい性格だ」「彼はとても慎重な性格だ」まったく同じ人についての説明ですが、前者はあまりいい印象ではありませんよね。サラリーマンが上司について「ウチの課長は、ホント、細かくて苦労するよ」と言っているニュアンスです。これに対して、後者はどちらかと言えば褒め言葉に聞こえます。課長が部下について、「彼はとても正確で丁寧な仕事をしてくれる」と社長に伝えているというニュアンス。このように、たとえ「同じ人」について語る場合でも、表現1つで伝わる印象が簡単にひっくり返ります。そもそも、人の「長所」と「短所」は、ほぼ同じものです。「行動力がある」は「先走りしやすい」。「真面目で一途」は「考え方がカタくて、融通がきかない」。「情熱的で率直」は「すぐに熱くなり、怒りっぽい」。すべて、良いところと悪いところは同じ。さらに言えば、その人が持っている才能を他人のために使えば長所、自分のためだけに使えば短所です。しゃべるのが上手な人が、役に立つことを他人のためにわかりやすくしゃべったら「長所」です。でも、その才能を自分のためだけに使うと「詭弁」になる。短所を長所に変えるものは、「利他の気持ちがあるかどうか」ということですね。「スゴイでしょ」って思ってしゃべっているときは、スゴイと思われたくてしゃべっているから「独りよがり」です。しかし、その話をすることで、聞いている相手が刺激を受けて、何かをひらめいたり、学んだり、元気になったりするなら、それは相手のためになる。つまり「利他」です。相手に、良いことをして差し上げている。同じことをしゃべっていても、「徳」を消費してしまっている場合と、「徳」を積む場合があるということです。相手はあなたが「自分が褒められたくてこの話をしている」のか、それとも「この話をすることで私に何かを役立ててもらおうとして話してくれているのか」という微妙なニュアンスをしっかりと見抜きます。下心があるのか?それとも「利他」の気持ちなのか?それはバレバレなんです。あなたが、ただ単に怒っているだけなのか。それとも、自分のためを思って叱ってくれているのか。それは、必ず相手に伝わります。あなたの言葉が、「forme」なのか「利他」なのかによって、受け手側の印象は大きく変わるのです。相手の心に響き、相手に動いてもらうように話すには、この「利他」の気持ちを持って接することが必要なのだということを忘れないでください。スゴイ!話し方39「利他」の心を忘れない
人生において大切なことは限られています。それを伝えたいが、使い古されたフレーズでは心には届くが、魂までは届きません。「夢を持とう」「未来のビジョンを描け」と投げかけても届かぬ人に相手をドッキリさせるキラーフレーズを!!!「何を未来と約束しているの?」問いかけてみると……、「未来との約束?」と驚き、その人の心の霧が晴れ、意識を未来に馳せている表情を見せてくれます。アドラーは「人は感情を捏造する」と言いました。たとえば、知らない間にしてしまった「未来との約束を成就するために」……。今、確固たる現実と受け止めている現状が、捏造された感情により構築された現実ならば、目を覚まし、「未来との約束」を望むべきものに変えるべきではないでしょうか?だったら、こんな未来がいいなと、「起きて欲しい未来との新たなる約束」が生まれるかも知れません。
「頑張れ、頑張れとあおられても……」「頑張ったらいいってわかっているけど……」そんなときのキラーフレーズは、「頑張らなくてもいいから、マメになる」です。「マメ」はもともと生まれたときから内蔵されているアプリなのです。マメは「才能」ではなく、「心がけ」で発動することができます。そして、もてる男は「イケメン」ではなく、「マメな男」=「マメ男」なのです(笑)。「マメ」は漢字で「忠実」と書きます。マメに始めると大きくて大切な流れと、あなたのリズムが合い始めるのです。大きなことを一気に片づけないといけないと追い込まれた心が、小さなことを丁寧にやり始めたり、凡事を怠らず、真面目に専念し始めると、必ず結果につながり始めます。なにしろ楽しくなってきます。そのとき、結果が伴わないことも未来に申し送りされるので無駄はありません。「努力した人がすべて成功したわけではないが、成功者は皆が努力家だ」という言葉がありますが、きっと成功者たちは、暑苦しい努力家ではなくマメな人たちだったのです。
夢を叶える……。夢はきっと実現不可能なぐらい憧れのゴール。だから、何度か諦めそうな局面を乗り越えて達成していくものです。なので、諦めそうな自分を鼓舞し、癒し、奮い立たせて前に進めていかなければなりません。ゲームにおいて、何枚か集めると大きなポイントがもらえるコインがあるなら……、きっと、壁の手前ではなく、壁の向こうにあるはずです。でないと、誰もが手にすることができるわけです。一瞬、不可能に見える状況で……、いや、できる!できると信じたい!と思える、そんなキラーフレーズがあります。「裏切るって夢のほう?それとも自分?」確固たる絶体絶命、諦めても誰もその人を責めることすらないような状況……。そんなときにこのフレーズを聞くと、「やってみる!やってみようじゃないか」と心が奮い立ちます。このひと言で、「夢を追いかけ始めた頃の初心」を思い出してくれるかもしれません。冷静に「自分の夢」ともう1度相談する機会を持ってください。夢はあなたを裏切りません。それどころかずっとあなたを探し続けているのです。
初対面の相手と短時間で距離を縮めたいと思ったら、「自分が相手に対してどういう感情を持っているのか」それをストレートに相手に伝えてしまいましょう!魂の先出しジャンケン。ジャンケンは後に出すほうが有利ですが、人間関係は先出しが有利です。先に「好きです」と言われると、そっちの方向に流れはできていくのです。「もう○○さん、ムチャクチャ好きです!」「〇〇さん、いいわ〜♪」「めちゃ、最高ですね」「なんで今まで知り合わなかったんだろう」相思相愛は相手が先にこっちを気に入ってくれた場合と、こっちが先に気に入ったときにしか起きないのです。相手をコントロールすることはできませんが、自分を一歩前に進めることはできるのです。誰でも彼でも好きだって言えばいいのですか?っていう質問が飛んできそうですね。表面的なテクニックの話ではないのです。もっと深い秘技なのです。「先に、その人を好きだって言えばいい」というテクニックで、薄い人間関係を作るのではなく、その人との会話の中で、その人の「素敵ポイント」を発掘するのです。「お仕事は何をやられているんですか?」「美容関係なんです」「美容関係というと?」「エクステなんです」「キレイなものが好きなんですね」「そんなことないんですよ、たまたま……」「もともとは何を目指していたんですか?」「美容師だったんだけど、肌が荒れやすくて……」「敏感なんですね〜。でも、美容が好きでエクステを?」「はい。あと、人が好きなのかな〜」「わっ。そうなんですね?!どんなときお仕事、楽しいなって感じますか?」「やっぱり、来られたときと、帰るときのお客様の気持ちが変わっている感じかな?実際、可愛くなっているし!」さあ、素敵ポイント探しが始まりました!!!!そこからその人の素敵にスポットを当て、フォーカスしていきます!!!宝探しゲームみたいでしょ?!それを掘り当てるキラー質問もここに掲載しましょう!「かつて一番、頑張ったのは何でした?」その人の人生の素敵シーンが聞けます。「何に、人生で一番、感動しましたか?」その人の心の感動ポイントがわかります。「どんなときに一番、ワクワクしますか?」その人の体験の大好物がわかります。そんな〇〇さん、手放しにあなたは大好きですよね?!はい、言ってください!!!「もう○○さん、ムチャクチャ好きです!」
