会社では教えてもらえない上に行く人の報連相のキホンはじめに第1章今さら報連相って本当に必要?【1】一流の人ほど「報連相」を仕事の要にしている【2】ミスやトラブルの9割は「伝え漏れ」が原因【3】上司の「後にして」は当たり前。どう滑り込むか?【4】報連相は「速さ」に最大の価値がある
第2章評価がみるみる上がる!報連相のキホン
【5】「もらえる時間は1分」と心得る【6】「何を伝えたいか」以上に「相手は何を知りたいか」【7】出された指示が完璧とは限らない【8】何を聞かれてもOKなように、メモをつくる【9】「知らせる」だけならメールやLINEでもいい【10】「お時間よろしいですか?」よりも「3分ください」
第3章いつも最優先で聞いてもらえるムダのない報告
【11】どんな報告のときも「結論から言う」のが鉄則【12】「あの件どうなった?」と上司に聞かれたらオシマイ【13】「経過報告」が実は一番待たれている【14】「悪い報告は早く」が信頼回復のカギ【15】会議の邪魔をしても報告すべきときがある【16】「だんだん」より「70%」、「後ほど」より「1時間後」【17】書面の報告は「一瞬で見られる」ものに
第4章細かい連絡で信頼を勝ち取る!
【18】連絡を軽視していませんか?【19】先方が確認したか、確認するところまでが任務【20】「知らせる」ことそのものに意義がある【21】何回もメールしたのに締切を守られない理由【22】「お礼の連絡」は5分以内。そこが評価の分かれ目
第5章仕事が驚くほどスムーズに進む相談の秘訣【23】できる人は「相談」の使い方が驚くほどうまい【24】「自分一人でなんとかしよう」は二流の発想【25】後回しにされない相談のベストタイミング【26】「丸投げ」では何も教えてもらえない【27】具体的なアドバイスを引き出すポイント【28】相談の形で説得する「3つの選択肢」法【29】反論はNG。一度受け入れて再質問を
第6章上司の「YES」を引き出す!上に行く人の報連相
【30】普段のコミュニケーションが、結局は物を言う【31】「聞き方」ひとつで上司を動かす【32】さらにレベルアップ、説得話法を身につける【33】ときには「感情面」へのアプローチも必要【34】報連相で「提案」までできたら、仕事の達人
はじめに報連相(報告・連絡・相談)というと、新入社員がこれから仕事をするにあたって、最低限身につけなければならないスキルのように思うかもしれません。でも、そのイメージは半分正解、半分不正解です。報連相が必要なのは新入社員に限りません。仕事に慣れてきた若手ビジネスパーソンにとっても大事な仕事の基本と言えます。私は人材育成コンサルタント・研修講師という仕事柄、多くのビジネスパーソンと日々関わり合いを持っています。しかし、報連相については新入社員研修で教えてもらったものの、実践できている人は意外と少ないと実感しています。先日も打ち合わせで訪問したある企業で、こんな場面に遭遇しました。上司「もうすぐ●●さん(お客様)が来社するけど、準備できている?」部下「会議室は押さえていますし、準備できています」上司「そうか。君のお客様なんだから、しっかり頼むよ」部下「はい、わかりました!」この上司と部下の会話を遠目で聞いていて、「あっ、まずいかも……」と私は直感的に感じました。ひと言に「準備」と言っても、この2人の間に共通の認識があるのだろうかと。私が打ち合わせを終えて帰ろうとしていると、また先ほどの上司と部下とのやりとりが聞こえてきました。やはりこういう直感は当たるものですね。上司「だから、準備しておくように言ったじゃないか」部下「自分としては準備したつもりで……」上司「つもりじゃダメなんだよ。わからないなら、何で相談しないんだ!」上司から見て、部下の準備は足りなかったようです。部下としては「上司がもっと的確に指示をしてくれたら」と思いたくなるかもしれません。しかし、上司は1から10まですべて丁寧に指示してくれるとは限らないのです。自分の仕事であれば、やはり自分で考え行動しなければ進歩はありません。「報連相」とは、どんな仕事にも共通する「仕事の基本」です。ただ指示を待って、上司から言われるまで動かなければ、どんなにクオリティの高い仕事をしても評価してもらえません。仕事で成果を出し、評価を得るためには、いかにうまく「報連相」を活用しているかどうかが大きなポイントとなります。本書では、「今さら必要ないのでは?」