実践!情報を活かすための個別フォルダ管理のステップ
1個別フォルダ化作業を進める2個別フォルダ名のつけ方の基本3よくあるNGタイトル4ワリツケ式分類とツミアゲ式分類5代表的な6つの分類6検索性が上がる並べ方のポイント7情報活用度が上がるタイトルのつけ方8手持ちの書類だけで作る「マイファイル管理表」片づけスキルを手に入れるには
個別フォルダ化作業を進める必要な書類を個別フォルダ単位でまとめていく整理終了後、いよいよ個別フォルダ化していきます。1センチ程度までの厚みになるように入れていきましょう。個別フォルダの中で分けたい時は、付箋や仕切り紙、見出しタブシール等の文具で工夫します。サイズが不揃いで落ちそう、汚れが心配……、そんな場合はクリアファイルを個別フォルダの中で使うという手もあります。簿冊式ファイルに綴じられているものも外して、個別フォルダに移し替えていきます。もし、引き続き綴じて使う必要があるなら、ファスナーを使って差し替えれば、遜色なく使えます(第3章6項)。クリアポケットタイプなど1枚ずつめくって順番に見る必要がある(例えば、メニューのような場合)も個別フォルダで管理が可能です。個別フォルダに移し替えたら、思ったより省スペース化が図れるでしょう。個別フォルダ化する時の原則1つの個別フォルダの中に、特定の業務をまとめて入れる場合、年度が違う書類は混ぜないようにします。「A業務資料」の個別フォルダに、「2018年度」「2019年度」「2020年度」など複数年度にまたがって書類を入れません。「決算〇年~〇年」というように、年度を跨いで綴じられた分厚い簿冊式ファイルを見かけたことはありませんか。古い年度ほど処分対象であるにもかかわらず、綴じられて処分がしにくくなっている。書類が机・事務所に停留する最大の理由はこれです。個別フォルダを使っても、年度違いの書類を入れれば、停滞を招きます。同じ業務でも年度別で分ける。これだけでも処分の基準が明確になり今後の滞りが防げます。今後は、日々個別フォルダで管理すれば、年度が混ざるようなことは発生しませんのでご安心ください。
個別フォルダ名のつけ方の基本中身が正確に推測できる個別フォルダのタイトルは、中身が何か、具体的かつ確実にわかるように工夫します。パンフレットが入っているから「パンフレット」と書く。これでは50点です。企業案内、商品案内などさまざまな種類があり、またお客様に配布するため、過去どのような商品を置いていたかを確認するためなど、様々な目的もあるでしょう。例えば、「パンフレット(企業案内)」「パンフレット(商品案内)」と書けば、具体的にわかりますよね。あるいは、「パンフレット(取引先配布用)」「パンフレット(過去商品確認用)」と、目的を補うこともできます。こうした「置いておく目的」を意識することがタイトルに影響することもあります。今後、ファイリングを効率よく使いこなせるかどうかの大きなポイントになります。また「配布禁止」や「済」を入れると、数文字で内容を的確に表現できます。こうした工夫を徹底することで、探しやすくなるのはもちろん、誰が見てもわかる個別フォルダの配列を作る下準備になります。誰が見ても同じ書類が出てくるタイトルに「自分しか見ないから、タイトルは適当でいい」という人がいますが、突然、誰かに探してもらうことがあるかもしれません。数年たてば、自分が書いたタイトルでも「これ何だっけ?」ということもあります。たった数文字で、その後のアクション数は何十回・何百回と変わるので馬鹿にできません。だからといって、長いタイトルをつけると、ラベルの字が小さく見えにくくなり、読むのも面倒になってしまいます。文字数は印刷後の大きさもイメージし、だいたい15文字前後を目安にするとよいでしょう。