不思議なフレーズなんです。このフレーズ……。「あなたにとって今、頑張ることが大切でしょ!」「なんで、頑張れないの。こんな大切なときに!」「あなたはちゃんと仕事、できているの?」そんな言葉を投げかけて人が動くんだったら、なんて簡単なんでしょうか?心の表皮をかすめる程度の浅い投げかけに聞こえてしまいます。じゃ、不思議なフレーズ、お伝えしますね。魔法の言葉です。「チカラ、貸してね」「〇〇さん、チカラ、貸して欲しいんだ」「〇〇さんのチカラ、借りないとできないんだ」「誰かの役に立ちたい」「自分の存在を認めて欲しい」「愛されたい」「受け入れて欲しい」「許されたい」たくさんの心の軋轢をホ・オポノポノは解消してくれます。その効果と同じ線上にこの、「あなたのチカラを貸してください」はあるのではと僕は思います。※ホ・オポノポノはハワイに伝わる「心の洗浄法」のこと。
たとえば、売り込みでどうしても相手に買っていただきたいというようなとき。大きな決断はこっちでして、小さな決断は相手にしてもらうというのは1つの常套手段です。僕も、次のような言い回しをよく使います。「ここはもう、決定ということでいいですか?」つまり、「買っていただくことは決まりということで、ローンにしますか?キャッシュにしますか?」みたいな言い回しですね。身近な例にたとえれば、「今度の連休、家族で旅行に行くのは決定ということで、海に行く?山に行く?」ですかね。「買っていただく」「旅行に行く」という部分は、もう決定しているので、それを前提にして話を進めましょう。そういう、ちょっと強引なキラーフレーズです。でも、大きな決断って、体力を使うじゃないですか。その部分はもう、「こっちで決めておきました」っていうスタンスですから、相手にとっては楽だと言えないこともないのです。「いやそれはちょっと厳しいですね」「じゃあ絶対OKということを大前提としたら、なんとかする方法はありませんか?」「ないことはないですけど」「ありがとうございます!ぜひ、その流れでお願いしたいです」と、あえて一歩踏み込んでみましょう。意志あるところに道は開けるものです。
「叶えたい夢があるんです」と相談に来られる人がいます。そんなとき、「素敵な未来を言い当てる予言者」になることに僕は徹します。「今は、そう言っているけど、それどころじゃない未来がやってくるかもよ」「今を思い出したときに、あの頃はココがゴールだと思っていたんです、ってなるかもよ」「実はもっとスゴイ。でも、それは叶えてみないとわからないことだよね。『拓巳さん、初めから言ってた』ってなるよ」素敵な未来を言い当てる予言者は想像力を使って、その人の素敵な未来を予言します。そんなときのキラーフレーズが……、「そうなったとき、友だちだって言っていい?」相手は、「なに言っているんですか!!!」と驚きと笑いでその場が盛り上がります。重ねて……。「楽屋口に山﨑拓巳さんって方が来られています」ってなったとき……。「え〜?!今、忙しいんだけど……。わかった、待たしておいて……」てなおざりに扱ったら、「あいつも変わっちゃったな!」って俺、言うね!「そんなことないですよ〜」とさらに違う角度で夢の実現を意識に入れるのです。たくさんの方が夢を叶えていきました。そして、このフレーズを先に言っておいたお陰で、今も友だちです!
会議などで、その場がシーンとなってしまったり、議論がはずまないときってあると思います。そんなとき、ファシリテーターとしてどんな声がけをすればよいのでしょうか。僕は、よくこんなキラーフレーズを使います。「ぶっちゃけ、どうですか?」『すごい会議』という本の中に「人に言えない事実はなにか?」っていうのを発表する場面があるんです。「人に言えない事実はなにか?」は実際、人には言えません(笑)。発表するには勇気がいります。発表したときにみんなに走る衝撃は、ショックを越えています。でも、間を置いて、笑いに変わるんです。それを吐露し、それについて会議をするのではなく、参加者がそれらを大前提とし認識することで、会議が円滑に進んでいくのです。本音を隠して、建前だけで名案を皆で探り合うほうが実は難しいのです。「ぶっちゃけ、どうですか?」とやると、「えっ、本音を言っちゃってもいいの?」ってお許しが出た状態になります。本音が出始めると、手放しに面白くなります。何しろ「ぶっちゃけ」なんですから。「ぶっちゃけ、この企画、実際、ヤメたい!!!」「エ〜ッ!!!」「ぶっちゃけ、全部、本社がやるべきだと思う!!!」「それ言っちゃったら、終わりじゃん!(笑)」てな具合で、春になり、氷が溶けて、川が流れ始めるのです。
メールの調子がおかしくなって、ちょっと腹を立てて、パソコンメーカーのサービスセンターに電話したときのことです。僕が、「メールの調子が悪く、今、こういうことになっているんです」って説明をしたら、電話に出た相手がこう言ったんです。「メールがそうなっているということは、大変な状況ですね。申し訳ございません、早急に解決しましょう」この言葉を聞いた瞬間に、僕のクレームも怒りも、もう半分以上終わってしまったんですね。そのフレーズの素晴らしさに感動しました。「申し訳ございません、早急に解決しましょう」その人を「モノ」として扱っているか、「ヒト」として扱っているか。第2章で、愛とは「心の痛みを共有すること」だと書きました。その人の立場になって、その人の感情の違和感を共有・共感することが大切なんだな、とつくづく思いました。何か問題が起きたときに、「それはですね、当社のミスではなく……」と切り出したらどんな展開が始まるか想像がつきますね。「それはかなり仕事が遅れてしまい、たくさんの困難を抱え込んでしまっている状況にいらっしゃいますね。担当として、聞くにしのびありません。当社としてこの問題を解決できる立場にないのですが、解決できる方法を一緒に考えさせてください」と対応されたらどうでしょうか?まったく別の話になりますが、レストランで水をこぼしてしまい、恥ずかしい気持ちでいるときに、「御召物、大丈夫でしたか?」のフレーズに心が癒された経験はありませんか?さらに、別の場面ですが、ホールのスタッフさんがコップを大きな音を立てて床に落とし、割れる音が響きました。しかめっ面で振り返るお客たち……。「ビックリしたんじゃないですか?」とそのスタッフに声をかける人を見て、思いやりとは何かを学びました。相手を怒らせてしまった。その怒りの理由を聞くと、状況を取り違えていることが多いのです。「そうじゃなくて、間違ってとらえているよ」と伝えるのは簡単です。そこでキラーフレーズです。「そう思わせてしまったということは、そうしてしまったことと同じだと思います。本当にごめんなさい」「そう思わせてしまったということは、そうしてしまったことと同じだと思います。本当にごめんなさい」とまず、前提でお伝えするのです。その後に、「しかしながら、行き違いがあったことを説明させてください」と、なにが状況の取り違えになっているかを伝えると、たいがいの場合は、スムーズな解決ができると思うのです。