と思われている「報連相」に焦点を当て、きちんと仕事をこなしているのに評価されない、仕事が思うように進まない、と悩んでいる若手のビジネスパーソンの方を対象にしています。本書の内容を少しずつ実践することで、上司からのあなたへの評価がガラリと変わり、どんどん仕事を任されるようになります。また、今までの何倍もスムーズに仕事を進めることもできるでしょう。報連相は、あなたに与えられた権利であり、また義務でもあります。自分のために報連相することで、上司や関係者から学べる機会が多くあります。また、会社という組織で仕事をしている以上は、組織のための報連相をする義務もあるのです。今まで当たり前と思っていた「報連相」を見直すだけで、あなたの評価は必ず上がっていくはずです。あなたのこれからの人生に少しでもお役に立てることができれば、著者としてこれほど幸せなことはありません。車塚元章
◆今さら報連相っていちいち必要?「あとで報告すればいいや……」「いちいち連絡しなくてもいいよね……」「『いつでも相談して』って上司に言われたけど、まずは自分でやってみよう……」このように、報連相を後回しにした結果、ミスやトラブルが発生し、取り返しのつかないことになったという経験をしたことはないでしょうか?新入社員の頃には多くの企業で「報連相研修」があったり、上司から口うるさく「こまめに報連相するように」と言われ、頻繁に報連相するように心がけていたと思います。しかし、入社数年目にもなると仕事に慣れ、「いちいち報連相する必要はない」と自分で線引きしてしまう人が多いようです。私は研修講師として、多くの企業で新入社員から管理職までの研修をしています。その中で、「今さら報連相なんて必要ない」と報連相をおろそかにして、上司からの信頼を知らないうちに失っているビジネスパーソンを多く見てきました。一方で、上司からの信頼が厚く、仕事を任せられている人もいます。彼らはいつも上司が求めているタイミング、内容で報連相ができています。では、彼らの報連相はほかの人の報連相と何が違うのでしょうか?それは、「上司の立場に立って報連相をする」という点です。どんなにささいな情報だとしても、自分一人では判断せずに、上司の立場に立って必要な情報を伝えています。「もう自分一人で仕事はできる」という少しの余裕が、「こんなことも報告できないのか!」と、あなた自身の評価を落とす原因になりかねないのです。◆適切な段階でフィードバックをもらうために実は、報連相が本当に必要になってくるのは入社数年後です。ある程度、仕事ができるようになった段階で、どれだけ上司に報連相をし、フィードバックを得られるかどうかが、「上に行く人・行かない人」の大きな分かれ道なのです。「とにかく結果を出せ!」と、日頃から口うるさく言っている上司も、実はあなたの仕事の過程、つまりプロセスや仕事の進め方にとても関心があります。どのようなプロセス(経過)で成果が出たのかを上司は知りたいのです。もちろん、正しいプロセスを経た成果であればいいのですが、たまたま出た成果であれば、仕事の進め方を見直さなければなりません。また、チームで仕事をする上で、上司は部下一人ひとりの動きも把握する必要があります。部下一人の動きが把握できないだけで、チームの動きが止まってしまうことがあるからです。ですから、上司は「部下の報連相を受ける必要がある」と常に思っています。部下の立場からすると、忙しそうな上司を見て、話しかけるのをやめてしまうこともあるでしょう。しかし、上司に細かく報連相をし、仕事の進め方を知ることで、適切な段階でフィードバックをもらえ、安心して仕事を任せてもらえるようになります。報連相を上手に活用することで、あなたの成長をアピールする、絶好の機会を得ることができるのです。◆報告・連絡・相談のそれぞれの意味を考える入社数年目に必要な報連相とは、ただやみくもに出来事を伝えるだけではなく、上司が次の指示を出しやすい報連相です。報連相の目的を簡単に説明すると、次の3つです。報告:情報をもとに上司が次の判断、指示をしやすくするため連絡:関係者との間で、情報を共有するため相談:一人では解決できない事柄について、意見やアドバイスをもらうためこの3つの目的を軸に考え、上司へ報連相をすることができれば、的外れな報連相をすることはなくなるはずです。上司から指示を受けるときにも、この3つの目的に沿って考えることで、上司の指示を先読みすることができます。指示待ちではなく、上司の指示を取りに行く姿勢は、あなたの評価をグンと上げてくれるでしょう。「報連相なんて、仕事を始めたばかりの新入社員がするもので、ひと通り仕事ができるようになったらいらない」と考えてしまうかもしれません。しかし、仕事は上司や先輩、後輩と一緒にチームで達成するものです。チームでスムーズに仕事を進めるためにも、報連相は新入社員からベテランまで欠かせないビジネススキルなのです。そして、周りができていない「上司が求めているレベル」以上の報連相ができれば、周囲からの評価が上がる、仕事をどんどん任せられるようになるなど、あなたにとってのメリットが多くあるはずです。