よくあるNGタイトル重要は何のため?ここでは、よくあるNGタイトル事例を見ていきましょう。まずは「重要」。これがダメな理由は、意図がわからないこと。基本的に、書類は全部重要だから置いているはずです。「【重要】〇〇契約書」「△△契約書」とあっても、なぜ、〇〇契約書が重要なのか、タイトルだけではわかりません。実際にあるのは、「あの時探していたこの書類、『重要』のところに入っていたんだ」というケース。結局、あいまいなタイトルが紛失のもとになり、いざ必要な時に使えないのです。「最重要」と書かれた古い簿冊式ファイルの書類を恐る恐る開けてみたら、「当時はこの書類、最重要だったんですね」「最重要なのに、中身が忘れられているなんて全く意味ないですよね」と失笑されることもしばしばです。しかし、「重要」というタイトルをつけた個別フォルダは、事務所内から持ち出し禁止、もしくは処分の時に上司に確認をするなど、何か明確なルールのもと運用できるのであれば、有用に使えるキーワードです。よく似たものだと、「至急」「緊急」もNGです。「〇〇関係」「その他」も紛失のもと他にも避けてほしいキーワードが、「〇〇関係」「等」や「その他」「雑件」です。一見関係のない書類も「関係」や「等」に惑わされ入れてしまいがちなので、注意が必要です。対策は簡単。これらのキーワードを使わないよう工夫していくだけです。「〇〇書類」も意味がない言葉です。どの個別フォルダの中身も、ほぼすべて書類のはず。つける意味がない不必要な文字は、1字でも削りましょう。その1文字が、書類を探す時のムダな情報となり、紛らわしくなるのです。厳選した文字を使って、タイトルをつけていきましょう。
ワリツケ式分類とツミアゲ式分類実際にある書類から分類を作っていこう個別フォルダ化が終わったら、次はフォルダの分類を作ります。本来、ファイリングシステムでいう「ワリツケ方式」「ツミアゲ方式」とは、総務部門から示される共通分類と、各部門が作り上げるオリジナルの分類を指しますが、ここでは分類の手法として解説します。ワリツケ式分類というのは、「予算管理」「人事」「営業」など、最初に大きな分類を作り、ここに入る情報(個別フォルダ)を集めてくることをいいます。大・中・小と上から分けて行きます。メリットは、作業が早い点。デメリットとしては、分類量に偏りが出ることです。量の多い業務だけ、やたら階層が深くなって探しにくかったり、すでに頭の中にある分類の固定が強く、新たな分類を柔軟に作り出すのが難しいため、使いにくいという点が挙げられます。一方、ツミアゲ式分類というのは、個別フォルダに共通点がないばらばらの状態。そして、a、b、cの3つのフォルダで「予算管理」だけど、a、b、fのフォルダだと「来年度A業務の予算計上資料」とまとめることもできる。こんな風に新たな共通点を見出し、分類を小→中→大と上へ作り上げていく方式です。メリットは、今、必要な分類を作り上げていける点です。また、まとまりによって量が偏らないように作るので、完成時の階層が浅く、圧倒的に使いやすいのも特長です。デメリットは、慣れないと、作業が全く進まないという点です。2種類の分類を使い分けるとベスト実際、9割以上の方が無意識にワリツケ分類を使っていますが、「なんだか使いにくい」「分類がしっくりこない」「迷子フォルダが出る」、そんな時は、ツミアゲ式を使うと改善します。ワリツケとツミアゲ、両方を使いこなすことができると、より使いやすい新しい分類が完成します。
代表的な6つの分類一目でわかる分類のヒントここで、よく使われる6つの分類をご紹介します。あくまで代表的な分類事例の参考としてご覧ください。①相手先別取引先名、組織部門名など、相手の名前で分類します。取引先なら「〇〇工業」、社内なら「総務課」など。検索時に「誰とやり取りしているか」が、一番わかりやすいなら、相手先別分類がお勧めです。②主題別書類の中に、何が書かれているのかの内容やテーマをもとにまとめるものです。例えば「○○プロジェクト」や「新入社員採用」など、業務内容にそって考えます。③形式別稟議書や申請書などの書類の形式で分類します。決まっている手続きや、定まったやり方にそって、仕事を進める文書とイメージしてみてください。④標題別本書の標題が印刷された書類をそのまま個別フォルダのタイトルに使う方法です。「注文書」や「見積書」「備品管理台帳」などもそうですね。⑤一件別工事や訴訟、取引など開始時から終了まで、関連するものをまとめるものです。システム導入のための契約から、廃棄までの記録を一連してまとめるのも一件別と扱います。⑥数字別書類に通し番号をつけ、一定数の数でまとめて番号順に管理します。例えば、「起案1~10」「起案11~20」などです。この場合、何番がどの内容かわかる一覧表を作成し、一緒に入れておくなどの工夫が必要です。