仕事は、その人と自分の〝素敵〟を共有することで成立するものだと思っています。その範囲を越えて相手にお願いベースで提案をする場合……。「なんだ、強引な人だな〜」と捉えられたら、後々の仕事にツケが回ってきます。そんなときに……。「これは仕事ではなく僕のワガママなんです」と切り出す。本来なら、そこまでお願いできる話ではないのですが、これ、僕の意地なんです。どうしても成し遂げたくて、ワガママを伝えに来ました。もし、よかったらこの件、ぜひ承諾してもらえないでしょうか?無理だとしても全然、問題ないです。「仕事のルールにのっとったなら、こんな相談をすること自体が、ありえないことですので」と、しっかりへりくだって、その後に自分の「ありえないお願い」を提案してみる。「そんなこと、だめだ!」と言われるケースもあるでしょう。「いいよ!」と意外にも快諾いただけるケースもあるでしょう。しかし、伝えてみなければ知る由はないのです。なるべく最小限のリスクでもって、自分の「ありえないお願い」を提案するキラーフレーズが、これなんです。
会議では何を目指すのか?もし、あなたが会議のチェアマン(主催者・議長)になったら、どんなことに注意をして、何を目指しますか?自分が会議の参加者の1人なら、議題に対して思うところを言い放てばいい。問題なのは、場をまわして、出た意見をまとめなくてはならないチェアマンになったとき、どうすればいいかです。チェアマンになったら、まず気をつけなくてはいけないのは、声の小さな人の意見も、ちゃんとまな板の上に乗せてあげることです。キャラの濃い人は、放っておいても「これはこうだ、わかっているだろう」って勝手に意見を言いますよね。その意見に対して、これまた声の大きい人が「いやそれは違う、あなた、予算のことを考えずに言っているでしょ」って反論をする。そうなるともう、声の小さい人は何も発言せずに観客になってしまいます。このように、「声の大きな人」や「そのジャンルに詳しい人」の意見がそのまま通ったり、誰かが吊るし上げられたりするだけの会議が実に多いと思います。そんな会議にならないように、声の小さい人たちにも「〇〇さんはどう思いますか?」って、発言の機会を与えてあげるのがチェアマンの役割です。そもそも、ブレインストーミングって、直訳すれば「脳みそ嵐」ですよね。嵐を起こしたいなら、最初は予算や時間などの制限をかけずに、発言者の話の腰も折らず、全員の思いのたけをてんこ盛りにして出したほうがいいではありませんか!会議は言わばオーケストラ。全部の楽器が奏でられ、1つの総合芸術となるよう指揮する。そうやって、全員の意見をまな板に乗せた上で、全員のコンセンサスがとれた「違和感のない合意」へとたどりつけるように、場をまわしていくのです。スゴイ!話し方40全員の意見をまな板の上に乗せて、「違和感のない合意」を目指す
多数決は正しくない会議で、最初に制限なく全員の意見をまな板の上に乗せることができたら、次は予算や時間や人員などの「制限」をかけて、メンバーのコンセンサスをとります。この、コンセンサスをとっていくときに注意したいのは、「多数決は正しくない」ということです。「社員旅行」や「忘年会」についての話し合いなら多数決もありです。しかし、事業方針や新企画など、ビジネス上の会議の場合、多数決だと変化の激しい現代においては効果的ではありません。時代に対して対応力のある人は数が少ないので、多数決だと、結果として後手にまわってしまうのです。そして、ときとして、多数決は大きなチャンスを逃がす落とし穴になるのです。ある敏腕音楽プロデューサーはこんなことを言っていました。「全員一致はヒットしない」つまり、会議で全員が「イイね」というような企画は、みんなの概念の中にすでにあるものと考えられます。「外さないけれど、大当たりもない」という結果になりやすいのです。逆に、数少ない人が強く推した場合は、ヒットしないかもしれないけれど、当たったときのオッズは高い。つまり、大ヒットになる可能性があると言うのです。そのプロデューサーが手掛けた某人気歌手は、デビュー当初、誰も会議でプッシュしなかったそうです。皆が耳にした4曲入りのデモテープの中には、その歌手の代表曲となる2曲も、入っていたそうです。もし、多数決で結論を出していたら、その歌手はデビューしていなかったのです。スゴイ!話し方41大当たりを目指すなら、多数決より、「センスのいい少数派」を信じる
チェアマンに必要な資質は?チェアマンにもっとも必要とされる資質はいったい何だと思いますか?もし、「チェアマンに必要な資質を2つ教えてください」と聞かれたら、僕はこう答えます。「バランス感覚とセンスです」前の項で「多数決を信用するな」と言いました。もし、会議というものが、全員の意見をまな板の上に乗せて、それについて多数決で決めるだけでよいなら、チェアマンには「バランス感覚」も「センス」も必要ありませんよね。ここで忘れてはいけないのは、チェアマンは決裁者ではないということです。最終判断をするのはあくまで社長であったり部長であったりします。ですから、チェアマンには「権限」はいりません。チェアマンに必要なのは、「Aさんの意見がいい理由は『失敗例がないこと』。Bさんの意見のいい理由は『リスクはあるけれど、当たると大きいこと』。Cさんの意見は『予算がかかるけれどリスクが小さいこと』」と、各意見の長所短所を「見える化」したり、イイとこ取りしたりして、権限を持っている人に提示してあげることです。「さあ、社長、どれにしますか?」と最終責任を取る人がジャッジできるような状態にしてあげるのが、チェアマンの仕事だと心得てください。そのためには、すべての意見のメリットとデメリットを冷静に見るバランス感覚と、少数派のすぐれた意見を見逃さないセンスが必要なのです。スゴイ!話し方42バランス感覚とセンスで、出た意見の長所短所を「見える化」する
会議の「場をまわす」ときの注意点ある企業の共同創立者の話です。その企業は2人の人物が創立したのですが、この2人の間で1つの約束事があったそうです。それは、こんな約束でした。「もし、2人の意見がA案とB案で対立して、そのうちA案のほうを採用してうまくいかなかったとき。B案のほうを推していた側は、『ほらね、B案がイイって言ったでしょ』とは絶対に言わないようにする」つまり、失敗したときに、「ほらね」って言って蒸し返して、失敗した案を推した側の顔をつぶさないということ。合意したなら、選んだ案は2人の案なのだという取り決め。2人で長い間うまくやってこられたのは、この約束があったからだというんです。これ、そのまま、会議の場でチェアマンが忘れてはいけないことです。つまり、会議で、A案とB案という2つの意見が対立して、A案が通ったとき。Bの意見を推していた人の顔をつぶさないということがとても重要なんです。顔をつぶしてしまうと、つぶされたほうが意地になってしまったり、両者にしこりを残してしまったりということになりかねません。会議において、対立意見が出て争うこと自体は、それによって意見自体が磨かれるし、意見交換が活発になるので、必ずしも悪いことではありません。しかし、それによって「敗者」を生み出してしまっては、何のための話し合いだったかわからなくなってしまいます。つぶし合いは無意味ですよね。また、自分と異なる意見が出たら、よほどのことがない限り、「では、あなたの意見を詳しく教えてください」という姿勢を大切にしています。単に衝突を避けたいからではありません。なぜ、そうするかというと、僕と反対の意見を言っている人には、もしかしたら、「自分には見えてないもの」が見えているかも知れないと思うからです。それどころか、僕がついていけないだけで、世の中を変えてしまうような斬新なアイデアかも知れない。僕が、自分の案をゴリ押しすることで、そんなスゴイアイデアをつぶしてしまうかも知れない。そんなふうに考えると、自分の意見を通すことに専念し、相手を論破してしまうのはもったいないと感じます。反対意見でうまくいけば万々歳だし、うまくいかなかったら、新たな案に変更すればいい。会議のときに、意地を張って不自然なしこりを残していませんから、変更することになってもスムーズに運びます。そもそも、会議でアイデアを出し合うのは、組織をよりよい方向へ持って行くのが目的です。その前提は、組織に所属する1人ひとりの人間が幸せになること。結果として「組織」よりも組織を構成する「個人」が幸せになるものでなければいけません。1人ひとりがそれぞれの人生を歩いていて、たまたま、出会ったのが会議というスクランブル交差点です。チェアマンは、その場にいる人間の1人ひとりが、幸せに向かって生きているんだという大前提を忘れてはいけません。だから、誰かを敗者にするような、会議の進め方をしてはいけないんです。スゴイ!話し方43意見が通らなかった人を「敗者」にしない。「そもそもなんのための会議?」を忘れない