◆「こんなことまで報告しなくてもいいか」今でこそ、「報連相研修」をしている私も、社会人2~3年目には「報連相なんて今さら必要ない」と思い込んでいました。「もう仕事は一人でできる」と、自立した気分になっていたのです。証券会社の営業をしていたとき、担当しているお客様からいただいた要望を自分だけの判断で進め、上司に報告しなかったことがありました。その結果、お客様は私の上司に連絡をし、私はひどく上司に怒られたのです。自分では順調に仕事が進んでいると思っても、それは「自分一人の判断基準」でしかないということを痛感した瞬間でした。上司から仕事を頼まれたときやトラブルが起きたとき、このように考えてはいないでしょうか?・細かなことまで報告する必要はない・人に相談しなくても、自分の力でなんとかできる・上司に悪い話はしたくない、後回しにしたい・そもそも報連相の正しいやり方がわからない・報連相しても上司が聞いてくれない先ほどもお伝えしたように、上司は部下の仕事の過程に関心があります。上司はいつでも「報連相」してほしい。でも部下は「報連相するほどのことでもない」と思う。ここに大きなギャップが生まれています。「報連相する・しない」の基準を自分で決めてしまうと、ミスやトラブルを引き起こす大きな原因となるのです。◆「伝わっていない」を前提に上司「そういえば、先週頼んだ資料ってもうつくり終わった?」部下「終わったのでもうお客様にメールでお送りしました」上司「あ、そうなの。一応ちゃんと報告してくれないと困るよ……」部下「(ちゃんと伝えたんだけどな……)」このように自分では伝えたつもりなのに、上司には伝わっていないという経験はありませんか?せっかく頼まれた仕事を完璧にこなしたのに、「聞いてないよ」と言われてしまうのは非常にもったいないことです。また、当たり前のことですが、報連相は相手に伝わらなくては意味がありません。あなたが上司に伝えているつもりでも、上司が伝わったと思わない限り、報連相したことにはならないのです。実は、この「報連相しているつもり」という状況が、多くの職場で問題になっています。部下は報連相しているつもりでも、上司からしてみると報連相されたと思っていない。このようなミスマッチが現実に起こってしまっています。私も含め、人は基本的に自己中心です。自分を基準に物事を考える傾向があります。報連相でも、伝えることだけにとらわれてしまい、上司がその内容を理解できたかどうか、伝わったかどうかまで関心がないのです。報連相とは一方的ではなく、双方が理解することによって成り立つコミュニケーションです。「報告しろ」と言われたから仕方なく報連相しているだけでは、お互いの主張はわからないままです。たとえば、友人に何かを相談するときには、自分の主張が相手に伝わっているかどうか確認するでしょう。報連相も同じように、たとえ相手が上司であろうと自分の主張が伝わっていることを確認することが必要不可欠です。一方通行の報連相ではなく、双方向の報連相ができるようになれば、仕事はより一層あなたのペースで進めることができ、ミスやトラブルも減っていきます。報連相は相手にきちんと伝わらないと意味がないのです。
◆余裕がなさそうなときは、さっと引く「上司はいつも忙しくて話を聞いてくれない」「聞いてもらえるタイミングがわからない」こんな悩みを抱えている方も多くいらっしゃるでしょう。「相手の立場に立って物事を考える」。よく聞くフレーズですが、これほど難しいことはありません。でも、報連相では相手にとって必要な情報を、必要なときに、必要なレベルで提供することが重要です。とくに、上司に対する報連相は最も頻繁に行われるはずですし、常に上司の立場で報連相を考える必要があります。まずは、上司は「いつも忙しい」ということを頭に入れておきましょう。忙しい中で、「上司が最低限知りたい情報は何か?」「上司が知りたい情報はどのレベルなのか?」「どういった手段で報連相してほしいのか?」