検索性が上がる並べ方のポイント本当に使いやすいか、客観的に推敲する出し入れの効率がいい個別フォルダの並べ方は、「使用頻度順」です。取引先別フォルダを使用頻度の高い順に並べると、とても便利です。ただし、他の人と共有で使う時には注意が必要です。なぜなら、使用頻度順は、他人にとっては何の意味も規則性もない並び順なので、探し出す際にヒントが全くなく、目的の個別フォルダにたどり着けないこともあるからです。取引先フォルダを共有で使うなら、使用頻度順ではなく、「五十音順」に並べ、「誰もがわかる」状態を優先しましょう。このように、同じ個別フォルダでも、使用目的・シーンに合わせて並べ方を工夫するほど検索性は上がります。使ったらガイドの後ろに戻す使った個別フォルダを、中分類(ガイド)のすぐ後ろに戻すという運用方法もあります。これなら、常にガイドの後ろには一番よく使う個別フォルダが自動的に並ぶため、便利です。共有する書類があるか、または自分の仕事を次の担当者へ引き継ぐ前提があるかなど、事情に合わせて、うまく使い分けていくとよいでしょう。相互排他的なタイトルになっているか他にもよくある失敗例として、「請求書」と「請求書(A社)」という2フォルダのように、情報が内包して階層化していないか気をつけてください。「請求書」フォルダの中にA社の請求書を誤って入れてしまいますし、それも間違いとは言えません。「請求書」という分類が、「請求書(A社)」フォルダの書類までをも含んでしまうタイトルになってしまっている。これが紛失のもとです。対策としては、「請求書(B・C社)」と書く。すると、情報として対等になります。一方を選択すれば、他方には含まれない相互排他的なタイトルを全個別フォルダにつけることを、意識するとよいでしょう。
情報活用度が上がるタイトルのつけ方上手なタイトル活用の事例をご紹介個別フォルダのタイトルは、中身が正確に推測できれば「○」、紛失の原因になるタイトルや意図がわからないものは「×」とお伝えしてきましたが、タイトル次第で情報活用度が一気に上がる「◎」の具体例を、いくつかご紹介します。ある企業では、簡単なチラシを作る仕事が忘れた頃に舞い込むそうで、その際、参考になりそうなデザインを見かけるたびに集めていました。これまでは「資料」というフォルダタイトルで保管していましたが、個別フォルダの存在すら忘れられ、結局活用できていなかったそうです。そこで、タイトルを「広告デザイン(制作時参考)」としたところ、実際に使用したいタイミングで活用されるようになりました。職場の人間関係や経営にも影響が新聞や雑誌の切り抜きをまとめた「切り抜き」フォルダ。それまで誰も見向きもしなかったのに、「自社特集記事・掲載記事」とタイトルをつけ、年度ごとに分類した途端に、社員が興味を持つようになったそうです。自分が就職した年や過去のイベントの記事などを各自が懐かしみながら見て、話に花が咲いたこともありました。また、ある企業の社長は、「自社の仕事とかけ合わせたら面白そう」とピンときた情報を「資料」として置いていましたが、誰も興味ないだろうと、処分を検討していらっしゃいました。そこで、個別フォルダ化して、社員のみなさまとシェアすることを提案。社長がつけたタイトルは「〇〇社長の思考」でした。すると、社員がその個別フォルダの中身がどんなものか気になり、その場でシェアが始まりました。そして、社長が集めた情報を見ながら、「このサービス、いいと思っていました」「こうアレンジすれば実現しそう」などの意見やアイデアが集まってきたそうです。個別フォルダのタイトル次第で、経営者の想いが形になった事例です。