理想の組織とは?第1章で、「組織はヒエラルヒーよりも『球型』が面白い」というお話をしました。「組織」よりも「個人」を大切にする、というのは、その考え方にも通じるものなんです。流れが激しい現代においては、バシッと横同士がつながっていて、「一枚岩」になっている組織というのは、崩れるときも一緒なので逆に危ない。それよりも、各個人が一元化されずに集まっていて、それぞれの場面でそれぞれに力を発揮できる人がリーダーシップをとっていくような組織のほうがリスクヘッジの面でも優れています。アメーバ的に横展開され、ゆるく、なだらかな組織の強さを強調する人が昨今、多くなりました。また、第二次世界大戦のときに、日本の軍隊は、1つのチームを7人以上にしなかったと聞きました。それ以上の人数になると、キャラが衝突するのでしょうか?ある一定の人数を超えると違うルールが働き始めます。組織を魅力的に運営する魔法があるのです。流れとサプライズとシンクロを大切に、常に魔法使いでいたいものです。会社にたとえれば、総務なら総務という部署ごとに同じ役割を持つ人を集めてチームを編成するのではなく、1つのチームの中に、総務も経理も営業も開発も全部が入っている状態。Aをやる人、Bをやる人、Cをやる人、Dをやる人って、7人の中に、ABCDEFGって全部入れてしまうんです。なんだか、とてもお金がかかりそうなチームですよね。でも、比べてみると、同じ役割を持つ者同士が大きなチームを作っている組織より、こっちのチーム作りのほうが、機動力があって生産効率が高い。ある企業では、実際にこのABCDEFGを全部入れたチーム作りを実験的に導入して、その仕事の効率の高さを確認済みだそうです。つまり、得意分野の決裁権を持った人たちが、それぞれの役割を担って、個々に動ける組織のほうが全体としては大きな結果が出るということです。もう1つ言うと、その役割の中に、メンバー同士がぶつかり合ったときに、「まぁまぁまぁ」って言って、うまく間を取り持つ「調整役」のような役割の人がいると、組織は、なおうまく行く。陰になり、人を支え、あるときは参謀として動く人も必要ということです。メンバーの関係がギスギスしそうになったとき、「〇〇さんは会議ではあんなことを言っていたけど、陰ではあなたのことを、ものすごく一目置いて頼りにしているんですよ」とか、そういうことを言う、忍者みたいな人ですね。表舞台には出て来ないし、記録にも残りにくいけれど、こういう調整役は組織にとってとても貴重な存在です。野球チームだって、いろいろなチームの4番打者ばっかり集めても、決して強いチームはできないではありませんか。送りバントを決めて、3番4番がイイ仕事をできるお膳立てをしてくれる選手がいるから強いチームになるのです。言わば、この目立たない「調整役」が、会議におけるチェアマンの役割です。会議の参加者のそれぞれの強みや個性を活かしつつ、いかに、その意見を調整していくか。ですから、優秀なチェアマンは、「組織が今、どんな状態で、どの方向に向かっていけばよいのか」、そのあたりのところまで、ちゃんとわかった上で、会議の場をまわしているのですね。スゴイ!話し方44チェアマンは各個人の力を引き出す調整役
異なる意見をどうするか?会議でチェアマン役をするとき、頭に入れておいたほうがよいこと。それは、会議に出席している全員が、こう思っているということです。「自分は正しい」誰もがみんな、「自分は正しい」という剣を持って、会議に参加している……というより自分の人生を生きている。ですから、「いや、君は間違っているよ。なぜかというと……」ってやると、必ずその剣と剣がぶつかり合う。このチャンチャンバラバラを避けるためには、とにかく「自分は正しいかも知れないけれど相手も正しい」と思うこと。第1章で、僕が先輩から「相手の考え方をまず認めなさい」ってアドバイスをされたお話をしましたね。あの考え方です。そもそも、世の中、答えは1つではありません。ですから、ケース・バイ・ケースで、「A案に決定するけれど、B案は、〇〇さんがリーダーとして別プロジェクトで独自に進めてください」という落としどころだってありなんです。あえて統一しないで、両方活かすという結論もあることを忘れないでください。また、A案、B案、そしてC案と、この3つをつないでできる三角形の面積の広さが、次なる解決案を降ろしてくる土壌として効いてくる場合があります。ABCをつないだ三角形の面積が小さいと、面白みのない案となるケースも考えられるので、面積の広い展開を意図的に作り上げるのもチェアマンの手腕と言えます。どうすればA案と似ていないB案を導き出せるのか。それらとは相反したり、あえて流れに逆らうようなC案を出せる雰囲気を作れるのか。ざっくばらんで冗談が言えるような雰囲気が、各案の描く面積を大きくする要因となります。スゴイ!話し方45答えは1つではない
会議前のコンセンサス会議や議論を円滑に進める1つのノウハウとして、会議を始める前に、参加者全員に対して、コンセンサスを得るという方法があります。コンセンサスって、簡単に言えば「合意」ですよね。いったいこの会議の目的は何なのか?会議が終わる時間までにどうなっていたいのか?そういうことを、最初に合意してもらう。始める前にエネルギーを整えると思ってください。会議という「儀式」の取り決めです。今から始まり、所定の時間内に着地する地点を参加者がイメージレベルで共有する。そのために宣言をするのも大切です。たとえば、「イベントをどうする?」という会議だったら、「会議が終わるまでに、イベントの中身やそれぞれの役割を決めるところまでは進めたい」とか。そして、もちろん、「この会議は、イベントを成功させるために行っている」と、会議の目的を共有する。さらに言えば、「イベントの成功とは、すなわち、来場者に満足していただいて、最低でもいくらの黒字でイベントを終える」というように、しっかりとゴールを明確にするのも方法の1つです。そして、会議の進め方については、「全員がハッピーになれるように、思うところは全部出して話し合うけれど、決していがみ合うためのものではないのでご了承ください!」と宣言をしてコンセンサスを得る。セミナーなどで登壇した際、僕は冒頭で、「帰るときにはどうなっていたらよいでしょうか?何を手に入れることができたら最高だと感じることができますか?それをまず、目の前の紙に書いてください」と提案することがあります。こうやってあらかじめ意識のアンテナを立てることで情報収集の方向性がバッチリできあがります。会議も同じで、最初のコンセンサスで、「ゴールのイメージ」を共有すれば、メンバーの参加意識がまるで違ってくるのです。会議の主旨とは違った意見が飛び出し、会議自体がまったく違う方向に進んでしまうこともあります。「素晴らしい意見が出たのですが、今回のテーマからずれてしまいますので、後日、そのことを中心にもう一度、みなさまとお話しさせていただける機会を設けたいと思います。ご意見、ありがとうございました。では、先ほどの続きとなりますが……」という方向転換もチェアマンの重要な仕事となります。全体を整え、流れを整え、みんなのエネルギーを整える。進行の時間配分や、重要なテーマに行き着く前に、参加者のエネルギー切れなどが起きないような時間配分も重要な仕事となります。スゴイ!話し方46最初に、ゴールのイメージや、ルールのコンセンサスを得てベクトルを合わせる