などを、報連相する前に頭の中で整理すれば、何を伝えればいいかが明確になります。常に上司が求めているレベルで報連相ができれば、あなたの評価は劇的に変わっていくはずです。しかし、上司が明らかに機嫌が悪そう、珍しくイライラしている、トラブル対応で忙しそう、さすがの課長も少し余裕がないという日もあるでしょう。そう感じたら、少しタイミングをずらすことが大切です。そのようなときに話しかけても、まともに話を聞いてもらえませんし、よけいに上司の機嫌を損ねてしまうことにもなりかねません。上司も人間です。機嫌の波が激しいときももちろんあります。ですから、「相手の立場に立って、タイミングを見極める」ことも大切なのです。
◆スキマ時間を狙う上司の忙しそうな曜日や時間帯を把握しておくということも、後回しにされないための予防策となります。1日の中でも、少し余裕を感じられる時間帯があるはずです。「課長はいつも誰よりも早く7時30分には出社している。8時まではゆっくり過ごしているので、その間に相談しよう」と決めておくのも手です。基本的に上司は「いつも忙しい」と考え、話を聞いてもらうためには「上司の都合のいいタイミング」を見つけることが重要です。また、「こういう状況のときは報連相する」といったスケジュールを組んで、それを上司に事前に伝えておくことで、報連相のアポイントを取ることも有効です。たとえば、「ここまで業務が完了した時点で、一度中間報告をさせてください。来週の火曜日を予定していますが、よろしいでしょうか?」とあらかじめ伝えておけば、上司もその時間帯には少し余裕を持ったスケジュールを組んでくれるはずです。あるいは、「今回の案件は2カ月の長期に渡るので、毎週金曜日に進捗について報告させてください」という形でもいいでしょう。上司の都合がいいタイミングがつかみづらいなら、前もって上司のスケジュールを押さえてしまえばいいのです。報連相しなければいけない情報に対して、「いつ報連相するのか」を見極める力を持つことも、信頼されるビジネスパーソンへの近道です。
◆トラブルを未然に防ぐ仕事上のミスやトラブルは新人だけでなく、誰にでも起こります。そして、一度起これば対処したり、リカバーすることにかなりの労力を費やすことになります。ですから、未然に防ぐことができればベストです。当たり前ですが、上司には多くの経験や実績があります。その上司の経験や実績を、報連相によって「借りてくる」ことができるのです。これまで行ってきた仕事について報告や相談をすれば、上司は次の展開に向けたアドバイスをしてくれるはずです。「君の報告はよくわかった。ここまでは順調のようだな。しかし、今のやり方をそのまま続けると、お客様からのクレームになる可能性がある。別の方法も考えよう」と、アドバイスをもらえれば、思いもよらないミスやトラブルなどを事前に回避することができます。報連相のメリットは、このように「上司の経験や実績を自分のものとして取り込むことができる」という点にあります。うまく使いこなせば簡単に上司からアドバイスがもらえたり、助けを求めることができるのです。上司からのアドバイスで、自分では思いつかなかった対処法などを学び、次にトラブルが起きたときにも活かすことができます。報連相することによって、知らない間にあなた自身が成長できるのです。◆すべての仕事の基本報連相することで上司に助けてもらう一方で、上司を補佐することもできます。たとえば、上司が忙しくて、今日中にお客様へ送らなければならない資料に目を通せていないとしましょう。もしその資料にミスがあった場合、お客様からの信頼を失うことになります。そんなときに、あなたが入念にチェックを行い、ミスを報告することができれば、「よく知らせてくれたな。おかげでお客様とトラブルにならずに済んだよ。ありがとう!」と上司から言葉をかけてもらえるはずです。このように報連相はコミュニケーションでありながら、ミスやトラブルを事前に防ぐ「手段」でもあるのです。報連相が「すべての仕事の基本」と言われるのは、「わかりやすく簡潔に伝えるスキル」だけではなく、「仕事の段取りがうまくなるスキル」「周りを見て判断するスキル」「自ら成長するスキル」が身につけられるからです。仕事をスムーズに進める手段として報連相をうまく活用し、自立した信頼されるビジネスパーソンに成長していきましょう。
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