手持ちの書類だけで作る「マイファイル管理表」完璧な管理を目指す方にお勧め個別フォルダの分類ができ、並び順が決まったら、個別フォルダのタイトルをざっとエクセル一覧表に入力していきます。自分の持っている書類の一覧表、つまりデータベースが完成します。本来、組織単位で作成する「ファイル基準表」の個人バージョンです。エクセル左の列から、分類時に作った「大分類」「中分類」のタイトル「フォルダタイトル」「廃棄年月日(保存期間)」で一覧にします。これさえあれば「どんな書類を持っているのか、いつ廃棄するのか」までが一目瞭然となります。自分だけの簡易な表なので、この程度で十分。もし、他にも備考・メモ欄など必要な項目があれば列を追加し、オリジナルのファイル管理表を作ってください。入力が終わったら、タイトル、分類・配列を俯瞰しながら修正を加えてきましょう。ただフォルダタイトルを順に入力しただけの表と、情報資産一覧表として仕上がった表とでは、ただ名前を羅列した表と、五十音で所属別に入力された名簿くらい完成度が違います。コンサルティング時に、一番時間をかけてフィードバックをし、熟考するのがここです。もし、より高い完成度を目指するなら、完成した表を周囲の方に見てもらい、「自分以外の人でも、このフォルダタイトルで中に何があるかがわかり、書類をさっと探せるか」という視点で意見をもらうとレベルアップが図れます。ファイル管理表の価値ファイル管理表があれば、全体量の把握もでき、人事異動の際には次の担当者にこの表を渡すだけ。書類の場所までいかなくても検索できます。さらに、このタイトル一覧を作っておけば、差し込み機能でフォルダラベルを印刷する準備にもなります。ただ繰り返しますが、本来は所属部署で作り、共有運用するべきものです。自分の手持ち書類の一覧が完成したからといって、くれぐれも、書類の私物化を強めることのないように注意してください。
COLUMN5片づけスキルを手に入れるには本を読んだ、やる気になった。さあ明日、効果があると思ったことを全部やってみよう!……これは、完璧主義の思考・行動パターンです。これまで、たくさんの人と片づけを通じて接してきましたが、完璧主義の人は片づかない傾向があることに気づきました。忙しい合間に重い腰を上げ、やる時は一気に。ラベルや収納用品をそろえ、美しく仕上げるのですが、その後、あっという間にリバウンド。その時に作業した一部の簿冊資料だけ、きれいに見出しシールが並べて貼ってある割には、普段使っている書類は山積み──なんていう経験のある方は、このタイプかもしれません。では、片づけが成功する人はどんなパターンかというと、「習慣化」できる人です。とにかく最初は数分から、毎日少しずつ作業をしてくださいとお伝えしていますが、不思議なことにこれを続けると、次第に意識せずとも片づけ作業に取り組まれるようになります。例えば、ランチ前や帰り際など、ちょっと席を立つ前や気になった時に片づけるようにしてみると、そのうち、書類をもらった瞬間や、引き出しを開けたついでに、さっと不要な書類を出し処分するようになったり、何かのついでに整えるような行動をしています。その頃には、個別フォルダも、自然と向きがそろっていることでしょう。習慣化がすごいのは、無意識にその行動ができるようになることです。例えば、初めてパソコンを使った時、キーボードをじっと見つめながら、人差し指でぽつぽつと入力していませんでしたか?この状態で文章の内容に集中するのは難しいと思います。ですが、今、内容に集中しながら入力できるのは、無意識にキーボード入力ができるからです。つまり、片づけ行動が習慣化すれば、無意識にいつも環境が整うだけでなく常に頭の中を、目の前のコトに集中して使えるようになります。「片づければ、仕事がうまくいく」という表現は大げさに感じるかもしれませんが、時間を生み出す上、物事に集中できるなら、きっと今より仕事がうまくいくことでしょう。
コメント