猛者たちへの対応は?あなたがチェアマン役をする会議の参加者が、自分よりもずっと年上の猛者ばかりだったら、あなたはどうやって会議を進めますか?若かりし頃に、僕はそんな経験をたくさんしてきました。全員が自分よりも年上で、個性的な、雲の上にいるような猛者の方たちを相手にして会議のチェアマンをやっていたんです。若くて、参加者より断然、個性がなく、毒も色もなかったから、その役をやることになったのでしょう。■会議の目的宣言そんな会議では、まず前出の「会議前のコンセンサス」を取りました。「今日はですね、何時までに終わらなくてはいけなくて。そのときには何月何日のイベントに関して、こういうふうにやったらいいんだなということがわかった状態で終わっていないといけないんです」すでに説明したように、そう言って、とにかく会議の目的と終了時間、そして、ゴールイメージのコンセンサスを得てから会議を始めました。■意見の簡素化次は「では、まず1人ずつ聞かせていただいていいですか?」と言って、最初に、ひと通りご意見を伺いました。ここでは、議論にならないように、他の方には黙っていてもらって、1人ずつ思いのたけを語っていただく。そうやって伺った意見は「それは、こういうことですか?」って簡素化して、その人の意見としてまとめます。■意見を整理して、たたき台を作る全員のご意見を伺ったあとは、交通整理役に徹しました。自分の意見を言うのではなく、出された意見を材料にして、プラモデルを組み立てていく感じで、「たとえばですね、こういうのもありますよね。これをもっとよくするにはどうしたらいいでしょう?」ってたたき台を出す。そうすると、皆さん、それこそいっせいにたたいてくれます。そうやって、たたき台をみんながたたくのを見ていて、「これって、こういう理解でいいですか」って言って、また新たなたたき台を出す。しばらくしたら、また次のたたき台を出すということを繰り返しました。■得意な人に任せるそうやって、たたき台をいつまでもたたいていても、なにしろ個性の強い皆さんですから一生まとまりません。そこで、そろそろ煮詰まってきたなと思ったら、得意な人にお任せするようにしていました。つまり、音楽が得意な方に「このイベントには何曲が必要で、どんなテイストの曲でやるかというのを、次回までにたたき台を作ってもらっていいですか?」と言って任せてしまうんです。得意な分野なので、「よっしゃ、任せろ」って二つ返事でOKしてくださいます。同じように、「じゃあ、全体の予算の割り振りについては、次回までに〇〇さんにたたき台をお願いして大丈夫でしょうか?」って、そうやって、得意な人にお願いするという進め方をしていました。オーケストラの指揮者のごとく、猛獣使いのごとく、個性豊かな演奏者の演奏がぶつかり合ってお互いの個性をつぶし合わぬよう、お互いの得意を活かし、素晴らしい演奏ができあがるよう努める。猛獣がドラマチックに活躍し、最終的に皆がコラボレーションの妙に感動するように持ち込んでいくのが大切です。スゴイ!話し方47猛者の皆さんには、たたき台をたたいていただき、巻きこんでいく
大勢の前で話すときの「入り方」セミナーや講演などで、大勢の人の前で話をするとき、ぜひ、心がけたいことは、「聞いている人より自分のほうが絶対にリラックスしていること」です。講演者が緊張していると、聴いているほうは「この人、大丈夫かな」と思い、話の内容が頭に入らなくなってしまいます。講師によってはわざと、最初に「いや~、緊張しますよね」って言って会場の空気をやわらげる人もいます。まあ、このへんは流派なのでさまざまです。僕はというと、聞いている人が、「えっ?もう始まってるの?」と肩すかしに思うような、脱力したサラリとした入り方が好きです。音楽で言えば、「ジャジャジャジャーン」ではなくて、「ンッアッ」ていう感じで休符から始まるようなイメージ。「あれっ?この講師、丸腰で来た」とビックリさせたい。鎧を全部脱いでステージに立つことを楽しんでいます。「こんにちは、山﨑拓巳です」というスタートではなく、「昨日ね、天ぷらを食べに行ったんですよ」から話し出し、「えっ?」って思っているうちに、気づいたら世界にグーッと引き込まれていくような感じにしたいと思っています。テレビの連続ドラマにたとえると、第3話の夜9時20分ぐらいから始まる感じです。昔、観た蜷川幸雄さん演出の舞台は、会場に入ると役者さんが客席を歩いていて、「来てくれてありがとう」なんて挨拶を友だちにしていて、いつの間にか芝居が始まっているという演出でした。日常と非日常の区切りがない不思議な世界でした。『アリス・イン・ワンダーランド』のように、聞いている人がいつの間にかウサギの穴の中にいて、気づいたら、もうすっかり話にはまりこんで、「もう2時間なんですね」って。そういうセミナーができたらいいなと、いつも思っています。登場するときにかける音楽や始まる前に会場で流れているBGMにも気をつかいたいです。また、会場の温度や、マイク音量や音質によっても伝わる雰囲気が変わってしまいます。スピーカーのタイプによって、伝わる印象自体がまったく違うので注意してみてください。話し始めてから「あっ!少し低音を切って、高音を上げてください」なんてこともしばしばあるのですが、聞いている人がもっともいい心地で聞けるようにという配慮が大事です。スゴイ!話し方48肩すかしで始めて、聞いている人がリラックスしてしまう場作り
会場がカタイときは?僕は、セミナーや講演は、来られた方がリラックスして聞くから実りあるものになると信じています。それなのに、司会の方が、「それでは、ただいまより、山﨑先生にお話をうかがいたいと思います。それでは先生、よろしくお願い致します!」と紹介し、会場をわざわざカタくしてしまうことがあります。そんな、「あっ、ちょっと会場がカタくなっているな」というときに有効なのが「ワーク」です。たとえば、「最近あったうれしかったことを隣の人と1分間シェアしてください」なんていうワークをやると、一発で会場の雰囲気が柔らかくなります。以前に、友だちのメンタルコーチと組んでセミナーをやったときのこと。「あれ?この会場、珍しくカタイなぁ」と思ったら、冒頭を担当していた彼がいきなり、「あっ、じゃあ1個ワークを入れましょう」って言ったんです。うわっ、さすが慣れているなって感心させられました。会場がカタイかどうかは、話をしているときの会場のリアクションでわかります。「気」が動いていないというか、会場からの返りが弱いんですね。会場のリアクションがないままだと、しゃべればしゃべるほどこっちが硬くなってしまいます。そして、「あれっ?伝わっていないのかな?」と思って、補足情報を加えたりして、つい、話が長くなってしまうんです。そんな事態に陥らないようにするためにも、「会場がカタイな」と思ったら、ワークを入れることをおススメします。スゴイ!話し方49会場がカタイときは、ワークを入れて「場」をほぐす
話すときのペース配分は?第2章で、僕が韓国で知り合った友だちから「常に全力ではなく、7〜8割の力でいつも完投するピッチャーになれば成功できる」というアドバイスを受けた話をしました。このアドバイスは、講演などで大勢の人たちの前で話をするときには、まさに金言です。講演で、もし、出だしから全力でしゃべってしまったら、サビの部分では、さらにテンションを上げなくてはいけなくなってしまいます。これでは、講演後は綱引き大会が終わったあとのようにヘトヘト。それに、聞いている人たちも疲れてしまいます。ですから、最初は抑え目にして、徐々にテンションをあげていくのがいいと思っています。第2章で紹介した韓国人の友だちに言われたアドバイスの通り、若い頃の僕は講演でも最初から全力投球でした。それで、これではダメだと思って、講演の達人たちを観察してみると、やっぱり皆さんツルンとスタートしているんです。そして、気がつかないうちに、ガッツリ心をつかんでいる。ヤクルトなどのプロ野球チームを率いた野村克也元監督の講演なんて、もう最初はローテンションの極み。「最近の野球は面白くないなぁ……」そんな感じで、ぼやきながら入ってきますからね。友だちの講演家のように、講演会でいきなりステージに座って、足を投げ出して、コーラをキューって飲んで、「なんで来たの?今日」そんな、粋な始まり方をする人もいます。スゴイ!話し方50最初は抑えて入って、だんだん盛り上げていく
笑いが大切セミナーや講演で、とても大切な要素に「笑い」があります。「笑い」は、ワークと同様、会場の雰囲気を柔らかくしてくれますし、お客さんを飽きさせない効果があります。定期的に笑いをまぜ、聞いている人たちの心をリフレッシュさせるのです。実際、笑っているほうがしかめっ面で聞くよりも学習能力が高くなります。時事ネタから笑いを派生させるのもいいし、自分と主催者さんの関係性からや、会場がある地域の土地柄との関係性からも笑い話を展開することができます。「昨日のサッカーなんですが……」「今日の主催の〇〇さんと初めて出会ったのは……」「〇〇市に来るのはたしか3年ぶりと思うんですが……」「今日、出てくるときにオフクロからこう言われたんです……」「会場の雰囲気を見ると、今日の皆さんはかなりユニークですね……」などなど。「笑いを取るのが苦手だ」という方もいます。本筋の話で笑いを取るのは難易度が高いので、たとえ話で笑いをとるのはどうでしょうか?また、会場に向けて質問をするのも効果的です。「食事のときに、好きなものから食べますか?それとも最後に食べますか?」と、聞かれると脳は勝手に答え探しの旅に出かけます。あなたのワールドに彼らが迷い込んだということです。ある日の講演会でのこと。司会の女の子がすごく緊張しながらも一生懸命にやっていて、会場の皆さんも一緒になって緊張の空気に飲まれていたんですね。登壇した僕は、「今日の司会の方は初めてらしくて素敵ですね」と言った後、「朝靄越しに見る湖のような人だ」と表現すると一気に会場は笑いと穏やかな優しい空気に変わりました。以前に、タレントの関根勤さんがバラエティ番組の中の「素人勝ち抜きコーナー」で、素人さんが出てくるたびに、「パクチーが苦手です」とか、その人のイメージをズバッとひと言でたとえるのを見たことがあります。今や司会にひっぱりダコの有吉弘行さんも、再ブレークのきっかけになったのは、その場で共演者に絶妙なアダ名をつけるというパフォーマンスでした。瞬間、瞬間、目の前の人や、空気感を「言い当てるような言葉に変える練習」は、まさに脳の活性化にもってこいです。「カワイイ人ですね!ピンクのウサギさん?!」「あら?!男子が多いね!工業高校の同窓会?!」「わからなかったらなんでも聞いてください。『バナナはお菓子に入りますか?』とか」「まさしく魂のおしくらまんじゅうですね」「馬車がカボチャに変わらないうちに帰りましょう!」ただ1つ、注意点があります。「相手をおとしめる毒舌」になってはいけません。ぜったいに、「相手を下げない」というのは忘れないようにしてください。また、非常に反応がよかったセミナーだから、お客さんが大きく変化するとは限りません。静かに聞いているけど、心の中が信じられないぐらい大きく動いている場合もあるので、話していることが皆さんの心に浸透していくイメージを大切に話しましょう。スゴイ!話し方51会場を柔らかくする「笑い」は、たとえ話でとる
ハプニングはおいしいセミナーや講演にハプニングはつきものです。でも、実はこのハプニング。とてもオイシイ。僕は講演などでハプニングが発生すると、それを「笑い」に結びつけるようにしています。たとえば、以前に講演会でこんなことがありました。登壇して、いざ、しゃべろうとしたら、持ったマイクの柄の部分にテープが巻いてあって、それがずれていてベタベタしたんです。そこで僕は、お客さんにこう言いました。「聞いている皆様にはおわかりにならないと思いますけれども、僕は今、このマイクと闘っています。このマイクがね、テープがずれてネバネバしているんですよ。触ってはいけない、触っても喜べない不快感と共存しているのです」こう言うと、誰もが僕がどのような状態になっているのか理解してくださいます。その上で、僕の前にそのマイクを使ってしゃべっていた友だちの講演者に対して、「ねえ、このマイクに何かした?」そうしたら、今度は会場の主催者が気をつかって、濡れたタオルを持った女の子が舞台のソデから出てきて、マイクを拭いてくれたんですね。それに対して僕が、「えっ?そんなサービス付き?」「ていうか、彼女って皆さんにも、肉眼で見えていますよね?」と本来なら違和感を持ちながら続行し、もしくは途中で間ができてしまう状況を笑いで切り抜けました。ハプニングは笑いで切り抜ける!別の講演会ではこんなことがありました。僕が話をしているときに、会場のスクリーンの後ろから、コツコツコツって足音が聞こえたんです。要は、誰かがスクリーンの後ろを右から左へ移動して、その足音が会場に響き渡った……。「今、赤い服の女の子がステージを横切ったの、見えました?!」「もしかして、これ、僕にしか見えてない?」ちょっとしたことでデリケートに講演者の心は揺れるものです。会場から鳴り出した携帯電話の音にも……。「いい音色ですよね。あ!電話、出てくださいね。出前かも(笑)」こういう一瞬、障害になるハプニングも笑いに変え、皆の心が緩むのもライブならではの面白さです。大切なことは、さっきの「〇〇と闘っています」「肉眼で見えていますよね?」「いい音色ですね」などの「表現のバリエーション」を普段から増やしておくことです。「感情を表す絵の具」のような言葉を増やしておくこと。以前、ある人に、「これ、お菓子です。どうぞ!」とお渡ししたとき、「えっ、餌付け?ありがとう!」と言われ、絶妙な返しだなって感心しました。そういう絶妙な表現も、覚えておいて、コミュニケーションの小道具としてストックしていくとよいと思います。スゴイ!話し方52ハプニングは、絶妙な表現で「笑い」に変える
講演はキャッチボール僕は、講演というものも、普通の対話と同じように、聞いている相手とのキャッチボールだと思っています。講演会やセミナーでのしゃべり方って、「昨日、こういうことがあって……。これ、どう思います?それでさ……」って。この「これ、どう思います?」という部分がすごく大切と思っています。ただ、講演の場合、対話と違って、相手の声は直接には聞こえてきません。「これ、どう思います?」によって「私はこう思う!」と会場の人の声が彼らの心の中に生まれます。「今、僕がこう言ったことによって、たぶん聞いている人はこう思ったんだろうな」ということを感じながらしゃべることが大切です。自分と聞いている人のコラボレーションがその日のセミナーの出来を決定させます。自分が言ったことについて、聞いた方がどう思ったかは、講演の回数とトライ&エラーを重ねるうちにだんだんわかるようになってきます。僕は、講演のときに、お客さんとの間に壁を作りたくなくて、演台のところにとどまっていられません。舞台の上を、あちこち動きまわってしまいます。これはもう、自然に体が動いてしまう。やはり、お客さんとキャッチボールをしているという思いが強いので、演台を挟んでしまうと、自分とお客さんとの間のエネルギーがつながっていないような気がしてしまうんです。「ライブ中、誰に笑顔を送っているの?」と友だちの歌手の人に質問しました。すると、こんな答えが返ってきました。「非常口のグリーンのサイン」に笑いかけると、お客さんは『自分と目があった。笑って返してくれた』って思ってさらにライブに熱狂してくれる。笑顔も最高のコミュニケーションですね」スゴイ!話し方53講演は、聞いている人に語りかける
大勢の前で話すときの注意点1講演会やセミナーなどで大勢の前で話をするとき。あるいは、本の原稿を書くとき。とくに気をつけなくてはならないことがあります。それは、「この話や原稿が誰かを傷つけていないか?」ということ。つまり、特定の職業や立場の人を傷つけてしまう言い回しはしないということ。たとえ良かれと思った内容でも、その話によって傷つく人がいるのなら、話さないほうがいいのです。マイクを持って話す、原稿を書くってことは大きな力をいただくということ。なので、その力を誰かの人生が向上することに使うべきなのです。「この論法だと、こういう人を傷つけかねないな」という思いは常に頭の片隅に置くようにしなくてはいけません。たとえ、話をしながらでも、誰かを傷つける可能性のある言葉に対しては、瞬時に頭の中で警報がなるくらいに敏感になり、慎重に言葉を選べるようにならなくてはいけません。逆に、素敵な話はどんどんするべきだと思います。「今日、参加している〇〇さんは、素晴らしい!先日……」「昔、〇〇さんにこんなことを教えてもらった。今もそれは僕の心に残って……」「昨日、〇〇さんと会っていたときに、こんなことが起きた。でも、〇〇さんは動じず……」と人を高く評価する話はドンドンしましょう!スゴイ!話し方54誰かを傷つけてしまう表現に敏感になる
大勢の前で話すときの注意点2講演会やセミナーなどで大勢の人の前で話をするときの注意点。2つ目は、こちらです。「盛り上がればよい」というわけではない。これは話がうまい人ほど陥りやすい落とし穴なので注意してください。しゃべり手なら誰でも、盛り上がる会場と盛り上がらない会場だったら、前者のほうがいいに決まっています。でも、ここでちょっと考えてみてください。話している最中はたしかに盛り上がって、聞いているお客さんはみんな楽しげに帰っていったかも知れません。けれども、みんながその日をきっかけに大きく変わることができたかどうかは、まったく別の話です。もしかしたら、その場を楽しんだだけで、翌日には聞いたことを全部忘れているかも知れない。逆に、一見、まったく盛り上がらなかった会場にいた人が、話を聞いたことによって目からウロコが落ちて、翌日からの人生が違ったものになったかも知れない。僕の今までの経験で言うと、無反応にしか見えなかった人が、実は講演会というものに慣れていなかっただけで、ドーンと感動していたりということがよくあります。講演を聞いた日は内容を把握し切れなくて戸惑っていたけれど、1日経ったら腑に落ちて、次の日からの行動が変わったりとか、そんな人は実は意外に多いものです。それと、不思議なもので、しゃべり手が全力を出し切っているときって、聞いている人たちの満足度がそれほど高くなかったりします。逆に、なにか乗り切れず、ギクシャクしている、調子良くないなと感じ、うまくはいかず、丁寧にやることに専念したりするときがあります。終わってみると、「今日の講義が過去に聞いた中で一番よかった!」と言われたりします。喋り手が調子に乗ってしまうと、自分を押し付けてしまうケースがあります。謙虚さを大切にマイクを握りましょう。精一杯しゃべるよりも、利他の心をもって、聞いている相手のことを考えながら、その反応を冷静に観察して、伝えるテクニックを駆使した、8割の力の話──。そのほうが、聞き手の理解度は高いし、疲れない。第2章でお話をしたように、「7〜8割のしゃべり」を自分のものにするまでに、試行錯誤を繰り返して3年かかりました。また、講演終了後にもらう、参加者からのフィードバックも大事にしたいです。「前半のあの話がよかったです」という人もいれば「後半、一番最後の話で泣いてしまいました」という人もいる。「俄然、例の話がよかった」と自分でも驚く箇所をよかったと褒めていただくこともしばしばです。フィードバックを次に活かしていくことで、常に進化することができます。ただ、進化よりも、もっと大切なことがあります。その学びを得たエピソードを紹介しましょう。昔、ラスベガスで有名だったマジシャンのショーに参加したときのことです。あらかじめ、全シートにトランプが置かれていて、「これは私がおじいさんに教えてもらった、初めてのマジックです」と、そのマジシャンは始めます。「1枚目を〇〇してください。そして……、そして……」と続き、最後にある1枚のカードをめくると、なんと会場にいる参加者全員、同じカードになるのです。彼にしてみたら単純なマジックだと思いますが、最新の複雑なマジックと変わらない新鮮な感動を、皆が共有しました。マジックショーも講演も、大勢の人たちの心を動かすという点では共通しています。登壇する側としては、「より新しいネタで、より高度な、より複雑な」と手を加えていくのが進化だと考えがちですが、受け手としては、「よりシンプルで、より真理をつく、より理解しやすいもの」を期待しているのではないでしょうか。スゴイ!話し方55「盛り上がったから成功」ではないと心得る
講演の台本のまとめ方僕は、講演会で話す内容を、いつも講演の1時間前に考えるようにしています。どうして、そんなに直前になってから考えるかというと、それよりも前に「話すこと」を考えてメモを用意すると、いざ、本番になってメモを見ても、何を話す予定だったか思い出せなくなってしまうことがあるからです。なので、本番の1時間前くらいに、ダーっと話す内容を考えたほうが、メモを見て、パッと思い出すことができます。この「講演用のメモ」というのは、僕の場合、すべて「チャート式」です。「チャート式」って、流れを図式化したもののことですね。話す項目の単語が書いてあって、そこから矢印が次の単語に伸びている。そこからまた次の単語に矢印が伸びていて……と、そんなイメージ(次ページ参照)。
つまりは、スピーチの設計図ですね。多くの人は、僕の講演はアドリブだと思ってくださっていますが、実はいつも、1時間前に作ったチャートが書かれたノートを手元に置いて、その通りにお話をしています。チャート式にまとめる癖は中学校のときの社会の先生のおかげなんです。この先生の授業が、とてもユニークで、「次回の授業は教科書の何ページから何ページまでをやるので、それをチャート式でまとめて来なさい」って宿題を出すんですね。それで、次の授業になると、生徒の誰かが指名されて、自分がまとめてきたチャートを黒板に書いて、その生徒が黒板を指で差しながら授業をやるんです。授業時間の半分くらいは、指名された生徒が説明をして、残りの半分は、それまで生徒の説明を聞いていたその先生が出てきて、「このまとめ方はわかりにくい。ここの矢印はイコールにするほうがいい」なんて言って説明を手直しする。歴史の授業ではなく、教科書の文章をチャート式に変換させる方法の授業なのです。でも、おかげで僕は、チャートでまとめることがすっかり身について、今でもこうして、講演の台本を作るときや人の話をまとめるときに役立っているんです。人の話を聞くときのメモも、僕は聞きながら、頭の中でチャート化します。聞きながら、すでに誰かに伝えることができる状態にまで落とし込めるのです。話を元に戻します。僕が講演会の台本をチャートでまとめるのには、「そのほうが簡単でまとめやすい」というほかにもう1つ理由があります。それは、話の大きな流れがひと目でわかるということ。よくスピーチで、「皆さんこんにちは」って、言うことのすべてを文字で書いている人がいるじゃないですか。そういう人を見ると、「読んでいるところを見失ったらどうするんだろう」って、他人事ながら心配になります。でも、チャート式なら、基本は単語と矢印と図形なので、「どこまで話したっけ?」なんていう事態にはなりませんよね。書かれている単語は自分の中の話を引き出してくれるキーワードです。たとえば、「三重」と書いてあれば、「僕が生まれた三重県は……」っていうように、しゃべることと連動しています。ですから、単語を目で追っていくだけで、「あっ、次はこれをしゃべるんだな。次はこれね」という流れが全部わかるというわけです。僕は講演のたびに毎回、このチャートをノートに作っていて、たとえ、過去のチャートと重複する部分があっても割愛しないで、最初から最後まで書いています。実はこの「書く」という行為も重要で、大切なところは筆圧が強くなったりして、パソコンよりも手書きのほうが記憶に残るんですね。そんなわけで、この講演用のノートはもう何十冊にもなっています。スゴイ!話し方56話す内容は「チャート式」でまとめると便利
おわりに以前に、チベット密教のお坊さんとセミナーをコラボしたことがあります。そのとき、参加者からこんな質問が出たんです。「私はやる気にはなるのですが、それが続かず、そんな自分を責めてしまいます。そんなときはどうしたらいいのでしょうか?」という内容でした。これに対するお坊さんの回答に、僕は感動しました。「この地球上の人口の約2割の方は、あなたと同じような感情を持っていると言われています。私は2割ではなく、3割の人たちがそうなのではないかと感じています。74億人のうちの3割となりますと21億人以上の方がそういう心の状態にあるということです。そのような気持ちになったときには、同じ気持ちの方が少しでも救われるように、お祈りをしてみるのはどうでしょうか?少なくてもそのお祈りの間、あなたは自分の心の闇に触れることはないと思います」誰かを思い、救う。「利他」の精神が、実は自分を救うのですね。新しい時代がやって来ています。今まで人類が体験してきたスピードの何倍も速いスピードで変化しているのです。だからこそ、どんな時代でも変わらず、大切なことを心の真ん中に置くことで、新しい時代にスムーズに対応ができるのかも知れません。今回、かんき出版さんから声をかけていただき、約30年の間に学んできた「スゴイ!話し方」について、初めてまとめてみました。「話す」とは「発信者になる」ということです。今、こうして書き終えてみてわかったことは、「話す方法」とは「会話を通して、人とラポールを築く方法」だったのだということでした。僕たちは「人類が初めて体験する、核家族から生まれた核家族」だと思います。お父さん、お母さんは「大家族から生まれた初めての核家族」を作った人たち。大家族だと、人間関係を素肌感覚で幼少の頃からたくさん練習することができます。でも、今は人間関係の経験をたくさん積んでいない人たちで世の中は覆われているのです。「基礎練習なしに試合に出ている」状態なのです。この本を読んでいただき、僕の経験が少しでも誰かの役に立ったらとてもうれしいです。こんな機会を与えてくださったかんき出版の大西啓之さん、本当にありがとうございます!著者
■参考文献・『モチベーション3・0』(ダニエル・ピンク著大前研一訳講談社+α文庫)・『イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880』(吉野邦昭・永井堂元著佐藤文昭監修あさ出版)・『動物キャラナビ〔お仕事編〕』(弦本將裕著集英社)・『ハワイに伝わる癒しの秘法みんなが幸せになるホ・オポノポノ神聖なる知能が導く、心の平和のための苦悩の手放し方』(イハレアカラ・ヒューレン著インタビュー櫻庭雅文徳間書店)・『すごい会議』(大橋禅太郎著大和書房)・『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート著金森重樹監修冨永星訳大和書房)■参考にした講演・セミナー(五十音順)池田貴将さん、植松努さん、小田真嘉さん、佐藤富雄さん、陶山浩徳さん、高城剛さん、高橋歩さん、苫米地英人さん、中井耀香さん、中島薫さん、中谷彰宏さん、野田宜成さん、野村克也さん、長谷川朋美さん、平本あきおさん、藤原和博さん、舩井幸雄さん、本田健さん、四角大輔さん*参考にさせていただいた皆さまに、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
【著者紹介】山﨑拓巳(やまざき・たくみ)──1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。20歳で起業。22歳で「有限会社たく」を設立。以来30年間、多岐にわたる事業を同時進行に展開中。──現在まで30冊以上を上梓し、累計120万部のベストセラー作家でもある。主な著書に、『気くばりのツボ』『やる気のスイッチ!』『がらっと』『見えないチカラを味方につけるコツ』(いずれもサンクチュアリ出版)などがある。『気くばりのツボ』は発売直後から、「年収1000万円以上の社会人がこの本に書かれている25の気くばりを実践している」というアンケート結果とともに話題となった。また、『やる気のスイッチ!』は、2010年夏に中国語に翻訳され、2011年には英語版『SHIFT』となり全米で発売。その他の著書も含めて、香港、台湾、韓国ほか、広く海外で翻訳出版されている。──講演も大人気を博しており、「凄いことはアッサリ起きる」‐夢‐実現プロデューサーとして、コミュニケーション術、リーダーシップ論、メンタルマネジメントなどさまざまなテーマで登壇している。これまでに世界でのべ200万人以上に向けてスピーチをしてきた。──本書では、こうした幅広い活動の核となっている、著者独自の「話し方のノウハウ」を初めて公開する。公式サイト:http://www.taku.gr.jp/ブログ:http://www.takublog.jp/Facebook:https://www.facebook.com/takumi.yamazaki
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